神機の強化・メンテナンスはアナグラ各所に設置されたターミナルを通して電子申請され、その申請を受理した整備班によって行われる。アナグラから帰ってメンテナンスを申請すれば、翌朝には整備が行われた状態で戻ってきて、いつも通り出撃ができるという仕組みだ。
ただ、僕の場合はプロトタイプの神機であることもあり、単なる整備だけでは終わらない。神機のレポートは今もまめに博士に報告しているし、整備班の方々と細かな変更について話し合う。些細な理由で死にたくないからね、まめにもなる。
防衛班を総出させたあの大仕事の影響もあるだろう。結局200体くらい倒したんだっけ。
『唯我』の状態はどうなっていることやら……流石にメンテナンスしないわけにもいかない。
そういうわけで非番の僕は整備班を訪ねたのである。
「久しいな、笹木くん。……この子は、娘のリッカだ」
「楠リッカです!笹木ホムラくん、だよね。ほんとにいるとは思わなかったよー。ぜったい都市伝説だと思ってた」
どうも、都市伝説の笹木ホムラです、と握手する。
……都市伝説ってなに?
「だって、一夜で家族を失った子どもが8歳でゴッドイーターになって、初陣で大型アラガミ倒して、大人顔負けの活躍をしているんでしょ?降って湧いたヒーローの話に、そんな子どもいるはずないって人と、実際に見かけたって人が外部居住区で大騒ぎなんだよ。だから、都市伝説!」
「ええ……」
「今の外部居住区の子たちはね、”自分もゴッドイーターになりたい”ってすごいんだよ」
そんなことになってるんだ。
まあ、たしかにこの狭い極東なら噂になったりもするか。実際、外壁から行き来する過程で外部居住区通ったりしてたし。
と、そこで楠さんがたしなめるように、
「……リッカ」
と呼ぶ。それでリッカも、「あ……」と察して口をつぐんだ。
……家族を亡くしたのは、ほんの二か月前のことだ。人によってはタイムリーに心の傷だろう。まあ、僕は転生者メンタルなんでそのへんはね。
「……笹木くん。この子は、顕微鏡とリベット銃を手にあちこち遊びまわるような子でな、外部居住区の私の実家も工作器具とオイルと玩具だらけだ。おかげで友達も少ない「友達が少ないは余計でしょ!」……ともかく。機械いじりがとにかく好きな……誰に似たんだかわからん娘だが「そこはぜったいお父さん似だよ」……これからもちょくちょく顔を出すことになると思う。よければ仲良くしてやってくれ」
それは、まあ、喜んで。というか親子仲良すぎじゃろ、最高かよ。
ところでリベット銃ってなに……あ、工作用のやつ?杭打ち銃みたいな?
「ねえ、ところでおとといの『アラガミがいない日』をやったのが笹木くんってほんと?」
「神機ってカッコいいよねぇ……私もいつか自分で神機作ってみたいな……」
「お父さん、最近はずっと仕事で忙しそうで……だから来ちゃった、あはは」
とか、そんな話をした。
考えてみると、普通の子と接すること自体が二か月ぶりだった。めちゃくちゃ癒された。
こうして僕はリッカと仲良くなった。
ある日のことだ。
いつものように仕事を終えてアナグラに帰投した僕は、変な子に絡まれた。
「──君が噂の神機使い、笹木ホムラかい」
「あ、ノーハンド射精」
ノーハンド射精ってなんだい、と首を傾げる赤髪の少年。やっべぇ、純真な子どもに変なこと口走っちゃった。すまんこ。
「まあいい、僕はエリック。エリック・デア=フォーゲルヴァイデ。華麗なるフォーゲルヴァイデが嫡男の1人」
「嫡男は1人じゃない?」
「え、そうなの?……余計な茶々を入れるのは止めたまえ、僕がいま話している。話し終わったら聞いてあげるからあとにするんだ。……どうやら、極東支部では過大な噂が出回っているようだと耳にしてね、わざわざ欧州からやって来てあげたのさ。まったく、見るからに平凡な庶民じゃないか。こんな子どもがフェンリルの記録を更新した天才神機使いだなどと、おかしな話が持ち上がるものだね。君も過激な噂話で人々を振り回すのは止めたまえ、人々の安寧が損なわれる」
父上もこんな子どもの何が恐ろしいのか、などとぼやいている。
……だから、僕の噂はいったいどういうことになっているんだ。欧州まで届くなんて、みんな暇なんだなぁ。
またもや原作キャラがお出ましか。エリック上田、出オチで消えた華麗なる神機使い(予定)。原作開始からまもなく死んだことで、容赦なく人が死ぬ世界だと知らしめた印象的な人物だ。その後エリナの登場で病床の妹を気遣う優しいお兄ちゃんとして描かれたり、孤独なソーマに追いつこうともがいていた気の良い人間だったりといったエピソードが語られて、死んでから株が上がる一方だった。でも、しょっちゅうトイレを詰まらせていた、という話には笑うしかない。華麗にトイレを使ってたんですかね。
そして、目の前で絡んでくるエリック少年はといえば、わりとまともなことを言っている気がする。どんな噂が流れているか知らないが、8歳の少年が為すには分不相応な活躍をしている自覚はある。普通に考えればそんな少年はいるはずがないので、自分の活躍を誇張させて広めている……と考えるのはごく自然な思考かなと。それを正義感から止めに来たという感じだろうか。真面目委員長かよ、貴族って偉いなぁ。
この世界、貴族がちゃんと富める者の責務に向き合おうとしてて好感が持てる。貴族って、フィクションとか史実だと私利私欲に目を眩ませる醜い存在として描かれがちだからね。率先してゴッドイーターになろうとするの、ほんと凄いことだと思う。
「君もゴッドイーターとして栄えある職務に就いた以上、華麗なるフォーゲルヴァイデを見習って、世のため人のために力を尽くすべきで……」
「エリック!!」
エリックが崇高な演説を語っていた途中、凄まじい大声がした。
そして裕福な身なりをした男性が勢いよく僕とエリックの間に入り込み、庇うようにエリックを力強く抱きしめた。
「ち、父上、痛いです。そのような大声は、貴族たる者の振る舞いではないのでは……」
「無事か⁉どこも怪我してはいないか⁉傷つけられはしなかったか⁉」
「え、ええ。父上が思うようなことなど、なにも……」
「そうか……あれほど彼には近づくなと言ったというのに……無事でよかった……」
裕福そうな紳士はエリックの安全を確かめると、再度エリックを抱きしめた。そしてその身を守るように抱きかかえた膝立ちのまま、僕の方を向く。その顔はまるで、わが子を外敵に襲われた狼のように恐怖と敵愾心に満ちていて……ああ、そういうことか。
「笹木ホムラ、狙撃兵だね。……君の活躍は存じている。……君が恨みに思う気持ちもわかる。だが、頼む……息子には、エリックには手を出さないでくれ。やるなら私を、私だけにしてくれ……頼む」
エリックの父、フォーゲルヴァイデ氏。
つまり彼こそが、僕に神機適合試験を強行した『フェンリル上層部の1人』。
ある意味で、僕の仇敵といえる人物だった。
「いえ、あの、恨みとか特にないですけど」
仇敵、と言えば確かにそうなんだけど。
そもそも僕は僕に対して適合試験を強要されたことに、恨みのような感情は特に感じていない。訓練生として育てる話を吹っ飛ばされたのはどうかと思うけど、実際、時代の情勢を考えれば、身寄りもない子どもに対して何年もリソースを割くことが最適な判断かと言われると僕も首を傾けざるを得ないし。それも転生者みたいなイロモノならなおさら。だからこそあの指摘を正論として受け止め、適合試験に対しても前向きだったわけで。
適合率が低かった話には心臓がドキッとしたけど、生きてるから結果オーライじゃね。
そういう僕の内心が伝わったのか、フォーゲルヴァイデ氏は恐る恐る警戒を緩めていった。
「本気……なのかね。報告では『敵対した人物には容赦ない』と、そう伺っていたんだが」
たしかにそれはそうだけど。実際に昨日もDQNとアンジェリカに対してやり返したわけだし。
けどなぁ。
「たしかに、我々の間には『わだかまり』が生じていたかもしれません。が、それは先日の『お詫び』で解消されたものと判断しています」
正直、ヨシノさんをプレゼントされたら誰でもゆるしちゃいそう。
「そうか……そうだったのか。私の早とちりだったとは……」
「まあ、怒りが一切ない、と言ったら嘘にはなりますけど」
な、と身を固くするフォーゲルヴァイデ氏。
「ああ、怒りとは言っても僕に対するものではなくて。要するに、『強行されたら子どもに対しても容赦なく適合試験が行える』という部分に対する怒りです、わかりますか」
「──それは、まさか」
「早い話、そこのエリックが神機に適合できるとなったら、あなたはそれを良しとしますか?」
「……いや」
「仮に、今あなたが謎の『誤射』で亡くなったとして。……たしか、娘さんがいるんですよね、療養のために極東に留め置かざるを得ない1歳の子が。その子に対して、適合可能だから、赤ん坊に対する後天的な適合の実例はないから、身寄りがいないから……という理由で適合試験が強行されるなんて事態になったら、あなたは許せますか?」
「──いや、私にはどちらも許せない……と思う」
「それなのにあなたは『許せない』と断言するための正しさ、大義名分を自分から投げ捨てた。『適合試験の対象は十代の少年少女に限り、また本人の同意を必要とする』……もしそんなルールがフェンリルに存在していたら、フォーゲルヴァイデ氏、あなたはその正しさを僕なんぞのために捨てることはなかった……そう思います」
僕が抱いているのはそういう類の怒りです、とそう締めくくった。
──生まれつき病弱な子どもが生まれ、その子の療養のために遠く離れた地に一人で置き去りにしなければならない。
──もし、子どもに対する偏食因子の投与が安定確実に行うことが出来るようになれば、その虚弱さを克服できるかもしれない。
──だから、身寄りのない『元気な』子どもを被験体としよう。限りある資源を浪費するよりも、その方がより多くの命を救うことが出来るから。
もしかしたら、僕に対して適合試験が強行されたことには、そんな裏があったのかもしれない。だとしたらそれは紛れもない独善だし、人道的な行いではない。
……しかし紛れもなく子を想う親の愛だ。
「僕は、もし一言でも『死ぬことになるかもしれないが適合試験を受けてくれないか』と聞かれていたら、間違いなく頷いていましたよ」
命を賭けるなら、それは誰かの都合ではなく、本人の意志であるべきだ、と僕は思う。
そうならなかったのは誠に遺憾なことであるし、今後も続くなら憂慮すべき事態だ。
だけど、それを理由に誰かを責めようとは思わない。そうせざるを得ない状況が、目の前にあった。それだけだ。それが悪意ではなく、愛を理由に行われたことなら、なおさら。
そして、一度死んだ身であるなら、まだ死んでいない誰かのために身を尽くすのが道理だろう。
だって彼らはまだ死んだことがないんだから。
僕は死人だ、だから、死ぬべきときが来たら僕がまっさきに死ぬべきだ。
長い沈黙のあと、フォーゲルヴァイデ氏は「そうか」と一言呟いて、ゆっくりと立ち上がった。
そして貴族であることを強く感じさせる、堂に入った動きで、深々と丁寧に頭を下げた。
「笹木ホムラくん。私の犯した、貴族として、人として、そして子を持つ親として過った行いを、謝罪する。──すまなかった」
「受け取りました。ので、これ以上は不要です」
「君の憂慮は私がただちに片付けると約束しよう。華麗なるフォーゲルヴァイデの名に懸けて」
「はい、楽しみにしています」
その後、もしよければ、と誘われたので3人で病室へ。
専用の個室で静かに眠る赤ん坊は、間違いなくGE2で登場することになるエリナだった。
「私とエリックは普段、欧州支部と本部を慌ただしく飛び回っていてね。こうして静かな病室を用意するほか、合間に様子を見に来てやるくらいしか出来ないのだ……」
フォーゲルヴァイデ氏は沈痛そうな面持ちで悔恨を口にした。
フェンリルの上層部の一員であるということは、やはり相応の激務を伴うのだろう。
「エリナ……よかった、今日は呼吸も穏やかに眠れているようだね。……僕が代わってあげられたらよかったのにな」
エリックも妹を心配する気持ちを隠さずに吐露した。
きっとこれがフォーゲルヴァイデ一家の日常なのだろう。
誰が悪いわけでもない。ただ、どうしようもない事実だけが病室に横たわっていた。
「もしよろしければ、僕も時々様子を見に来ても?」
「ありがとう。きっと娘も喜んでくれるだろう……1つ思ったのだが」
なんでしょう、と返すと、
「私が君の後ろ盾になってもいいかね。後ろ盾といっても大層なことはない。君に困ったことがあったら力を貸す、という程度のことだ。君にかけた迷惑の詫びとして受けてくれるとありがたい」
「それは非常に嬉しいです……いえ、やっぱりやめておきます」
「なぜかね」
「せっかくできた友達とその妹に、『後ろ盾のお子さんだから』なんて思いたくないですし」
そうなったら、気軽に遊びに誘えないじゃないですか。
せっかくの縁だ、仲良くしたいぜ。
「ふふふ……そうか、息子の友人か。ならば仕方ないな」
であれば、子の友人としてそれとなく『配慮』するくらいにしておこう、と落着させ。
「笹木くん、どうかエリックをよろしく頼むよ。エリックも、きっと貴族の何たるかを学ぶことが出来るだろう」
「……笹木クン、父上もこう言っていることだし、この僕が仲良くしてあげよう。華麗なるフォーゲルヴァイデの嫡男たる、この僕が!」
その華麗な声で起きたエリナが泣き出し、あやすために二人が全力で猫撫で声になったあたりでツボってもうダメだった。
こうして僕はエリック、そしてフォーゲルヴァイデ一家と仲良くなった。
なによりその後ちょっとあって、フォーゲルヴァイデ氏とはめちゃめちゃ仲良くなった。
またある日のことだ。
非番の僕はアナグラの内部居住区を探検していて迷子になった。
……またかよ、アナグラ広すぎィ!
ちゃうねん、ゲームでも内部居住区って出てきたことないから、どんな感じなんやろなぁ……って見に行っただけなんだ。それがどぼじでこうなるの。
雰囲気としてはGE3に出てくるクリサンセマムのミナトが近い。
つまりSFっぽくて、清潔で、機能的な……完結した都市。なるほど、これを巨大にしたものがエイジス計画だとすると、それに希望を掛ける人の気持ちがわかってしまう。荒廃した世界を見限り、安全で安寧が約束された『現代』に安らぎを求めるのは人の性なのだろう。
とはいえ、僕もここでは異邦人。早めに退散したいところだけど……だから帰り道がわからないって言ってる定期。ヨシノさん……ヨシノさんのヘルプが欲しいんじゃ。もしくはオペレーターのガイド。
……通信繋いでいいかなぁ。アナグラ内で迷子になりましたって?
怒られるわ。
途方に暮れていたそのとき、暗い路地裏から何か物音が聞こえた。この明るく清潔な内部居住区の中でも、ダーティーでバッドな雰囲気の漂う、明らかに近づいちゃいけなさそうな路地裏だ。もちろん凸するしかないんですけどね。第一村人を探さないと。迷惑系YouTuberにでもなった気分で路地に足を踏み入れる。
「あ」
なんか、浮浪者みたいなのおる。
フードを目深に被って……ヘッドホンで音楽を聴いている……?
「……あ」
目が合う。やべ、見つかった……って雰囲気の猫、みたいな……少年?
カチャ、と半分ヘッドホンを外した少年に僕は言う。
「えと、それ、なに聴いてんの?」
「……拾ったCD」
かすれたような簡素な声。
え、CDみたいな媒体とかまだ生き残ってんの?
会話に困ってなんとなく訊いたことながら、興味が湧いてしまう。
よく見たら神機使いの部屋にもあるようなコンポが置いてあって、それで音楽を聴いているらしかった。廃棄物っぽいけどソファもあるし、お菓子飲み物もあるし、ここはもしや少年の秘密基地的なやつでは。
これって、独り時間を楽しむ人の邪魔した?
明らかに空気読めてないムーブをしてしまったことに冷や汗が走るが、それはそれとしてどんな音楽か気になる。少年の方も僕を拒絶する意思はないらしく、求めに応じてコンポからヘッドホンを引き抜き、CDの再生を開始した。
そして、言葉を失った。
「────────」
それは、今も耳に焼き付いた一曲。
『GOD EATER』無印のEDテーマ。
かなしい、わかれのうた。
混乱して、うまく反応することが出来ず、頭が空っぽのまま聞き入ってしまう。
そのまま曲は最後まで流れ、CDの再生が止まる。
一瞬の静寂。
ああ、なにか言わなくちゃ。
「いい、歌だね」
なんとかひねり出した言葉。
「……俺も、そう思う」
少年は、嬉しそうな表情を浮かべた。
──ソーマ・シックザールは、「他にもある。……聴くか?」と僕に尋ねた。
僕はもちろん頷いた。
こうして僕は、ソーマと知り合った。
と言っても、特に会話はない。自己紹介とかも一切ない。
ソーマがどこからか引っ張り出してきたCDを一緒に聴き、食うか?と差し出された菓子を頂き……あれ、僕って迷い込んだ野良猫みたいな扱いされてね?と若干戸惑いつつも、CDの感想をぽつぽつと話し合ったりして、ちょっとずつ打ち解けていった。
そしてそれなりの時間が経った頃、僕は立ち上がって言った。
「そろそろ帰るよ。……また来てもいい?」
「…………ああ」
再会の約束をして別れる。さよならは言わないよ、なんて気障なことを考えながら。
そして暗い路地裏から、明るい大通りに出たところで……三秒後に僕は回れ右してダッシュでソーマの下に戻った。
「……帰り道教えて!」
「…………ああ」
二度目は、ちょっとテンション低めだった。
ソーマの案内のおかげで無事地上に戻った僕は、真っ先に榊博士のところに向かった。
「博士、CDって今だとどこにありますかね」
「CD?何だってそんな廃れた媒体を……音楽が聴きたいならNORNのデータベースに保管されているから、それを再生したらいいんじゃないかな」
「え、それ著作権とか」
「笹木くん、著作権を管理する団体が今どうなっているか、改めて言う必要があるかい?」
滅んでますよね、そらそうだ。
そもそも、どんな音楽があったかさえ忘れられてしまうかもしれない時代だ。というか、そういう記憶や記録ごと世界が終わるかもしれない状況だった。著作権とか、のんきなこと言っちゃったぜ。
「部屋に備え付けのターミナルと音楽再生プレーヤーを接続すれば自在に音楽を再生できる。好きにデータベースを漁って、好きに楽しむといい」
というわけで、その音楽プレイヤーを探しに、よろず屋さんへ。
「音楽プレイヤー?そうだねぇ、今は在庫がないなぁ。外部居住区を探して歩けば一つは見つかるかもしれないけど、そんなことするくらいなら任務で外に出たときに探してみたら?いいのが見つかるかもよ」
まあ、見つかったら確保しておくよ。そう言われて僕は任務に励んだ。
そしてプレイヤーは案外すんなり見つかった。しかし、当然と言えば当然のことながら起動できない程度には壊れていた。
そのことを楠さんに相談すると、二つ返事で治してくれた。しかも即日で。有能すぎる。
ところが修理が終わったプレイヤーを届けに来たのは、誰あろうリッカだった。
「ホムはさぁ、1人でこっそりどんな音楽聞くつもりだったの?」
と、興味津々のご様子。
ぶっちゃけそれって、NORNにどんな音楽があるか次第だよな。
というわけで、まずはテンションぶち上がる感じの、僕が転生する前にSNSとかでバズってた曲を……あるんかい。
リッカも思わず「あはは、なにこれおもしろーい!」とご機嫌になるような曲から始め、流行ってたアイドルの曲、ネット上でひたすらネタにされてた曲などを流していく。
データベースには思ってた以上になんでもあった。
それこそ、近代以降のだいたいの音楽を網羅しているんじゃないだろうか。探す方が一苦労だ。
そんな音楽を、一曲ずつ確かめるように聴いていった。
「すごいなぁ。私が生まれる前の時代から、こんなに沢山の音楽があったんだね……なんか作業中に思わず口走っちゃいそう」
いつの間にかベッドでくつろぎだしていたリッカがしみじみと言う。
お菓子でも食う?ポップコーンしかないけど。
差し出したポップコーンをむしゃむしゃと貪り、満足したリッカは帰っていった。
「また来るねー」
……ヨシノさんと遊んでいる最中に来られたら地獄だな。
しょうがない、おせっせは昼間は禁止だ。
ともかくこれでこちらも歓待の準備は整った。ソーマを誘ってみるとしよう。
その次の非番の日、僕はソーマの秘密基地へと向かった。
「……おう」
と控えめな歓迎を受け、新たに引っ張り出してきたらしいCDを一通り聴く。
感想戦も終わったところで、僕は切り出すことにした。
「僕の部屋にも新しくコンポを設置したんだけど、聴きに来ない?NORNから、いい曲を発掘しちゃってさぁ」
「……ことわる。NORNは……あまり、好きじゃない」
……おっと、バッドコミュニケーション。そうか、データベースにはP53偏食因子と神機使いが見いだされるきっかけとなった事件について、詳細に記録されている。誰でも、どこからでも閲覧することが出来る。実名まではっきり出されているソーマからしたら、地獄みたいな環境の原因の一つだよな……。トラウマになっていてもおかしくはない。……これはしくじった。
むっつりと黙りこんだソーマに、僕も何も言えず「……今日は帰るね」と立ち上がる。
「また来てもいい?」
「…………ああ」
三回目の『ああ』は、意外と嬉しそうな感じだった。
嫌われなかったことに安堵を感じつつも、ソーマと仲を深めるきっかけを失った僕は、あちこち寄り道しながら歩いているとよろず屋さんに声を掛けられた。
「この前注文された音楽プレイヤーなんだけどさぁ」
「ああ、それならもう任務中にいいのを見つけてしまって……」
「あちゃ~、そいつは残念。ま、こっちも骨董品みたいなものだったから、どう売ったものか悩んでたんだけどねぇ。しょうがない、どっかのお金持ちにでも売るかなぁ」
「……骨董品?」
その言い方に惹かれたので、商品を見せてもらうことに。
……これは、もしや……レコードプレーヤー?確かに骨董品だ。
悪くはない。けど、アナログ盤なんて、今時どこで探せばいいんだ……。
CDよりも難易度高くない?
「まいどあり~」
迷ったけど、せっかくだし買った。
問題はレコードをどこで入手するかだよなぁ。とりあえず、よろず屋さんから在庫確保次第買うことを約束した。どうせお金なら唸るほどあるんだ、経済をドゥルッドゥルに回さないと。
さて、困ったときは榊博士に相談だ。
「アナログ盤?たしか、かつての極東ではアラガミが現れる前の2040年代まで、なんだかんだ新盤が発売されていたように記憶しているけどね」
レコード会社が今どうなっているか、言うまでもないだろう。博士はそう結論した。まあアラガミにパリパリ食べられたよね。
困った僕は任務を受けては秒で終わらせ、余った時間でレコード盤を探すようになった。
もちろん見つからない。そして見つけたとしても、それが僕の聴きたい曲とは限らないし、ソーマが気に入るかも不明なのだ。
ただ、これがちょうどいい息抜きになった。
アナグラではエロいことするか訓練するかくらいしかやることがない。それに対して、今度はあそこを探してみよう、などとあてもなくレコードを求める生活は、日々にメリハリとモチベーションを与えてくれたのだ。
仕事の日は荒廃した都市を探索し、非番の日にはソーマと音楽を聴き、また知り合った人たちと時間を過ごす。ムラムラしたらヨシノさんかアンジェを呼び出し享楽に耽る。
僕の神機使いとしての日常は、そんなサイクルとして定着した。
そんな日々の最中に探していたレコード盤は見つかった。
GE2で最初に訪れることになる図書館。そこにレコード盤が保管されていて、たった一枚見つかったそれを大事に持ち帰った。
そして非番の日、改めてソーマを誘って自室へ。その途中でリッカに見つかり、リッカも参戦。遠くから指を咥えてこちらを見つめていたエリックも誘い、4人となった。仲間になりたそうな目で見られたらね、誘うしかないんだよエリック。
そういうわけでアナログ盤のお披露目となり、4人で音楽を聴いた。
するとエリックが「レコード盤かい、それならば我が家にもコレクションがあるよ」と言い出した。おま、先に言ってよ……。たしかに富裕層ならレコードを確保していてもおかしくないよな。なんで気付かなかった。
「今度コレクションから良いものを見繕ってくるとしよう」
ということで、エリックが極東に来る日と僕の非番が合う日には毎度鑑賞会が開かれることになり、アナログ盤の音質を気に入ったソーマが地味に喜んでいた。リッカはといえば、ポップコーンを美味しそうに平らげていたり、飽きたら手慰みに工作をしていたり。わりと自由だね、君。
こんな感じで僕は3人と仲良くなった。
きっかけは音楽だったけれど、ともに時間を過ごすうちに音楽関係なく遊ぶようになった。いわゆる幼馴染というやつになったんだと思う。
僕は僕で、戦場に出たらレコード盤を探す癖がついてしまい、完全に趣味となっていた。
もはやガチャだよね、と勝手に納得している。
こうして公私ともに生活が充実したことで、日々は瞬く間に過ぎ去っていき────。
気が付けば入隊二年目の2062年に突入していた。
今年の初め、フェンリル極東支部は新人ゴッドイーターを採用し、僕は先輩となり、……そして新人はあっという間に死んだ。
そんなもんだよね、と僕としては納得するしかなかった。
だが、すべての人が同じように思うとは限らないらしい。
「クソッ、なにが『第一部隊の雨宮隊長は人命の価値をお分かりでないご様子』だ!現場の苦労もわからん上が、くちばしを挟むなと言うんだ愚物が!」
抗議を受けたフェンリル極東支部は、遺族の感情を納得させるための形だけの査問を行い、思いつく限りの嫌味をツバキさんに浴びせていた。
ツバキさんは無表情に追悼と自らの失態を詫びながら、粛々と批判を受け止めていた……ように見えたのだけど、内心は全然違ったらしい。
「おい、聞いているのかホムラ。お前の方から話を聞きたいと言い出したんだ、今日はとことん付き合ってもらうぞ」
そう言って、ツバキさんは飲み干したビール缶を勢いよく机に叩きつけた。
……最初はただの食事会だったんだ。
第一部隊での任務を終えた後、雨宮姉弟に招かれツバキさんの手料理を振舞われることになった。和食という、普段の軍用の大量生産品だとかペースト状のトウモロコシ粉に栄養剤やたんぱく質を混ぜた食べられる粘土みたいな食事とは比べ物にならないような、美味しい手料理をごちそうされたんだ。
久方ぶりのまともな食事に舌鼓を打ちつつ、お互いの進展について仲良く話していたのだけど……ツバキさんが酒に手を出した辺りで事態は急変した。
第一部隊の隊長という重責を負うことになったツバキさんをねぎらおうと、ちょくちょく嗜好品配給チケットを渡していたのがまずかったんだと思う。ツバキさんの部屋の冷蔵庫はほぼビールで埋まっていて、酒を飲めない僕とリンドウはお酌をするくらいに留めていたんだけど……弟と子どもでしかない部下に囲まれているという安心からか、案の定酔っぱらってしまった。
ご機嫌にリンドウを褒めたり、僕のことを撫でてみたりと、普段のツバキさんではありえないようなことをしだしたと思ったら、急に愚痴を吐き始めた。隊長職の不満だったり、防衛班との連携時における不満だったり、第四部隊というあまりゴッドイーターとして優秀でない人たちの信じがたい失態であったり。
これには僕もリンドウも苦笑い。
しょうがないから全部吐き出させるか、それとも放置して退散すべきかとアイコンタクトを交わしていたら、無視されたと勘違いしたツバキさんが不機嫌になり。
ああ、やっぱり不満が溜まってたんだな……と同情した僕はつい、アレを言ってしまった。
「どうしたんです、話聞きましょうか?」
と。
瞬間、ツバキさんは僕の肩を抑え、「では、聞け!」と、溜まりに溜まった不満をダムの放流のようにぶちまけた。面食らう僕に、リンドウは「あちゃあ……」と顔を抑え、そして即座に立ち上がった。
「姉上のこと、よろしく頼むわ」
とても、とてもいい笑顔だった。
こ、こいつ、同期の相棒を平然と売りやがった……!と気づいたときにはもう遅い。リンドウは部屋から軽やかなスキップで退散し、ヒートアップしていくツバキさんはそれを気にも留めずビールを飲んでは愚痴を吐き出し……僕も僕でどうしようもなく、ただただチャラ男ムーブで「わかる(わかってない)」「それな」「悪くなくない?」「それって……ってコト⁉」「カワバンガ」とそれっぽい相槌を打ち続け、死んだ魚になった気分でひたすら聞きに徹していた。
ある程度ツバキさんが落ち着いた頃には、話は全然違う流れになっていた。
「私だってな、私だってなぁ……仕事終わりや休日くらい、恋人とイチャイチャしたい願望くらいあるんだぞ……それなのに、寄ってくるのはカラダ目的の馬鹿ばかり……私がなにか悪いことをしたか⁉ゴッドイーターとして命を掛けて職務を全うしているんだ、少しくらいは良い目を見たっていいとは思わないか⁉」
そりゃあね、ツバキさんだって花ざかりの20歳。そういう欲求くらい、当然にあるわな。体だけじゃなく心の触れ合いが欲しいとは仕事に追われるOLみたいな言い分だけど、……それに関してはぶっちゃけツバキさんが悪いところもあるような……。
「わ、私のいったいどこが悪いというんだ⁉」
これは、どちらかというとリンドウが悪い話ではあるんだけど……ツバキさんって、男に求めるハードル高くない?たしかにカラダ目的の男の誘いは多いけど、決してそれだけじゃないと思う。むしろ、ツバキさんの高潔さを知って惚れる人もそこそこいた気がする。
だけど、ツバキさんはそういう人も断ってるよね。
「だって……私よりも優れた男には見えないし……それにリンドウより弱そうだし……」
それだよ。男の判断基準にリンドウがいる。それがまずハードルが高いと思う。率直に言って、リンドウより優秀な近距離式神機使いって、なかなかいなくない?この前、リンドウと二人でヴァジュラ倒してたよね。あのリンドウと同じことが出来る人が、この極東支部に何人いると思う?
「それは……まあ、私の弟だからな」
そこで胸を張るんじゃない。
だからそこはリンドウが悪い。悪いことはしてないけど。リンドウみたいな快男児を弟に持ち、幼い頃から接してきたからこそ無意識に男に対して要求するレベルが高いんだ。リンドウより強いとか言い出したら、それこそゲンさんくらいしかいないじゃん。
神機使いじゃない一般男性にだってツバキさんの望むような男性はいるはずだ。そこに目が向かずに、あまつさえリンドウの強さとかを比較対象にしたら、どんな男性だって尻込みしちゃうだろう。
それで恋人とイチャイチャしたいとか言われても……高望みとしか言えないのでは?
「うぅ……そうやってお前もサクヤのように万年処女とか言い出すんだな……?童貞処女率が低い神機使いで、私だけ未だに男性経験がない確定喪女とか呼ぶつもりだろう……?クソッ、私だって処女捨てたいに決まっているだろうが馬鹿めッッ!任務終わりの夜に私がどれだけムラムラしているか……サクヤなんぞにわかってたまるものか……ッ!見せつけるように愚弟とイチャイチャしおって……!」
……聞いちゃいけないことを聞いてしまった気がするぞ。
誰か、クラスAの記憶処理剤を持ってきてくれ、僕の股間がミームに汚染されてしまう。間に合わなくなってもしらんぞーっ!
「それに、私は知っているからな……お前、香月ヨシノや元オペレーターのアンジェリカと私的な関係を持っているだろう。『ぼくにはよくわからないよ』とでも言いたげな澄まし顔をしても、入隊以来さんざんヤりまくりのヤリチンだということなど、この第一部隊隊長の私にはお見通しだ、うらやまけしからんッッ!私もヤりまくりたいに決まってるだろうがッッ!」
おっと、ばれてーら。最後、本音出てますよ。
そっか、ツバキさんはむっつりスケベ処女だったのか……。だから他の神機使いと違ってガードが高かったわけだ。リンドウだけが原因じゃなかったんだな。いろいろ拗らせちゃったのかな、ブラコンとか処女とか。
「──待てよ。リンドウと同等以上に強い男なら、もう一人いるな」
嫌な予感がする。
「私とリンドウがやっとこ二人で倒したヴァジュラだが、単独で討伐したものがこの極東には三人いる。一人は極東に現れた最初のヴァジュラを倒したかつての百田ゲン。一人は一年前に引退した元第四部隊、現在アンジェリカの旦那となった男だが、これは虚偽だろう。そしてもう一人が笹木ホムラ、お前というわけだ。実質二人だな。つまりお前は私の求める男の条件を満たしている、そういうことになるな」
嫌な予感、大当たり。
「聞くが、別に付き合っている女がいるわけじゃないんだろう?」
まあ、それはそう。ヨシノさんとはオナホと所有者の関係だし、アンジェリカはペニスホール。神機使いとして就労しているとはいえ、9歳児を相手に恋愛するような女性はあまりいない。えっちなお付き合いが誰にとってもハッピーだ。
「なら、私がつまみ食いしても構わんだろう」
処女をこじらせると、こういうことになるってはっきりわかんだね。
全国のゴッドイーターのみなさんは初陣でしっかり処女を捨てるように、約束だぞ?
ぽーんと軽々ベッドに投げられる。その間にツバキさんは服を一瞬で脱ぎ捨て、そのまま押し倒される。そこで何を思ったのか、ツバキさんは僕の顔をじっと眺めていた。自然、僕もツバキさんを見つめることになる。
相変わらずのドチャシコ顔だ。顔まんこ、というフェティッシュな女性の顔を表現する言葉があるけど、まさしくツバキさんはそういう顔だった。ダウナーっぽいクールな流し目、厚ぼったくぷっくりとした唇。酒に酔って上気した頬が白い肌を朱に染め、よりいっそう美しさを際立たせていた。
原作ほど長くはない肩掛けの癖の強いボブ。その毛先が僕の顔に垂れ、椿の花のようなかぐわしく上品な匂いをさせた。そのまま香りは強くなっていき、ツバキさんの唇がそっと僕の唇に触れる。
「んっ。んちゅ、んん」
付き合いたての高校生のような、優しくて甘いキス。雄と雌がするような性的なものではなく、愛しあう男女がするような控えめな接吻に、不覚にもドキッとした。つまみ食いとか言い出した女性のするキスじゃないんだけど、かわいいかよ。
がんばって勇気を出してみました、というくらい慎重に出された舌先を迎え入れ、粘膜と粘膜で刺激し合う。淫靡な水音を立てて、蛞蝓の交尾のように絡み合っていった。
次第にディープキスに夢中になっていくツバキさんを感じながら僕は上着を脱いだ。素肌同士を触れ合わせ、その温もりを感じる。そして張りよく形のよい大きさの美乳に触れ、官能を意識させるように揉みしだいていく。
ところが、ツバキさんは触られるのがいやなようで。僕の手首を掴み、枕元に押さえつけられる。筋力的には敵わないし、抵抗する意味もない。普段はめちゃくちゃにする側だから、こうして攻められるのも新鮮で、なんだかちょっとワクワクしてしまう。
ツバキさんは僕のズボンをパンツごと脱がすと、露出したチンポに目を見張った。まあ、そんな驚くほどのものでもないと思う。この一年ヤりまくったせいでちょっとは大きくはなったけど、それもせいぜい10cmほど。ヨシノさんの子宮口をぶっ叩くにはまだ心許ない。ましてやアンジェリカの子宮をぶっ壊すには全然足りない。これからも成長に期待したい。
その10cmチンポにツバキさんは跨り、擦りつけるように鼠径部を触れ合わせた。大洪水かなってくらいにびしょびしょに濡れ、ツユが溢れかえっている。準備は万端、待ちきれないってことね。スケベ処女がよぉ。
「挿入れるぞ」
その言葉と同時に、腰がすっと降りた。膜を破いた感触は、特になかった。けど、やはり痛みを感じたようでツバキさんは顔をしかめて、腰を根元まで降ろしたところで止まった。ふー、と息を吐き出し、そして腰を振り始めた。
「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ」
セックスの快楽を楽しんでいる感じではない。どちらかというとトレーニングのような体を動かしている。スクワットに快感があるとは思えないが、スケベスクワットには愉しみしかない。ツバキさんは初めてチンポを迎え入れた、という事実に興奮している様子で、どうにか楽しみ方を模索して腰を動かしているようだった。
「おっ、ここ、ここイイ……!気持ちいところに当たっているぞ、ホムラのチンポ……!」
どうやら、気持ちいいところ見つけたらしい。気分的には肉バイブだったけど、こちらとしてもなかなか気分が高まってきていた。あのツバキさんが、酔っているとはいえ、僕の上に裸で跨り腰を振っているのだ。興奮しないわけがない。
ましてツバキさんはこのGE世界で最初に出会った原作登場人物だ。あの出会いの日から、ツバキさんを抱けたらいいなぁ、という下心は片時も失われたことはない。初陣までの一ヵ月、いったい何度ツバキさんのドチャシコ顔でヌいたことか。
そのツバキさんが僕で処女を捨て、気持ちいいと夢中になってマン肉を擦りつけている。その事実だけで興奮のあまり、チンポがバーストしてしまいそうだ。自然と僕も迎え腰となり、パンパンと叩きつけるツバキさんの快感スポット目掛けて肉剣を振り当てていく。
「おっ♡それ気持ちいい♡おっ♡おっ♡おっ♡おぅ♡これ、きちゃう……どんどん気持ちよくなって……初エッチでイかされるっ♡」
パンっ♡パンっ♡パンっ♡パンっ♡
絶頂に向かってお互いのピストン運動は激しくなっていき、上り詰めていく。下腹部の奥底から迸るように快感が突き抜け、ヌルッヌルの膣奥へと射精のために強く腰を突き上げた。
「イクっ♡、イクっ♡、イクぅ♡♡」
ビュルビュル♡ビュルビュルビュルルルル♡♡
射精と同時、ツバキさんが絶頂に顔をのけ反らせた。ビクビクと痙攣する女体に、僕はとめどなく生殖のための雄汁を注ぎ込んでいく。
はぁ、はぁとツバキさんは荒く息を吐いた。戦場でもないくらい息を乱している。その瞳はさらなる快楽を求めて情欲に燃えていた。
「まさか、一回で終わるつもりではないよな……?♡」
それこそまさか。ゴッドイーター同士のセックスが一回で収まるものか。わかりやすい挑発を鼻で笑って、股間をいきり立たせた。神機使いとしては先輩かもしれないが、セックスでは僕が先輩だ。一年の経験値を舐めるなよ、処女卒業したての新兵が。
「よく言った!♡ならばこうされても文句は言わないな⁉♡」
がばっと覆いかぶさり、僕の両手を押さえつける。食べごろの雌が筋骨隆々の男に押さえつけられて抵抗できずにされるように、僕も身動きが取れないようにされ、逆レイプのように二回戦が始まった。
初セックスに興奮しまくったツバキさんは、最終的に僕から10発目を搾り取るまでチンポを放さなかった。拗らせ処女を好きにさせるとこうなるのか……。
疲れ果て、大満足してツヤツヤの顔で眠りに落ちたツバキさんだったが、翌朝目が覚めると大変なことになった。
「──おはよう、ツバキ(キメ顔)」
「……う、うわあああぁぁぁ…………!!」
凄まじい慟哭だった。まあ、酒に酔って部下に手を出すとか、上司の風上にもおけねぇよな。完全合意のセックスとはいえ、その前にも散々恥ずかしいことを口走っている。黒歴史、作っちゃったねぇ(ニチャア)。コーヒーでも淹れようか?
「シャ、シャワーを浴びたら出ていくように……たのむ、一人にしてくれ……」
マジトーンだったので、流石の僕もこれ以上茶化すことなく服を着て自室に帰った。任務の時間までダラダラ過ごしていると、リンドウからメールが届いた。
件名:昨日のことだが
本文:昨日は姉上のことを押し付けて正直すまんかった(笑)。
ところでなんか姉上が部屋から出てこないんだが、心当たりあるか?
件名:Re:昨日のことだが
本文:しるかばーか
昨日の惨状の原因はリンドウにもある。彼にもその結果をとくと味わってもらうとしよう。
任務の時間になってゲートに現れたツバキさんは、あからさまに体調が悪そうだった。振るわない指揮の下、僕とリンドウは八つ当たりのようにこき使われて普段の三倍くらい働かされることになる。
その後アナグラに帰投すると、ツバキさんは僕一人を呼び出してこう言った。
「いいか、昨晩のことは一夜の過ちというやつだ。無かったことにするから、お前も忘れろ。決して私の彼氏面をするんじゃない、いいな⁉」
はーい、と元気よく返事をして、ツバキさんと僕は別れた。
でも、僕は知っている。
その後もツバキさんが任務後に物足りなさそうな顔でこっちをチラチラ眺めていることを。
そしてその手の話題が大の得意なヨシノさんは敏感に察していた。
「流石はホムくんね。あっという間に三人の雌を手懐けて……お祝いにおでんパン食べる?」
この時代、たっぷりとダシを使ったおでんをパンに挟んで食べるおでんパンって、実は高級料理の類なのでは?そのことに気づいた僕も、いつの間にかおでんパン党の一員になっていた。
……ツバキさんとの新しき交友、そして美味しいおでんパンに無邪気に喜ぶ僕は気づけなかった。一人、ヨシノさんが儚く笑っていたことに。
「──こんなに女の子が増えたなら、私がいなくても大丈夫、よね」
月日はあっという間に流れ、また一つ年を取り。
そして僕が見ないふりをしていたものに直面することになる。
2063年が訪れた。
──原作通り、ヨシノさんは失踪した。
作業用BGM:『神と人と』(GOD EATER ORIGINAL SOUNDTRACK)
・フォーゲルヴァイデ氏と仲良くなった経緯
「父上、ノーハンド射精とはなんでしょうか」
「!!?」
「笹木くん、私にはたしかに君に対する行いへの負い目があり、それ故にこのような苦言を口にしたくはないのだが……あまり息子に変な言葉を教えないで貰えるかね。それなりに由緒ある貴族家の跡取りなのだ、若いうちから享楽に耽るような真似はさせたくないと思うのが親心というものなのだよ」
「アッハイ、すいませんでしたァ……!(黄金比の土下座)」
「それにしてもノーハンド射精、か。……フェンリル各支部のプレイルームには、上層部の慰撫を目的とした特別慰安室、通称VIPルームというものが存在していてね。そこでは通常のプレイルームでは受けられないような特殊な奉仕を受けることが出来る」
「!!」
「そしてそのVIPルームには、上層部の同伴であれば誰でも入ることが出来る……もちろん、この極東支部であっても。今度、共に赴くとしようか。なに、裸の付き合いというやつだ」
「お、おとうさん……!」
「……笹木くん、たしかに君には負い目があるが……流石にエリナに手を出すのは……その、なんというかあまりにもむごい行いでは」
「エリパパァ!!(発狂)」
「エリック、エリナ……二人の名をどちらも加味したあだ名かね。素晴らしい配慮だ、気に入った。次の非番は空けておきたまえ、最高の一日を共に過ごそうじゃないか」
「エリパパァ!!(少年がトランペットを見るキラキラしたまなざし)」
(なお当然入り口で止められ、エリパパ同伴時のみVIPルーム限定で、という条件で許された)
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極東に現れ始めたヴァジュラを、引退前のゲンさんがピストル型神機で倒したのは公式です。当作品では、それを世界最初に討伐されたヴァジュラと設定しております。なので笹木くんが初の討伐者じゃなかったわけですね。ピストルでヴァジュラ倒すってなんだよ、こえーよ……(ドン引き)。
なおアンケートの結果ですが、匂い描写については必要である場合か、官能シーンでのエッセンス程度に留めることにします。無理だという方が一人でもいたら大々的に扱うのはやめておこうと決めていたので、順当な結果かなと。
とはいえせっかく性癖さらけ出してもらった(黒い笑み)ので、くさそう過激派の方々のためにもどこかで番外編として汗だくせっせ回を書くことを予定しておきます。おそらく原作キャラが出揃った頃かなとは思いますが、書くぞ、という強い決意だけは表明しておきます。
追記
25/1/16 誤字修正 誤字報告していただいた方に感謝