※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・忠烈編   作:CHACOとJAGUAR

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第六回

 おののくフランツと後備えの武者達。

 

 ただ1人勇敢さを全身に漂わせて身構えるのは、彼等を率いるベートーベンだ。

 

 何も驚いたのは彼等だけでは無かった。敵方で陣頭に立って馬を駆る黒い騎士、アナキン=スカルファッカーもまた震えていた。

 

 一度見たら忘れられない、横幅が蟹みたいに広く大柄で剛力そうな鎧武者。

 

「寄りにもよって、『男色ルートヴィッヒ』が俺の相手か!」

 

 ベートーベンはこのホーデンエーネンにおいて、イズヴァルトの次に強いと言われる武者でもあった。

 

 舐めてかかると必ずやられる。アナキンは盟友・ヨーシヒデクス=ヒラジマッシモより口すっぱく言われてきた。

 

 けれどもこうも言えた。ベートーベンを討ち果たせナンバーツーになれるのだ。

 

「そのまま突っ込め!」

 

 アナキンはミスリルの剣を抜いて叱咤する。ベートーベンは自分から進んで一騎打ちを仕掛けることにした。

 

「アナキン=スカルファッカー、覚悟しやがれぃ!!」

 

 騎乗する2人はぶつかり合った。アナキンの剣は素晴らしいほどに速かった。ベートーベンが持つ鋼鉄棒は、当たれば一撃で馬から振り落とされる程だったのだが、アナキンは巧みにかわし続けた。

 

「ちっ! 無駄にすばしこい!」

 

 自分と同じ板金の胸甲をまとっているくせに、まるで素肌の様に滑らかだった。

 

 もしや、魔法戦士。そう判断したルートヴィッヒが印を切った。彼が使ったのは、筋力を倍加させる身体強化魔法だった。但し素早さではなく、力ばかりが強化される代物だった。

 

 ベートーベンは手綱を離し、頑丈そうな大柄の馬につけてあった鞍に右足をかけた。

 

 大声をあげると頑丈な馬に左足を乗せて立ち上がった。棒尺のリーチを伸ばすつもりと思ったアナキンは印を切った。

 

 右手に持った剣に、つむじを巻く風の刃がまとわりだした。おおよそ3メートルの長さにも及ぶそれは、甲こそ破れぬが、薄い鎖帷子ぐらいは切ることが可能だった。突けばそれこそ肉を穿てる。

 

「目論見は見え見えだ、ルートヴィッヒ!」

 

 アナキンが掛け声をかけて馬を走らせる。ルートヴィッヒは鉄棒をぎゅっと握り締め、間合いに来るのを待った。

 

 アナキンの右手の直線上に、ルートヴィッヒとその馬が入って来た。アナキンは右腕を振り上げた。

 

「逝ね!」

 

 そう叫んで降ろした時、ルートヴィッヒは大きく跳躍した。彼の馬は前のめりになったが器用に伏せた。

 

 飛び込んだベートーベンは風の刃をうまく除け、両手に持った棒尺を剣の様に構えて振り降ろした。

 

 狙ったのはアナキンではなく、馬の脳天だった。

 

 その一撃で頭蓋が割れて目を飛び出させただけでなく、馬の頸の骨をぼきりと折り、その筋肉もあっさりと叩き潰した。

 

 アナキンは倒れる馬から飛び降り、着地した。乗り手ではなく馬を叩くとは。騎士にあるまじき戦い方だと思った。

 

「卑怯だぞ、ルートヴィッヒ=ベートーベン!」

「黙れい! 戦いってもんは勝てばいいんだ!」

 

 徒歩での一騎打ちが始まった。そちらではルートヴィッヒが上手であった。

 

 身体強化魔法の力もあるだろうが、重そうな鎧をまとっているのにルートヴィッヒの足さばきは流れるようで、アナキンが繰り出しても避けられてしまう。

 

 しかし相手の棒の先が肩甲や兜を叩き、多少とも衝撃を受けるとアナキンは焦りを覚えた。

 

 やり辛い。そう思っていると背後から自分を呼ぶ声がした。アナキンの息子、ルーク=スカルファッカーの声だった。

 

「親父殿ォ! 何一騎打ちごっこをしてやがんだ! アーノンレンシを殺るのが先だろぉがっ!!」

 

 ルークはとんでもない巨漢であった。二頭の馬が曳く二輪馬車に乗る彼だが、長さ3メートルもあるハルバードを軽々と扱い、強豪の騎士としても名高かった。

 

 アナキンは我に返った。同時にルークが一騎打ちの場に入って来てベートーベンに一撃を振るう。凄まじい風圧にベートーベンは驚いたが、彼の身体はかわしきれていた。

 

 ルークは馬車から飛び降りた。ベートーベンと会い向かうと、後ろにいるアナキンに馬戦車に乗ってアーノンレンシを追いかけろと叫んだ。

 

「そいつは手ごわいぞ。油断するな、ルーク!」

「わかっている。アーノンレンシとイズヴァルトの首だけを狙えよ! スカルファッカーの棟梁とあろうお方がザコに構うんじゃねえぞッ!」

 

 アナキンは馬戦車に乗ると号令をかけた。

 

「狙うはただ1つ、アーノンレンシの首だ!」

 

 応、という声がとどろくと、彼等は一斉に動き出した。一部を除き、身構えているベートーベンの小集団を素通りしだす。ルークと争い始めたベートーベンは、フランツに援けを呼べと叫んだ。

 

 しかしフランツ=シューベルトは遠くに念話術式を用いる隙が無かった。ルークと共に残った兵士が襲い掛かって来てそれどころでは無かったのだ。

 

 ベートーベンと共にいるのは8名。対するルークの手勢は50と少し。

 

 ベートーベンらは一騎当千のつわもの達ばかりだが、多勢に無勢で雲行きがよろしくないのは明白だった。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 その一方。

 

 アナキン=スカルファッカーはその前方にいた錐行密集陣の中心に、馬に乗る小さな影を見出した。

 

 頭は禿げててつーるつるのぴっかぴか。冬の時期なのに素っ裸。戦場にふさわしくないその姿はまさに、追い求めていた標的だった。

 

 最前列の騎士達が一斉に、手綱の真ん中についていた金具を鎧のベルトにかけた。ホーデンエーネンの騎兵が飛び道具を使う時の前準備である。

 

「猟騎兵!」

 

 アナキンの怒号と共に彼等は腰のホルダーから馬上筒を抜いて構えた。左腕で筒の前方を支え、右手は握りと引き金に添える。

 

 この頃の馬上筒だが、元込め式で魔法による発火装置を使わぬものが主体だった。雷管式の弾丸を込めるのだ。

 

 射手達は一斉に、照準をアーノンレンシに向けた。走る馬の上からの狙撃は難しいが、飽和射撃ならば必ず1発ぐらいは当たるという目算があった。

 

「撃てェッ!」

 

 馬上筒が次々を火を噴く。アーノンレンシを囲んでいた一団の後列の、何人かが落馬した。それでも一隊の速度は鈍らなかった。

 

「交代!」

 

 その声と共に戦列が入れ替わった。さっき撃ち放った銃兵は次の弾の装填に。今出て来たのは馬上筒に弾が入っている騎兵たちだ。

 

 アナキンがまた号令をかけた。今度こそアーノンレンシを撃ち殺してやると彼は息巻いていた。

 

 しかし彼の後方で悲鳴があがった。弾丸よりも速い火炎球や真空刃の直撃を喰らったのだ。

 

 それを仕掛けたのは馬から落とされた連中だった。兜をかぶって見えていなかったが、どの者も褐色肌のエルフだった。弓矢と魔法が得意なカイロネイア山地のエルフ。イズヴァルトと最も仲が良い亜人種だった。

 

 馬から落とされたその数人は、当て放題だと笑いながら次々と印を切った。アナキンはしくじった。密集隊形は対魔法では、絶対にやってはならなかったのだ。

 

「防護術式を展開しろ!」

 

 焦りの怒号を放つも後方は、好き勝手やられ続けていた。近接戦闘も並みの騎士や兵士では、エルフに勝てることはまず無かった。

 

 アナキンが連れて来た兵はあくまで、亜人に対しては専用の武器を持って、かつ、奇襲攻撃で討ち取ることしか教わっていなかった。

 

「恐れるな! 多勢に無勢だ!」

 

 アナキンは鼓舞した。叱咤した。

 

 ようやく後方で防壁術式が展開され、悲鳴があがるのが落ち着いたかと思うと、アーノンレンシを護衛する重装の戦士達が次々と散開し、馬首を返して突っ込んで来た。

 

 よく見れば子供みたいに背が低いのがいれば、ずんぐりむっくりしたものもいた。まさか、とアナキンは恐れた。

 

 彼等は兜の面を外して顔を見せた。手に持っていた湾曲した小剣やバトルアクスだが、ニンゲンよりもよく使い、うまく扱う種族がいた。ゴブリンとドワーフだ。

 

「かっかっかっ! ようやく暴れることができるのぉ!」

「ドワーフの衆、かわいい姫様を殺そうとした奴ら全員のちんぽこを切り取ってイズヴァルトさんに献上すっぺや!」

 

 この戦場で、最も血に飢えていて獰猛な連中が吶喊をあげた。

 

 アナキンは敢えて部下を見捨てることにした。

 

 自分は戦列の右翼に向かうとすぐさま伝令を出し、左翼前列に突撃の命令をかけて亜人達にぶつけた。

 

 血の飛沫が空を飛び交い始めると、スカルファッカーの黒騎士は率いる右翼の騎兵らと共に、なお逃げるアーノンレンシの一隊を追った。

 

 姫の一隊は半分ほど減っていた。空隙が出来ていて矢弾で狙いやすくなっていた。

 

「撃て! 撃て!」

 

 叫ぶとともに当たれば幸いといった様子で、銃兵や弓兵が次々と放った。

 

 そのうち一発の弾丸がアーノンレンシの右肩をかすった。

 

 しかし幼い姫は手綱から手を離す事無く、歯を食いしばって前を見て馬を走らせていた。

 

「もっと狙え! あの小娘の頭蓋をぶち破ってしまえッ!」

 

 アナキンが狂ったように叫び、次の斉射が繰り出されようとしたその時だった。

 

 アナキンら、ホーデンエーネン騎兵の視線の向かう先で、1本の小さく、細い何かが飛び上がった。

 

 それがずっとずっと高くまで飛んだと思うと、いつの間にか数千の数に分かれて、それからこちらのほうに向かって落ちて来た。

 

 そのうちの1本が、アナキンの二輪戦車を牽く馬のうち右のほうの尻に刺さった。透明の、それでいて真っ白な煙を漂わせる細長い矢であった。

 

「……これは!」

 

 もう1本が自分の肩甲に軽く刺さったのを抜きとって確かめた。氷の矢であった。

 

 気づけば、彼が率いていた騎兵の多くが馬から落ちていた。

 

 また視界の向こう側から、同じようなものがもう1本。1本の氷の矢が中天で数千に増殖し、アナキンの後方に降り注いだ。

 

 その氷の矢を放ったのは、ほかならぬイズヴァルトと彼が愛用する『氷雪の栄光』だった。オーガの王の秘宝たるそれは、1本が数百や数千にも増える氷の矢を放つ力もあったのだ。

 

 付き従うのが半分も減っていた。かなわぬ、と思ったアナキンだが、まだ諦めてはいなかった。

 

 次々と来る念話術式での報告から、まだ半分も脱落していないと計算していた。

 

 いくらイズヴァルトがいるとはいえ、100満たずの相手方と、数千のホーデンエーネン軍であれば勝つのはどちらか、明らかであると言いたかった。

 

「……まだやれるはずだ! アスカウ城を落とした部隊と連携さえとれば、イズヴァルトなど!」

 

 かくして黒騎士公は追撃を続けるのだが、さて、この追い打ち劇はいかなる決着を迎えるのか?

 

 その続きについてはまた、次回にて。




ここまでお読みいただきありがとうございます。

セクシーな挿絵をどうぞ。

【挿絵表示】


以下はリンクです。(別サイト)


削除したエピソードはこちらでご確認ください。
題名はSEО対策です。

本編
『聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜』です。
現在ハーメルン版と同じく聖王編まで掲載。
主人公イズヴァルトがちんちんをぶんまわしながら世界を渡り歩き、マイヤやスケベな女達に搾取されるお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/934913837

外伝1 マイヤとトーリが主軸のお話です。
 『前世の記憶を持つ神業尺八使いの狸系美少女の妹と、女帝サキュバスの祖先の才を受け継ぐ清楚ビッチな姉の2人で、搾精の王国を建てちゃいます☆』
トーリとマイヤとそのご先祖について、そのご先祖の家来筋のイーガ魔法王国の王子の物語と、覚醒したトーリがホーデンエーネン王国の実権を握り支配し、凋落するまでのお話となります。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/779914728

外伝2 本作の重要人物、魔法戦士ヘラのお話です。
『転生したらあたし、セックス教団の教主の養女でいつでもどこでもエッチがしたくなっちゃう、レベル999のビキニアーマーの美少女魔法戦士でした!』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/959004604


以下は旧版のイズヴァルト。題名はSEО対策です。
(内容は大体一緒ですが、細部がいろいろと違います。)

『エリクサーみたいに栄養満点の精液を放つ絶倫聖騎士は、転生美幼女淫魔にまとわりつかれておちんちんをチューチュー吸われる。
』
https://novel18.syosetu.com/n3094lt/


以下のは、副産物となります。

爆焔のダークエルフ
https://h.syosetu.org/novel/378655/

サキュバスレストランへようこそ! Hルート
※別サイト。エロをマシマシにした改稿版です。
https://novel18.syosetu.com/n1061iv/
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