※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・忠烈編   作:CHACOとJAGUAR

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アルファポリス版で掲載している、カツランダルク戦記・第六部のエピソードとなります。
『忠烈編』はこれを前提に話が展開されていきます。

※重複投稿となりますので、あちらを読んでいれば読み飛ばして構いません。


『カツランダルク戦記 第六部』 スカルファッカー家の夜明け ④

 トーリの長女・コリアンナには2人の娘がいた。

 

 姉がセレネで妹がメア。蒼にも見える黒い髪で、母親と祖母に似た美人に育つだろうと言われていた。

 

 彼女達の父親は、ナガオカッツェ大公の実弟・ヨーシアキレウスである。

 

 しかし2人とも親権はコリアンナにあった。アスカウ=カツランダルク家の姫として育てられている。

 

 ケノービが『剥製ひよこ愛好家』のハビキシュッテン公を味方につける為に考えたのは、この2人をさらって公に差し出すということだ。

 

(セレネが確か3歳で、メアが1歳……そのぐらいだったか。あの男が食い散らかすのにはまだ幼いが、あと8年もすればあいつ好みに育つだろうな。)

 

 ハビキシュッテン公の城を出た後、アナキンに考えていた事を話した。弟はひどく嫌そうな顔をした。

 

「そこまでしなければならないのかい? 他の方法だってあるだろうに?」

「ほう。何か策を考えついたか?」

「あいつ、ロゼ姫にいたく懸想をしていたじゃないか? 防腐処理とガラスの棺を提供したぐらいにね」

 

 ロゼは棺は王宮にある地下墓地に安置されていた。

 

 アナキンはそれを盗み出し、ハビキシュッテン公へ密約の為の贈り物にしようというのだ。

 

「王家の墓地か。一旦王城に入らねばならないと思うが……あの墓地は、確か」

「カツランダルク王国の遺構をそのまま流用しているらしい、と聞いたことがあるよ」

「……誰に?」

 

 アナキンはタカミ=ジュンというパラッツォ教の司祭から聞いたと答えた。しかし実際はマイヤが調べたことだ。

 

 タカミは彼女がやった暇つぶしの調査を、世間話程度にアナキンに語っただけであった。

 

「なんでも南街区にある、涸れ大井戸にナントブルグ王国時代の地下通路があるそうなんだ。そこから王宮に行けるそうだよ」

「……確か、王家の墓地があったところは」

 

 あの時代の女王達の沐浴場跡だ、とアナキンが言ったが厳密には違う。女王に仕えた淫魔の召使いたちの沐浴場だ。

 

 そこで身を清めながら、市民の男達と肉を絡め合わせ番った。

 

「ナントブルグ王国の城郭は、王宮のもっと北にあったらしいな。それこそ城壁を越えて……」

「北門から少し行ったところにある山が、かつての女王宮らしいよ。女王の時代は街に塁壁を築いていなかったらしいね。今の数倍の広さだったらしいよ、王都は」

 

 その山だが、聖騎士団の元副団長・ライナー=イナトミッテンフェルトの提案で砦が築かれていた。王都の周囲にはそうした小山が点在していた。

 

 それらの山は女王の王国の時代、物見台や武者達の詰所が設けられていたそうだ。

 

 ライナーは馴染みのサキュバス達からその故事を聞き、砦を設けるように国王に進言したのだ。

 

「今の王宮が建っているあたりは、女王に侍るサキュバス達の居住区だったらしいよ」

「でもなぜ枯れ井戸が地下通路につながっているのだ?」

「あのあたりの水源だからだろうさ。女王の王国の時代のナントブルグは、都でもあり農地でもあったらしいよ」

 

 あまり大きな川が流れていないナントブルグ一帯だが、地下には多くの水脈が潜んでいた。

 

 女王の国の時代には地下水をくみ上げ、畑に撒いていたそうだ。

 

 マイヤはそうした事も古文書をひも解いて調べていた。あくまで、暇つぶし程度の気持ちでだったが。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 10日後の真夜中。

 

「君達が今夜の同行役かい?」

 

 南街区にある枯れ井戸傍の公園にいたアナキンは、目の前にいる者達に呼びかけた。

 

 全員が肌の黒いエルフ達だ。シマナミスタンの出身らしく、あちらで使われている偃月刀や、魚鱗型の小札(こざね)を用いた胴丸を身に着けている。

 

 この者らは家来に頼んで集めてもらった。レーアが頼みにしている、元オルガスムナ家付きだった下男である。全員が肌が浅黒いエルフ達だ。

 

 おおよそ10名。出身部族はアワッヒド系列とソゴプール系列。ホーデンエーネンの裏社会でよく見かけるタイプだ。

 

「俺達の任務は死体が入った棺を運ぶだけ、でいいのか?」

「それもあるけど、攪乱もお願いしたい。王家の墓には今の時分でも見張り役がいるはずだ。彼等を始末して棺を運び出したら……火をつけて欺く」

 

 本命がロゼの遺体だと悟られたくない。だから墓地に火を放ってごまかすのだ。歴代の王や王妃達の棺をあばいて、副葬品を持ち出してもいいとアナキンは告げた。

 

 そうして井戸の中に入り、北側にある通路を進む。冷たく湿った石づくりのトンネルが延々と続いていた。

 

 3キロメートルぐらいになっただろうか。行き止まりとなった。そこだけは土壁で、下に隙間があり、少しだけ水が流れていた。

 

「どうやらたどり着いたようだな……」

 

 アナキンが言うとソゴプールのエルフが壁に手を当てる。エルフの言葉でぼそりとつぶやくと、壁の向こうに水が大量にある、と告げた。

 

「そうか。となれば庭の池か水濠の為に使っているのだろう」

「結構大量にあるようだ。だいぶ質がいい」

「そんなこともわかるのか?」

「まあな。ソゴプールは灌漑をやっているからよく知っている。ニンゲン達にもよく頼まれるんだ」

 

 しかも水源はかなりの量だ。都を別の場所に移して、この辺を田畑に変えた方が良いのではないか、とエルフは言った。

 

 きれいな響きの女の声で、冗談を言われるとアナキンはおかしく思えてしまった。

 

 だが水よりも上への出方だ。その行き止まりの右側に、鉄の梯子が天井から伸びていた。

 

「多分これが沐浴場……つまりは、王家の墓への入り口となるようだな。戻る時、まわりを壊す必要があるだろう。できるか?」

 

 アワッヒドからのエルフが進み出て印を切る。梯子が伸びている天井の周囲が淡く光った。

 

「魔道防壁の跡があるけど、いけるでェ」

「なに? そんなものがあったのか?」

「せやな。サキュバスはんらの魔法や。けんど、もう補充されなくなってから久しいなあ。今の王様の御一族は、そないなところがおそろかになっているようや」

 

 ホーデンエーネン王家はそれだけ、魔法が得意ではないというわけだ。魔界のハーフリングが先祖なのに。

 

 魔道に疎いオーガばかりを集め、常に攻撃を続ける侵略戦争を進めていたから、足元の防御について意識が無かったのだろう。

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 梯子の上に王家の墓地はあった。もとは広い空間だったものを壁をこさえて区切って部屋をつくり、歴代の国王と正妻妃の棺を安置していた。

 

 ロゼの棺は梯子から100メートル右にいったところあった。

 

 幼くして亡くなり、親にいたく死を悲しまれた王子や王女の棺が並んでいる区画にあった。そこには地上へ出る階段があった。

 

 その部屋に近づいたところで、アナキンは魔力の気配を察知した。エルフ達もだ。

 

(ニンゲン、では無いな。)

 

 彼の思考にエルフ達がうなずいた。コンゴウアミダラデンの住民と同じ気配である。魔族のだ。

 

 気づいたのは、アナキン達だけではなかった。扉の向こう側にいる魔族達……姿隠しの魔法で透明になり、ロゼの棺を守る2人のサキュバス。

 

 2人とも、今は亡きピックプリトの配下だった。

 

 ナントブルグ王国の家臣ではなかったが、200年ほど前から彼女に誘われ、カツランダルクの一族を見守って来た者達だ。

 

 今はアスカウにいて、農夫たちとおまんこをしながらコリアンナを警護していたが、この週はロゼの墓守りに来ていた。

 

 仕事はそれだけでない。ジョーケイン王子とトリーネとフレッダの遺児たちの見守りもある。

 

 とはいえジューンショーン王は、イーガから雇い入れた亜人の魔法戦士を護衛として子供達につけていたから、そちらのほうの仕事はほとんど無かったが。

 

 そういうことでピックプリトの『残党』達は、こうして毎週交代でナントブルグに入ることになっていた。大事な任務だ。

 

 元は武芸に疎かった彼女達は、先輩に訓練を受けてそれなりの腕前にまで鍛えていた。

 

「テスラ。気づいた?」

 

 ガラスの棺の中で眠るロゼを覗き込んでいたサキュバスが、地上への階段付近にいたもう1人に呼びかけた。

 

「ニンゲンじゃない魔力の感じ……精霊人よ。ナイン、応援を呼んで?」

 

 わかった、と答える前に、もう遅いかもしれないと棺近くにいたサキュバスは悟った。部屋一帯に妨害術式が施されていた。

 

 こんなに魔法の仕事が早いのは、エルフ以外にいない。淫魔の天敵だ。

 

 会話を念話術式に切り替える。

 

 姿隠しをしても魔力探知で居場所を悟られるだろうが、それでも時間は稼げるはずだ。

 

「来るわ!」

 

 ナインは剣を抜いた。華奢な腕でも扱える、細身の片刃剣だ。

 

 扉が開いた。

 

 しかし音がしない。

 

 妨害術式とともに、消音術式もかけられたようだ。

 

 良い体格の髭面の男が現れた。

 

 顔に見覚えがあった。

 

 スカルファッカー家の当主。

 

(アナキン=スカルファッカー! どうして墓荒らしの真似を!)

 

 姿を現わして話をしようか、とも思った。

 

 だが、相手は剣を抜いて走ってやって来るのを見て無理だと悟った。

 

(魔力探知が使えるの?)

 

 しかも赤く光るあの剣には、まがまがしい力が込められているように思えた。ある種の殺戮術式だろう。

 

 彼女は知らなかった。

 

 アナキンは『魔族殺しの剣』を刃に込めていたのだ。

 

 こちらに斬りかかる彼の剣を、手に持ったもので受け止めようとした。

 

 が、上段からの一撃はフェイントだった。

 

 彼はひっこめたそれをすぐにナインの胸元に突き込んだ。

 

 『魔族殺し』での一撃は、下級の魔族にとっては致命傷だ。

 

 思念体をも貫かれた彼女は、二度と動けなくなった。

 

(あと、もう1人!)

 

 アナキンは、階段のあたりから走って来るもう1人の気配に顔を向けた。

 

 恐れるに足りない下等な淫魔だとすぐにわかった。

 

 返り討ちにし、階段のほうに進んで見上げる。誰かが降りて来る気配が無かった。

 

 ソゴプールのエルフが問題ない、と彼に呼びかけた。

 

 墓の外の兵士達は全く気づいていない。襲撃は成功だ。

 

「とはいえ長くいると気づかれる。棺だけを運ぼう」

「墓荒らしはしないのか?」

「やらん。火をつけるだけにしよう。宮殿のほうにいる兄弟たちが怖くてたまらん」

 

 梯子のまわりの天井を調べた、アワッヒドのエルフがアナキンに注意を呼び掛けた。

 

「たぶん、サガミニアのエルフやで。しかもうちらが束になってもかなわんようなやつやな。気づかれぬうちが華や」

 

 サガミニアのエルフなら、注意するに越したことは無い。あれに勝てるのはそうそういない。

 

 エルフ族最強と言われているナハリジャーヤのエルフ達か、イワッミーのドワーフ達ぐらいしか勝てないだろう。

 

 シマナミスタンの亜人は数こそ多いが、1人1人の実力はそれほどでは無かった。

 

 棺は彼等に担がれ、持ち出された。財宝荒らしは致さなかったが、当初の計画どおり、墓荒らしの狼藉者と見せる為に火をつけてまわった。

 

 方々の部屋から煙が出て来たところで、はしごの周りの床を破砕魔法で広げ、地下通路へと降りた。

 

 水源を調べたソゴプールの女エルフが、棺に浮遊魔法をかけて待ってろ、とアナキンに言った。

 

「何をするつもりだ?」

「枯れ井戸を水汲みに使えるようにするだけだ」

 

 彼女は行き止まりの土壁に手を当て、いにしえのエルフ語を唱えながら強く念じた。

 

 土壁は一瞬のうちに崩れて土砂に変わった。大量の鉄砲水が彼女に襲いかかった。壁の向こうにはとてつもない量の地下水があったのだ。

 

「今のうちに流れに乗せろ!」

 

 流れに乗ったエルフが、棺を抱えるアナキン達に言う。

 

「そういうことだったか! だから鉄砲水をつくったのだな!」 

「そういうことやで。ほな、急ぎまひょか」

 

 アワッヒドのエルフがアナキンの肩を叩いた。

 

 棺を流れに乗せた。アナキン達も激流の中へと飛び込んだ。

 

 棺と同じく自分たちの背に浮遊魔法をかけると、仰向けのまま何もしなかった。それでも流れは運んでくれた。

 

 棺が枯れ井戸へとたどり着いた。井戸の水は表面近くまで昇っていた。ずぶ濡れになった彼等はそれを引き上げた。後は用意してあった荷馬車に載せるだけだ。

 

 アナキンは棺の中で、永遠の眠りにつくロゼの顔をまじまじと覗き込んだ。とても可愛らしい。幼くして亡くなったのはあまりにも惨い神の仕打ちだと思った。

 

「浮遊魔法をかけた棺を船代わりにか……そういえば」

 

 どこかで聞いたことがある。

 

(そうだ。この娘の母親からだ。)

 

 20年ほど前の魔竜戦役で、イズヴァルトとその師が魔竜の側近との決闘に破れた折り、戻る際にイーガの『浮き板』を使って川をくだったという。

 

(ローザからだったな。しかしあの女、どうしてマイヤ様の話を、自分がしたことのように詳しく語れたのだ?)

 

 ちなみにだがその話は、ほんの一握りの者しか知らない。

 

 後の時代に、吟遊詩人や歴史家がその話を知る者達から聞いて世に広まったが。

 

 棺の中のロゼは、微笑んでいるようだった。実の母親と同じ体験をしたからかもしれない。

 

 その母親もこの時にはもう既に、彼女と同じく、この世の人では無かったけれど。




ここまでお読みいただきありがとうございます。

セクシーな挿絵をどうぞ。

【挿絵表示】


以下はリンクです。(別サイト)


削除したエピソードはこちらでご確認ください。
題名はSEО対策です。

本編
『聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜』です。
現在ハーメルン版と同じく聖王編まで掲載。
主人公イズヴァルトがちんちんをぶんまわしながら世界を渡り歩き、マイヤやスケベな女達に搾取されるお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/934913837

外伝1 マイヤとトーリが主軸のお話です。
 『前世の記憶を持つ神業尺八使いの狸系美少女の妹と、女帝サキュバスの祖先の才を受け継ぐ清楚ビッチな姉の2人で、搾精の王国を建てちゃいます☆』
トーリとマイヤとそのご先祖について、そのご先祖の家来筋のイーガ魔法王国の王子の物語と、覚醒したトーリがホーデンエーネン王国の実権を握り支配し、凋落するまでのお話となります。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/779914728

外伝2 本作の重要人物、魔法戦士ヘラのお話です。
『転生したらあたし、セックス教団の教主の養女でいつでもどこでもエッチがしたくなっちゃう、レベル999のビキニアーマーの美少女魔法戦士でした!』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/959004604


以下は旧版のイズヴァルト。題名はSEО対策です。
(内容は大体一緒ですが、細部がいろいろと違います。)

『エリクサーみたいに栄養満点の精液を放つ絶倫聖騎士は、転生美幼女淫魔にまとわりつかれておちんちんをチューチュー吸われる。
』
https://novel18.syosetu.com/n3094lt/


以下のは、副産物となります。

爆焔のダークエルフ
https://h.syosetu.org/novel/378655/

サキュバスレストランへようこそ! Hルート
※別サイト。エロをマシマシにした改稿版です。
https://novel18.syosetu.com/n1061iv/
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