※この作品はR-18です。

聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・忠烈編   作:CHACOとJAGUAR

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 チュバッカ=ソーロー。
 ケノービ=ソーローの妻でありそもそものソーロー家を継承する権利を持っていた人物。
 『香道』の開祖であり、それをホーデンエーネン全土のみならず周辺諸国に広めた文化人でもある。
 自身が編み出した文化の最大の理解者だったトーリ=カツランダルクが死んだ後は、ヨーシデンに移り住みその文化の発展に力を尽くした。
 激動のホーデンエーネン王国末期を生き、そして歴史の空白の時代『大戦期』を生き延びた後、王国暦で言うところの425年に死去、とされている。
 夫とその妾達が産んだ男児らを戦乱で失い、また、彼女自身が産んだ10人の娘たちに先立たれたが、『ウコン堂』の創立者であり、『香道』の本流を継いだモスマ=タカツキストンほか、数十名もの孫に看取られながら大往生を果たしたのである。
 
 マクシミリアン=シャブスキー著・『香道史』より


第三十五回

 声をかけてきた人物は、あまりにも醜い女であった。

 

 ブルドッグのような顔立ちで、大層むくれていたその顔と体型は、『デブス』と評される容貌だ。

 

 その女が近づいてきた。大柄で太った体型なのに、軽やかな足づかいである。

 

 その姿が間近に来ると、姫は怒りに満ちた目を和らげ、目を細めてしまった。あまりにも佳き香りが、その身体から漂っていたからである。

 

「ほう……」

 

 思わず抱きついて吸いたくなるにおいだ。甘い、と爽やか、が混ざった感じである。太った身体がよく漂わせる、脂ぎったにおいは全く嗅ぎ取れなかった。

 

「そなたは……」

「お初にお目にかかれて光栄ですわ、アーノンレンシ姫ちゃま」

 

 女はモネとモスマに声をかけ、自分の手元に引き寄せた。2人は笑顔でその女に抱きつき、腕を抱えた。

 

「私はチュバッカ=ソーローと申しますの。このモスマとモネの祖母でございますの」

 

 チュバッカと聞いて姫は目を見開いた。

 

「おお。そなたがへんなもののにおいを有難る、へんてこりんな『香道』の創始者じゃったのか!」

「おほほほ。へんてこりんとは手厳しいですわね。『香道』は既に淑女の嗜み、道楽者や数奇者を生み出す文化となっておりますのよ」

 

 さっぱりとしたものを着ていたが、その肉体からは到底想像がつかぬ麗しい香りを放ちながら、チュバッカは失礼、と姫に一礼した後にその小さな体を持ち上げた。

 

 姫は自分を抱き上げた老女の身体に、えもいわれぬ魅力を感じて抱きついてしまった。顔はドブスだが身体はとても柔らかく、いつまでも抱きしめてもらいたいと感じるほどだった。デブのサキュバスのような身体であった。

 

 姫に抱きつかれたそのチュバッカだが、姫の頭の上に鼻を近づけてすんすんと嗅ぎ出した。

 

「一体、なにをしておる?」

「姫様があまりにもおかわいいにおいを漂わせておりましたから♡ 評判通りの可愛らしい、離れ難くなるにおいですわ♡」

「妾は香料ではないぞ。くさいげっぷもすればおならも放つ。汗をかいた腕をぺろっと舐めれば、まったくできの悪い塩水みたいであるぞ」

「けれども、姫ちゃまのその身体の中のにおいを凝縮させたうんちは、激しい欲情をかきたたせる香水になると、モスマからお聞きしましたわ♡」

 

 チュバッカは姫たちにこう呼びかけた。

 

「くそまずい屋台で胃袋を満たしてはいけません。あちらの南天騎士団の子弟達の屋台がよろしいですわ」

「まずいと言ったな! ブスで悪食そうな体型のやつに言われたくねえよ!」

「てめー、ソーロー家の奥方だからってチョーシこきやがって! こいてんじゃねえぞッ!」

「いえ、王都の近くが故郷ゆえにわかるのですよ。この屋台の区画は確か、アジール流域の近衛騎士団の子弟の学生達の区画だったはずですわ。あちらはホーデンエーネン中部でも屈指の『メシマズ』と存じておりますわ」

 

 この付近の屋台で働く学生たちは、まさにそれであった。

 

 アジール河流域の領地やその民の食文化は、きわめて粗末であった。バカ舌ばかりで料理も酸っぱ過ぎたりしょっぱみがきつかったり。

 

「つまらない屋台で味蕾を消耗してはいけませんわ。さあさあ、私と一緒に屋台を巡りましょうね」

 

 罵声を気にせず姫達を連れて去ろうとするチュバッカに、屋台の店員のうち1人が掴みかかった。

 

「このババアっ!」

 

 振り上げた拳で、振り向いたチュバッカの顔を殴りつけようとしたその時だった。彼女の目が少しだけ開き、その瞳が学生の目とあった。

 

「……ううっ、うっ! おおっ!」

 

 学生は腰を揺らしながら腹の底からうめき声を出した後、チュバッカの服から手を離し、そのままうずくまって倒れ込んだ。

 

 屋台の他の店員達が驚いて駆けつけると、彼は心地よさそうな寝息をたてて眠っていた。

 

「何をしたのじゃ?」

「うふふふ。知っている魔法を使っただけですわ」

「そなたも魔法を学んでおったか」

 

 チュバッカは姫に微笑んだ。醜い顔だが艷やかさに満ちた笑みであった。

 

 彼女が使った魔法は眠りの魔法であった。ただし、かかった相手が男の場合は必ず、思わぬ作用を引き起こした。

 

 眠りにつく青年を囲んでいた仲間達が次々と叫びだした。

 

「うわっ、くっせえ!」

「くさっ!」

 

 姫はそちらから漂う臭気を、かすかだが鼻に吸い取った。

 

「そういえばそなたは確か、おばあちゃんがサキュバスだったときいておったが?」

 

 チュバッカはうなずいた。その顔に色気が漂っていた。

 

 かの魔法は漢にかけた場合、精嚢に溜まっている精液を全て吐き出させるのだ。彼女は祖母からその術を学んだのである。

 

 その淫魔だが、『デブ専』と『ブス専』たちから大量のザーメンを吸い尽くしたとんでもないと言い伝えられている。

 

【ギルバート=カツランダルク注:チュバッカの祖母だが、ナントブルグの色街で一時期、人気ナンバーワンの吸精魔として名を馳せたという。この頃には既に魔界に帰ったと言い伝わっている。】

 

 

□ □ □ □ □

 

 

 かくして姫達は、チュバッカがオススメする屋台を巡り舌鼓を打った。食いしん坊そうなこの太った貴婦人が言う通り、南天騎士団の子弟らの店が出すものは、なかなかに味が良く貴族の肥えた舌でも満足いくものばかりだった。

 

 そこで買って食べた、バターを塗った蒸かし芋も姫の舌を満足させるものであった。

 

 何しろ、姫やチュバッカがおいしいと判を押す、イーガ産のイカの塩辛をその上に乗っけていたからである。

 

「これじゃこれじゃ! このしょっぱくてぬるぬるした潮くっさい汁にまみれた漬けイカこそ、イカの塩辛というものじゃ!」

 

 いささか生臭く、それでいて深みがあるイカの塩汁漬けに姫は舌鼓を打つ。姫はこの身体に悪そうな食べ物が好物だった。

 

 乗っかっていたものを食べ尽くした為、屋台の店員に銅貨をやっておかわりをもらった。傍で見ていたローザマイヤが注意した。

 

「ショリィちゃん、おいしいのはわかるけど、塩っ辛いものは短気がひどくなっちゃうからほどほどにするにゃん……」

「なぬ? ローザマイヤちゃんはこれのおいしさがわからぬのか?」

 

 イーガ産のイカの塩辛だが、一番旨いのは『マイア=テクニカ』の食品部門が売り出しているものだと言われた。この屋台で使われていたのはまさしくそれだった。

 

「聞いておろう。素潜り漁をするフケツな漁師ちゃんのちんこの皮を剥いて出てくるぬっちゃりとなった垢とおんなじ味のが、この世で一等うまいらしいぞ?」

「……だれから聞いたにゃん?」

「おじいちゃまが愛した奥方(ローラ)ちゃんが日記に書き残しておったのじゃ!」

 

【ギルバート=カツランダルク注:マイア=テクニカの創設者・マイヤは屈指のバカ舌と罵られていたが、彼女が手掛けたイカの塩辛だけは老舗店に負けず劣らずの逸品だった。ちなみに「フケツな漁師のべたべたになった恥垢に似た味」というのは、ニガタケグラードに現存するマイヤの日記に記載されている内容そのものである。】

 

 そうして腹も膨れたところで、チュバッカが姫にこう誘った。

 

「これより大学の香道部のお披露目会がございますの。姫様には是非とも、立ち寄ってご見学いただけると幸いですわ」

「む。そんなものがあるのか。まあ実のところ『香道』を実際におこなう様子を見たことが無い。是非とも拝見いたそう」

 

 『香道』の会場は北側講堂の中庭にあった。そこに椅子と鼎が並べられており、麗しい装いをまとった女学生たちが談笑しながら、会の始まりを待っている。

 

 そして鼎からは、甘くてそれでいて爽やかな香りを放つ煙がたちのぼっていた。姫についてきた悪童や女生徒たちはそのにおいに鼻を悦ばせ、頬を緩めていたが、ローザマイヤとシタラは全く逆だった。

 

「うげええ。なんじゃろうか。この沼地の泥くせえにおいは?」

「うーん。なんだかうんこのにおいがするんだにゃん……」

 

 耳にしたチュバッカがいきなり、「すばらしいですわ!」と褒め称えた。焚かれていたのはただの香ではない。

 

 甘い匂いを放つことでよく知られているサキュバスの糞と、カイロネイア山地にいるカマキリ型の魔獣・デスマンティスが毎日腹にあいた穴から出す体内の余計な水を混ぜ合わせ、練り込んで作ったものだった。

 

「こ、この煙はうんこだったにゃん……?」

「さようでございますがただのうんちではございませんよ。『香道』では『うん香』と称して焚きものとして用いておりますのよ」

「ふうん……ショリィちゃんはわかっていたかにゃん?」

 

 ローザに訊かれた姫だが、ずっと腕を組んでいた。それから何を思ったか鼎に近づくと煙に鼻を近づけた。

 

「びゃくだん……によく似た香りじゃ。あとこれ、お茶っ葉も混ぜておらぬか?」

「御名答でございますことよ!」

 

 そう叫んで手を叩いたのは、チュバッカではなくモスマだ。これらの煙には、カイロネイア産の緑茶の葉っぱも混ぜていると教えた。但し使った出がらしである。

 

「未使用の茶葉よりもにおいが落ち着きますゆえ、用いておりますの」

「もしやこれは……においを嗅ぎ分ける勝負にも用いられておるのではないのか?」

「うふふふ。その通りですわ」

 

 『香道』にはこのような勝負がある。嗅いでお香の産地や作った店の名前、あるいは、原料をどれだけ当てられるかだ。より多くの原料を嗅ぎ当てた者が勝つのである。

 

 さて、『香道』のお披露目会がいよいよ始まった。姫たちは空いた席に座ると、同好会の長の女子学生が皆のところにやって来て、ごきげんよう。と挨拶し、つらつらと言上を述べ始めた。

 

「さて、ご存知の通り、『香道』はホーデンエーネンの淑女の嗜み、いいえ、もはや既にシマナミスタンとサイゴークにまで伝わる一大文化となっておりますの。ではなぜ、そこまで広まったのでしょう?」

 

 女学生がこう論ずる。『香道』とはすなわち、『美食道』に一形態であるからだ。

 

「身体から出る汗、臭気、垢、それと、うんちやおしっこというものはいわば、人が摂した食物の成れの果て。その人が何を食べ飲んだか、あるいはどの様に日々を過ごすかによって、味やにおいが変わるものですの。美食、それも食べる場所やその時間をも最高の時を追求するのを美食探求(ガストロノミー)と一般に言われておりますが……」

 

 アーノンレンシ姫は「知らんぞ」と小声でつぶやいた。チュバッカが念話魔法でその様な用語があるのだと

 

「その文化の1つの分派とも言える我々『香道』の求道者のことを、美食探求をもじって美臭探求者(ガストロンジャー)と言いますの。皆々様、覚えておいてくださいね?」

 

 美食探求(ガストロノミー)と美臭探求者(ガストロンジャー)。異世界の言葉であると言い伝えられているが、後者は造語である。

 

 ガストロンジャーという用語だが、異界で臭気を持つ気体を表す『ガス』と、同じく異邦人を意味する『ストレンジャー』を掛け合わせた言葉で、意味することは「美しい臭気を求め流離う探求家、である。

 

「が、がすとろんじゃ……ううむ、美食とか成金趣味から全く縁遠い響きがするのう……。なんだか、金持ちの道楽文化をくだらねえとつぶやいて、さめた顔をして歩く、市井の者を想像してしまいそうじゃ」

 

 胡散臭い言葉を聞いかの様に眉をひそめるアーノンレンシ姫に、『香道』の発案者が説き伏せようとした。

 

「さりとて、これ以外に語気がしっくりきそうな言葉もございますまい。姫様もおまんこやお尻の穴を熱くしてくれる、くっさくてがちんがちんのおちんぽを手に入れるなら、土砂降りの中でも駆けることもいとわぬお方でございましょう?」

「ううむ。確かに。おまんこの為だけに死んじまうこともありそうなサキュバスちゃんのはしくれでもあるからな。奴隷の境遇でも性奴隷であれば、天国にいるようなものだと思うに違いない……」

「そうです。ゆえに、ガストロンジャーというこの力強い響きこそ、『香道』の求道者にちょうどよい呼び方だと思いましてよ?」

「ううむ……そうでもあるかのう……」

 

 姫は釈然としはしなかったが、チュバッカの言にうなずくことにした。

 

 かくして、『香道』の講習の始まりである。

 

 会場に数名の男たちが現れた。どの男もいかつく、それでいて暑苦しくて汗臭そうなゴリゴリ体型の者たちばかりである。

 

 同時に、香道部の部員たちが後ろにある箱から、樹脂製の袋をいくつか取り出すと、男たちは部活動の長の真後ろに、横一列に並んだ。

 

「さて、まずは手始めに、この袋の中に入っているものが、この殿方のうちの誰のものか当ててくださいませ」

 

 これが『香道』における競い合いの1つ、『嗅ぎ当て』である。袋が来場者に渡されると、皆がひもで縛った出し入れ口を開き、顔を当てた。

 

「ぐおっ♡」

「おおおっ……くさくてたまりませんわ……♡」

 

 恍惚となりながら悶えるのは皆、『香道』をたしなむ娘たちばかりである。その他の者は「おええええっ!」とえずきながら会場から逃げていった。

 

 そうして袋が姫の元に渡された。何が皆を興奮させたり恐怖させているのだろうと興味をもっていた姫は、袋を縛っていたひもを少し開け、その中をのぞいてみた。

 

「……むむむ!」

 

 姫は思わず顔をしかめてしまったがさて、その中に入っていたものとは何だったのか?

 

 その続きについてはまた、次回にて。




ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

セクシーな挿絵をどうぞ。

【挿絵表示】


以下はリンクです。(別サイト)


削除したエピソードはこちらでご確認ください。
題名はSEО対策です。

本編
『聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜』です。
現在ハーメルン版と同じく聖王編まで掲載。
主人公イズヴァルトがちんちんをぶんまわしながら世界を渡り歩き、マイヤやスケベな女達に搾取されるお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/934913837

外伝1 マイヤとトーリが主軸のお話です。
 『前世の記憶を持つ神業尺八使いの狸系美少女の妹と、女帝サキュバスの祖先の才を受け継ぐ清楚ビッチな姉の2人で、搾精の王国を建てちゃいます☆』
トーリとマイヤとそのご先祖について、そのご先祖の家来筋のイーガ魔法王国の王子の物語と、覚醒したトーリがホーデンエーネン王国の実権を握り支配し、凋落するまでのお話となります。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/779914728

外伝2 本作の重要人物、魔法戦士ヘラのお話です。
『転生したらあたし、セックス教団の教主の養女でいつでもどこでもエッチがしたくなっちゃう、レベル999のビキニアーマーの美少女魔法戦士でした!』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/959004604


以下は旧版のイズヴァルト。題名はSEО対策です。
(内容は大体一緒ですが、細部がいろいろと違います。)

『エリクサーみたいに栄養満点の精液を放つ絶倫聖騎士は、転生美幼女淫魔にまとわりつかれておちんちんをチューチュー吸われる。
』
https://novel18.syosetu.com/n3094lt/


以下のは、副産物となります。

爆焔のダークエルフ
https://h.syosetu.org/novel/378655/

サキュバスレストランへようこそ! Hルート
※別サイト。エロをマシマシにした改稿版です。
https://novel18.syosetu.com/n1061iv/
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