聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・忠烈編 作:CHACOとJAGUAR
『忠烈編』はこれを前提に話が展開されていきます。
※重複投稿となりますので、あちらを読んでいれば読み飛ばして構いません。
王家の墓地に火を着けられ、ロゼ姫の棺が盗まれた。
その事は王族を、ジューンショーン王の威厳をたいへんに損ない、彼を侮る貴族が増えたきっかけとなった。
歴史書ではその事件を、ホーデンエーネン王国暦で言うところの364年の1月と記されている。
このことは当然、朝議の議題となった。
しかし、姫の遺体を盗んだ者は、どんな目的があっての推測や、それから導き出される犯人像の割り出しといった、賊の捜査に関わることは話されなかった。
渋い面をするジューンショーンとジョーケインの前で、廷臣らはただただ、国の威信がどうのだとか、王家に対する挑戦だ、などと、名を重んじてばかりで実をとらぬ話ばかりだ。
つまるところ、彼らは墓荒らしの犯人探しに多大な労力をかけたくなかったから、そんな話でごまかそうとしていたのだ。
「者ども、まだそんなことでロゼ姫の棺の件を、とどまらせるつもりか?」
我慢ができなくなったジョーケインが、廷臣らを睨みつけて怒鳴った。
昨日も一昨日も同じ話ばかりで、苛立ちが抑えきれなかったのだ。
「もういい。この件について私が指揮をとる。3日のうちに賊や犯罪に詳しい学者や魔道士を推挙せよ。その者らと捜査をおこなうゆえにだ。異論は許さない」
ジューンショーンの目がほころんだ。いずれ彼に譲位しようと目論んでる彼は、甥が率先して行動してくれることを大いに喜んだ。
甥には自分には無い、人に強く出られる果断さがある。安心して譲位できるとジューンショーンはこころ強く思った。
勇猛なセイン王と『女王』とまで謳われたトーリの血を引くジョーケインの世はきっと、良いものになるだろう。
しかしジューンショーンは、甥に面倒な仕事を押し付けて惰眠を貪っているような王ではなかった。
朝議が終わってジョーケインが自分に賛同した武将らが話しに来ると、彼らにどう仕事を進めるかを詳しく聞いた。
「……なるほど。まずはクボーニコフの嫌がらせという線を考えているんだね。でも、イズヴァルトさんが『やらかした』ことも考えてみてくれ。マリーヤとウツノミーア、ツックバーも視野に入ってくる。ダテーゾフもだ」
イズヴァルトはすでに国を出て久しいが、彼はいわばホーデンエーネン人の『顔』であった。
彼の『やらかし』は当然、ホーデンエーネン王家にも跳ね返ってきた。
「私からそれらの国々に親書を送るよ。かわいいロゼ姫の遺体が盗まれた。君たち、存じていないかってね」
「でもそれをしたら、また威名が落ちますよ、叔父上?」
それでいい、とジューンショーンは笑った。そんなことにこだわらない。
へりくだるところはへりくだって、曲げぬところは絶対に曲げない。それが彼の考え方だ。
「僕が腰抜けで恥知らずな、最悪の王だと言われてもいいよ。だけど死体を盗むという、おぞましいことが行われているということが公然の事実として世に広まったら、道義をもとに各国は動かざるを得なくなる。この事件に少しでも手を貸さないと、家臣や民に不安を覚えさせるだろうからね」
それと、この事件は諜報や船乗りを使って諸外国に流す。下々にも知ってもらうわけだ。
ジョーケインは叔父に尊敬を抱いた。文弱なだけでは無く知恵もある。見習いたい。
「是が非でも、お願いいたします。私は誰が犯行に及んだのかを調べていくことに致します」
「墓の副葬品が盗まれていないか、確かめたほうがいい……もし何も盗まれていなければ、もともとロゼちゃんの棺が目当てだったかもしれない」
目当てが死体、とはっきりすれば犯人像が絞られるだろう。
人体剥製愛好家、とジューンショーンがぼそりと言った。彼も噂程度でしか聞かぬ、一部の貴族や富豪で流行っている蒐集趣味だ。
ジョーケインにとっては初めて聞く言葉であるが、何を言いたいのかが、なんとなくだがわかった。
「今こそ、イズヴァルトさんを呼び戻すときでは?」
ホーデンエーネンを捨てたどころか、裏切る様な真似をした男ではあるが、王国の誰もが、戻って来ることを期待していた。
「なにか悪いことをしたら、イズヴァルトさんが黙っちゃいないよ、と悪者たちを脅せるでしょうし」
「……ここのところ音信不通でね。トリーネちゃんの義理の父親になってくれないか、と手紙を書いて送っているんだが」
トリーネはマイヤの孫だ。イズヴァルトならばきっと可愛がるだろう。
しかし性格は能天気で、母や祖母の様に頭は良く無かった。
優しいが過ぎるイズヴァルトに預けると、甘やかされたろくでもない女になりそうな恐れがあった。
でも、とジューンショーンは思う。彼女は王家の姫よりも、市井の娘として生きたほうが良いのでないだろうか。
亡きフレッダのことを思い出した。礼儀作法はまったくなっていなかったが、宮廷の皆に愛された。変なわがままを言わず、財を乱費することも無かった。
良き妃になってくれたはずなのに。早死にさせたのは自分だ。温厚を装う彼の心の中は、悔やしさと狂おしさでいっぱいだった。
妻1人救う事もできぬ、己の非力さを思い知らされて打ちひしがれていた。
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ジョーケイン王子が指揮する捜査は次第に、国内で大きな話題となった。
「ジョーケイン王太子様はまだ成人の儀を済まされておらぬのに、魔道士たちを立派に率いてロゼ様をさらった賊をお探しになられている」
「立ち居振る舞いは英邁で頼もしい。亡きセイン王陛下とトーリ様の血を継ぐ名君になられるだろう」
捜査自体は難航していたが、ジョーケインの名は徐々に高まっていった。
その評判を聞いたジューンショーンは嬉しく思った。王位を早いうちに譲っても良いとわかったからだ。
ジューンショーンは常日頃、自分は王の器ではないと周囲に公言していた。
この尚武の国においては、文弱の徒である自分ではとかく家臣に侮られてしまう。彼自身の立案は、廷臣たちからの批判をよく受けた。
しかしジョーケインが王になり、自分が宰相という形になれば、自分の意が受け入れられやすくなるだろう。
ナントブルグへの『えくすぷれす』の伸長。
大陸北部のオーミゲニア連合自治区への権利の更なる移譲と、南部の大貴族達の介入の妨害。
それから、これは王家の直轄領だけとなるが、税の軽減と農産や経済の活性化政策の執行。
マイヤが書き遺した政策案は、国王の文机の上に大事に保管されていた。兄が置いてくれていた。
「実現不可能だ」と口では否定していたが、焼き捨ててはいなかったのだ。
ジューンショーンは、マイヤによる政策案が書かれた文書を手に取った。軍事関係の提案だ。近衛騎士団の演習回数の軽減についてだ。
「演習は年に6回あったものを、半分に減らす」
近衛騎士団の演習費は、王家の忠節に関わることとされた為、費用は国庫から捻出されていた。これがあまりにもバカ高くつくのだ。
演習に参加する騎士や兵士の食料や寝床にかかる費用はもちろんのこと、演習の期間、毎日のように行われる領主達の宴会にかかる銭も、国庫から持ち出すこととなっていた。
その提案書だが、演習の回数を減らした分、各々の領主の自主訓練で補ってもらうように、と記されていた。
つまりは、こんなことで金を使いたくないぞ、である。
この提案は当然、ホーデンエーネンの『近衛騎士団』のメンバーらに不評を買った。
出された当時の王はセインだが、彼はこの提案を取り下げさせた。
マイヤと貴族達の間でもめ事が起こるだろうと思い、面倒くさがったからだ。
しかしジューンショーンは、これをやろうと考えていた。セイン王の頃に比べ、税収がだいぶ落ちてしまったからだ。経済に重きを置きたかった。
文弱と思われている自分がこの政策を申し出れば、廷臣たちも通しやすくなるに違いない。彼はそう考えていた。
武がおろそかな自分は騎士連中に侮られているから、これを進めてもあいつだから仕方が無い、と思ってくれるはずだ。
近いうちにジョーケインにも、税収のひっ迫やその原因となる無駄遣いについてきっちりと教えていた。
甥も税とその使い道については敏感なほうだ。
何より、世の権力者の多くが欲する様な、美刀や財宝を全く好まなかった。
カツランダルクの血のせいか、もうすでに侍女に手を付けていたりするが、仲良くなった女達に高額のプレゼントをする様な甘さは無かった。もっとも、まだ甥の子を孕んだ女はまだ、1人もいなかったが。
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国王が、『近衛騎士団』への締め付けを考えているようだ。
ケノービはその話を、騎士団の会合で耳にした。
「どうにもあのひょろ細い国王は、先代でもやらなかった事をやり遂げようと意気込んでいるそうだ」
そう聞いて酒をちびりとやりながら、体格は確かにそうだが、股間のものは歴代の王では屈指の大業物らしいぞと、心の中で言い返した後、意見を求められたケノービは席を立ち上がった。
「陛下のお考えです。我々がとやかく言うべきではないでしょう」
それまで談笑していた者達が黙りこくって、一斉にケノービをにらみつけた。
彼等が聞きたいのは理性に基づいた発言ではなく、反対意見が渦巻く酒の席で、自分達を調子づかせる感情論だ。
「ソーロー公! 今のお言葉は聞き捨てなりませぬぞ!」
「演習を減らされるとは武を捨てる事と同じだ! 陛下は我らに、自分かそれ未満の文弱の徒になれ、と言っているようなものだ!」
憤慨する彼等に、そういうつもりで言ったのではない、とケノービはなだめた。
国王の旗の下での演習が、年に6回からその半分になるのならばそれでいい。
「その代わり、陛下は我々への忠義の心も、半分にとどめて置いてかまわない、とおっしゃっているわけでございますよ」
謀反の心づもりがあるのか、と、怒声を発したものがいた。ケノービはその声に向かって笑みを浮かべる。
「しかしまことの忠義者であれば、たとえ俸禄が減らされようと我慢するもの。我々は試されているのです。ここは、皆でお金を出し合って、減らされた3回分の軍事演習を自分達だけで為せばよいではございませんか?」
正論そのものとも言えるその提案は、皆から白い目で見られた。
近衛騎士団の彼らは、国のおごりで飲み食いするのを望んでいたからだ。
けれどもケノービは、持論を引っ込めるのをやめなかった。実はそこに狙いがあった。
「それでは、こういたしましょう……私めが演習においての、国王陛下による『恩寵』にかかる費用を肩代わりいたします」
驚きの声があがった。
あるいは、「今こいつは何てほざいた?」と訝しむ者も。
「だから言っているのです。私ことケノービ=ソーローが、演習においての陛下からの『恩寵』、つまりは、演習の期間の宴にかかる費用だけでも、お出しすると言っているのです」
国王家、つまりは国から出されるものより費用はかけられないだろうが、できうる限りをソーロー家から出す。
「ソーロー公どの。それはお家の財を傾けることになるのでは?」
「かもしれません。しかし皆様方の陛下への忠義の心を、私は失いたくはないのです」
少しずつだが、場にいる者からの称賛の声が聞こえ始めた。
「もし王国に危機が起きれば、近衛騎士団の誰もが陛下のもとに馳せ参じぬ。そのようなことは決して起きてはなりません。であればこのケノービ=ソーロー。ろくな使い道しか知らなかった財の使い方を、今こそ改めるべきだと思い、皆様に呼びかけているのです」」
勢いが傾いた。皆がケノービの申し出を受けることにした。
演習期間の近衛騎士団の構成員が行う宴の費用だが、そう安くは無い。
しかしケノービは、費用を捻出する為のつてがあった。
彼の細君・チュバッカ=ソーローこそがそれである。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
セクシーな挿絵をどうぞ。
【挿絵表示】
以下はリンクです。(別サイト)
削除したエピソードはこちらでご確認ください。
題名はSEО対策です。
本編
『聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜』です。
現在ハーメルン版と同じく聖王編まで掲載。
主人公イズヴァルトがちんちんをぶんまわしながら世界を渡り歩き、マイヤやスケベな女達に搾取されるお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/934913837
外伝1 マイヤとトーリが主軸のお話です。
『前世の記憶を持つ神業尺八使いの狸系美少女の妹と、女帝サキュバスの祖先の才を受け継ぐ清楚ビッチな姉の2人で、搾精の王国を建てちゃいます☆』
トーリとマイヤとそのご先祖について、そのご先祖の家来筋のイーガ魔法王国の王子の物語と、覚醒したトーリがホーデンエーネン王国の実権を握り支配し、凋落するまでのお話となります。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/779914728
外伝2 本作の重要人物、魔法戦士ヘラのお話です。
『転生したらあたし、セックス教団の教主の養女でいつでもどこでもエッチがしたくなっちゃう、レベル999のビキニアーマーの美少女魔法戦士でした!』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/959004604
以下は旧版のイズヴァルト。題名はSEО対策です。
(内容は大体一緒ですが、細部がいろいろと違います。)
『エリクサーみたいに栄養満点の精液を放つ絶倫聖騎士は、転生美幼女淫魔にまとわりつかれておちんちんをチューチュー吸われる。
』
https://novel18.syosetu.com/n3094lt/
以下のは、副産物となります。
爆焔のダークエルフ
https://h.syosetu.org/novel/378655/
サキュバスレストランへようこそ! Hルート
※別サイト。エロをマシマシにした改稿版です。
https://novel18.syosetu.com/n1061iv/