聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・忠烈編 作:CHACOとJAGUAR
この辺の時系列ですが、アーノンレンシがショーゴインの分校に編入してからいくらか月日が経った頃となります。
カヅノ=セイジは、この時初めて面を合わせてエルフのイナンナと話す事となった。ヨーシデンの彼女の診療所でのことだ。
教団の代理として、教主コーザからご機嫌伺いの使者としてやって来ただけだが、彼は絵の中から出て来たような美女に、目も心も奪われてしまった。
イナンナは白エルフの中でも特に美しい。背が高く清楚そうな容姿である。どこか儚げだ。そういう若い女としか思えないのに、どこか年老いた女のような気安さがある。
それでいて、薄暗い何かを彼女から感じていた。自分と同類だと思わせる気配だ。
「なーにじろじろと見ているズラか?」
「あ、いや。つい見とれてしまいましてね……」
その日のカヅノの任務は、あくまで『ご機嫌伺い』だった。だがイナンナを見てその目の前に来てしまった彼は、彼女に惹かれることとなった。それは欲情という形であらわれた。鋭敏なイナンナは察した。
「おまん、今夜はここに泊っていくズラか?」
カヅノ=セイジに、断る理由が無かった。風呂に入って寝室で待つと、湯上りのイナンナが入って来た。
「さあ、おっぱじめるズラよ?」
誘い方に色気は無かったが大事のはそこではない。
真雪の様な白い肌。さわやかなにおい。それと、あまりにも浮世離れしている美貌だ。
それが間近に迫りカヅノの身体に抱き着いた。手が股間に添えられ、甘くシゴきだした。
「おおお……」
柔らかく細くきれいな手で愛撫。精を放った。何度も。
そしてお返しにイナンナの無毛のそこに掌を添えた。響きの良い女エルフの声は彼の鼓膜を蕩かせ続けた。
そして2時間にも及ぶ愛撫の後はひと眠りした。存分に楽しむには一呼吸が必要なのだ。
目覚めた時にはイナンナが彼の上にまたがっていた。お互いに貪りあい、3時間にも及ぶ肉と肉の絡ませあいが続いた。
その間イナンナは、経験が浅い若い女が見せるような恥じらいやとりとめの無さを一切見せなかった。性愛に慣れた女の、肉の悦びを存分に享受している肯定感があった。気取ってもいなかったし性愛以外の事をカヅノに求めなかった。
イナンナとの一晩に、彼は身も心も満たされた。
(ああ……良かった……。)
数日経った今も時折思い出してしまう。腰を曲げて彼の顔を覗き込んでいたオハラが顔をしかめていた。
「どうした? 悪いものでも食べて腹を壊したのか?」
「いや、イナンナの事を思い出しただけだ。何もかもが素晴らしかった。お前も今度会うといい」
「トーリ=カツランダルクよりもか?」
「あの女と比べるのはやめてくれ。法悦を楽しむというより喰われる感がすごかっただろ?」
オハラは少しだけ首を動かした。トーリ=カツランダルクとのセックスは、身体と精液を捧げにいったようなものだった。あの清楚な容貌と雰囲気の女は、とんでもない搾精魔だった。
「あれに比べたら『マイマイ』は、そのう……イズヴァルトが惚れるのもわかる可愛げに満ちていたが……」
『マイマイ』とはトーリの妹の愛称である。但し、性的な魅力とスケベぶりに頭をやられた者がよく使っていて、本人も、
「ヘンなあだ名はやめてッ!」
と顔を真っ赤にして怒っていたが。
「『マイマイ』は性格も技巧も体つきも、素晴らしいことこの上無かった。あの女との法悦はまさに教主殿が言う『神との対話』に向かえそうなものだった……イナンナもそうだったのか?」
オハラが問うとカヅノはうつむいた。顔を上げた途端、イナンナとの情交を堪能して喜ばしそうにゆるんでいた顔では無く、憤怒の形相となっていた。
「人でなし! あんなかわいい子を犯したのか、貴様!」
惨たらしいことをやった悪党だ。そう言わんばかりの剣幕だった。
「オハラ! 貴様はあんな可愛い『マイヤちゅわん』にちんぽを食わせる人でなしだったのか? 見損なったぞ!」
マイヤの身体は男が望んだ女体の一種、みたいなものだった。両腕両脚を切断されていたが、性的にすぐれて恵まれていた身体つきだった。
乳首は小さく形は美しいが、姉のそれとは比較にならぬでかいおっぱいと、『尻女神の化身』と称されたもちもちでぷりぷりの尻があった。肌はぷにぷにでさらさら。彼女を抱いた男は誰も、このまま離したくないと言う者ばかりだった。
それと、気安く話しかけられる様な、愛嬌たっぷりの顔つきである。美人の範疇にはあったが。万事において人と接するのが苦ではない彼女の人格にも男達は惹かれた。
だが、カヅノはマイヤには性欲を感じなかった。セックス専用の『ニンゲンのぬいぐるみ』みたいな彼女の、無垢な子供の様な人柄に庇護欲をかきたてられたからである。もっともカヅノは、身近な者が感じる腹黒い人格を認識できていなかったのもあったのだが。
「いや、あれは本人にせがまれて、だったんだ。俺は『マイマイ』にそこまで入れ込まなかった」
オハラはマイヤの顔と、その法悦を思い出した。
「あのきらきらとしたおめめとあどけない顔立ちに見とれてしまったが、それで確かに一瞬だけくらっとなった。乳房も尻もふんわりとして大きかったし、腰を屈めば2つに割れるぐらいにお腹に少し肉が乗っていて、それをついつい触って楽しんでしまったが、決して『マイマイ』にぞっこんになったわけでは……」
「可愛いと思えるならなおさら、股を広げさせることはしないだろうがッ!」
カヅノが狂った様子にオハラはつい怯えてしまった。背丈と横幅は一回りも二回りもあり、枢機卿の中で一番の力自慢であるのに。
「ぜえ、ぜえ……」
「い、息を整えたらイナンナの事について話を続けてくれ」
「ふう……」
落ち着きを取り戻したカヅノは、巨根を腹に収めて喘ぎながら、イナンナが語ってくれたことをオハラに話しだした。
「教団のゴール殺しはとっくにバレている。イナンナ……というよりかは、カントニアのエルフ達にはな」
ツックイーやカイロネイアから時折やって来る、イナンナの知り合いがあたりを探っているそうだ。彼女達は『食人鬼』の気配を探るのが上手かった。
「イズヴァルトには?」
「まだ話していないそうだ。あいつが知ったら、教団、いや、パラッツォ教国の敵にまわるかもしれん」
ヘラの親戚が何者かに虐殺された事を、イズヴァルトも知っていた。教団のこの活動を知られたら、イズヴァルトはヘラの親戚を殺したのも教団だと見做すだろう。その先は敵対だ。覇気を失った教主に今、あの男を止める気迫は無かった。
「だが、イーガの前王の娘3人には教えているそうだ。口に出さないから信用しているとな。彼女たちの実家にも話さないようにと言い含めている。それと、この件は魔竜も動きつつあるようだ」
「なんだと? この世界の民に対して不介入を是と公言しているのにか?」
「……わからないのか。トーリ=カツランダルクの遺児たちの版図だからだよ。このヨーシデンがな」
トーリの祖先は、魔王の一族に連なる人物だ。ゆえに、コリアンナが治めるアスカウと、ザーチャとディークが共同統治するヨーシデンは、魔界としては監視の特別枠に入れていた。魔竜はその意向を受けているそうだ。
カヅノはその話を、あろうもことかコーザから聞いていた。それだけトーリ=カツランダルクが恐るべき人物だった、と言う訳である。カヅノもあの女を恐れた。だから、滅ぼす為の策を講じた。
「それと、イズヴァルトは魔竜とも懇意の間柄だ。奴があの魔王めをちんぽで慰めているかどうかは知らんがな」
「つまり、教帝陛下のご命令は、一番怒らせてはならぬ相手を敵に回す……と言いたいのか?」
「ああそうだ。教帝にはお前から説得しろ。あいつも話が聞けないバカではないからな」
そう告げてカヅノは去った。オハラは皆に、「今のを聞いたか?」と尋ねた後、この作戦の中止を告げた。
数日後、エチウに戻っていたカヅノがオハラ自身から教帝を説得したと言われた時、「そうか」と言っただけで後は何も言わなかった。
ゴールの連中が何かとんでもないことをしようと企んでいたとしても、ヨーシデンとアーノンレンシ姫は盤石だろう。何も教帝が裏から手を回さなくても、姫の身に危害は及ぶことは無いからだ。
(何せアーノンレンシ姫は、あのマイヤちゃんの前世の娘だったらしいからな。イズヴァルトもイナンナも、彼女を守る為に力を注いでいるのだろう。どんな連中もつけ入る隙は無い。)
となれば、自分とヘラの間で起こった事は、絶対に知られないようにと彼は己を戒める。
ヘラはマイヤ殺害の犯人。カヅノは彼女をそこに至らしめ、彼女を『食人姫』に雄飛させた主犯、だったからだ。
□ □ □ □ □
その日の午前の仕事を終えたイナンナは、軒先に繋いでいた馬に乗り、診療所がある中心街から南にあるショーゴインの港町へ向かった。
そこにアーノンレンシとローザマイヤが通う、トリシア大学の初等部と中等部の『分校』があった。主に亜人や魔族の子、あるいはその血を濃く継ぐ生徒の為の分校だ。
カリキュラムは『本校』よりも詰めている。それだけ彼等の出来が良いからだ。大抵の亜人や魔族は、本は一度読んだだけで覚えるし、計算も早い。ニンゲン用の生ぬるい授業では、つまんねーと言ってすぐにダレてしまう。
とはいえ、アーノンレンシとローザは進級が決まっていた。アーノンレンシは脳味噌を殴りつけられる様な授業が大好きで、クラスでの成績順位も徐々に上がってきているそうだ。
もう1人のローザは、ぎりぎりといったところである。が、そもそも物覚えがいい。魔法と剣術以外の事に関しては意欲があまり無かったが、テスト直前に猛勉強をするから赤点にはならなかった。クラスの平均より下の成績だが。
(まあこれも、ピエラちゃんたちのお陰だろうズラな。)
ピエラ達がこっちに来たのは今年の春だった。彼女たちの『おっきいあかちゃん』だったマイヤが建てた学校に通ってみたいというのと、父と母らに姫の護衛を頼まれたからだ。
噂に違わずトリシア大学は酷いが過ぎた。校内では日常茶飯事の様に暴力や強姦が起こっている。イナンナも月に何度か、当校の女子生徒に頼まれて堕胎薬を処方することがあった。
アーノンレンシとローザマイヤは、トリシア学問所の乱倫ぶりに憤っていた。イナンナも同情はした。が、あそこが『イキリ貴族とその性悪愛人枠』の養成所と化しているのを知っていたから変えてやれと思わなかった。所詮は汚物溜の世界だからだ。
しかし姫たちはこともあろうか、イーガで学んだ技術やサキュバスの能力を用いて暴れまわってしまった。血の気が濃い悪童どもをだいぶ心腹させた。今じゃ彼らは2人の体のよい『
それだけならまだいいが、彼等を集めて戦争ごっこに明け暮れるものだから、とうとう大学の指導層に目を付けられてしまった。ただのニンゲンではない、というのがわかってしまった。並みの能力の子供たちと同列に学び育てる事はできないと判断された。
……それが、ショーゴインの『分校』に転入したのはそういう経緯だ。理事会にはナントブルグの息がかかった者もいて、退学の声もたくさんあがったが、『分校』の学長を務めるウルツ=サハリがそれを封じた。
ウルツはイナンナの旧知だ。手紙でよくワターリの情勢を伝えてくれる間柄である。つまりは、理事会で話されたこともイナンナに筒抜けだった。
そのウルツもまた、トリシア大学そのもの対して全く、愛情を抱けないでいると常日頃からぼやいている。あまりにも低劣なニンゲンの学生ばかりだからだ。学業よりも、金やうまいものや女、そして、流血沙汰が大好きだからである。
(ウルツのやつもだいぶ苦労しているズラな。あいつもワターリに戻りたかろうに。)
だがマイヤの『遺産』を放っておく訳にはいかなかった。それとアーノンレンシの気持ちだ。彼女は前世の母親が建てた大学で学びたいと願った。それを叶えてあげたい。大学の卒業式を見届けてやりたかった。
(まあ卒業したら、ローザマイヤちゃんと一緒にイーガに戻るしかねえけどな。ホーデンエーネンにいたまんまだと反乱の旗頭にされちまうかもしれねえし……この10年ぐれえの猶予、っていったところズラな」
そう、今は猶予期間だ。今はソーロー家と休戦中の状態だ。いずれアーノンレンシは2つに1つを迫られる。外国に出るか、国内に踏みとどまってカツランダルク党に宣戦布告をするかのどちらかをだ。
ヨーシデンの検問所を抜けた。あたりは畑や牧場ばかりになった。風の湿度が少しあがり、潮っ気を感じた。ヨーシデン地方は海側にあるし、ホーデンエーネンで一番温かいところである。寒がりのマイヤがここに都を造った理由でもあった。
それと作物の育ちが良く、水も豊富だ。飲み水としてはまずくて飲めたものでは無かったが、農業用水や水道水に困る事は無かった。
ただ、イナンナはここよりも、アスカウやシギサンシュタウフェンの方が好きだ。水がきれいでうまいところに住む方がいい。どうも海側の、しかも大河の河口付近というのは、大地の穢れの様なものが溜まっているようにも思えた。
牧場のほうで卑猥な声がするのを聞いたので馬を止め、目を向けた。太った農夫が、裾をめくって雌の小さなロバの尻にひっついて腰を動かし喜んでいた。
男はロバとのセックスに夢中でこちらに気づかなかったが、ロバのほうはイナンナに気づき顔を向けて来た。獣との会話を試みてみた。
「おい。そこのぼうず、オラのことに気づいてねえズラな?」
「何見てんのよ? この人と『なかよし』の最中なんだからッ!」
「おまんら相思相愛、ズラか?」
「そうよ! だから気づかないうちにとっとと行ってよッ! それとッ!」
雌のロバはイナンナの右横にある木に登って覗き見ている奴も注意しろと言ってそっぽを向いた。見上げると確かに木の上でセックスを見物する者がいた。見知っている顔だ。
「えへっ♡ えへっ♡」
分かれた幹の上でしゃがみ、スカートの中に手を突っ込んでいじっている。水色の髪の若い娘。イーガのヴィルヘルム前王とサキュバスのカミラとの間の娘のアズルだ。
「おい、なにやっているズラか?」
「きゃっ! なんだ、イナンナさんでしたの……」
「降りてこっち来い」
アズルが飛び降りた。音を出さずに着地した。イナンナが目くばせすると馬に飛び乗った。
「なんでこんなところで動物なかよしを覗き見ていたズラか?」
「てへへ♡ 寝取られた女の様子を伺いたくって♡」
あのデブの農夫は、アズルのセックスフレンドの内の1人だ。ちんこはそれほど大きくはないが、2時間近く続けて放てるほどタフだった。精液の質もよく、魔力も含まれていた。
「ああ、あの浅黒くでっぷりとした風貌なら、多分シマナミスタンのドワーフの衆の血がまざっておるズラな」
「あの人のこと、マゼンダさんとサルファさんには内緒ですよ? ショリィちゃまにもですからね?」
イナンナは振り向いてアズルの頭を小突いた。三姉妹でもこの娘は性格があんまりよろしくない。恋人がいる男と寝ることを好んでいた。
「それで、おまんは『監視』の最中だったっけ?」
「それを言わないでくださいよ。監視ってすごく暇なんですから。どうせマゼンダさんもサルファさんも、港の男とおまんこをしながらお仕事をしているわけですし♡」
この三姉妹もイズヴァルトに頼まれ、アーノンレンシの周囲を見張っていた。割と出来が良い魔族だから、索敵術式も広めにとることができた。
「まあ、お姫様育ちだし仕方がねえとは思うけど……そんな仕事のやり方じゃどこかでへまをやらかしちまうズラよ?」
ところで港町にうさんくさい魔族はいたか。『分校』のあたりを血の気が濃い亜人と一緒にうろついていた奴だ。
「血の気が濃くてうさんくさいオーガの『忌み児』なら、一昨日イナンナさんのおうちで見かけましたけど?」
「あいつのことか。おまんこの相手としてはお薦めしてえけど、腹ん中がどす黒いからうかつに近づくのは勧めねえな」
その男、パラッツォの枢機卿、カヅノ=セイジだけは注意しろとイナンナはアズルに注意した。年増女が趣味で、アズルのようにおっぱいはでかいがまるきりお子様の様な女には自分から近づいて来ることはまず無いが、
「純粋無垢なおまんなら利用されかねねえズラ。とにかくあいつは毒蛇みてえな奴だから注意しろ」
「ふーん。自分と同類のにおいがしたんですか?」
「オラの前職をご存じズラか。まあいいか。ただの『メスガキエルフ』だったオクタヴィアさんとは違って、オラはそういうくせえにおいを放つ奴のことがわかるズラよ」
その『策士』に情報を共有してやった。ここ最近、『食人鬼』連れの魔族がこの周辺でうろうろしている。主に魔力が殆ど無い駄魔族と人食いをやめて比較的丸くなったゴールだが、ある人物の周辺を嗅ぎまわっている。
「そりゃあ、シオリちゃんの魔力量は、こどもサキュバスにしては凄いですからね」
アズルが言った。今のアーノンレンシの魔力量は、
対するアズル達も50万近くはあったが、効率よく使える魔法は索敵魔法とちょっとした治癒術式だ。転移術式は50メートル範囲なら使えるが、それ以上の距離だと精神がおっつかなくて成功しなかった。
「でもショリィちゃんも燃費が悪いほうズラよ。魔力量があっても効率よく使えるのは身体強化術式と浮遊魔法ぐれえだし、爆炎弓箭なんか二発撃ったぐれえで底がつきちまう」
適性がある術式とそうでない術式の差がひどい。鍛錬すれば少しは改善するだろうが、それでも魔力量の割には、という程度しか使えないだろう。
「でも、あの子が持っている魔力は木っ端魔族としては垂涎の的ズラ。得られれば苦労をしねえですぐに魔竜の手下ぐれえの力が得られるズラ」
「でも、どうやってその力を得るのかしら?」
「食う、に決まっているだろ?」
アズルの顔が凍り付いた。イナンナは付け足す。今の言い方には語弊がある。ただ殺して食うのではない。魔族の身体にある魔力回路の中心点となる部位を喰らって取り込むのだ。そうするには様々な手順を踏まねばできなかったが。
その魔力の集積点だが、淫魔だと大抵は生殖器になる。子宮や卵巣に魔力回路の中心部を置くことが多い。マイヤは卵巣だった。それをアドルフが仕掛けた時限爆弾のせいで、長い間魔法が使えなくなったのだ。
「で、身体の余った部位は用がねえから人食い鬼に食わせる、っていう寸法ズラよ。サキュバスの、しかもトーリさんというとんでもねえ化け物の血筋の肉だから、ちょっと喰らったぐれえでとんでもねえ強化になるかもしれねえけどな」
「……そうまでして力を得たいなんて、何が目的なんでしょうね?」
「決まってるだろ。ニンゲンの世界を支配してえからに決まっておるズラよ」
この世界の各地で、似たようなことをやった連中がいっぱいいたとイナンナは言った。彼女が覚えているだけでも100件以上あった。この世界のニンゲン達は、自分たち同士の争いだけでなく、のし上がりたい性悪な魔族たちに脅かされることがしばしばあった。
だが、そういうのは大抵は義侠心を持つ亜人たちや、魔竜に頼まれた『執行人』によって始末された。そういう時は必ず思念体も殺った。そうしないと肉体を取り戻し、また同じことをやりかねないからだ。
「おまんもそうならねえように注意しろ。ひっ捕らえられて喰われたり、逆のことをやってオラたちの目の敵にされないようにの両方ズラ」
「はい……イズヴァルトさまとオットーさんは教えてくれなかったけど、そういうことがあったのね?」
「ほうズラ。特におまんみてえなうわっついた性格のがきんちょは、そういう悪党ども……」
アズルがイナンナの背中を叩き、ちょっと待って、と呼びかた。分かれ道の東のほう、港町からは外れてヤマート大河にかかる橋に向かう方で、彼女は何かを察知したのだ。
「どうした?」
「……この感じ、魔族の気配……2人ぐらい。それと、他に3人ぐらい誰かがいる」
「争っている気配がするか?」
「うん……」
長い耳の先を揺らす。何が起こっているのか意識を澄まして確かめているのだ。
「おまん、先に港で待ってろ」
イナンナは馬から飛び降りた。彼女は鞍にぶら下げていた剣と弓矢を手に取った。ツックイー産の強弓とイズヴァルトに与えて返された剛剣・『ちんちんつらぬき丸』だ。
「1人で大丈夫?」
「このぐれえなら遅れは取らねえズラ。気づかれないうちに早く行け」
エルフは指先で印を切った。魔力の気配が四つ足に漂い出した。アズルは手綱を持って馬に呼びかけた。馬は走り去るが、足音は鳴らなかった。イナンナがかけたのは音を消す魔法だった。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
次回も『幕間』のお話となります。
以下はリンクです。(別サイト)
削除したエピソードはこちらでご確認ください。
題名はSEО対策です。
本編
『聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜』です。
現在ハーメルン版と同じく聖王編まで掲載。
主人公イズヴァルトがちんちんをぶんまわしながら世界を渡り歩き、マイヤやスケベな女達に搾取されるお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/934913837
外伝1 マイヤとトーリが主軸のお話です。
『前世の記憶を持つ神業尺八使いの狸系美少女の妹と、女帝サキュバスの祖先の才を受け継ぐ清楚ビッチな姉の2人で、搾精の王国を建てちゃいます☆』
トーリとマイヤとそのご先祖について、そのご先祖の家来筋のイーガ魔法王国の王子の物語と、覚醒したトーリがホーデンエーネン王国の実権を握り支配し、凋落するまでのお話となります。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/779914728
外伝2 本作の重要人物、魔法戦士ヘラのお話です。
『転生したらあたし、セックス教団の教主の養女でいつでもどこでもエッチがしたくなっちゃう、レベル999のビキニアーマーの美少女魔法戦士でした!』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/959004604
以下は旧版のイズヴァルト。題名はSEО対策です。
(内容は大体一緒ですが、細部がいろいろと違います。)
『エリクサーみたいに栄養満点の精液を放つ絶倫聖騎士は、転生美幼女淫魔にまとわりつかれておちんちんをチューチュー吸われる。
』
https://novel18.syosetu.com/n3094lt/
以下のは、副産物となります。
爆焔のダークエルフ
https://h.syosetu.org/novel/378655/
サキュバスレストランへようこそ! Hルート
※別サイト。エロをマシマシにした改稿版です。
https://novel18.syosetu.com/n1061iv/