聖騎士イズヴァルトの伝説【新編】・忠烈編 作:CHACOとJAGUAR
ユーギ=ムトーノフの目の前にいたのは、雪の様に白い髪を長く伸ばした背が高く細い男と、彼を真ん中にしてその周囲に侍る、筋骨隆々の上半身を見せびらかすかのようにさらしていた屈強そうな男達だった。
顔立ちが醜い者はいなかった。真ん中の男は顔つきはきわめて端正だった。とはいえバランス良く整っているだけで美しさは感じられなかったが。
ほかの男達は逆だった。女が安心しそうな甘い顔立ち。いわゆる美男子だった。顔について強いて欠点を述べるなら、どこか間抜けそうだと思わせるところだ。
だが、この者達は異様な風体をしていた。真ん中の男は頭の左右に耳があるのに、長い髪の上に狼のそれの様な耳をつけていた。
取り巻き達に至っては、もっとはっきりとしていた。その男と同じような耳を頭につけ、背中に犬のしっぽを生やしていた。全員の金色の髪が肩までかかっていて、左右の耳は確認できなかった。
なんなのだ、この者達は?
異様な姿のこの者達に、ユーギとその騎士達は戸惑っていた。
沈黙が漂う。だがしかし、屈強な男のうち1人が沈黙を打ち破った。
「ムトーノフさま、はじめましてなんだワン!」
その笑みを浮かべた顔にもまして、マヌケ感がぬぐえぬ声だった。ムトーノフとその従者らは思わず肩の力を抜いてしまった。
騎士のうち1人が問いかける。
「貴殿らは何者か!」
「ぼくたちは『おーばーどーろ』さまの護衛をつとめているんですんだわん! ちなみにぼくのなまえはマックスウェル!」
その他にはアイスキューブ、ツーパック、ナインスプリンス、エミネム、グレイトフルデッドと言う。全く聞き馴れない、由来の意味も全くわからない名であった。
ムトーノフも騎士たちも、この者達に戸惑っていた。一体彼等は何者なのか。この建物を作った者とどういう関係があるのかと考え込んだ。
「マックスウェル、あとは私が代わろう」
そう言った狼の耳をつけた白髪の男が前に進み出た。ムトーノフの目の前に来ると会釈をし、右手を差し出した。
「我が名はテスカトリポカだ。エーゾ=エルフのテスカトリポカと覚えたまえ」
「エーゾ=エルフだと!!」
エーゾエルフ。その存在は伝説といっても差支えも無かった。ムーツの北東にある永久凍土の地、エーゾ大陸でひっそりと暮らすエルフと言われている。その姿を目にし、実際に会話をした者は、歴史書でわかる限りでは殆どいなかった。
その伝説を知る騎士達は、驚き、その名を知らぬ者達はきょとんとしていた。ムトーノフは伝説をよく知るほうであった。
「……現実に存在していたとは。で、そのエーゾ=エルフが何の用か?」
「構築をしたこの施設の様子を見に来たのだよ。サカタニアの王は私達の存在を、君には教えなかったのかね?」
ムトーノフは不愉快そうに首を横に振り、「聞いていない」と答えた。アツタール諸島の施設の建設には、海外から技術者を呼び寄せて行ったと王からは聞いていたが、まさか、エーゾ=エルフがその当人だとはわからなかった。
「それで、テスカトリポカ殿。貴殿に侍る者達は? 背に剣や斧を背負っているようだが、護衛か?」
「そんなところだ。彼等は『バーサーク』という人種だ。『ベルセルク』とでも呼ぶべきかな?」
『バーサーク』。ユーギはこれも耳にしたことがあった。
犬の耳を頭に生やし、尻からしっぽが伸びている亜人の名であった。精霊人というより、獣人と呼ばれている種族であった。
エーゾ大陸に住み、毛皮をまとって生活をしているという。膂力はオーガ族の次ぐらいに強く、きわめて温厚だが戦士として育てればかなりの猛者になるそうである。
彼等の生活も少しぐらいなら知られている。主に狩りか漁をして暮らしている。
狩りは雪アザラシや雪魔獣が相手。漁だと厚い氷の真下は海、という大陸の地面に穴を堀り、内陸にいながらにして魚をとるそうだ。
好きな主食だが、脂たっぷりの氷海ニシンとも聞いている。
【ギルバート=カツランダルク:氷海ニシンだが、ニンゲンにとっては毒である。その魚油こってりの肉を喰らうと、1週間ほど脂っぽい下痢が止まらなくなるという。】
ただ、エーゾを旅してきた者からこんな話も聞いた。繁殖力がとても旺盛で、ところかまわず下半身を出して女と交わるという。年がら年中そうやるわけだが、子供が生まれるのは5年に1回と聞いた。この種族の女は、あまり孕まぬ体質のようだった。
【ギルバート=カツランダルク注:但しニンゲンの女は要注意である。バーサークの男性が放つ精液はニンゲンの女性ときわめて親和性が高いという研究結果が出ている。しかもニンゲンの男性の倍以上の受精力だという。】
テスカトリポカはムトーノフに言った。私が少し、貴君に子の工場を案内してあげよう。
「生産工場とは聞いているが、何を作っているのかは知らん。秘密が多すぎるぐらいだと思うのだがな?」
「見ればわかるよ。スズカルで捕らえたパラッツォ教徒の女は、おおかたここに送られる。そのことについては存じてい無いのかね?」
「いや……聞いてはいる」
スズカルのパラッツォ教徒街からひっ捕らえた女たちは、兵士たちが輪姦して十分に女肉を漁った後に、このナムラ島に送られていると聞いていた。
だが、彼女たちが何に従事しているのかをユーギは聞かされていなかった。せいぜい、ここの基地の者達の慰み者にされながら、海兵が持つ鉄砲の弾の鋳造や矢じりを研ぐ仕事をさせられているのだろうと思っていた。
「それを今から、ユーギに見せてあげよう」
テスカトリポカはそう言って、ユーギ達を見学に案内した。
□ □ □ □ □
ガラスの向こうにある『生産場』では、藁が敷かれた床の上で、何一つ身につけておらぬ女たちが牡に組み敷かれていた。
「おお! おおおおっ、おおおっ!」
女たちの本能の声が、ガラスを隔てた通路にいるユーギ達の耳に届いた。
それは悲鳴とも聞こえたが、歓喜だとも思えた。脚を広げられてふたまわりも大きな『牡』らにのしかかられ、禍々しいほど太い肉棒による激しい運動で女陰はひしゃげ、尻肉は潰されていた。
「ここの部屋では今、仕込みをしているところだ」
「仕込み? これがか?」
ユーギはガラスの向こう、パラッツォ教徒の女たちを圧して精を放つ、『牡』たちの姿をじっと見る。
ニンゲンではなかった。人型だが、あまりにも体毛が多すぎる。いや、獣がそのまま人の形になったような生き物である。
その顔はもっと異様であった。狼そのものだった。狼のニンゲンがつるりとした肌の丸裸のニンゲンの女を犯し、膣の奥に精を送り込んでいた。
「テスカトリポカ。あの獣人らはなんという?」
「獣人ではない。人造人間だ」
ユーギは耳を疑った。人造人間。まるで聞き馴れない言葉だった。生命を人の手で、魔道で作る研究は為されているが、ヒトと全く同じ存在、あるいは、似たものをつくるという話は聞いたことが無かった。
「あれにも名前がある。『我々』はこう名付けたよ」
ウルフェンシュタイン。狼男という意味だ。
それが狼の獣人の様な、猛々しい生き物の名前であった。
「この部屋には催淫剤を混ぜた香を焚いていてな、ウルフェンシュタインと女たちは、体力が尽きるまでああして交わっているのだ」
「そんなことまでするのか?」
「で、この種付けを終えた女たちは、1か月で子を産むのだ」
そことは別の部屋で、ウルフェンシュタインとニンゲンの女との子の分娩が行われていた。スズカルで奪った女ではなく、ムーツの野盗に攫わせた、南部の女たちだった。
そこもまた藁を床に敷いただけの、ぞんざいなかたちの生命を産む部屋となっていた。
女たちの手首には鎖のかせがつけられ、へそのあたりには樹脂製のシールの様なものが。あれには分娩を促すための薬が塗られているとテスカトリポカは言った。
だが、ユーギは彼女たちの腹に目が行って聞こえなかった。恐怖を抱いていた。普通の妊婦の倍近く膨らんでいたからだ。
「ウルフェンシュタインの胤は、一度に3人の児を女の腹に宿させるのだ」
「3人も? 取って食おうというのか?」
「あれらは『消耗品』だからな。たった3年しか生きられんのだ」
その言い方にユーギ達が絶句していると、向こうの部屋で妊婦のうち1人の出産が始まった。
「んんん! いいーっ!いぎいいぃいーっ!!」
つんざくような悲鳴だった。その声に周りの妊婦たちも顔を強張らせていた。
そしていきみ声と共に広がった血まみれの女陰から、三匹のそれが生まれた。とても大きな毛むくじゃらの、狼の獣人の子だ。
分娩を終えた身体からは大量の血が流れ出て、母親の身体は蒼白だった。顔も唇も真っ青で、すぐにでも命を失い兼ねないと思えるほど、生気を失っていた。覆面をつけた兵士2人が彼女を引っ張り出した。
「確かに3人生まれたな。しかしあの女をどこに向かわせるのだ? 医療室か、テスカトリポカ殿?」
「あれはもう駄目だろう。廃棄処分になる」
血だらけになり担ぎあげられた女は、部屋の隅にある穴に落とされた。他の妊婦たちの悲鳴があがった。しかし手足を繋がれ、出産を促す膏薬をつけられた彼女たちは、抗う術が無かった。すぐに次の妊婦の分娩が始まったのだ。
「もういい……テスカトリポカ。ウルフェンシュタインをこうまでして増やす理由はなんだ?」
「まだピンとこないのか? 貴公らのいくさの道具なのだよ、あれらは」
ユーギとその従者たちは耳を疑った。まさか国王がこのような生き物を飼う裁可を下したというのか。
「わけのわからぬ人造人間を、陛下は殖やせと貴殿に許したという訳か?」
「いや、我々は兵器を提供し、勝利に貢献して欲しいと欲しいと頼まれただけだよ。その為にスズカルを襲ってもらった。アヅチハーゲンならもっと多くの『母体』を得られただろうが、オーミゲニアとの約定がそれを阻むのだろう。それと、君らが恐れるクボーニコフの王に、我々の存在を勘づかれぬ為にも、スズカルが良かったというだけだ」
クボーニコフの名を出されてユーギは黙ってしまった。アツタール諸島の軍事基地で行われていることを、宗主国には知られたくなかったからだ。
でなければこの基地を、それを作ったエーゾ=エルフを接収されてしまう。クボーニコフという大国に属する南部の諸王国は、決して全面の忠義を誓ってはいなかった。
表は頭を下げて従うなどと言ったりしても、その裏では無理難題をしきりに押し付けてくる宗主国を見限って、隣接するアイヅバルドや南のウマヤーノのどちらかに、鞍替えをするべきだ、という声もあがっていた。
「しかし、このたびの作戦は貴公らの国の宗主・クボーニコフが裏で企図したもの。我らの存在を知られぬうちにつとめを果たしたいというのが望むところではないのかね?」
「まあ、そうだが……」
目を細めて悩む様子のユーギに、テスカトリポカはこう約束した。
「あと1か月だ。それから私たちは君らの国との約束を果たそう。その前にだね……」
手痛い敗北を喫したイーガの海で、自分達の実力の一端を見せてやろう、とエーゾ=エルフは言った。
さて、この男は何故自信に満ちた約束をしたのだろうか?
その続きについてはまた、次回にて。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
ちなみにエーゾ=エルフは忠烈編の後半あたりで強く関わってきます。
削除したエピソードはこちらでご確認ください。
題名はSEО対策です。
本編
『聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜』です。
現在ハーメルン版と同じく聖王編まで掲載。
主人公イズヴァルトがちんちんをぶんまわしながら世界を渡り歩き、マイヤやスケベな女達に搾取されるお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/934913837
外伝1 マイヤとトーリが主軸のお話です。
『前世の記憶を持つ神業尺八使いの狸系美少女の妹と、女帝サキュバスの祖先の才を受け継ぐ清楚ビッチな姉の2人で、搾精の王国を建てちゃいます☆』
トーリとマイヤとそのご先祖について、そのご先祖の家来筋のイーガ魔法王国の王子の物語と、覚醒したトーリがホーデンエーネン王国の実権を握り支配し、凋落するまでのお話となります。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/779914728
外伝2 本作の重要人物、魔法戦士ヘラのお話です。
『転生したらあたし、セックス教団の教主の養女でいつでもどこでもエッチがしたくなっちゃう、レベル999のビキニアーマーの美少女魔法戦士でした!』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/872528745/959004604
以下は旧版のイズヴァルト。題名はSEО対策です。
(内容は大体一緒ですが、細部がいろいろと違います。)
『エリクサーみたいに栄養満点の精液を放つ絶倫聖騎士は、転生美幼女淫魔にまとわりつかれておちんちんをチューチュー吸われる。
』
https://novel18.syosetu.com/n3094lt/
以下のは、副産物となります。
爆焔のダークエルフ
https://h.syosetu.org/novel/378655/
サキュバスレストランへようこそ! Hルート
※別サイト。エロをマシマシにした改稿版です。
https://novel18.syosetu.com/n1061iv/