※この作品はR-18です。

アウトロー娘の陛下呼びからしか得られない栄養素があると思うんだ。(アバダニヒロインの孕ませ小説)   作:XX(旧山川海のすけ)

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第16話 舞踏会

 生誕祭2日目。

 夜。

 

 今日は宮殿で舞踏会が行われる。

 主に、宮殿で働いている高位の武官や文官たち、あとその関係者が参加するのだが

 

 無論、皇帝も参加するし。

 

 皇帝の家族も参加するのだ。

 即ち……

 

 皇族。

 

 舞踏会の会場は騒然となった。

 

 私の隣に、見慣れない貴婦人が居たからだ。

 この場に現れる以上、それは私の家族であることを意味する。

 

 即ち……皇后。

 

「誰だあの貴婦人は? 猫のようなアイマスクを装着しているが……?」

 

「フッ、大方そこらのヘボ貴婦人にマスク被せたんでしょ? ワタクシ、陛下に御后なんて聞いて無いわ」

 

「シッ、聞こえるわよ。とうとう現れたのよ、陛下の隣の席に座る宿命を背負った運命の女性が……」

 

 場はざわついていた。

 今まで私は側室は迎えるが、皇后を迎えようとはしなかったことは上流階級では周知の事実で。

 今日この日、その事実が覆されたのだから。

 

 動揺の中には、突如現れた貴婦人に対するやっかみの声もあったが。

 私はそれを無視し。

 

 キャット……いや、アシェラもそれに何も返さない。

 

 自分の振る舞いで、全てねじ伏せるつもりなのだ。

 

 アシェラはキャットのときに身に着けていたリボンを外し、三つ編みを止め。

 セミロングのブロンドヘアの貴婦人に姿を変えていた。

 

 目元を猫をイメージさせるアイマスクで隠し。

 

 肩の出るデザインのブルーのドレスを身に着け、白い手袋、銀の首飾りを身に着け。

 

 何処から見ても隙が無い。

 

 ……よく、ここまで仕上げてくれた。

 

「紹介しよう、我がバレンヌ帝国の国母になる女性……アシェラだ!」

 

 そして私は彼女の手を取り、宣言した。

 これでもう、バレンヌ帝国は皇后の問題で悩むことはなくなったのだと。

 

 

 

「見ろ、陛下とのダンスに完全に合わさっている。まるで熟練の夫婦のようではないか」

 

「素晴らしいわ。どこの家の方なのかしら?」

 

 ……舞踏会のダンスで、アシェラは全く何も問題を起こさず、国母として疑問を挟まれることを起こさなかった。

 

 

 

「妖虫の丸焼きを、綺麗に切り分けて、しかも皮を残して綺麗に食べていらっしゃるぞ!」

 

「なんというテーブルマナー……妖虫は、皮が剥がしにくくて食べにくいというのに」

 

 妖虫とは、体長1メートルを超える大きさの青虫で。

 青虫と違って肉食で、粘着糸や切断糸を吐いて襲ってくるモンスターなのだが。

 

 姿のわりに肉が美味なので、よく食卓に上がるのだ。

 アバロン下水道で大繁殖しているので、余計に。

 

 ただ、綺麗に食べることが難しく、そのことで逆に、こういう場所で食材になっていたりする。

 いかに汚くならないように切り分けて、綺麗に可食部分を食すか。

 これが完璧に出来ると、食事のマナーで見下されることはない。

 

 ……ありがとう。

 

 

 

「……辛かっただろう。感謝しかない。アシェラ」

 

「陛下の隣に生涯立ち続けるためです。このくらい、なんでもありませんわ」

 

 そして舞踏会半ば。

 会場が盛り上がり、私たちが外しても誰も注目しない状態になったとき。

 

 私たちは、会場の外……月夜のバルコニーに出て、並んで立っていた。

 私は彼女を抱き寄せて

 

「キャット」

 

 耳元で囁き

 

「愛してる」

 

「陛下……」

 

 声を震わせるアシェラ……いやキャット。

 

 そして私たちはそこで

 

 そっと唇を合わせたんだ。




試練を乗り越えたふたり。

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