アウトロー娘の陛下呼びからしか得られない栄養素があると思うんだ。(アバダニヒロインの孕ませ小説) 作:XX(旧山川海のすけ)
生誕祭3日目。
皇帝、いや皇族としては一番大切な日だと思う。
アバロン郊外に築かれている皇帝陵。
初代から5代目までは個別の
私たちは厳選された護衛と共に、神官を伴って徒歩で向かう。
馬車や馬など、乗り物は使用しないのが古来よりの習わし。
「陛下」
隊列の中央部を歩く私の隣に、我が后・アシェラがいる。
無論、仮面をつけたまま。
……護衛たちはその正体に気づいているようであるけれど、触れない。
事情を理解してくれているから。
感謝しかない。
「何だ? アシェラ?」
彼女の言葉にそう返すと
「神帝陛下の陵墓は、警護は存在するのでしょうか?」
……何故そんなことを聞くのか。
まぁ、それは後で訊くとして
「そんなものは居ない」
それだけは答えた。
后は意外だったようで
「……居ないんですか?」
「ああ」
年に1回、年末に清掃に人を向かわせるが、基本的に人は常駐していない。
まぁ、触れ回ることでもないので、周知して居ないからアバロン市民でも知らない人間は多いかとは思う。
別に秘密でも何でもないが。
「それは何故ですか?」
「その前に、私の問いに答えてくれ」
少し抵抗があったが、私は后の問いを遮る。
后は「分かりました」と了承。
私は
「何でそんなことを訊いたんだ?」
訊きたいことを訊く。
すると彼女は
「……皇后として、警護の人員が居るのであれば労いの言葉を考えておかねばと」
……なるほど。
そういうことか。
「ありがとう」
国母がどういうものか理解してくれている。
嬉しくてたまらない。
だから礼を言った。
彼女は少し嬉しそうだった。
仮面をつけていても、口元と雰囲気でそれは分かった。
そして
「何故居ないか、だが……」
今度は私の方から彼女の問いに
「神帝陛下の皇帝陵に、盗掘しに行くような人間が居ないからだ。……アシェラ、君は皇帝陵に財宝があるかもしれないと思ったとして……」
財宝目当てに、墓荒らしを考えるかい?
そう返答する。
彼女は
「あっ」
気づいてくれた。
バレンヌ帝国に住む人で、建国帝の墓を荒らして財を得ようと思う人間がいないから、警護が無いんだ。
それだけの話だ。
暗黙の了解で、それだけは絶対にやってはならないと皆考えているんだ。
……だからこそ、建国から1000年経っても崩壊していないんだよ。
この国は。
「それは素晴らしいことですね」
「そうだ。だから、この後1000年も、建国帝の皇帝陵に警護が要らない国を維持しなければならない」
……后の言葉に、そう返す。
父上に言われた言葉でもある。
そう思い、私が父上の教えに想いを馳せようとしていると
「陛下!」
先頭を歩いていた全身鎧で防御を完璧に固めた巨漢……帝国重装歩兵の男・ベアが
「前方より、飛行型モンスターが飛来してきます!」
緊張した声で警告をしてきた。
そこに、大剣を背負った眼帯の男・フリーファイターのヘクターが続ける。
「あれはバルチャーと……ナイトフォークです!」
地獄のナイトフォークあらわる。
本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。