アウトロー娘の陛下呼びからしか得られない栄養素があると思うんだ。(アバダニヒロインの孕ませ小説) 作:XX(旧山川海のすけ)
そして、宮殿に引き返し。
后と共に玉座にて宮殿の治癒術士による治療を受けている最中。
「陛下、告白致します」
……文官の1人が、この謁見の間に現れたのだ。
父の代から仕えてくれている、上位の文官だった。
何の用だ、と思った。
まさか、このバレンヌ帝国で見過ごせない何かが起きたのか……?
でも、告白と言ったな。
どういうことだ……?
困惑する私の前で、その文官は膝を折り
「このバレンヌ帝国に、ボクオーンの刺客を招き入れたのは私です」
そう、告白をした。
私は動けなかった。
信じられなかったから。
この男は……
最も神帝に対する信仰心が高くて、帝国への忠誠心も高い男だったのに。
「それは本当の事なのだな?」
「はい」
……冗談でも口にしてはいけないことだが、最後の確認をした。
彼は頷いた。
神妙な顔で。
私は
「……何故だ? 君は、皇帝位の根拠が血筋から伝承法に切り替わることに最も反対していただろう?」
私の問いに
「はい。だからこそ、ですね……」
だからこそ……?
戸惑う私に、彼は続けた
「……皇帝位の根拠は、絶対に動かしてはいけないことです。本来は」
それは、実の父親の定義が、子供を女に身籠らせた男のことであるのと同じくらい、絶対のものです。
それを陛下は「七英雄と戦い抜くため、伝承法で記憶と経験、意志を継いだ存在が国の最高指導者である皇帝位にある必要がある」という理由で、移動されてしまいました。
これで「伝承法が有効であるのは、血縁者のみ」という縛りがあるなら良かった。
実質、何も変わっていないということになる。
ですが……違いますよね?
血縁が無くても、継承する者とされる者との同意、覚悟があれば引き継がれるのでしょう?
……そうなると。
いつかは、到底このバレンヌ帝国の皇帝と呼ぶのに無理がある存在が、皇帝位につく可能性があるではないですか!?
もしかしたら、未開人や痴女、貧乳女が皇帝になるかもしれないのですよ?
それが人ならまだいい!
人ではないかもしれない!
ゴブリンが皇帝になるかもしれない!
トカゲや、モグラが皇帝になるかもしれない!
陛下はそんなものを皇帝と呼ばねばならなくなった場合の民の気持ちをお考えになりましたか?
……血を吐くような、告白だった。
「……だから、私を害そうとしたのか?」
私は……悲しかった。
そして責任を感じていた。
「はい」
彼は認め、続けてこう言った。
「もし、陛下の御決断をお認めになるのであれば、私の企てから陛下を守り給え」
そう、神帝陛下にお祈り差し上げながら。
そう告白した彼の顔には、怯えは無かった。
怯えは無かったが
そんな彼の言葉には、諦めに似た響きがあった。
「……そうか」
そう、私は言葉を返し
「分かった。……わざわざ自ら告白したと言うことは」
「ええ、覚悟は出来ております」
控えたまま、頷いて。
彼は。
「私に、死罪を」
皇帝に刃を向けた者を許してはいけない。
それは国の秩序に関わる。
……この国の死罪は、伝統的に「追放」という形が取られていた。
現在ではモンスターが犇く下水道。
全盛期の帝国では、ルドン高原に送っていたこともあったらしい。
人が人を殺すなど神の意志に反する。
その想いから行っていることなのだが……
彼が私に害意を持ったのは、私の決断のせいなのだ……
迷いがあった。
だが、私は皇帝……
「下水道に……」
意志を固め、そう皇帝の責務を果たそうとした。
そのときだった。
「ウウッ!」
隣に控えていた后が。
いきなり口を押え……
その場で、嘔吐したのだ。
はい。孕ませのお約束入りましたー
悪阻を描かぬ孕ませなど孕ませにあらず。
本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。