アウトロー娘の陛下呼びからしか得られない栄養素があると思うんだ。(アバダニヒロインの孕ませ小説) 作:XX(旧山川海のすけ)
突然の后の嘔吐に。
私は何が起きたのか瞬時に理解した。
ずっと心待ちにしていたことだから。
うげえ、げええ、おええ!
后は蹲り、絨毯の上に吐瀉物を吐く。
胃液の臭いが立ち込める。
……謁見の間でいきなり吐くなんて、許されないのかもしれないが。
私には知ることが出来ないことだから。
咎める気など、あろうはずがない。
「女官は! 女官は居ないか!?」
私は声高く叫ぶ。
一大事だ。
「はっ! 陛下! ただいま!」
数人の青い女官服で身を包んだ女官が、駆け足でやってくる。
私は
「后が懐妊した可能性がある。医者に見せてくれ」
「承知いたしました!」
蹲る后に肩を貸し、吐瀉物の掃除を始める女官たち。
私はついていてやりたかったが
その前に
「下水道送りは取りやめだ」
私は謁見の間で控えたままでいる文官に向き直り。
死を命じることを取りやめる旨を伝えた。
……人の命に関わることだ。
すまないが、こちらを優先させてもらう。
「なんですと!?」
彼は表情険しくそう返す。
「陛下の御命を狙ったのですぞ!? 死罪以外あり得ない!」
「そうはいっても、この慶事を死で穢すわけにはいかない。私の子を、最愛の后が身籠ったのだ。そんなことも分からんのかお前は」
私の言葉に、彼は震える。
私は
「お前はもう、アバロンを追放する。ソーモンの役人に左遷する。……そこで仕事をこなし、達者で暮らせ」
慶事による恩赦は当たり前のことで、そんな当たり前のことも分からない者をバレンヌ帝国の都であるアバロンで働かせるわけにはいかない。
追放するのも当然のことだ。
彼はわなわなと震えて
「……仰せの通りに」
そう言って、私の言葉に従ったのだ。
「すまなかった。后よ」
后が運び込まれた一室に、私は駆け付けた。
大事な用事が済んだ後、すぐに向かった。
真相を知りたかったからだ。
后は、外が良く見える大窓の部屋で、椅子に腰掛け医師の診察を受けていた。
そして私を見つけて
「陛下! お喜びください!」
満面の笑みで。
私に告げたのだ。
「とうとう、陛下の御子を身籠りました!」
そう、自分の腹に手をあてて。
そうか……
とうとう、后……キャットとの間に、子が出来た。
嬉しい。
あの愛しい腹の中に、私とキャットの血を引く大切な子供が入っている……!
私は后に駆け寄り、彼女を抱き締め。
「ありがとう……これからしばらく、無事に子が生まれることを一番に考えて生きて欲しい……」
「言われるまでもありませんわ……」
喜びに満ち溢れた、
彼女は
「……陛下の高貴な精子が、私の卵子を撃ち抜いて、エ……エッグを支配して、今、私のお腹の中にいるんですね……」
そう、恍惚とした声で言ったのだ。
皇帝印の完熟エッグだ!
本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。