アウトロー娘の陛下呼びからしか得られない栄養素があると思うんだ。(アバダニヒロインの孕ませ小説) 作:XX(旧山川海のすけ)
クジンシーからソーモンを取り戻し、運河要塞を攻略したお陰でソーモンの港から船を出すことが視野に入って来た。
今日はその船の視察で。
私と、護衛3人は馬車に乗っていた。
……北バレンヌ地方もすっかり平和になったな。
クジンシーがソーモンを支配していたときは、外でモンスターに頻繁に遭遇するので、こうも呑気に移動なんて出来なかった。
私が馬車の窓から外を見つめ、感慨深いものを感じていると
「陛下の御活躍で得られた今です。誇ってください」
同乗しているエメラルドが、向かいの席からそう言った。
外を見ている私の様子から、私の思考を読み取ったのか。
私は彼女を見つめて
「君たちのお陰でもある。ありがとう」
家臣あっての私だ。
私の成果だと言うのは違う。
「陛下」
テレーズがそこに加わる。
彼女は
「……キャットに一流の御后教育をつけてはいかがでしょうか?」
……いきなりだな、と思ったが。
「そしてロンダリングです」
テレーズの続く言葉に。
私は一考せざるを得なかった。
あの、風呂でのインペリアルフューチャーを見て。
私が孕ませようと思っている女性が、キャットなのが2人に伝わった。
なので、2人は皇后を狙うことを断念したらしい。
彼女らとしても、皇后になっても夫たる私が一切手を出してこないのは女の矜持に関わるんだろう。
気持ちは分からなくもない。
とはいえ……
キャットが皇后になれないのは、別に差別意識の結果ではない。
帝国臣民の中に「我々の国母がかつては盗賊だった」と思うことに抵抗を覚える誰かが確実にいて、そしてその抵抗に少なからず正当性がある。
それが問題なのだ。
テレーズとエメラルドは、帝国臣下の娘が国母になった事例は多々あるので、別に彼女らが国母であることに異を唱える人間はいない。
実際、バレンヌ帝国の建国帝である神帝アルベルト1世の皇后クローディアは、神帝の戦友の魔法使いだった。
エメラルドの経歴が、クローディアに劣るとは思えない。
だからまぁ、エメラルドが皇后になるのは誰も文句を言わないし、それはテレーズも同様なのだけど。
だけど……キャットは違うんだ。
悔しく、悲しいと思う。
「具体的には、キャットの経歴を徹底的に消そうということか? 高いレベルの教養を身に着けてもらうのと同時に」
「そうですね」
頷くテレーズ。
キャットの存在を否定するのに近いと思うが、彼女を皇后に据えるにはその方法しか無いな……
生まれが良く分からない謎の貴婦人。
キャットにそうなってもらうしか……
私は隣の彼女を見る。
彼女は……
強く、私を見上げていた。
そしてこう言った
「あたしが今までの自分を捨ててしまうことで、陛下のバレンヌ帝国が安定するのであれば、そうします」
……その返答に私は申し訳なさと、彼女への愛おしさで。
私は彼女を抱き締めた。
そして彼女は私の抱擁に応え、私の背中に腕を回した。
バレンヌ帝国の建国帝の名前は一応調べて、分からなかったんでロマサガ1の主人公ズの名前から捏造しました。
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