ふしぎふしだら ~少子高齢化にキレた神々の淫らな祟り~ 作:大中小太郎
人の心を乱し、堕落させる音楽や淫らな女性の容貌のこと。
真崎杏子の痴漢超特急/原作・遊☆戯☆王
真崎杏子が電車に乗ったのは、放課後にちょっと寄り道をした帰り道のことだった。
女学生の間で
だからだろうか――電車が急にトンネルへ入ったとき、違和感を覚えるのが遅れた。
(あれ? こんな町中で、トンネル?)
トンネルとは、山を貫通する形で作られるもののはずだ。
杏子の知る限り、この都心にそんなトンネルを要する場所はない。
(乗る路線、間違えた? なら、次の駅で降りて……)
都心を離れ山奥に行くような路線に、間違って乗ってしまったのだろう。
そう考えるが、新たな違和感に気付く。
(それにしても……このトンネル、妙に暗くない?)
トンネルとは暗いものだが、多数の照明が灯されているものだ。
車道は夕焼けのように明るく、鉄道にしても点々と照明が車窓を
それが無い――そういうトンネルもあるのだろうかと、杏子が首を傾げたとき、
「ぁ……や……っ♡」
「ん……だめ……ぁ♡」
電車内から、女の悩ましい声が聞こえ始めた。
周囲も見るも、トンネルを進む車内は薄暗くて、声の出所を視認できない。
(え……気のせい? いま、なんかエッチな声が……)
トンネル通過時の
「あっ♡ んっ♡ はぁっ♡」
「やめ、て♡ くだ、さい♡ やんっ♡」
しかし、先ほどよりもはっきりと、それも違う方向から、女の
(っ、気のせいじゃない!)
杏子が確信した瞬間、やっと現れたトンネル内の照明が、一度だけ車窓を照らす。
「っ!?」
――車両いっぱいに、密着する男女が見えた。
自分と同じ年頃の女学生や、OLや主婦らしき女性まで。
その一人一人に、複数の男性が密着して、体に手を
(ち、
明かりは一瞬で通り過ぎてしまったが、目にした光景は明らかにそれだった。
たとえ見えなくても、電車内にひどく
(ど、どうしよう……痴漢、痴漢が起きてる……私以外、全員……っ!?)
いや居場所がどうこう言う前に、この車内の全員が痴漢当事者なのだ。どうしろと言う。
再びトンネルの闇に包まれた杏子にできるのは、耳をそばだてることだけだった。
「あんっ♡ だ、だめっ♡ 胸ぇ……
「ちゅっ♡ んんっ♡ キスぅ♡ しますからぁ♡ だから、これ以上はぁ……っ♡」
「んあっ♡ 当たってるっ♡ おっきいのぉ♡ 当たってますぅ♡」
一カ所からではない。
何人もの少女たちが
(な、なんだか……
そんなわけがない。
ないのだが、痴漢被害者があのような声を上げることはないことは分かる。
(も、もしかして、痴漢プレイ? みたいなことを……)
トンネル内なのをいいことに、そういう情事に
耳にしている声を吟味するに、どうもそっちの方がありえそうだった。
「あぁんっ♡ だめぇ♡ 指っ、入れちゃ……」
「そこぉ、いやぁっ♡ 弱いっ、弱いんですぅ♡」
「ふあっ♡ らめっ♡ 入れちゃだめですっ♡ お願いっ♡」
姿は見えないが――声が、増えている。
車内のあちこちから、扉の前に立つ杏子から見て、左右からも背後からも。
(な、なに? なんなのっ!? み、みんな……シてるの? こんな、電車内で……っ)
わけが分からない。
真相がなんだとしても、もはや杏子が
息を殺し、
「あっあっあっあっ♡ 気持ちいいっ♡ それ気持ちいいっ♡」
「んんんんっ♡♡♡ 声ぇ♡ 出ちゃうっ♡ 出ちゃうからぁ♡」
「はふっ♡ お願いっ♡ 落ち着いてっ♡ 手で、ならぁ♡ しますからぁ♡」
「じゅぶっ♡ んむっ♡ ぢゅるるるっ♡」
「待ってっ♡ イクっ♡ イっちゃうっ♡ ここ、電車っ、なのにぃ♡ イっちゃうぅぅぅ♡」
もはや、車内は乱交会場だった。
明らかに合意の上で、かなり過激な行為が繰り広げられている。
「……っ」
そのせいだろうか、杏子の体もまた、急に敏感になってくる。
電車の
まるで自分が痴漢されているかのようだ。
(というか、なんで私だけ、なにも――)
こんな状態なら、逆になぜ自分だけは痴漢されていないのか――と疑問を覚えた。
(っ!? な、なに考えてるのっ、私)
それでは、自分が期待しているかのようではないか。
馬鹿馬鹿しい。そんな性癖は持ってない。
ただ、周囲から聞こえる
「んっ♡ んあっ♡ や、だめっ♡ そんなとこ
(どこ? 舐めるって、どこを? む、胸? それとも……)
誰かの
男が自分の体に吸い付いて、敏感な部分に快感を与えることを。
「ふふっ♡ おっきい、ですね♡ お手々、気持ちいいですか? え? お口で? もう……あむっ♡ じゅぅぅぅ♡」
(手、手で? 口でっ? し、してるの? 男の人の、あれを?)
また別の女の声を聞いたとき、杏子は自分の手と口に、ありもしない怒張を感じた。
(やだ……なんか……変……私がされてるわけじゃ、ないのに……っ)
ただ、想像しただけに過ぎない。
しかしそれは、『想像』というには濃密すぎた。
それこそ、『体験』に近いくらいの情報量が、脳に叩きこまれている。
「あぁぁぁ♡ 入ってくるぅ♡ 奥にぃ♡」
(う、
あろうことか、電車内で挿入を許しているらしい女の声。
その瞬間、杏子は下着の中の秘所が熱を帯びるのを感じた。
まるで、見知らぬ誰かの性感が、自分にまで感染してきているかのように。
(な、なにこれっ!? なんで私まで……気持ち、よく……っ♡)
自分が痴漢にあっているかのような錯覚を、杏子は必死に否定する。
なにか、『常識では測れない力』が働いているようにさえ思えた。
「ふぁぁぁっ♡ 気持ちいいっ♡ おっぱい気持ちいいよぉ♡」
「だめっ♡ お豆といっしょダメっ♡ 指がぁ♡ 奥ぅ♡ ずぼずぼするのはぁ♡」
「やんっ♡ お尻っ♡ お尻ばっかりぃ♡」
「むぐっ♡ んんっ♡ ぢゅるる♡ んおっ♡ むぅぅ♡」
電車内で起きる数組の情事。
そこで女性が味わっているであろう快感が、その何割かが、杏子に届く。
胸に、性器に、尻に、口内に。
男性の指が、息遣いが、そして何より男の象徴が。
(やだっ♡ おかしいっ♡ 私の体っ、おかしくなってるっ♡ なにも、されてないはずなのにっ♡ 感じてっ♡ イっちゃいそうに、なってるぅ♡)
杏子の体は、明らかに異常だった。
いや、そもそも『この』電車が普通ではなかった。
なにせ、いつまで経ってもトンネルが終わらない。
人の姿を隠すように、闇が長く続いているのも不自然だ。
あるいは、ここはそういう場所なのかもしれない。
この電車の乗客は、電車ごと、別の世界に迷い込んだのかもしれない。
いわゆる――
杏子がそう確信したとき――また車窓を過ぎったライトが、車内を照らす。
「んあああぁぁぁっ♡ あんっあんっあんっあんっ♡ あはぁっ♡」
杏子の視界に現れたのは、立ちバックで背後から突かれている少女の姿。
髪を振り乱して
「っ」
見えたのは一瞬、車内はまた影に満たされたが、声は聞こえている。
目を見開く。
耳をそばだてる。
またトンネルの照明が
暴風雨のようなトンネル通過音の中から、男女の
杏子は気付いていなかった。
それは――『
「あ、あっ♡ はぁぁんっ♡ 奥っ、突いちゃ、だめっ♡ あはぁ♡」
「んぁっ♡ あふぁんっ♡ 電車っ、なのにぃ♡ してるっ♡ エッチしちゃってるぅ♡」
「おっきいっ♡ おじさんのおっきいよぉっ♡」
少女たちの嬌声が、体に反響するようだった。
一秒ごとに、自分の体が
(ち、違う……私……思ってない! 思ってなんか、ないっ!)
唇を
(私も……されてみたい、なんて……っ♡)
言語化できるくらいには自覚してしまった、そのとき――
「あ――っ♡」
背後から、杏子の胸に、男の手が伸びてきた。
ブレザーの上から、男の両手が、杏子の胸を
「はぁっ♡ ああんっ♡」
男の指が、
服の上からだというのに、直接触れられているかのようだった。
そのまま円を描くようにねちっこく
(こ……これ……っ)
痴漢されている。
見知らぬ男に、胸を触られている。
そう認識しているのに、杏子の覚えた感覚は――
(痴漢されるのって、こんな感じなんだ……)
後になって考えてみればどうかしていることに――好奇心があった。
いままで他の女に『共感』していたせいか、「このくらい」という開き直りがあった。
「んあっ♡ はぁっ♡ あっ、ふぅ……っ♡」
そして何より、快感。
誰かの快感を一部拾っていたときとは段違いの、総身に響く快感の電流だった。
(だめ……なんで、私……抵抗、しなきゃ……っ)
頭のどこかではそう思っているのに、それ以外が甘受している。
男の手に触れられる感覚、愛撫の心地よさ、暗くて誰かに見られてはいないという安心感。
そういうものばかりを認識している頭が、無抵抗という選択をさせ続けている。
(だって……だって……
言い訳にもならないようなことを思い抱いた
「あむぅっ♡ ぷあっ♡ あふっ♡ しゅごいっ♡ あんっ♡ いいっ♡ 気持ちいいよぉ♡」
後ろの男性に突かれながら、前にいる男性の逸物をしゃぶっている少女が見えた。
「あはぁっ♡ こんな、格好♡ 恥ずかしいっ♡ じゅおぷっ♡ んあっ♡ もっとぉ♡」
大胆に片足を上げさせられ、新体操のような姿勢で挿入されている子がいた。
「あむっ♡ じゅぶっ♡ きてっ♡ もっと突いてっ♡ あむっ♡ おちんぽいいのぉっ♡」
シートの上で横倒しになり、膣と口を前後から突かれている女もいた。
照明が去り、闇に包まれた車内には、その子たちの激しい喘ぎ声が木霊している。
(みんな……誰も嫌がっていない、恥ずかしがってもいない……セックスしてるっ。この気持ちいいの、
杏子は現実感を失っていた。
車内の揺れと男の愛撫、トンネルの音と女たちの嬌声、それらが薬物のように正常な思考を奪い去り、夢見心地に陥る。
「あっ♡ はぁっ♡ あんっ♡ やっ♡ あっあっあっ♡ んぁぁっ♡♡♡」
気が付けば背後の男に背を預け、恋人のように寄りかかっていた。
男の手はブレザーの上から胸を掴み、スカートの中で下着越しに秘所を摩擦している。
顔も名も知らぬ赤の他人に
きっと、他の子たちもそうだったのだろう。
真崎杏子の正気は、とっくに失われていた。
「あ……っ♡」
いつの間にか目の前の扉に手をついて、前屈みにさせられている。
スカートはまくり上げられ、下着まで下ろされていた。
背後の男性が、取り出した怒張の先端を、すっかり
「やぁっ♡
挿入される。犯される。
「んあああイクイクイクぅぅぅ♡♡♡」
「気持ちいいっ♡ おちんぽ気持ちいいですぅっ♡」
「してっ♡ してぇっ♡ もういいっ♡ エッチするぅ♡ いっぱいするからぁ♡♡♡」
電車内に木霊する女たちの喘ぐ声に、押し流されていった。
(あ、入って、入って、きちゃう――っ)
ずぷ――と、男の逸物が、その先端を杏子の淫唇に埋め込んでいく。
それをさせてはいけない気がした。
気がするのだけど――
「んおっ♡ おぉんっ♡ しゅごっ♡ しゅごいぃぃぃ♡ イクのしゅごく長いぃぃぃ♡」
「おっきいっ♡ おっきいでしゅっ♡ おじさんのおちんぽ逞しくていいのぉぉぉっ♡」
周りがうるさくて、頭がわけわかんなくて、とにかくみんなヤってるものだから――
「っっっ!!」
驚くほどあっさりと。
痛みも、異物感も、不快感すらも無く――
杏子の膣は、見知らぬ男性のペニスを受け入れてしまった。
瞬間、杏子の膣内から稲妻のような性感が、全身を脳天からつま先まで突き抜ける。
性感が起きたその瞬間から、絶頂のラインを越えていた。
「っ♡ んあぁぁああぁぁぁぁああぁぁぁあぁあっ♡♡♡」
杏子の理解を越える快感だった。
男に体を預けた経験なんて無いはずなのに、
あるのは、剛直に拡張されていく自分の膣内と、その内圧がスイッチを押したように体へ広がる、濁流のような性感と、それに反応して起きるオーガズム。
(うそ……わたし、いま……イっちゃ、たっ♡♡♡)
遊んでいるように見られがちな杏子だが、自慰でしか性感を知らない。
性感が性感であることは理解できても、1と100では別物だった。
今まで味わったことのないほどの快感が全身を駆け巡って、意識が飛ぶ。
「あ゙っ♡ はっ♡ あっ♡ あ゙あ゙あ゙ぁぁぁっ♡」
(あ――また――だめ――イクの――終わって、ない――のに――っ♡)
飛んでいた意識が、次の一突きによる絶頂で呼び覚まされた。
「あっ、はぁぁんっ♡ んあっ♡ ああっ♡ ら、めっ♡ あひうっ♡」
(私っ、してるっ♡ 電車でっ、男の人とっ♡ 知らない人とっ♡ なのにっ、なんでこんなっ♡ 簡単にっ♡ 何度もっ♡ イってるのぉっ!?)
杏子は混乱した。
自分の体内を肉棒が動く度に、スタンガンのような強度で炸裂する快感と絶頂。
正気だとか、抵抗の気力なんてものは、一瞬で消し飛ばされた。
立っているのもやっとの体を、目の前のドアに手を付いて必死に支え、ろくな抵抗もできず、男の好き放題に突かれるしかない。
「あっあっあっあっ♡ あっあっあっあっあっ♡♡♡ あんっあんっあんっあんっあんっ♡」
(待ちわびてたっ♡ 私の体ぁ♡ これっ♡ おちんぽっ♡ 来てくれるのっ♡ 待ちわびてたみたいにっ♡ 体中、びくびくぅってイキながら、悦んじゃってる!)
恥じることなく、声が出てしまっていた。
その声も、自分の尻からパンパンと鳴る男性との衝突音も、トンネルの轟音が覆い隠してくれている。
「はぁっ♡ はぁっ♡ はぁんっ♡ あぁっ♡ あぁっ♡ あぁんっ♡」
(なんで、私こんな、エッチな声……もっと、怖いとかっ、嫌だとかっ、
見ず知らずの男に、無理矢理に犯されているというのに――受け入れている。
Gスポットを掻きながら突き進んでくる怒張が最奥部に到達する度に、爆発するかのような快感が、あるべき思考を
まるで……自分という女は最初からこういうものであり、男性のペニスという欠けていたパーツが加わったことで、ようやくその機能を発揮しているかのよう。
そんなわけないと拒むプライドが、心の
「美味しいっ♡ おじさまのおちんぽ美味しいですっ♡」
「おっぱい♡ おっぱいもっと触っていいからぁ♡ おちんぽ頑張って奥にきてぇっ♡」
「ああイクっ♡ イクゥゥゥ♡♡♡ こんなイクのぉぉぉ♡ 知らないっ♡ 知らないのぉ♡」
女たちの声が脳裏に反響する。
「おほっ、またいぐぅ♡ もぉらめなのぉ♡ イキしゅぎ怖いのにぃ♡ もっとなのぉ♡」
「あ゙っ♡ あ゙っ♡ あ゙っ♡ あ゙っ♡ あ゙っ♡ あ゙っ♡ あ゙っ♡ あ゙っ♡ あ゙っ♡ あ゙っ♡」
「んああぁぁっ♡ 素敵ですぅっ♡ おじさまたちの腰使いエッチでカッコイイのぉっ♡」
「きてっ♡ きてっ♡ きてぇっ♡ もっと犯してぇっ♡」
自分の口から勝手に声が出て、他の声に混ざる。
「じゅぶぅ♡ あむぅっ♡ 出してっ♡ 中にぃっ♡ じゅぼぉ♡」
「好きっ♡ おちんぽ好きっ♡ 痴漢さん好きぃ♡ もっとしてっ♡ もっと好きにしていいからぁ♡」
「おっぱいもぉ♡ 触っていいのぉ♡ もういいのぉ♡ どうなってもいいっ♡ 気持ちいいっ♡ いっぱいイクのぉっ♡」
――どれが自分の声なのかなんて、もう分からない。
「してっ♡ いっぱいしてぇ♡ 電車でエッチっ、したかったでしょぉ♡ いいよっ♡ 私がぜーんぶっ♡ させてあげるっ♡」
「気持ちいいのぉ♡ 痴漢さんのセックス気持ち良すぎなのぉぉぉ♡ お願いっ♡ 止めないでぇ♡ ぱんぱんぶつけてエッチしてぇ♡」
「あああぁぁぁっ♡ 中にぃ♡ 膣内にほしいのぉっ♡ あなたの子種っ♡ くださいっ♡ でないとダメなのっ♡ そうしないとダメなのぉっ♡」
杏子は理解した。
いま、この電車内の女たちの心はひとつなのだ。
誰かの口を
一連の恥知らずな言葉が、全て自分が口にしたものだったとしても、もう驚かない。
――なにせ杏子も、もう頭にあるのは、子宮を連打するペニスだけだったから。
「出してっ♡ 中出ししてぇっ♡ あはぁっ♡ ああぁっ♡ ああんっ♡ きたぁっ♡♡♡」
もう何回目かも分からない絶頂が杏子の脳天を突き抜けた。
子宮口に密着した鈴口から熱いものが吐き出される感覚を、確かに感じ取った。
その性感の稲妻に打たれたように、杏子は体を反り返らせる。
(でてるぅ……私の中にぃ……♡)
膣内射精されたことを実感した途端、膣肉がきゅううううっと締まる。
「あふぁぁぁっ♡♡♡ すご……い……♡」
ペニスの脈動をはっきり感じながら、杏子はその
痴漢なんて、人生で最悪の恥辱だと思っていたのに……
いまでは、自分のすべてを根底からひっくり返されて、生まれ変わった気分だ。
それこそ――いままで生きてきた
「あ……♡」
自分を突いていた男が、逸物を抜いて去っていく。
入れ替わりに、また別の男が、それも複数、自分の前に立って怒張を見せ付けてきた。
(まだ、するんだ……きっと、全員と……しなきゃダメなんだ……♡)
杏子は理屈抜きで理解した。
この電車は、このトンネルは、
女の人数分ではない。男も含めた『全員』だ。
人数で男が女の倍だとすれば、女一人につき二人分は孕まなければならない。
見回す限り、満員電車には女性より男性が多いようだ。
「……ぁは♡」
長い長い、快楽の路線になる。
多数の男の手に捕まれ、服を
杏子の顔に浮かんでいるのは、悦楽を期待する淫らな笑みだけだった。
○
『ご乗車、ありがとうございます。――駅――駅です。お降りのお客様は、お忘れ物なさいませんよう、ご注意ください』
あまりに聞きなれたアナウンスが、駅のホームに響いている。
「あれ?」
電車から駅に降り立った杏子は、自動販売機の傍でふと我に帰った。
自分が乗ってきた電車は、扉を閉じて、次の駅へ出発している。
乗っている男女におかしな様子は無い。
自分の身にも、着衣の乱れだとか体液が付着しているといったことは無い。
誰がどう見ても――
(なんで、そう思ったんだろ?)
内心で首を傾げながら、杏子は改札口を目指して歩く。
奇妙な感覚は一瞬で忘れ去られ、思い出すことも無くなる。
起きた後に夢が思い出せなくなっていくように、全ての出来事が無に帰すその直前、
とくん――という脈動が、下腹部から聞こえた気がした。
ご一読いただきありがとうございました。
懐かしのヒロイン……と言うには長いタイトルですが、
遊戯王から真崎杏子の痴漢モノでした
挿絵にはシリーズから色んな子を採用しております