ふしぎふしだら ~少子高齢化にキレた神々の淫らな祟り~ 作:大中小太郎
恋ヶ窪桃子/原作・学校の怪談
「あれ?」
気が付けば、恋ヶ窪桃子は、見知らぬ田舎に立っていた。
時刻は夕暮れ。桃の花が咲いている。
茜色に焼けた山と川、鮮明な夕焼けに溶けるような淡い桃花。
実に風光明媚で、文明の気配をまるで感じられない景色だ。
(私、家に帰る途中で……)
桃子は首を傾げる。
自分の通う天の川小学校から自宅までの間に、こんな昔情緒ある景色はあっただろうか?
(ここ、どこ?)
疑問を覚えながらも、直感的に答えは得ていた。
ここは、普通の場所じゃない。
なにか、お化けとか妖怪とか、それ以上の何かの領域だ。
きっと、普通に歩いただけでは出られない。
霊媒体質で、しばしば怪奇現象にも遭遇している桃子には、そうだと確信できた。
(でも、怖い感じじゃない……)
改めて景色を眺める。
転々と古民家が建つ川沿いの村だ。
桃子が立っていたのは川辺の小道で、赤みを宿した太陽が山の稜線に近付いている。
道路や自動車は見当たらず、驚いたことに電信柱さえも見つけられない。
大昔にタイムスリップしたのだと言われたら、納得してしまいそうだ。
(……あれは、岩?)
遠景に、大岩のようなものが見えた。
川の上流、山の斜面に半ば埋まるように置かれた岩だ。
遠くから見ても小石ほどある――つまり、かなり巨大な岩ということになる。
「っっっ」
ぞわぁ――と、全身が粟立つ。
霊感があるからとかではなく、本能が理解した。
あれは、人が近付いてはならないものだ。
魂が畏怖を叫んでいる。
あれは……ものすごく怖いものを封じ込める、ものすごく神聖な何かだ。
「はあっ、はあっ、はあっ!」
そう感じた頃には、背を向けて走り去っていた。
桃子は病弱な子だが、火事場の馬鹿力とでもいうのか、息を切らせて一心不乱に。
『ここに
その妹
『ここに
頭を過ぎったのは、何かの本で読んだ何かの記録。
それを正確に思い出す余裕が、桃子には無かった。
「はぁ……はぁ……はぁ……っ」
しばらく後、桃子は背筋の寒さから解放され、脚を止める。
どうやら、畏れの対象からは遠ざかれたようだ。
(どこなの、ここ……怖い……っ)
桃子は泣きそうな顔で呼吸を整える。
(だれか……)
いま一番の恐怖は、一人でいることだった。
誰かに助けてほしい。
この場所から逃してはくれなくても、一緒に居てくれるだけでいい。
できれば――
(そう……男の人が、いい)
頭の中で言葉にした後、「なぜ?」と首を傾げた。
いや、そうだ。できれば男の人、大人の男性がいい。
なぜなら、この『神隠し』のような現象から、いつ抜け出せるか分からない。
その間ここで暮らすなら、頼もしい男性に守ってもらいたい。
(男の人、男の人、男の人……っ)
どんな男性だっていい。
顔の美醜も、大人であれば年齢も、太っていようと禿げていようと構わない。
いまなら、自分はその人に対して、最大限に淑女として振る舞い、媚を売るだろう。
なぜ?
それはもちろん、可愛がってもらうためだ。
弱い女が、強い男に守ってもらうために備えた、ごく普通の小賢しさだ。
そのためなら、
「おや――お嬢ちゃん、どうしたんだい?」
「っ!」
まるで、神が祈りを聞き届けてくれたかのように、声が聞こえた。
「あ……」
白髪で、前髪が多少後退しているが、背筋のしゃんとした老紳士だった。
ドクン! と、心臓が高鳴る。
安堵感と興奮が同時に起こり、全身にびりびりとした心地よい感覚が広がる。
走る足を止めたのに心拍数が増し、息はより熱く荒ぶった。
肌は汗ばみ、夕日を浴びて、少女らしからぬ色香を放ち始める。
――まるで、体がこれからすべきことの準備を始めたように。
「おじい、さん……」
安堵の笑みを浮かべたつもりの桃子はその実、妖女のように嫣然とした笑みを浮かべていた。
○
「私たちはね、たぶん神隠しに遭ったんだよ」
「神隠し……?」
桃子は老人に連れられて、人気の無い田舎の景色を歩く。
「ああ、ここは携帯は通じないし、およそ文明らしいものもない。
気が付けば迷い込んでいて、どこか神気のようなものを感じてならない。
君もそうだろう?」
「はい……」
それはもう、意識すればまた、全身がおののくような気配を感じる。
見えることはなくても、なにか途轍もなく強大で遠大なものが、自分たちを見ている。
理屈ではない。霊感すら要らない。魂へダイレクトに訴える存在感。
ここはきっと――神社仏閣に祭られる御霊の領域なのだ。
「不思議と、飲み食いしなくても大丈夫だし、少し怖いことを除けば危険も無い。
目立たないところには家も建っていて、迷い込んだ人たちで使っているんだ。
私の家が近くにあるから、ひとまず上がっていきなさい」
「あ、ありがとうございます……っ」
桃子の心に浮かんだのは歓喜だった。
人がいる、家がある、ただそれだけで砂漠に水を得たようだ。
(よかったぁ……一人じゃない。男の人が、傍に居てくれる……)
そう感じるのは、果たして自分が子供だからだろうか?
この老人が王子様よりも輝いて見えて、胸の高鳴りが止まらないのは、ただの安堵感だろうか?
その答えは――
「怖かっただろう。もう大丈夫だよ」
「あ……っ♡」
老人に肩を抱かれた桃子の、悩ましい吐息にあった。
(お、おじいさん……私の、こと……男の、目で……)
馴れ馴れしく回された腕、肩を掴む指。
大人が子供を安心させるためにしていると言うには、明らかに込められた情欲。
女として、自分がいま隣の男にどんな目で見られているのか、分からない桃子ではない。
(で、でも……)
こういうときにすべきことが、できない。
手を振り払うことも、態度で拒むことも、止めてくださいと言うことも。
NOを突きつけるという選択肢が、あるはずなのに手に取れない。
(この人に、追い払われたら……私、どうすれば……)
この神隠しの里に、放り出される。
桃子にとってそれは、崖から突き落とされるくらいの恐怖だった。
男女の仲を拒んではならないと、神が言っている。
「もうすぐ夜になる。今日は泊まっていきなさい」
「っ!」
下心を明言するに等しい提案に、桃子の頬が染まる。
順当に考えれば、いくらなんでも老人が他意を込めるはずがない。
しかし桃子は、彼の手付きと声から、体に流れ込むような、性欲を感じた。
「わ……」
私、やっぱり――と、お断りの言葉を紡ぐべき口は、
「私で、よろしければ……♡」
驚くほど自然と、媚びるような声音で、歓迎の念を口にしていた。
○
簡素な和風建築だった。
しかし傷汚れはなく、質素な印象は与えない。
冷暖房の設備も無いはずなのに、中は暑くも寒くもなかった。
「しばらくはここで、私と一緒に暮らすんだ」
「あ……っ♡」
衣擦れの音と共に、桃子は老人に背後から抱き寄せられた。
すぐ耳元で囁かれて、桃子はぞくりと背筋を震わせる。
(私……こんな、知らないおじいさんに……体を預、けちゃうんだ)
拒むべき行為だと、世間の常識はいうのだろう。
しかし、その『常識的な世間』がここには無い。
「ふぁんっ♡」
老人にべろりと首筋を舐め上げられ、桃子は思わず甘い声を上げた。
「君は賢い子だね。こういうとき、女が何をすればいいのか分かっている」
「っ♡」
老人は桃子の心理を見抜いていた。
なにせ神隠し、出る手段も分からない陸の孤島だ。
最悪、一生出られないとしたら、自分がどうやって生きていけばいいのかは明白だった。
(だって……だって仕方ないもの……この方に、見捨てられたらっ♡)
本当に、それだけだろうか?
自分の中の客観的な部分が、桃子に問い掛ける。
(男の人に、抱かれてる……腕も、体も、おっきくて、逞しい……こんな、お爺さんなのに♡)
桃子は人生で初めて、男性というものを強く感じていた。
男性に求められるという体験、劣情を向けられるという心地――普通なら恐れるべきそれに、なぜか嫌悪感が沸かない。
「……っ♡」
神隠しという異常な事態により、判断力を損なっていたのか。
桃子の体の方が、猛烈に男性を求めてしまっているのか。
その両方か――
「六年生くらいかな? 女になりつつある体だ」
「あっ♡ やっ♡」
老人の手が胸を揉みしだき始めた頃には、考えることもできなくなった。
「お、おじい、さんっ♡ や、めっ♡ わた、しっ♡ やっぱり――」
「おや、こんなに火照らせて。体中からフェロモンが出ているじゃないか」
「んあぁぁんっ♡」
老人を制止しようとした桃子は、体の状態を指摘されながら首筋を吸われ、胸を強く掴まれる。
軽い痛みと共に、それが分からなくなるほど強い快感が全身を震わせ、桃子を動揺させた。
(やだっ♡ 私、こんな、エッチな声っ♡ なんで……体、体が、おかしいよぉ……っ♡)
自慰すらろくに知らなかったはずの体が、凄まじい勢いで『女』になっていく。
心なしか乳房の膨らみが増し、肌の白さと柔らかさに、性的な魅力が加わった。
体はますます敏感になり、少しの刺激で仰け反りそうになる。
「ほら、感じてごらん。男に愛撫されるのは気持ちいいだろう?」
老人の手は焦らず、されど巧みに、服の上からの愛撫で桃子の性感帯を目覚めさせていく。
(気持ちいい♡ きもちいぃっ♡ おじいさんの手っ、男の人の指っ♡ 怖いのに……このまま、して、ほしい……っ♡)
お腹の奥が熱くなり、肌が軽い愛撫を鋭敏に感じ取る。
性感の甘美を知った心身が、このままずっと味わっていたいと叫んでいる。
(拒め、ないっ♡ こんな状況で、拒んだらっ、追い出されちゃうっ♡ そう、仕方ない……仕方ないん、だ……♡)
残っていたまともな思考力も、まるで言い訳を見つけたように、メスの本能に流されていく。
「大人しくなったな。どうだい? 気分は」
そこで、老人の手が桃子から離れる。
「あ……ぁ……♡」
走っていた性感が止まってしまった。
それだけで、桃子の胸中には多大な不安と寂寥が巻き起こる。
不興を買ってしまったのでは、なにか作法に反したのでは、もうシてもらえないのでは――
「さあ、どうするかね? いまなら逃げられるんだよ?」
老人が選択肢を突き付ける。
「っ」
ごく――と、生唾を飲んだ桃子は、心を決めた。
いいや、もう決まっていた心を、ようやく認めたというべきか。
「お……お爺、さま……」
桃子の震える唇が、恐る恐る言葉を紡ぐ。
「私……いい子に、しますから……っ♡」
振り返り、縋りつくように老人へ近付いて、顔を上げる。
「どうか……ここに、居させてください……っ♡」
あなたに身を捧げます――と、自らキスすることで、宣言していた。
「ちゅ♡ んっ♡ ちゅぷ♡ じゅるっ♡」
老人の舌が桃子の舌と絡み合い、口腔を蠢く。
舌先が触れ合うだけで甘い震えが起き、その一舐めごとにお腹の下の方……女性器の奥が強く疼くのを感じた。
(ああ……♡ 私、キスしてる♡ 舌と舌で、大人のキス♡ こんな、お爺さんと、してるのに……っ♡)
桃子は下腹部の奥で、子宮が下りてきているのを感じる。
(お腹が、お股がっ、キュンキュンするっ♡ 体が、どんどんエッチになってくっ♡)
自分の体が急速に淫らとなっていくことに戸惑う桃子。
そんな彼女を抱き寄せ、老人はより深く唇を貪り始めた。
「ふぅ♡ んんぅっ♡」
舌と舌が絡み合い、恋人のようなディープキスをされ、桃子の脳が幸福感に満たされる。
(すごい♡ 私いま、女として求められてる……っ♡ 大人の女がすること、しちゃってるっ♡)
相手が年寄りであることなど、もう気にもならない。
そもそも最初から、そのことに嫌悪感など抱いていなかった。
(いい♡ 嫌じゃない♡ お爺さんとのキス♡ ちっとも嫌じゃないっ♡)
寄る辺の無い神隠しの里で、自分を救い上げてくれた、世界で唯一の味方である男性。
それだけで、桃子にとっては王子様であり、ただ一人の伴侶だった。
「ぢゅっ♡ ぷあっ♡ はふっ♡ あむっ♡ んんっ♡ おじ、い♡ さまぁ♡」
呼吸も忘れて舌と唇を互いの唾液で汚しあい、熱い呼気を間に挟んで見詰め合う。
桃子は陶然とした顔で、知らぬ間に老人の首に腕を回し、恋人のように抱きついていた。
「んんんっ♡♡♡」
対して老人の両手は、桃子の尻に伸びていた。
たっぷりした尻肉の感触を楽しむように、しわがれた指が瑞々しい尻肉へと食い込む。
「~~~~~~ッ♡♡♡」
桃子は声にならない嬌声を、老人の唾液と一緒に呑み込んだ。
老人の手は桃子のスカートを乱暴に捲り上げ、ショーツの上から尻肉を貪り始める。
獣が捕食するかのように噛み付いた指は、桃子のヒップから脳天へと快感の紫電を走らせた。
「あふっ♡ あんんっ♡ おじ、い♡ さまぁ♡」
老人の指は尻穴とショーツの隙間に入り込み、瑞々しい桃肉を揉みしだき始めた。
執拗な指使いで柔らかい尻をねちっこく愛撫され、桃子の口から上擦った嬌声が漏れる。
(やだぁ……♡♡ お爺さんにお尻っ♡ 揉まれて♡ 私、こんなにっ、感じてる♡♡♡)
性感すらろくに知らなかった少女の体は、いつの間にか人妻さながら性感帯を発達させていた。
五指が動くたび、それぞれから走る性感の電流が全身に広がって、演奏のように悦楽を奏でる。
「あっ♡ あっ♡ あむっ♡ んっ♡ んあっ♡ あっ♡ ああぁぁぁ……っ♡♡♡」
濃厚なディープキスの性感もあいまって、桃子はシームレスに絶頂を迎えていた。
絶頂で全身が震え、喘ぎで声帯が震え、その振動が『イク』という感触を全身に染み渡らせる。
「っ!?」
不意に――尻肉から手が離れた。
(あ……お爺さま、やめちゃう……?)
もっとしてほしいのに。
そう訴えるように、切なげな視線を老人に向ける。
自分がそんな、はしたないことをしていると気付いたのは、その後だった。
「脱ぎなさい」
「っ!」
老人は桃子の耳元で囁いていた。
桃子は顔を赤くし、従うことをためらう。
脱がされるならまだしも、自分から脱ぐというのは、この先の行為を自ら許容したことになる。
合意はとっくにしていると分かっていても、いざとなると臆病風に吹かれていた。
――その思考は、老人に抱かれること自体は受け入れているものであり、
「言うことを聞きなさい?」
「はぁ……っ♡」
優しい口調で命令されれば、『命令されたから』という言い訳を幸いに、欲情を解放し始める。
「はい……♡」
桃子はセーラー服の裾に手を掛け、上へと持ち上げていく。
細い腰が露になり、あばらの浮いた腹部が現れ、ピンクのブラが見えてくる。
(見られてる……私の、肌……お爺さんにっ♡)
自分の体を、他人、しかも男性に見られてしまうのは初めての体験だ。
その羞恥が、桃子の興奮と性感を高めていく。
(どうしよう……見られるの……気持ちいい♡)
露出した肌に感じる無形の快感に従って、桃子は腕を交差させながら、上着を頭から引き抜いていった。
「っ♡」
そして、上半身のブラが露になる。
桃子は顔を赤くし、老人から顔を背けた。
「お、おじいさま……あまり、その……」
「可愛いよ」
そんな桃子を褒めるように、老人は彼女の頭を撫でながら言った。
「ああ……♡」
甘美な言葉を受け、桃子の胸が高鳴った。
なんて単純。ありきたりの褒め言葉ひとつで、不安も緊張も吹き飛んでしまった。
「さあ、次は下だ」
「……は、い♡」
老人の催促に、桃子はスカートにも手を掛けた。
肌に感じる衣擦れの感触すら切なく感じながら、ゆっくりと下がっていく裾を眺める。
ブラと同色のショーツが現れ、細長い太股が明かりに照らされ、スカートが膝裏からくるぶしへと落ちていく。
(ああ♡ 熱い♡ お爺さまの視線っ♡ 情欲が、伝わってきて♡ 私に、燃え移るみたいに……っ♡)
男の前でブラとショーツだけの半裸になる。
少女としての羞恥心は、メスの本能に飲み込まれ、スパイスとしてしか機能していない。
(抱かれるんだ……お爺さまに、男の人にっ♡ きっと、さっきみたいな気持ちいいことが、気が狂うほどたくさんっ♡♡♡)
到底、少女の心境とは言えない、悦楽を期待する淫らなメスの心地。
「いい子だ。なら次は――」
老人は桃子の肩に手を置いて、畳の上に膝をつかせる。
戸惑う桃子は、目の前に老人の下腹部があることと、その隆起に気付いた。
(お爺さまの、ここ♡ おっきく、なってる♡ 男の人が、エッチになってる証……っ♡)
ものの本で読んだことしかない、男性の生理現象。
それが眼前にあるのだと思うと、服の上から見ただけでも生唾を飲まされる。
「しゃぶるんだ」
「っ♡」
老人に命令され、桃子はおずおずと彼の腰へと手を伸ばした。
震える手でズボンを下ろしていくと――ぶるん、と勢いよく男性自身が飛び出す。
「あっ!」
その勢いに驚き、桃子は思わず手を引っ込めた。
「どうした? やっぱり嫌になったかね?」
「あ……ち、違います! そんな、こと……」
老人の意地悪な質問に、桃子は顔と耳を真っ赤に染め、消え入りそうな声で否定する。
「なら、やってみなさい。君が本気なのかどうか、見極めさせてもらおうか」
にたりと笑う老人は、桃子に奉仕を命じていた。
その奉仕に力を抜けば、この家には置いてやらないと、脅迫している。
(が、頑張らないと……お爺さまに、気持ちよくなって、いただかないと……っ♡)
桃子は再び老人の剛直へと手を伸ばす。
(でないと、追い出されちゃう……怖い、お外に、追い出されちゃう、から……っ♡)
桃子の意識では、『命じられているから嫌でも仕方なく』だった。
(お爺さまに、お気に召して、いただけるように……っ♡)
しかし、息が白むほど熱い呼吸と、目に映るものに注ぐ熱い視線は、本心を隠せておらず――
(おちんぽぉ♡ いただきますぅっ♡♡♡)
人生で初めてするとは思えないほどの勢いで、大きく開いた口に、野太い肉棒を含むのだった。
「んもぉうぐっ♡♡♡」
口に含んだ途端、桃子はびくんっと震え上がりながら、口内に男根の形を感じ取る。
勃起状態の肉棒など見るのも初めてだというのに、不思議と嫌悪感はなかった。
(これが、男の人の、おちんぽっ♡ おっきくなって、女に子供を授けようとしている、おちんぽっ♡)
口が塞がっているため、桃子は心の中で叫ぶ。
理由は分からないが、感動すらしていた。
生殖という原始の欲求に染まった思考には、グロテスクな陰茎すら崇高な生命の象徴に思えた。
「んっ♡ ちゅっ♡ れろっ♡ ぷちゅぅっ♡」
(おいしいっ♡ おちんぽが、こんなにっ、美味しいだなんてっ♡♡♡)
上顎に擦れる亀頭、下の上に感じる蟻の門渡り。
「んふーっ♡♡ じゅるっ♡♡ ずぞぞっ♡♡ ちゅぱぁ♡♡♡」
「おお、いいぞぉ。情熱的じゃないか」
桃子が夢中になって味わっていると、老人が髪を撫でてほくそ笑む。
(お爺さま、喜んでるっ♡ 気持ち、いいんだ♡ 私、男の人をっ、気持ちよくできてるっ♡)
彼の興趣を誘っているという実感が、桃子を安心させた。
自分を可愛く思ってもらえるというメリットを見出した途端、奉仕する喜びすら湧いてきた。
(ここ♡ 舌で舐めてあげると、おちんちんがビクッてなる♡♡)
肉棒の反応から弱点を見抜き、そこばかり攻め立てる。
「ふーっ♡ んもぉっ♡」
(凄いにおいっ♡♡♡ 口の中でおちんちんのエッチな味と臭いでいっぱいぃ♡♡♡♡)
舌に伝わる猛烈な雄臭さと刺激的な味に、桃子は媚薬を嗅がされたような陶酔状態に陥る。
肉棒への奉仕はエスカレートしていき、喉奥まで使うディープスロートへと変わっていく。
(おえっ♡ おちんちんっ♡ おっきくて、顎が外れそぅ♡♡♡)
苦しさを覚えながらも、桃子の舌技には一層磨きがかかっていく。
(くるひぃのに、止めたくない♡ あたま、くらくらする……♡ おちんぽしゃぶり続けちゃう♡ お爺さまに、いい子だって、思ってもらいたいっ♡♡♡)
そんな行為に没頭している最中。
「よしよし、もう十分だ。このままじゃ搾り取られてしまいそうだ」
老人は桃子の頭をペニスから遠ざけた。
「~~っ♡♡♡ ……あ、はっ♡」
ふいに口腔粘膜を擦る感触が無くなり、桃子は口寂しさを覚えながら頭を上げる。
口に溜まった大量の唾液が落ち、舌先から伸びた吊り橋のような橋を作っていた。
その淫靡な橋が落ちるより先に、老人は語り始める。
「今度は私が君を気持ちよくしてあげよう」
「あっ……」
老人に肩を押されて、布団へ導かれる。
口淫で満足してもらえたから、次のステップに進むのだと、桃子は理解した。
つまり、いよいよ……あの剛直を、今度はお腹に受け入れるのだ。
「っっっ♡♡♡」
そこに不安感はあれど、それ以上に大きいのは、歓喜の疼きを起こす子宮の声。
「さあ、ブラを外して。歳の割に大きなおっぱいだ。見せておくれ」
「は、はい……っ♡」
言われるがままにブラを外すと、ぷるんっと瑞々しい乳肉が現れる。
「ああ、なんて綺麗なおっぱいだ」
「あっ♡ やぁっ♡」
老人に乳房を鷲掴みにされ、思わず声が出た。
その反応を楽しむように、彼は桃子の胸を揉み始める。
(男の人に、触られてるっ♡ 気持ちいいっ♡ お爺さまの、指ぃ♡ 私のおっぱいに、夢中になってっ♡)
初めて異性に触れられるというのに、無条件で生じる快感。
「お、おじいさまぁ♡」
「ああ、言われなくても分かるぞ。もっと触ってほしいんだな」
触覚と性感がイコールで結ばれているかのように、体中が目の前の男性を求めている。
(この人、なんだ♡ 私の、運命の人っ♡ 神様が、出会わせてくれたんだぁ……っ♡)
桃子の思考は快楽に染まりきり、老人への愛情で溢れていた。
その愛情が彼の肉棒を欲するという形になって表れる。
「もう我慢できないのか? 本当にエッチな子だ」
老人は乳房を揉みながら、桃子の体を布団へ仰向けに寝かせる。
(あぁ♡ 押し倒されてる♡ お爺さまの手がぁ、気持ちよくて♡ 抵抗、できない……っ♡)
ぽすん――と、自らそうするように布団へ倒れると、老人の手が乳首をくすぐり始める。
「ふああんっ♡ あっ♡ あっ♡ んああっ♡」
骨ばった老人の手が、肌の表面を丁寧になぞりあげる。
花でも愛でるかのような優しい手つきであるというのに、乳首への刺激はどこか意地悪で、演奏者のように巧みだ。
(気持ちいいっ♡♡♡ お爺さまにおっぱい触られてるだけなのに、乳首がコリコリになっちゃってるっ♡♡)
素直に反応をする自分の体に羞恥を覚えながら、さらに快感を貪ろうと胸を張り始める。
中学生の少女が、老翁に乳房を捧げて、性感に乱れて身をよじる。
そんな不徳な光景が、次の段に進む。
「あ♡」
老人の手が、桃子のショーツを掴み、足の下へと引き抜いていく。
「おや、もうこんなに濡らして……スケベな子だ」
「やっ♡」
老人がショーツの染みを指摘すると、桃子は頬を一層赤くして目を伏せた。
視覚が封じられると、下着を脱がされているという事実に意識が向かい、体の疼きを高めるスパイスになっていく。
「ほら、腰を上げなさい」
太腿に掌を這わされながら言われ、おずおずと腰を浮かせる。
それを見計らったのか、老人の手によって、ショーツはするりと抜き取られてしまった。
「あ……♡」
桃子の熱く甘い息がこぼれる。
(恥ずかしい♡ お爺さまの、目の前に……私のおまんこが♡♡♡)
滴る愛液と充血した陰唇が露になり、閉じられない花弁はひくひくと震えている。
そんな女陰を、祖父のような歳の老人に見られているのだ。
されどその羞恥を上回るのは――彼が自分に興奮してくれていることへの喜び。
自分の性的魅力でオスを獲得しているのだという、メスの本能が訴える悦びだ。
「綺麗な色をしているじゃないか」
「あ、はうぅ……っ♡」
肉花弁をふにふにと揉みしだかれ、桃子の口から熱い吐息が漏れる。
甘美な痺れが体の芯へと浸透していき、痛みはまるで感じられない。
(ああ♡ お爺さまの手♡ 指がっ♡ だんだん奥にっ♡)
老人のゆっくりとした手淫は徐々に桃子の膣へ進んでいき、気付けば指半ばまで侵入している。
「あ、あぁぁっっっ♡」
体内からじりじりと広げられる異物感に歓喜しながら、桃子は喘ぎ鳴いた。
腰が浮いていくのを止められない。肉壺からとろりとした蜜が溢れ出し、太く骨ばった男の指を濡らす。
(気持ちいい、気持ちいい気持ちいいっ♡ お爺さまの指っ、奥に来てくれるほどっ♡)
指一本でここまで快感に落とされている自分に驚きながらも、与えられる快楽を貪るしかない。
(私、こんなにエッチだったんだ♡ 私の体っ、男の人がっ、欲しくてたまらなかったんだっ♡)
もはや自分の淫らさを直視せざるを得ず、隠すこともできない。
「お爺さまっ♡ お爺さまぁ♡」
桃子は手淫に身もだえしながら、徐々に自ら両足を開いていく。
まるでメス犬が交尾をねだるかのような惨めな姿であるのに、それを恥じる理性が桃子には残ってなかった。
「じれったいか? 可愛らしいねぇ」
老人は指を動かしながら笑い、片手で乳房を責めたてる。
その、乳肉を刺激し快感を引き出す行為と、女陰内の性感帯をこねくり回す動作は連動しており、桃子の官能は際限なく高められる。
「あっ♡ ああぁぁっ♡ 胸ぇっ♡ いっしょっ♡ ああぅぅっ♡」
「もっと気持ちよくなりたいんだろう? なら、可愛らしくおねだりしてごらん? こういうときは、男を興奮させるほどいいものだよ?」
「はっ、はいぃ♡♡ あぁっ♡ お爺さまっ♡ お願い、しま――はぁぁん♡♡ 私の、からだぁ♡ もっとっ♡ あふっ♡ 気持ちよくっ♡ して、くださいっ♡ んぁぁっ♡ もっとぉ♡♡♡」
快感に翻弄される桃子には考える余裕などなく、彼の要求をそのまま実行する。
甘ったれた幼子のように、お爺さんにおねだりする。
頭は幼児対抗し、逆に体は急速に大人へ変わっていく。
「奥っ♡ お腹の奥がぁ♡ キュンキュンするんですっ♡ 切なくてぇ、堪らないんですぅ♡♡♡ あひいっ♡♡♡」
指が深くまで侵入し、Gスポットを押し上げながらこねくり回す。
更なる性感に腰が抜けてしまうほどの甘い痺れが走った。
「お爺さまぁ♡ もうらめっ♡ おひんぽぉ♡ ほひいいれひゅっ♡♡♡ 私っ、お爺さまにぃ♡ 女にっ、してもらいたいっ♡」
とうとう誇りすら快楽に説かされ、桃子は自ら老人に願った。
指では足りぬ。男女が結ばれるためのパーツを使って欲しいと、自ら懇願してしまった。
「よしよし、素直ないい子だ。欲しいのは、これか?」
老人は服を脱ぎ捨てると、痩せた体からは想像もできない剛直を手に取り、桃子の秘所へと擦りつける。
「んっ♡ あっ♡ ふわぁっ♡」
淫水焼けしたそれを膣口で感じた途端、桃子の喉から蕩けた声が漏れ出る。
全神経が剛直に釘付けとなり、その大きさがもたらすであろう快楽を想像し、期待と興奮で子宮がきゅんきゅんと収縮するのを感じる。
(お爺さまのっ♡ おちんぽっ♡ きちゃうっ♡ 私のっ、中にぃ♡ 来て、くれるぅっ♡♡♡)
心身ともに、もう理解してしまっていた。
この肉棍棒を突き入れられ、最奥部の子宮にキスされた瞬間から、自分は天国のような悦楽を味わえるのだと。
「まったく、まだ先っぽを少し沈めただけだというのに、もう吸い付いてくるぞ?」
「ほしいっ♡ お爺さまのおちんぽぉ♡♡♡ くださいぃぃぃ♡♡♡♡」
雌犬のようにはしたなく、股を開き腰を突き出してねだる。
あまりに淫乱な痴態であるが、今の桃子にそんなことを思いやる余裕はない。
老人もますます興奮を増した様子で笑い、剛直を入り口から奥へ進める。
「くぁぁぁっっっ♡」
亀頭が入り込むと、桃子は喉を反らして痙攣する。
亀頭が納まっただけでこの有様だ。
もはや桃子の体は、獲得した男根から精を搾り取ることにだけ特化している。
「これなら大丈夫だろう――一気に行くぞぉ!」
我慢しきれなかったのだろう、老人が桃子に覆いかぶさり、急に腰を進める。
「んあああぁぁぁっっっ♡♡♡」
最奥まで肉竿が収まった瞬間、脳天にまで響く衝撃が体内を突き抜けた。
(あ――入って――き、た――おく――届いて――いま、頭、真っ白に――)
男性器が自分の内に納められて、膣全体が勝手にそれを抱き締める。
収縮した膣壁が、カリ首裏にぷっくりと浮き出た血管まで、鋭敏に感じ取った。
たったの一突き。それだけで、桃子の全身は落雷のような快感に襲われ、猛烈な絶頂に襲われる。
「おひぃっ♡ ふああっ、ひゃああっっ♡♡」
(わた、し――いま、イって、る――体、ガクガク、震えて――気持ちいいので、体の中、ぜんぶ溶けちゃう――)
肉体が女に生まれた意味を果たしている、そんな気がした。
彼の肉棒と己の子宮がキスした瞬間、なにか神聖な力が体中に広がってる気がした。
「おっ♡ おおおぉぉぉっっっ♡ あああぁぁぁっっっ♡♡♡」
「っく、ふぅ」
長く達し続ける桃子ほどではないが、老人も予想以上の快感に息を吐く。
「これは凄い……膣内まで厭らしくうねって、ナニを歓迎しているじゃないか。
これがっ、処女のっ、することかっ!」
老人は腰をグラインドさせ、桃子の膣内に剛直を前後させ始めた。
「っっっ♡♡♡♡♡」
老人らしからぬ巨根と、少女の狭い膣内が擦れる圧力は、そのまま快感の出力だった。
目を見開いた桃子の反応も見ずに、老人は激しい抽挿を始める。
「ひっ♡ あひいっ♡♡ おふっっ♡ ふぎぃぃぃっ♡♡♡」
肉と肉が激しくぶつかり合う音が鳴り響き、愛液が飛び散り布団を汚す。
犯される乙女が痛みに泣いているようにも聞こえる声は、しかし全て快感により生じたもの。
恥も外聞も取り繕えないほどの、暴力的なまでの性感が、桃子の口から人間的な言語を奪う。
「んおぁっ♡♡♡ あひゅっ♡♡♡ あああぁぁぁっっっ♡♡♡」
桃子の体が弓なりに反り、足の指が布団に食い込む。
「またイったか! まったく、とんでもないスケベ娘だ!」
老人はさらに腰を強く突き入れながら、桃子の胸を揉みしだき始めた。
(だめっ♡ だめだめだめ気持ちいい気持ちよすぎるぅ♡♡♡ イクのずーっと続いたまま新しくイってりゅぅぅぅ♡♡♡)
老人が腰を前後する度、大きな掌で胸が形を変えられる。
「あひゅっ♡ おおっ♡ ああぁぁんっ♡ んんんんっ♡ いいいいっ♡」
(おっぱいだめっ♡ おちんぽで奥をどすんってされながらイってりゅのにおっぱいもイったら無理無理もう無理ぃぃぃ♡♡♡)
膣を犯す巨根から与えられる刺激に加えて、おっぱいが執拗に可愛がられ。
女を牝に堕とすには十分すぎる性感を、余すことなく与えられてしまう。
「あひいっ♡♡ ああぁっ♡ あーっ♡ ああ~~っ♡♡♡」
(だめだめだめぇぇぇ♡♡♡気持ちいいの止まんにゃいぃぃ♡♡♡イクの終わんないぃぃぃ♡♡♡)
夢中で腰を突き落とす老人の下で、陸に打ち上げられた魚のように体を反らせては弾む少女。
老人が一呼吸を入れるべく腰を止めるまで、桃子の連続絶頂は続いた。
「ひ、ひぃ……っ♡ おじぃさまぁぁ……あひっ♡」
(気持ちいいのが抜けていかないぃ……♡)
ぐったりと布団に倒れ、全身が痺れるような快楽の余韻を味わう。
「さあ、次は後ろだ。ほら、四つん這いになるんだっ」
桃子から肉棒を抜いた老人は、その状態が我慢ならず、桃子の体を反す。
「は、はひ……すぐ、に♡ すぐにぃ♡」
桃子もそれは同じだった。
腰が抜けた体を手足で動かし、震える足で膝を立てて、尻を上げる。
(抜け、ちゃってる♡ お爺さまのがぁ♡ 入ってないっ。やだぁ♡ 寂しい♡ おまんこ寂しすぎて死んじゃう……っ♡)
ものの数分で気が狂うほど達した。
満足のいくセックスどころか、どんな女でも音を上げるだろうというくらい。
それでも、
(――まだ、
思考力すら失いかけた頭の中で、その目的だけは明瞭だった。
なんのためにセックスをするのか? 命を宿すためだ。
生命たるものの悲願、それを叶えることが、いまの桃子の全てだった。
「お願い、します♡ お爺さまぁ♡ どうか、逞しいそれを♡ お爺さまの、男の象徴をっ♡ もう一度っ♡ 今度は中でっ♡ 私の中にぃ♡ 新しい命を、授けてくださいっ♡」
涙と涎を垂れ流し、尻を左右に振って肉棒を求める少女に、老人の欲望も抑えきれなくなった。
「ああ、いいともっ! 私に残った精液、全てお前に注ぎ込んでやるっ!」
再びの挿入が桃子を襲う。
「あひぃぃぃっ♡♡♡ おっき、いぃぃぃ♡ きたぁっ♡♡♡」
先ほどと比べて、桃子は言葉を紡げていた。
快楽の桁は変わらないどころか、後ろからの挿入ということもあってより大きいくらいなのに。
慣れてきている。心と体が、当初は拷問めいていた激しい快感に順応して、甘美だと感じている。
「くおっ、さっきよりも艶かしく絡み付いてくるじゃないか!」
老人は腰を突き入れながら桃子の体を抱き締める。
皺だらけの肉体だが、それ故に感じる優しい抱擁の温もりが嬉しい。
(お爺さま……っ♡ お爺さまも気持ちいいんだ……♡ 私の中で感じてくれてるんだ♡♡)
背後にいても分かるほど筋肉を隆起させ、勃起した肉棒を突き入れる老人。
そんな男根を淫乱に咥え込んで離すまいと締め上げる桃子の女陰。
年の差などもはや些事、ただ一対の雌雄となって燃え上がる。
「あ、ふぅぅ♡ んちゅ♡」
振り返り、唇を突き出し甘えるように鳴く桃子。
その舌先が絡め取られ、たっぷりと唾液を交換するキスが始まる。
(だめ、これっ、イク♡ キスをされながら奥を突かれただけでイっちゃうぅぅ♡♡♡)
子宮の入り口まで怒張を突き込まれ、ぐりぐりと愛でられる。
もう数えるのも面倒なくらい達したというのに、老人の一突き一突きはダイレクトな快感となって脳天に突き刺さる。
「はひゅっ♡ しゅごいっ♡ おじいさまぁっ♡ しゅごいでしゅっ♡ おじいさまのぉ♡ おっきなのぉ♡ おくっ♡ 奥にどすんってされるの気持ちいいんでしゅっ♡ イクっ♡ イってりゅのっ♡ 子宮にぐりぐりされるのイっちゃうのぉぉぉっっっ♡♡♡」
いま自分に起きている快感をひたすら言語化して、桃子は老人に媚びた。
淫らに甘えて、彼を興奮させることで、より多くの快感を得られると気付いたのだ。
「そうかっ! じゃあお望み通り、おかしくなるまで突いてやるぞ!」
老人は桃子の腰を掴むと、獣となって夢中に腰を前後させる。
「あひぃっ♡♡ おあっ♡ しゅごひっ♡ おほおぉぉっ♡♡♡ 気持ちいいっ♡ 気持ちいいの止まらないぃ♡♡ 好きっ♡ これっ♡ イキっぱなし大好きでしゅぅぅぅっ♡♡♡」
ぱんぱんぱんっ! という男女の衝突音に重なる、桃子の嬌声。
目の焦点を失うほどの連続絶頂にありながら、桃子の精神は際限なく快感を求め、老人のピストンに腰付きを合わせる。
「もっろ♡ もっろ♡ おくっ♡ しきゅーにキスしてくだしゃいぃ♡♡ おじーしゃまのおちんぽでっ♡ 女の快感いーっぱい教えてくだしゃいっ♡♡♡」
桃子のおねだりに答えて、老人は背後から乳房を揉みしだき、首筋に舌を這わせる。
「ああぁぁっ♡♡♡ おっぱいしゅごいっ♡ あーっ♡ あーっ♡ むぎゅーってぇ♡ イくイくイくぅぅっ♡♡♡ あたまがばちばちってぇ♡♡」
(これっ♡ これぇ♡ もう『イク』なんてものじゃないっ♡ もっとしゅごいっ♡ なにかっ♡ イクよりすごい何かが起きてるぅぅぅっ♡♡)
もはや桃子は、自分の肉体がどうなっているのかすら理解できていなかった。
ただ分かるのは、自分の体が信じられないほどの快楽に犯されていること。
そのトランス状態の中に、神の恩寵が宿っていること。
「お゛お゛お゛っ♡♡♡ イ……グっ……っっっ♡♡♡ ん お゛お゛お゛あ゛あ゛あ゛あひぃぃっ♡♡♡」
もうまともな言葉も紡げず、桃子はただ交尾の快楽に吼え続けた。
「ぐおっ! 出すっ! 出すぞぉ!!」
「ああっ♡ くるっ♡ くるのぉっ♡ おじいさまの精子っ♡♡♡ 来てくれりゅぅぅぅ♡ くだしゃいっ♡ いっぱいの子種ぇ♡ 中にぃっ♡ ぜぇーんぶぅっ♡♡♡」
老人が射精を予告してラストスパートをかける。
桃子はその先に、法悦の極地が訪れると確信して、膣内の肉棒を引き絞った。
びゅるるるるっ! と、二人の結合部に、震動音にも似たものが響く。
「ぐ、おおおぉぉぉ……」
「あ゛ーっ♡ あ゛ー♡ あ゛ぁぁ~~♡♡♡」
老人も桃子も、共に背を反り返らせて、果ての快感に打ち震えた。
その状態は数秒ほど続き、桃子はうつ伏せに、老人は仰向けに倒れていった。
○
神隠しの里で、夜が深まる。
電線もない古風な景色に、古民家の明かりが点々と灯る。
家の中からは、女性あるいは少女の悩ましい声が漏れ聞こえ、男女のまぐわう影が揺れていた。
桃の花が咲いている。
季節ではないはずだが、満開だ。
やはりここは、そういう場所なのだろう。
どこかから神隠しに遭った男女が、夢中になって交わるための、人里から隔離された村。
まるで人間がネズミを繁殖させるために作った檻のような、神々の手による『桃源郷』。
そんな神秘の里で――
「あはぁんっ♡ おじいさまっ♡ まだっ♡ まだでしゅうっ♡ お精子っ、まだっ、出し切ってませんよぉ?」
桃子は、仰向けになった老人に跨り、痴女のようなことを口走りながら腰を振っていた。
「お、おお……いいぞ桃子……お前のおまんこは本当に名器だ……」
老人は快楽に蕩けきった顔で、桃子の腰振りを歓迎する。
疲れ果て、指一本も動かせず、ただ桃子に肉棒を好きにさせていた。
心なしか、最初に桃子と会ったときよりも老け込んで見える。
「あはぁんっ♡ だめでしゅよぉ? まだ、眠っちゃ。ちゃぁんと、一滴残らずっ、出してからですぅ♡♡♡」
腰を上下させるたびに、精液をたっぷり注がれた桃子の子宮が揺れる。
自分の体をシェイカーにするように、老人の精子と自分の卵子を混ぜ合わせ、受精に導いていた。
「お、おぉ……」
老人の目から光が失われていく。
流石に高齢、精根も尽き果てているのだろうが、果たしてそれで済むのか――
第三者がここにいれば、光景の淫らさも忘れて、老人の生命を危ぶんで桃子を止めるだろう。
「あはぁ♡ おじいさま? もうダメですか? なら、最後にもう一回だけっ♡ びゅーってしましょっ♡
でないとダメですっ♡ 神様もそう言ってましゅっ♡ お亡くなりになる前に――」
桃子は老人の胸板に手を突き、蛙が跳ねるような姿勢で股を前後させながら、老人を見下ろす。
「――命を、置いていってくださいませんと」
それが、老人の見た最後の光景だった。
○
神隠しの里に、月が昇る。
宵の口には女の嬌声で騒がしかった家々が、静まり返っていた。
疲れ果てて眠りに就いた――というには、おかしな光景がある。
女たちが、ぽつりぽつりと、家から歩き出てくるのだ。
家にあったのか白襦袢を着ており、裸足のまま土を踏んで、足音も立てない。
年頃の顔立ちも様々だが、皆一様に、死装束を着た柳の下の幽霊を思わせる。
女たちは、川へ。
里の中央を流れていた小川へと入っていく。
集団の入水自殺かと思わされるが、彼女たちは腰の上まで水に浸かると、足を止めた。
川の流れは緩やかで、女たちを攫うこともない。
女たちは体を清めるわけでもなく、ただ虚ろな瞳で半身を水に浸している。
「――――」
桃子の姿も、そうした不気味な光景に混じっていた。
『ここに
初めて
『――
意思の働きを感じさせない桃子の瞳が、ふと下腹部へ落ちる。
桃子の下腹部、子宮のあたりから、淡い光の玉らしきものが浮かび、川に放たれた。
人魂のようなものは流水に身を委ね、下流へと去っていく。
亡羊と見送る桃子の瞳に、その人魂が映り、遠ざかるにつれて小さくなる。
やがて彼女の瞳から光が消えると――
○
「――あれ?」
桃子は――
時刻は夕暮れ。
近代的な家々が立ち並び、電線が空に線を引き、道路には車が通る、ただの田舎町だ。
(わたし……いま、どこに?)
桃子の疑問は、正しくは「いままでどこに?」というものだった。
しかし、思い出せない。
どこに居たのか思い出せないのではなく、別のどこかに居たこと自体が思い出せない。
(あ、そうか。学校から帰る途中だった。なにぼーっとしてたんだろう)
桃子は歩く。
服にも体にも、なにか激しい体験をした痕跡は無い。
(……綺麗な夕日)
茜色に染まった景色を見て、ありふれた感想を抱きながら、何事もなく帰路に就く。
――風に乗って、季節外れな桃の花弁が、彼女の横を過ぎっていった。
○
――翌朝、日本のどこかで、奇妙な事件があった。
日課として川辺を走っていたランナーが、早朝の川辺に、不可解な音を聞き取った。
赤ん坊の泣く声だ。
ランナーが目をやった先にあったのは、川辺に流れ着いたかのように、むき出しの地面に置かれた赤ん坊。
これは一大事と駆け寄ったランナーは、すぐさま警察に通報した。
現場に親らしき姿はなく、新生児の行方不明も届け出られていない。
なにか非業な経緯で捨てられたのだろうと思われた。
それでも事件として扱うには十分。
警察は親が特定される可能性を考え、赤ん坊のDNA鑑定を行い、警察や病院のデータに該当者がいないか調べてみた。
その結果――該当者が一人。
親子関係ではなく、
曰くその該当者は――
赤ん坊が発見されるより一ヶ月以上も前に、高齢により、病死していたのだという。
ご一読いただきありがとうございました。
えらく懐かしいヒロインですが、ホラー適正が高かったので