ふしぎふしだら ~少子高齢化にキレた神々の淫らな祟り~ 作:大中小太郎
「最近、オバケ出ないなー」
青山ハジメがそうボヤいたのは、なにもトチ狂ったからではない。
数々の心霊現象に遭遇しては知恵と機転で乗り越える――それが、彼らの物語だからだ。
「実は
宮之下さつきが、
さつきはハジメにとって、隣の家に越してきた同級生だ。
共に心霊現象に立ち向かってきた、気骨のある女子小学生である。
「天邪鬼が?」
「うん、なんだか『神様が目を光らせてる』とかなんとか」
天邪鬼とは、ハジメたちが最初に
色々あって猫の体に宿ってしまい、憎まれ口を叩きながらもたまに力を貸してくれるようになった、マスコット枠である。
「オバケがいるなら、神様も居るということですね!」
と興奮するのは、柿ノ木レオ。
眼鏡を掛けた博識な小学生で、ハジメたち一団の頭脳である。
「古くから、夕方以降の神社にはオバケが出やすいとされています。
これは、日が沈むと神社におわす神様が帰ってしまうからで、それ以降は霊や妖怪が活発になるのだそうです。
そういう夕暮れ時を
「夕暮れ時……」
レオの知識自慢に反応して呟いたのは、恋ヶ窪桃子。
ハジメたちより一学年上で、両家の子女ということもあり大人びた印象を受ける。
「桃子さん、どうかしましたか?」
「いえ、ちょうどいまごろだな、と思って」
レオが首を傾げると、桃子は町の西側を眺める。
下校時刻と重なった日没が、西の空を深い朱色に染めていた。
それこそ、血のように赤く。
先ほどのレオの話と合わせると、魔性の力が近付いているかのように――
「あーあ、どうせなら何か起きればいいのに。退屈だぜ」
ハジメが頭の後ろに両手を組んで言う。
オバケと遭遇するのは怖いが、刺激的だった。
オバケのもたらす困難を知恵と勇気で乗り越える体験が、恋しかった。
そういう念から生じた、もちろん本気ではない一言が終わったとき――
(……え?)
ハジメは、見知らぬ土地を歩いていた。
○
罰が当たったのかもしれない――
(どこだよ、ここ……みんなはどこに行ったんだよ!?)
見覚えの無い里だった。
ちょっと夕日に目を奪われて、視界を地上に戻したら、別の土地に居た。
――まるで、
(体が、無い……俺、幽霊になってる……っ)
ふと見た両手が夕日に透けていた。
歩いても地面の感触が無い、背負っているランドセルの重みどころか自重すら感じない。
(オバケの
ハジメは本能で感じ取った。
これは、オバケだとか妖怪だとか、そんなレベルの心霊現象ではない――と。
もっと、人知を越えた強大な何かだ、
それに比べれば自分なんてゴミ、塵の一粒に等しいのだと、痛感させられる。
(……人?)
地面に落ちていた視界が、西日で伸びた人の影を捉える。
顔を上げると、そこには――
(っ、さつき!)
口を吐いたはずの声は、出でいなかった。
体が無いのだと改めて思い知る――
(さつきも、一緒に迷い込んだのかっ?)
なにはともあれ、視界の先に宮之下さつきの姿がある。
さっきまで一緒にいたときと同じように、ランドセルを背負って歩いている。
「あの、本当にいいんですか?」
「ああ、こういうときは助け合いさ。うちに来なさい」
隣に、見知らぬ初老の男性が立っていた。
(さつき! さつき!)
呼びかけても声は出ず、ならばと手を振るが気付かれない。
こちらに向かって歩いてきているというのに、さつきの視線は隣の初老にだけ向いていた。
「あ……っ♡」
その顔に、夕日とは異なる朱が差している。
瞳は妙に
目にしたハジメが、自分の身に起きている異常事態を忘れるくらい――色っぽかった。
(さつき……なのか……?)
別人のようだった。
自分が悪戯でスカートを捲ると烈火の如く怒り出す彼女とは、まるで別人。
それこそ、変わらないのは見た目だけで、急に大人の女になったように。
「お、おじさん……っ♡」
「ほら、早く歩きなさい。分かるだろう?」
立ち尽くすハジメの前まで、さつきと初老が歩いてくる。
何が起きているか理解する前に、ハジメは怒りを覚えた。
無意識に腕を伸ばし、初老の腕を
「おい、おっさん。さつきに何してんだ」
と、
――手は初老の体をすり抜け、声は音として発生しなかった。
「あっ♡ はぁ……んっ♡」
すれ違い様に、さつきの口から
ハジメは振り返り、自分に気付かなかったさつきの背を目にして――絶句した。
「可愛いねぇ、さつきちゃん。家に着いたら、その声をもっと聞かせてくれるね?」
初老の片手が、さつきの尻を
「んっ♡ あぅん♡」
尻を揉まれて悶えるさつき。
ランドセルの下、デニムスカートが
その布地ごと、さつきの尻肉に
「あはっ♡ ああぁっ♡」
さつきの足が止まり、体を軽く逸らす。
前に付きだされたキャミソールの胸元は、ハジメの記憶にあるより
「そんなに気持ちいいかい? おじさんの手は」
「やっ♡ おじ、さんっ♡ だ、めぇ♡ こ、こういう、のっ♡ ふあっ♡ ち、痴漢……だよ?」
尻を押されて強引に歩かされるさつきが、初老を見上げて抗議する。
抗議? あれは抗議と言える顔だろうか?
あれは本当にさつきなのか? と、ハジメは呆然と立ち尽くす。
「いいから、さっさと歩くんだっ」
「んあっ♡ はい……歩く、からぁ♡ 待って♡ あっ♡」
さつきは初老に命じられるまま歩を進め、彼の腕を掴んで体を支える。
「家に、着くまで……待って♡」
これから自分がされるであろうことを、彼女は何一つ拒んでいなかった。
○
――他に行くあても無かった。
幽霊のようになった自分にできることは、この状況の変化を待つだけ。
この後、もし何かの拍子で、自分の姿が見えるようになったり、声が届くようになったりしたとき、さつきを助けられるように。
どこか、言い訳のようにそう念じながら、ハジメは初老とさつきの後を追う。
「んあっ♡ やんっ♡ おじさん、落ち着いてぇ♡」
民家に連れ込まれたさつきは、初老の
ランドセルを下ろすことも許されず、白いブラを
「んー、子供のくせして一丁前に胸があるじゃないか」
初老は
(なに……やってるんだよ……なんで逃げないんだよっ!?)
部屋の片隅に立ち尽くすハジメは、さつきの態度に
まるで、こういうことをされるのに、慣れているかのような……
もっと言えば、彼女の方こそ、こういう行為を期待していたかのようだった。
「んあんっ♡」
初老に乳首を吸われたさつきの声が、ハジメの考えを肯定する。
音を立てて先端を吸われ、口内で舌先にねぶられているのが、ハジメの目にも分かる。
「あっ♡ おじ、さんっ♡ あはぁっ♡ おっぱい、吸っちゃぁ♡ だめぇ♡ エッチ、だよぉ♡ 私みたいなっ♡ お孫さんみたいな年の子にぃ♡ エッチなこと、してるぅ♡」
非難するようでいて、興奮を煽るように、さつきは艶やかな声を発する。
手は初老の頭を抱き、子供に母乳を与える母のように
初老はより貪欲に○学生の胸へしゃぶりつき、膨らみかけの胸を手で掴む。
「もうっ♡ ああぁっ♡ そんな、強く揉んじゃ♡ んあっ♡ 乳首っ♡ ちゅうちゅうってぇ♡ あっ、あっ、あぁぁぁっ♡」
さつきの声は、明らかに快楽に染まっていた。
小さく震え上がったのは、軽い絶頂が走ったからに他ならないだろう。
(やめろ……やめろよ……なんで、そんな、エッチな声……)
あれは本当にさつきなのか。
狐狸が化けているだけなのではないか。
願うように考えるハジメに気付くこともなく、初老とさつきが唇を重ねた。
「んっ♡ んく♡ ちゅぱ♡ ちゅぷぅ♡ ぷは♡」
長いキスが終わり、二人の唾液が、いやらしく橋を架けた。
「よしよし、いい子だ。処女じゃないな? まったく最近の子供ときたらっ」
「やんっ♡ そういう、のじゃ……」
初老がさつきの服を
(おい、よせよ……)
ランドセルが
(やめ、ろよ……さつきを、脱がすなよ……)
デニムスカートが床を
(抵抗、しろよ……さつき……俺が、スカートめくったときみたいに、怒れよ……っ)
最後に一枚のショーツが投げ捨てられ、水音をともなって落ちる。
「なんだ? 自分から脚を開きやがって。そんなにこれが待ち遠しかったのか? ん?」
「ち、違うもん♡ あ……おっきぃ……おじさんの、すごい……っ♡」
布団に寝かされたさつきは、初老が取り出した肉棒を見るなり目の色を変える。
裸身の両足は自分から左右に開いており、その秘裂は粘ついた透明な液で濡らされていた。
「まったく、
「あっ♡ あっ♡ やんっ♡
初老はペニスの先端で、さつきの割れ目を上下に擦る。
さつきは悩ましく腰を動かし、
「おじさん♡ おじさぁんっ♡ はやくぅ♡ はや、くぅ♡ おちん、ぽ♡ ほしいよぉ♡」
ハジメの中で、何かが
まるで、いままで見てきた宮之下さつきというが、真っ赤な
この状態こそが、彼女の真実だったのではないかと、考えてしまった。
「このっ、エロガキがっ!」
「んあああぁぁっ♡♡」
さつきの腰を掴み、初老はペニスを一気に突き入れた。
結合部から愛液が飛び散り、少女の股をしとどに濡らす。
「こいつめっ、すんなり吞み込みやがってっ! なんだこの名器はっ!」
「やんっ♡ あっ、あぁぁっ太いぃぃ♡ おじさんのぉ♡ 私の中っ、
初老は興奮を抑えられないといった具合に、さつきの最奥まで腰を叩き付ける。
長大なペニスが暴れ狂い、さつきの小さな体を容赦なく征服した。
「いっあああぁ♡ おちんちんしゅごいぃ♡ おくっ、ごりごりって♡ あっあっあっ♡」
さつきの嬌声は、ハジメが聞いたことの無いものだった。
卑猥で、不快で――なのに聞き逃せない。
耳を塞ぐ両手も無いようなこの状況でなくとも、自分はきっと耳をそばだてただろう。
「奥かぁ? ポルチオで感じてるのかっ? ド淫乱の証拠だろうが!」
「んあっ、あぁっ、やぁっ♡ だめっ、だめぇっ♡ 一番奥はぁ♡ いじめちゃっ♡ ひあぁぁうっ♡ だめなのぉっ♡ そこ弱いのっ♡ あっあっあっあああぁぁぁっ♡♡♡」
初老が何度か腰を前後させると、さつきは布団の上で体を反り返らせる。
「もうイキやがったのか! こりゃあ遠慮は要らないな!」
「らめっ♡ おじさぁん♡ イッてるぅ♡ イってるとこっ♡ そんなっ♡ どすどすぅってしたらっ、あ゙ぁぁぁっ♡♡ おくっ、ちゅっちゅって♡ じゅぽじゅぽってぇっ♡ するのぉっ♡ もっとイっちゃうからぁっ♡♡♡」
夕日の差し込む和室に
もはやハジメの知識では、何が起きているのか理解が及ばない、濃密なセックス。
目を通して心を
「あむっ♡ じゅぶっ♡ んあっ♡」
目を逸らした先に、半開きの
さつきとは別の、女の声が
(他にも、誰かいる……?)
気が付けばハジメの視界は、半開きの襖から、隣の和室を覗きこんでいた。
「ふぁぁぁ♡ 皆さん、素敵なおちんぽ♡ 私のために、こんなに集まって、おっきくしてくださるなんてぇ♡」
恋ヶ窪桃子が――複数の男たちに囲まれて、勃起した陰茎を突きつけられていた。
「桃子ちゃん、おちんぽに囲まれて嬉しそうだな」
「はい♡ 皆さんが、私を想って、おっきくしてくれたものですからぁ♡」
恋ヶ窪桃子は、男根を顔に張り付けられても、喜色満面で微笑んでいる。
「このおちんぽで、私をずぽずぽして、いっぱい気持ちよくしてくださるんでしょう? お爺さまたちの、命の種が詰まった大事なおちんぽ様、私にくださるんでしょぉ? 素敵です♡ 最高ですぅ♡ いっぱい、気持ちよくしてっ、お礼しないとぉ♡」
桃子の両手が左右の逸物を手に取り、慣れた手付きで
「ふひひっ! 桃子ちゃんは本当に淫乱だねぇ」
「世の中にはこんなメスガキも居るもんなんだなぁ」
「この里に来てからどうなるかと思ったが、こいつは悪くねぇ!」
桃子の
老齢の男が多いようだが、逸物だけは猛々しく、目は正気を疑うほどの情欲に染まっていた。
(なんで……桃子さん、まで……)
呆然とするハジメの姿は、やはり彼女にも見えていなかった。
見えていたとしても、気付いてもらえたかは疑問だった。
「んぶっ♡ おぶっ♡ んごぉっ♡ ぐぽぉ♡」
桃子は自ら男たちの肉棒を吞み込んでいく。
「んぶっ♡ ぐっ♡ ぐぽっ♡ むぐぅっ♡」
汗や淫汁で、黒い下着が透けていた。
触れること事態が快感であるように、両手で掴んだ肉棒を激しく擦る。
顔を掴まれて口内に付き込まれた怒張を喉奥まで受け入れ、乳房に擦られるペニスに体を震わせる。
「こいつぁ大したおちんぽ好きだなぁ」
「男にされること全部気持ちいいって顔してるぞ」
「あっちのお嬢ちゃんといい、相当な数の男を
あっちのお嬢ちゃんと聞いたハジメは、さつきを思いだして振り返る。
「あああぁぁぁっっっ♡ きてっ♡ おじさんもっときてぇっ♡ イクのっ♡ いっぱい突いてくれるといっぱいイクのぉぉぉっ♡♡♡」
布団の上で、さつきが半狂乱になっている。
「このっ、こいつっ、ずっとイキっぱなしのおまんこで絞り取りに来るっ!」
初老はさつきの腰を掴み、恨みでもあるかのように激しいピストンを叩きこんでいた。
「あひゅっ♡ ひあぅぅぅイクぅっ♡ まだイクのぉっ♡ おじさんもっ♡ おじさんもイってぇ♡ 中でびゅーってしていいのぉっ♡」
さつきが何を言っているのか、ハジメには分からなかった。
暴力的なまでに腰を振る初老と、感電し続けるかのように
「ああ、出すぞっ! 出してやるっ! 孫みたいな年の子っ、孕ませてやるよぉ!」
初老が一際強く腰を押し付け、さつきの中に射精する。
「ひあぁぁあっ♡ きてるっ♡ いっぱいっ♡ ああぁぁあぁぁ♡♡ あったかいのぉぉっ♡♡」
さつきが顎を仰け反らせ、ガクガクと体を震わせた。
「あっ♡ あっ♡ あぁ……」
射精されたさつきは布団に倒れ込み、焦点の合わない目で虚空を見つめている。
「――――」
同じく、射精した初老も放心状態だった。
いや、放心どころか、意識が完全に無いように見える。
すると驚くべきことに、その姿が半透明に薄れていき、音も無く消えていった。
(っ!?)
まるで最初から幻だったかのような現象に、ハジメは目を剥く。
幻ではなく実際に居たことは、さつきの股から
「お、
「アイツめ、ようやく
「俺たちも後を追ってやらなきゃなあ」
隣室の男たちが、よく分からないことを言っている。
(なん、だ……こいつら……なに、言ってんだ……?)
ハジメが言い知れない恐怖を覚えていると、民家の玄関から人の足音がした。
「やれやれ、いい声で鳴く女が居ると思ったら、もうこんなに集まっておったか」
「なんじゃ、お前らまだ逝ってなかったのか」
新しい男たちが、恐らくはさつきや桃子を目当てに集まっていた。
老い先の短い高齢者が互いに
(おかしい……こいつらも、さつきも、桃子さんも、みんなおかしいっ)
不気味な男女の交わりに、ハジメは腰を抜かす。
もはや、さつきや桃子を助けようなどという感情も湧かない。
(オバケだ……そうだオバケだ……こいつら全員オバケなんだっ、さつきも桃子さんも、きっと偽者だ……っ)
ハジメの抱いた印象が、どこまで本質を捉えていたかは、誰にも分からない。
分かるのは――この場の全員が満足するまで、古民家での乱交が続くであろうということだけだった。
○
「あふぅ♡ あちゅっ♡ あついぃいっ♡ お腹の奥が、精液であちゅいよぉぉっ♡」
「ひゃあぁっ♡ そんなぁっ♡ おちんぽっ♡ 二本も一緒にっ♡ らめぇっ♡」
乱交が本格的に始まってから、どれだけ経過したのか。
さつきと桃子の嬌声は続いている。
「くはぁ、なんて小娘たちだっ! 尻穴まで使えるとはなぁ!」
「口の中の吸い付きもすげぇなっ、まんこと区別が付かねぇ!」
「体中が男を絞るようにできておるなぁっ、生きているうちに会いたかったわい!」
男たちは、我先にと少女たちの体に手を伸ばし、口や膣や尻にまで肉棒を押し込んでいく。
華奢な体が圧し折れてしまうのではというほど、各部に腰を打ちつけ怒張で貫く。
それでも、二人の少女が上げるのは、悦楽の声ばかりだった。
「あひぃぃっ♡ しゅきっ♡ お爺ちゃんたちのおちんぽ大好きぃい♡」
「んあぁっ♡ もっと♡ もっと突いてくださいっ♡ おまんこ壊れるくらいっ♡」
呼吸すら惜しむように淫らな言葉を叫ぶと、すぐ目の前にあるペニスにしゃぶりつく。
「おごぉっ♡ んごぉっ♡」
「んぶぅっ♡ じゅぶぶっ♡」
そうしてまた一人、誰かが射精する。
「おお、たまらんなぁ――」
口から涎を垂らしながら果てた男が、姿を薄れさせて消えていく。
「減ってきたな。残っておるのは
「何度か出したが、なかなか当たらんなぁ」
すぐ近くで仲間が消えていくのも気にせず、まだ数人いる男たちが腰を振る。
老齢が多い。老齢で無い者でも、病人のように痩せていたりする。
しかし、弱って見える体付きに反して、剛直だけは立派で、腰付きは猛々しかった。
「おまんこにもお尻の穴にもっ、いっぱいくださいぃっ♡ もっと♡ おちんぽくらさいぃ♡」
「おちんぽっ♡ さつきの淫乱おまんこに、おちんぽくらさいぃっ♡」
二人の少女は、そんな男たちの欲望を
いや、受け止めるという表現は生温い。
貪欲に飲み干していく。
「あはぁっ、またきたっ♡ 子宮に熱いのきたぁっ♡」
「あはっ♡ しゅごいです♡ お爺さまから、お命を、頂いちゃってますぅっ♡」
部屋の隅で体育座りしながら見ていたハジメは、いまになって理解した。
――支配者は、彼女たちなのだ。
これは、多数の男たちがいたいけな少女を乱暴して快楽堕ちさせる光景ではない。
なにか、魔性のようなものを宿した女たちが、誘蛾灯の如く男を集めては燃え尽きさせる――そんな光景だ。
「んあぁぁっ♡ おちんぽおちんぽぉ♡」
「らめぇぇぇっ♡ イくの止まらないのぉぉっ♡」
さつきと桃子は互いに向かい合い、手を握り合って顔を突き合わせながら、それぞれ背後から突かれている。
「ぐ、おぉぉ……」
「あぁ、やっと、終わりかぁ……」
最後の男たちが姿を消すと、全身を精液に塗れさせた少女が二人、暗い和室に残された。
「はぁっ♡ はぁっ♡ あ、はぁ♡」
「はぁふ♡ ふぁっ♡ ん、はぁ♡」
全ての男たちを果てさせ、何らかのルールに基づいて消失させた二人は、達成感の宿る笑みで息を吐く。
まるで、男たちの精気を絞り取って殺してしまうという、淫靡な妖怪変化のように。
(…………)
ハジメはそんな桃子とさつきを、慎重に見守る。
仮に、彼女たちが何か悪いものに憑かれているなら、そろそろ解放されるだろうか?
あるいは、彼女たちが桃子とさつきの姿を借りた化け物なら、そろそろ姿を表すだろうか?
期待とも不安とも付かない心地で、状況の変化を待っていると――
「「――――」」
(っっっ!?)
偶然ではなく、彼女たちは自分を見ている。
いままで誰にも見えていなかった自分を、認識している。
あるいは、最初から見えていたけど放っておいたように……
もしくは、他に食えるものが無くなったから、残していたデザートに目を向けたように。
「ひっ」
恐怖した。
自分がこれから捕食され、いままでの男たちのように消滅させられるのだと理解して。
彼女たちが近付いてくる。
いや、自分が彼女たちに吸い寄せられているのか。
どちらにせよ、自分の命は、あの
『――ニャァ――』
不意に、猫の鳴き声と、鈴の音がした。
次の瞬間、ハジメの視界が、さつきや桃子から遠ざかる。
何かに引っ張られているような感覚を最後に、ハジメは意識を失うのだった。
○
「ハジメ? どうしたの?」
「……え? うわっ」
こちらを覗きこんでいたさつきを見るなり、ハジメは仰け反るように後退した。
「ちょっと何よ失礼ね。オバケでも見たように」
口を
「ハジメくん、ずっと夕日を見てぼんやりしてましたよ?」
と首を傾げているのは桃子だ。
彼女もいつも通り、何らおかしなところはない、恋ヶ窪桃子だ。
「あ、そっか……悪い……」
そう、何もおかしなことは無い。
自分はついさっきまで、「最近オバケ出ないな」とボヤきながら、彼女らと一緒に下校していたところだ。
「ん? あれ? いま、天邪鬼がいませんでしたかっ?」
と、柿ノ木レオが民家の
目を配ると、建物の陰に消えていく黒猫の尻尾と、鈴の音が残されていた。
「本当だ。なにやってんのよアイツ……まあ無事ならいいけど」
さつきが
最近「神様の目が光っている」と言って姿を見せないという化け猫が、なぜか一瞬だけ、自分たちの前に姿を現していたようだ。
気のせいでなければ――鳴き声を聞いた気がする。
「じゃあ、僕はこっちなので」
「私もここで」
「ああ、また明日」
レオや桃子が道を別れ、ハジメはさつきと帰路に着く。
「なあ、さつき……」
「ん? なに?」
ハジメは妙な焦燥感に駆られて、さつきに問おうとした。
「……あれ?」
何を問おうとしたのかが、思い出せなかった。
正直にそう言うと、熱でもあるんじゃないかと
彼女には怪しまれたが、なぜか安心させられる。
「じゃ、また明日な」
「うん、またね」
隣あっている家の前で別れ、ハジメはふと西日を振り返る。
赤々と燃えて沈む夕日の向こうに――なにか、なにかが見えそうな気がした。
何なのかは思い出せないのに、それに心を囚われてしまっている。
それはきっと、オバケよりも恐ろしくて、オバケよりも心を奪われる、なにか――
おぞましいけど美しくて、汚らわしいのに綺麗だった、なにか――
こうして見続けていれば、その答えが見えてくるのではないかと思いながら……
夕日が沈みきるまでずっと、起きたまま夢でも見るように、立ち尽くしていた。
ご一読いただきありがとうございました。
挿絵を作ってしまったので、『学校の怪談』二作目でした