ケモミミ貴族令嬢にTS転生したら、ふたなりたちに玩具にされた 作:ぐらんぐらん
翌日、アンニャからの報告を聞いたリアリス・モフテイルはたいそう機嫌よく頷いた。
「そう……膜は無いけど処女なのね!」
「はいニャ。ディルドのサイズはこのくらいで……」
「ふぅん、結構大きめなんだ……でもわたくしも負けない!」
マフィに手を出した……もうアンニャに後戻りはできない。ドミルアたちととことん一蓮托生。
当初の予定通りディルドを使ったという建前はすんなり受け入れられる。
アンニャがどうにかドミルアのモノを思い出して伝える。マレットのは省略。
平均より大きなサイズ。しかし白毛少女の余裕は崩れない。
ディルドなんかより生身の妹の方が絶対に良いと考えているからだ。
「(大きさはともかく、テクでいえばドミルアの方が上だニャァ……)」
まぁ発情期相手なら大きさもテクもどうでもいいのだが、トータルではリアリスが負けているだろう。なにせ彼女は13歳、耳年増な童貞だ。
「それで、肝心の情報は?」
「入浴は明日らしいですニャ」
「へぇ……ふふふ、段取りは分かってるわね?」
「ばっちりニャ!」
「……戻って来てからやけに乗り気ね。前までは『やめた方がいいニャ~』なんて言ってたのに」
「ニ゛ャ!? い、いやー……やっぱりお嬢様の幸せがアンニャの幸せだと考え直したのニャ」
これにはドミルアとマレットと3人での思惑がある。
今のままでは、もし何もかもバレた時にマズすぎる。使用人3人など簡単に処分できてしまう。
しかし実の妹までもマフィを襲ったとなれば? 周囲の注目は実姉を手籠めにしたリアリスに集まる。使用人はそのオマケ。上手くいけばリアリスに諸々押し付けられる。
まぁつまり……スケープゴート。
リアリスが襲ってくれた方が都合がいいまである。
主人に対し不義極まりないがマフィが魅力的すぎるのが悪いのだ。
現在、様々な人間に弄ばれるマフィはメリハリのある生活をしている。
仕事とプライベートとか、スポーツと勉強とか、そういう系ではない。
発情してるか、してないか。
何を今さらといった感じだが、発情期においてこの線引きが出来ているのは良いことだ。
今までが「やや発情→発情→オナニーで少し発散→やや発情→発情」
という泥沼だったのに対し、
今では「発情→セックスで発散→スッキリ→発情しきる前にセックス」
というサイクルになっている。
これはマフィに余裕を生み、股をいじることばかり考える日々からの脱却。
今では学院の授業範囲の予習までやっているほどだ。
しかも「発情期にそんな余裕はない」と書くことを断念していたアヤへの月一の手紙も書けている。
内容は「つらい。マジつらい。アヤはまだだったよね。こっちの発情期が終わったら入学前に会おう」とかそういうやつ。
書いている間もニマニマを抑えられなかった。なにせ可愛い婚約者だ。
記憶を取り戻した今でも……いや男としての記憶を取り戻したからこそ、あんな可愛い子と結婚できるなんて勝ち組だぁ! なんて思ってたりする。
でもあんなに可愛くてもふたなりなんだよな……と思う自分もいる。
可愛いに天秤が傾いているので結婚したくないとまでは言わないけど。
まぁそんな悩みなど消し飛ばしている別の悩みがあるのだが……
マフィは毎日快楽漬けの生活を送っている。
快楽に対してトラウマが出来るくらいには脳のいけないところが焼かれている感覚さえある。
性感帯をいじられたり鼻先にペニスを突きつけられると簡単に股を開く、都合のいいラブドールになっている自覚もある。
なんだかんだ自分を愛しているというのは本当であるらしい犬メイド2人のことも、嫌いにはなれない。
男としての自分は、なおも抵抗している。
驚くべきことにこの雌、まだ男のつもりでいるのだ。
毎回言葉だけでも抵抗の意思を出しているのもその証。
体はとっくに陥落してるのにこの言動はチンイラを加速させていると早く気付いた方がいい。
慣れてはいけない……理性だけでなく本能もそう訴えてくる。慣れてしまえば戻れなくなる。
「くそっ……」
ここ最近の生活を振り返り、グチャグチャに犯されている時を思い出すだけで発情のさざ波が腹を刺激した。
思い出すだけでトリガーになるなんて、もう瞑想でもするしかない。心頭滅却。
油断するとアヤへの手紙が官能小説になってしまいそうだ。
……まぁ、油断しなくても近況をありのまま伝えられるわけがない。
「はぁ……どうしよ……」
賢者タイムに頭を抱えるが如し。
取り返しがつかないことをした。現在進行形でし続けている。
婚約者がいるのに使用人に処女を捧げ、ズルズルと嵌っている。
一番いけないのは、それを告発しようと思っていない自分。
あのレイプ魔たちが言う『性欲処理』とは間違いではない。アレがあるから今のように落ち着ける時間がとれる。
それが無くなり、また慢性発情のオナニー狂いに戻ると考えると……冷静に考えても現状維持がいいと考えてしまう。
うん、これは発情期のせいで、不可抗力でもあった。仕方のないことだったのだ。
男としての自分も「そうだそうだ」と喚いている。
そう思わなければやってられない。
アヤに吐く小さな嘘……いや小さいか? 小さいんだ。
そこから来る罪悪感と後ろめたさに耐えればいいだけ。
「くっ……」
男として、婚約者に誠実であれ……
今の自分は誠実じゃない。
でもそうしなければ、アヤと結ばれることはない。
発情期に使用人とセックス三昧だった令嬢は珍しくはない。だが相手は二位官家。格式にはそれなりにうるさいし、ホウジョウ家は一夫一妻の文化。浮気も不貞も許されない。
これがなんのしがらみも無い、2人だけの問題だったらこんなに悩まなかった。素直に不義理を詫び、アヤに沙汰を任せただろう。
モフテイル家とホウジョウ家の繋がり……主神が違う家との婚姻は重い。派閥を越えた繋がりを作れるからだ。
それを自分が耐えられなかったからと馬鹿正直に話してご破算にでもなれば、なにより家や周囲の人間に迷惑をかけてしまう。
隠し続けるしかない。
ドミルアの言っていたように、バレなければ問題ではない。
口裏合わせのために証拠となるディルドは今度買ってきてもらう予定だし、マレットの言う通り何も挿入しなければ膣内はどんどん閉じていく。
避妊もしっかりしている。発情期が終われば「何もなかった」で済ませられる。
だから今日も『性欲処理』の相手が来るのをソワソワして待っているのは、決して期待からではない。
ベッドに寝るのではなく座って待っているのも期待なんかではない。決して。断じて。多分。
「……そろそろ来る時間か」
普段ならもうすぐ寝る時間。体が疼いてきた。
時間レベルで染みついてしまっている。あの2人のどちらかが、もしくは両方が部屋を訪れ、朝まで犯し抜く時間。
「今日も……♡ ッ! いかんいかん!」
今しがた反省して決意したところなのに、体に引っ張られて思考までハメ穴ラブドールになるところだった。
まだ堕ちていない。心は屈していないのだ。
コン、コン、コン──
控えめなノック。マレットかな? いやマレットでももうちょっと強めにする。
ドミルアではない。奴の叩き方は遠慮がない。
──なんて思っていると、入ってきたのは犬族ではなく猫族。
「こんばんはニャ……」
「アンニャ? なんで……」
「ニャニャ? アンニャの名前覚えてるんですニャ?」
「リアのメイドくらい覚えてるよ。それに一般応募で入ってきた人って珍しいし」
顔を合わせて早々パーフェクトコミュニケーションを叩き出された三毛猫アンニャは少しテンションを上げて扉を閉め、ベッドへと近づいてくる。
アンニャ、猫族の女。そう女。
性格は明るく、容姿もそれに比例して活発な印象。実年齢よりだいぶ若く見える。
猫族の特徴として名前と口調に「ニャ」が入るから間違いがちだが、実は25歳。マフィとは10も離れている結構な年上。
そんな彼女が何故ここに来たかというと、仲間に引き込んだのだから今日は存分に美味しい思いをどうぞ……と2人のメイドに言われたから。ホイホイ餌に食いついてしまった。
「いやー……へへへ、今夜のお相手はアンニャが務めることになりましたニャ」
「は……相手? は!? お前なんで──」
「実はドミルアとマレットに誘われましてニャ~……お嬢様の『性欲処理』をする名誉をいただくことになりましてニャ」
話についていけないが、アンニャの説明によると……かくかくしかじか。
「バレ、てたのか……」
「ああでも、アンニャみたいに部屋に忍び込むくらいしないとバレないですニャ」
「なんで部屋に忍び込んでたんだ?」
リアリスのことを言うわけにもいかないアンニャは「自分も狙ってた」と泥をかぶる。
マフィのドン引き視線! 主人を庇ったメイドはダメージを受けた!
「ていうかアンニャはその……ついてない、よな?」
「はいニャ。正真正銘女ですニャ」
「じゃあどうやって……」
「おやおや、マフィ様は女同士のセックスを知らないニャ?」
前世でもそういうコンテンツはあった。
いわゆる百合、GL、レズモノ、まぁそういう感じの。
だから知ってはいる。しかし自分となるとピンと来ない。男のつもりだったから一生無縁だと思っていた。
「指でずっとヤるイメージしかない、かも」
「それは勿体ニャい。確かに指は命だけど、他にも色々ありますニャ~♡」
ベッドに押し倒され、至近距離で目が合う。
イエローの瞳の奥には他の2人と同じ、令嬢を食ってやるという情欲が見えた。
「お、おいもう始めるのか? 心の準備が……!」
「ニャ? 初心いニャ~。なら少しお話してからにしますニャ?」
「う……うん」
なお、ヤることは確定のようだ。
マフィとしても女とセックスするのは初めて。前世分を含めても……
これまでふたなりに犯されてばかりだったから「女の人と初めての……!」と緊張しながら期待している。
婚約者? 女相手ならセーフ。
2人のふたなりに抱かれている以上、もうひとり……それも女の人に抱かれることへの抵抗は薄かった。
「実はアンニャ、ここに来る前はお水の仕事をしてて……」
「えっ、そうだったんだ」
「……軽蔑したニャ?」
「驚いたけど、一般求人の試験って厳しいじゃん? それに受かったんなら前職関係なく能力が高くて、ウチで働くのに申し分ないって判断されたんだと思う。だから気にするところ……ではないかな?」
「ニャ……ニャァ♡」
なんだこれは、ギャルゲーか何かのワンシーンだろうか。
普通に会話が始まり、好感度が上がる音が聞こえた。
元人気嬢のアンニャは言うに及ばず話が上手い。
身の上を話すことで相手との距離感を縮める話術を早々に行っている。
センシティブな話題を選んだのも、マフィなら多分悪くは受け止めないだろうという信頼。
受けるマフィもナチュラルに相手を気遣う。
前世の多様性を謳う社会の感覚を持ち合わせている。まず相手を認め、そこから価値観を探るノウハウが元男にはあった。
「女の子専門のお店があって、結構稼いでたニャ」
「それがどうして転職?」
「客とトラブっちゃってニャァ……ガチ恋されて他のお客さんの時に乱入されて……まぁよくあると言えばよくあることですニャ」
「あー……どこにでもあるんだ、そういうの」
「それでお給料も良くて社会的地位もあるここに応募したんですニャ。まぁぶっちゃけ受かるとは思ってなかったけど……」
「そうだったんだな……あっ、リアのこと訊いてもいいかな?」
「はいですニャ!」
相手はリアリスのお付きメイド。彼女曰く、次期当主としての勉強は順調のようだ。
自分では知ることのできない妹の様子(アンニャの検閲あり)は聞いてて嬉しくなる。
それと同時に「俺がいなくてもリアはしっかりやれるもんな……」と寂しくもなる。
「お付きと言えば……フュリちゃんはどこ行ったんですニャ?」
「フュリも発情期。だから休暇とってるよ」
「同時期とは珍しいニャ。でもお付きならそっちの方がいいかもですニャ」
「つっても学院には連れていけないし、ホウジョウ家にも俺──じゃない"私"ひとりでの嫁入りだから……もうお付きからは外されちゃったんだけどな」
「それはなんとも、寂しそうニャァ……」
「──そろそろ、ニャ?」
「う、うん……」
次第に距離も縮まり、ボディタッチも増えてくる。
なんだこれは、まるで純愛の雰囲気じゃないか。
アンニャはつい店のノリで甘々恋人ムードでの行為突入をやっていた。
高い売上を叩き出せる手法だが、これのせいでガチ恋客を生み出してしまった呪いの技でもある。
なおマフィはアヤ一筋なのでガチ恋などしない。
こんなムードで始めるのは浮気以外の何物でもないのでは……? というまともな思考はピンクに染まった頭からは消えている。
「(ごめんリア……俺、お前のメイドと……)」
「(ああリアリス様……アンニャは悪いメイドですニャ)」
妹君は明日に備えて寝ており、知らぬ間にまた先を越されていることには気付かない。