ケモミミ貴族令嬢にTS転生したら、ふたなりたちに玩具にされた 作:ぐらんぐらん
マフィは偉い。
もう一度言う、マフィは偉い。
休日の2日間に渡ってジャスリンから愛を囁かれながら甘々セックス漬けになったのに、ついぞ首を縦に振らなかったのだ。
目の中にハートを浮かべて精液臭いチンポをベロベロ舐めても心は堕ちていないのだ。
気付けば錬術薬研究会に入ってから──王女のセフレになってから3週間も過ぎていった。
共に過ごした時間が長くなるにつれ、ジャスリンへの態度が軟化するのは避けられなかった。
たとえば頬を擦り合わせられても、前なら「離れてください」と言っていたのが何も言わなくなったり。
勉強や実験をしてる後ろから胸を揉まれても殴りかかろうとしなかったり。
昼食の時間に鳥が飛んできたら一緒に食べてるキリーネヤとメロリィに謝りながらクラブルームまで行って奉仕したことも。
着々と「王女お気に入りのセフレ」として出来上がっている。
それでも心は堕ちていないのだ。偉い。
それとは別に、マフィはもうひとりの先輩の元にも赴いている。
ブリュンヒルデが用意した資料、というか指南書のような紙束は一見してちゃんとしている。
さすがに本人が全部用意したものではない。とはいえ一位官家、有識者の伝手があるのだろう。有識者ってなんだ。
とにかく優しい先輩だ。うん。
紙束の枚数は決して多くない。20枚に満たないくらいだ。
分かりやすく簡潔に書いてあるのだろう。まとめ方も優しい。
ここにキリーネヤの強化プランが書かれている……
「ほら、ここに全部書いてあるぞ。オレ様には関係ないから詳しくは分からんが」
「おお……! ありがとうございます!」
「おっと」
「……なんで渡してくれないんですか?」
優しくなかったのは、1枚につき1回射精させろという交換条件。
マフィは頷くしかなく、夜に寮を抜け出しては先輩の部屋まで行って抱かれる……という堕落した日を何回か経験した。
膣がガバガバになりそうだった。
まぁ普段からジャスリンにヤられてるので今さらではあるが。
まぁ何はともあれ資料は全部ゲット。
大会とやらはおよそ半年後、長期休暇明けに開催される。
それまでにキリーネヤのチンをつよつよ槍にしなければならない。
もう錬術薬研究会に向かう迷路のような道を迷わず通れるようになり、マフィは今日も放課後に向かう。
今週から週に1回だった活動が週3回に増えた。
「自習もいいけど教えながらの方が身に付く」とはジャスリンの言だが……その心は単に会う回数を増やしたいだけだろう。
「おーい! マフィー!」
「あれ、ブリュンヒルデ先輩?」
「錬術薬研究会だろ? オレ様も用事があるからちょっと案内してくれよ」
まさか道場や寮の部屋以外で会うとは思わなかった。
相変わらず背の高い熊族はマフィの肩にポンと手を乗せる。
「用事って? 殿下関連ですか?」
「ああ。ちょっとウチと王族の間で色々あってな、学院にいる王族はあいつだけだし、オレ様もたまに使い走りにされるんだよ」
一位官家ともなると
今回の用事も取るに足らないことだが、第四王女であるジャスリンにも関係する。シュターナ家は「同じ学院にいるなら早いだろ」とブリュンヒルデを言伝役にしたようだ。
「つってもコレ渡すだけなんだけどな」と彼女が懐から取り出したのは一通の書簡。
なるほど一位官令嬢といえど家にとっては便利な扱いをされるのか。
最近なにかと嫌な顔の合わせ方をしているブリュンヒルデだが、特に理由もなく意地悪をしてやる意味もない。マフィは「こっちですよ」と先導することにした。
「立派な尻尾だな」
しかしブリュンヒルデの言葉にピタリと足を止める。
「え?」
「あ、すまん。今まで気にしてなかったけどデカい尻尾だなーって思ってよ」
マフィは周囲を見る。よかった誰にも聞かれてない。
「それ、意味分かって……」
「分かってるよ、ただの感想だ」
ここで少しこの国の人間にとっての『尻尾』を少し掘り下げよう。
まず尻尾とはその人の誇りやらアイデンティティやらが宿るとされる大事な部位だ。
他人が触ることは基本的に許可されていない。もし触ろうものなら痴漢扱い。
これは身分問わず、この国の人間全員にとっての常識。
そして貴族にとって尻尾とは、常に綺麗にしておかなければならないものでもある。
この国には『耳を出しても尾は隠せ』という諺がある。
意味は「耳を汚しても尻尾だけは汚すな」だ。
転じて「本音は簡単に口に出さないようにしよう」という意味でも使われるのだが……ここは割愛。
尻尾の手入れは人間の──貴族のたしなみ。
肌や髪に向けるのと同じ以上の情熱を注ぐ部位。
そして……妙齢の令嬢に向かって「尻尾が綺麗ですね」は「月が綺麗ですね」と同じくらいの意味を持つ。
「いきなりやめてくださいよ」
「悪かったって。つい口から出ただけだっつーの。オレ様はほら、熊族だから尻尾とかあんま見えねぇじゃん? でけぇ尻尾の奴は目に入るんだ」
ブリュンヒルデが思わず褒めてしまうほどにはマフィの尻尾はよく手入れされている。
何でもかんでも自分でやらなければならないために大変だが、実は毎日の手入れは欠かしていないのだ。
これは前世ではなく今世のマフィ・モフテイルが幼い頃から叩き込まれてきたもの。
狐族──イヌ科をはじめ、尻尾が大きくなりがちな種族はその分気を付けないといけない。
「お前オレ様がチュラントだからってその辺も分からない野蛮人だと思ったか?」
「思ってません。先輩個人なら言いかねないノンデリ具合だっただけです」
「ほー、一位官令嬢に向かって言うじゃねぇか!」
「ちょっ、もうすぐ着くんですから!」
「うりうり~」
マフィは思った。まるで照れ隠しのようなダル絡みだな、と。
まさか自分(尻尾)の魅力に惚れちゃったとか? なんて思ったりして、ないないとかぶりを振る。
彼女は自分のことを使い勝手のいいオナホにしか思っていない。いやそれも由々しき事態なのだが惚れられるということはまずない。
でもこういう俺様系って一度惚れたら忠犬になるんだよ! ……とメロリィがこの場にいれば乙女ゲー知識を披露してきたことだろう。
肩に腕を回されて頭を撫でられているうちに錬術薬研究会の部屋の前へ。
そして中にはやっぱり殿下がいる。
「やぁマフィ、今日も実験…………」
朗らかな声は突如として中断される。
なかなか見られないぞ。ジャスリンがポカンとした顔なんて。
「よっ、第四王女殿下サマ」
「……これはこれは、野蛮人の中でも特に野蛮なシュターナ一位官令嬢じゃないか。キミがここを訪れるなど天地がひっくり返ってもあり得ないと思っていたよ」
いつも低めな王子様ボイスがより低くなる。
ジャスリンは突然の訪問者に話しかけながらも、目線はいまだ大きな腕の中にいるマフィに釘付け。
「オレ様もこんな薬くせぇ場所に好き好んで来ねぇよ。ほれ、コイツを渡すよう言われただけだ」
「使い走りありがとう。さっさと回れ右して帰りたまえ」
「あ~? 王女殿下は一位官令嬢に茶の一杯も出さねぇのか?」
「なるほど、確かに犬にはご褒美が必要だ」
「犬はオメーだろ」
「ボクは狼だ」
もしかしなくてもこの2人、仲が良くないな?
さすがに王族と一位官家だとかねてより知己を得ていたのだろう。
だが国のトップな家柄の人間同士がバチバチだと、こう……政治的なあれこれを感じる。
実際にはシンプル険悪なだけのだが、マフィはありもしない政争の匂いを嗅いで戦々恐々。
「それで、キミはいつまでボクの子狐を捕まえているつもりなんだい?」
「なんだ? お気に入り取られて悔しいか? オレ様とマフィはただならぬ仲ってやつだもんな~」
いきなり振るなよ! マフィが震えてるでしょうが!
あーあジャスリンの眉がピクリと動いてる。
「ただならぬ、ねぇ……キミたちは特に接点もないはずだけど? マフィ、こっちにおいで」
「は、はい──」
「おいおいマフィはこの後もオレ様と用事があるんだよな?」
「へ? いやそんなことは──」
用事なんてない。
マフィは一瞬にして悟る。これブリュンヒルデが自分をダシに殿下をからかおうとしている!
「たかだか部外者が真面目なクラブ活動を妨げるとは身の程を弁えたまえよ」
「真面目なクラブ~? お前のことだからどうせ女連れ込むだけのヤリ部屋だろうが」
「彼女は正式な会員だ。活動時間中にボクの許しなしに身柄を拘束するのはどう見ても不当だろう」
これは、どういう状況だろうか。
ラブコメでヒロインが複数いる時に発生する修羅場というやつだろうか。
どっちともセックスした仲だし、どっちからも(どれだけ本気かは分からないが)求婚されている。
おかしいな、本来の
まぁ実際には玩具の取り合いでしかないだろう。
何もかもを手に入れられるような頂点に立つ人間というのは、自分の玩具を誰かに奪われることを人一倍嫌うものだ。
「まったく、ボクに歩かせるなんてキミくらいだよ」
ジャスリンが近づき、強引にマフィの手を取る。
もちろんブリュンヒルデが離すことはない。
「ボクの子狐を送ってくれてありがとう。もう帰っていいよ」
「仕方ねぇな~、マフィとは明日にでも一緒に遊ぶことにするか」
背の高い女に挟まれて今にも消えてしまいそうなマフィは小動物。
去り際にブリュンヒルデが「またな」と耳元で囁いてちょっとビクッてなったのも王女は見逃さない。
たかだか手紙一通渡すだけで空気を最悪にしていった熊がいなくなっても、マフィはしばらく立ち尽くしたままだった。
「マフィ」
「ひ、はい……」
「彼女と仲が良いのかい?」
空気というのは一瞬で回復するものではないらしい。
「で、殿下はあの人と仲悪いんですね……?」
「昔から気に入らないだけだよ。粗暴で無遠慮で、どうも反りが合わない」
やはり人間的に相性が悪いのだろうか。
「ボクが手を出そうと思った子が既に彼女の第2夫人になってたこともあってね。さすがにキレた。女の子を気ままに手折っていいのはボクだけなのに!」
ただの似た者同士だった。同族嫌悪じゃねーか。
「マフィはボクのものでいてくれるよね?」
「いや別にジャスリン様のものでは……」
「彼女に何かされた? 襲われた? 怪我とかした?」
「いや、ちょっ、あの……っ、実験……」
「気になって手に付かない」
マフィは壁に押しやられ、体をまさぐられる。
これが出会ったばかりなら「殿下に関係ないでしょ!」と強引にでも手で払ったかもしれない。
しかし彼女に責められることに慣れてしまった体に力は入らなくて、心もそれに引っ張られる。
「ジャスリン様、今日は真面目にって、っ」
「彼女の匂いがついてる気がする……」
白い首筋に舌が触れ、少しなぞられる。それだけでマフィから高い声が出る。
「話してくれるまで今日は帰さない。ここに泊まってもらうよ」
「っ……♡」
その後、なし崩し的に服を脱がされ薬を飲まされ、実験どころではなくなった。
そういう空気になるだけで股が濡れ、目の前にいつもの剛直を見せつけられればチンキスで挨拶してしまう。それだけ染められてしまっているマフィがご主人様の尋問に耐えられるはずもなく……
「それで、彼女とはどうして仲が良いのかな?」
「友達のクラブの先輩だったから、見に行った時に知り合っただけ……で……」
「ふーん……キミは浮気性なんだね」
「浮気ってわけじゃ……! 仕方なく……」
マフィの言い訳は機嫌の悪い指で溶かされ、簡単に股を開かされる。
机に寝かされたまま貫かれた子狐は、いつもより激しい突きに悲鳴をあげた。
「ボクがどうして怒ってるか分かる?」
「ぎ゛っ゛♡♡ わかりゃ、な、イク、イキま、い゛っぐぅぅ゛ぅ゛ぅ゛♡♡♡♡」
「キミが誰とどういう関係になっても、それはキミの自由だけどっ」
「い、い゛っ゛て゛る♡♡♡ イッてるからっ゛やめ゛っ゛♡♡」
「よりにもよって彼女にっ、ボクの知らないところで取られるのはっ! 我慢ならないからねっ!」
「お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛!!♡♡♡♡ ごめんなしゃっ♡♡ や゛ら゛♡♡♡ おく♡ ぐりぐりやらぁ゛ぁ゛っ゛!♡♡♡」」
寮に帰ったのは夜。
とっくに下校時間を過ぎていて、ジャスリンの空中散歩神術で空から下校。
月夜をバックに歩くのはさぞ幻想的な光景だっただろう。
気絶してお姫様抱っこされるマフィにそれを楽しむ余裕はなかったけど。
翌日、マフィは何事もなかったかのように登校。
元の回復力と、ジャスリンが飲ませた栄養薬のおかげだろう。
心情的には外に出たくないくらいだったが、そうも言っていられない。
資料は揃っている。後はこれを実践するだけ。折よく今日は道場に顔を出す日……
「やるか……」
チン道大会優勝への道は今日ここから始まるのだ。