ケモミミ貴族令嬢にTS転生したら、ふたなりたちに玩具にされた 作:ぐらんぐらん
プルミリアは島から去った。
のじゃのじゃうるせぇガキだったぜ。
果たしてたった4話だけのゲストキャラの再登場があるかどうか。
たとえ本人がこの先出なかったとしても、彼女が遺していった物はマフィの手の中にしっかりと存在する。
「もし自分でも続けたいならこのプルミリア特製アナニーセットを授けよう。レッツアナルじゃ!」
そう言って渡してきたのは開発時に使った色々な道具。
まるで師匠が免許皆伝の証として愛剣を弟子に渡すような……
マフィは多少の躊躇はあったものの結局受け取った。アナルは連綿と受け継がれる。
久々に戻ってきた寮の自室は埃っぽい……わけでもないが、なんか自分の部屋という感じが薄れていた。
窓を開けて換気し、数日後に控えた下半期の開始に向けて色々と準備。
と言ってもやることはあまりない。すぐに手持ち無沙汰に。
まだ太陽は昇り切っていない。
昨日までならこの時間はジャスリン指導の猛勉強。
そのルーティンが残っている体は勝手に参考書とノートを机に広げさせる。
「ソウシン草の対になる解毒材は……」
ちなみに屋敷お泊りの成果はしっかり出ている。
わずかな間に1年分の知識を詰め込むことに成功した。
でなきゃただケツ壊してただけのアホだ。
その代わり他の教科が怪しいが……それはそれとしよう。
『現代薬草学における対の理論』の本をノートにまとめていると4時間くらい経っていた。
もうお昼過ぎだ。集中してご飯を食べ忘れた。
屋敷では昼食の時間になると誰かが呼びに来たからそんなことなかったのに……早速VIPの客人待遇が恋しくなってくる。
いかんいかん。もう王女の客人ではないのだ。一介の学生として自己管理はしっかりやらないと。
「食堂行くか」
幸い、長期休みの間にも食堂は開いている。
休みでも島に残る悲しき教師や用務員向けに出しているのだ。もちろん生徒にも。
まぁ王族専用屋敷のくっそうめぇメシに慣れてしまった今、また身の丈に合った舌に戻さなくてはいけないが……
そういえば、隣の部屋の住人はどうしているだろうか。
もう長期休みも終わる。いつまでも灯台に閉じこもっているわけでもなかろう。
「キリー、いるー?」
呼びかけながらドアをノック。
中にいたら肉、いなかったら魚を食べよう。そんな風に思っていたら聞こえてくる物音。肉に決まった。
「あ、ま、マフィ」
慌てたように出てきたのは部屋の主であるキリーネヤではなく、一緒に塔に入っていたメロリィ。
「おおメロ……リィ?」
「な、何?」
「いや……何かしてた?」
「べ、別に!?」
このピンク兎はどうしてこんなに挙動不審なのか。
声は裏返っているし、休日にもかかわらず着ていた制服は……ブラウスの胸元が乱れている。
それに何やら顔が赤くて体温も高そう……
「塔から出てたんだな。キリもいるの?」
「え、ええまぁいるけど……」
「マフィ」
久しぶりに会ったようなそうでもないような黒猫少女も出てきた。
こっちは特に何も変わらない普通……普通?
「あれ……キリ、だよな?」
マフィを襲う違和感。
確かにキリーネヤ・ロマネフだ。
黒く長い髪、白く透き通った肌、月を想起させる黄金の瞳、それらの上でぴょこんとささやかな主張をする猫耳。
別に誰かが成り代わったとかそういうミステリー要素は無い。
ただなんというか……違う。
塔に入る前の彼女とは何かが決定的に違う。
「どうしたの?」
「いや、なんかキリじゃないみたいだなぁって」
「急に何を言うのよ」
いつものクールガールっぷりも健在。
情けなくニャアニャア鳴きながら射精させられる姿が無様すぎて忘れそうになっていたが、彼女は元々こういうタイプだ。
では何が違うのか。
「背、伸びた?」
「伸びてないけど……ふふっ、どうしたの? 変なマフィ」
余裕を感じる。
大きく見える。
まるで精神と時の部屋に入った後の悟飯のような。
「(そうだ、この感覚……)」
マフィは古い記憶を探る。
幼い頃よりもずっと前──前世の記憶。
高校生の頃、名前も顔も覚えてないけど友達がいた。
夏休み明けに彼と再会した時と同じ感覚だった。
『なんだお前、新学期始まってずっとニヤニヤして』
『おう○○! 聞いてくれよ! 実は俺さぁ……』
「まさか、キリ……童貞卒業したのか!?」
「ブッ!?」
「はぁ!?」
キリーネヤが別人じゃないのに別人っぽく見える理由……それは纏う自信だった。
変わってから気付いたことだが、前までの彼女はどこか暗い部分があった。
性格とかではなく、過去に姉から受けた仕打ちのコンプレックスや、いまいちな戦績からくるものだ。
それが取り払われたような、清々しいような。
奇しくも前世で童貞卒業した友人と似た雰囲気を持っていたのだ。
「まさかメロリィと──」
「んなわけないでしょーが!」
メロリィの即否定! その言い方はちょっとキリーネヤが傷付くぞ!
2人も昼食がまだだったとのことで、とりあえず揃って食堂へ行くことにした。
「付き合い始めたんじゃないの?」
「そういうんじゃないから!」
そう言いながらメロリィの手はしっかりキリーネヤの手と繋がれている。
自然すぎて当の2人が気付いていない。
マフィが「違うの?」と言いかけて、やめておいた。
食堂では何故かテーブルを挟んでマフィの向かいに2人が並んで座る。
やっぱり付き合ってるんじゃないんですか?
また訊こうとしたところで、それよりも驚くべき報告で吹っ飛んだ。
「6階までクリアした!?」
なんとマフィが王族屋敷に滞在している間に、キリーネヤはとんでもない結果を出していた。
あの塔は全8階。ゲームのステージのように上に行けば行くほど試練は厳しくなる。
同世代の強豪と名高いブリュンヒルデでさえも7階までしかクリアできていない。
「すげーじゃん!」
「そうなのよ! キリすごいのよ! 最後の方とか何してるか分かんなかったし!」
それは褒めてるのか?
まぁヤムチャ視点みたいなもんだったんだろう。
ちなみに本編でヤムチャがヤムチャ視点になったことはない。ヤムチャ対サイバイマンの時の悟飯視点と言った方が状況としては正しい。
さっきから悟飯を例えに出しすぎだろ。
「しかもこれから7階だって時にメンテで追い出されたのよ! アレが無きゃ絶対7階もクリアしてたわ!」
なんとさらに上に行ける余地もあったとか。
これはいよいよである。
もしかしたらすごい覚醒シーンとか見逃したのかもしれない。
まぁ見逃しててもいいのだ。この物語は熱血スポ根ではない。
しかしこれでキリーネヤの変化には説明がつく。
塔の中で彼女はこれまでの特訓が実を結んだ。
チンの勃起も持続力も鍛えられ、美少女同級生2人との性経験(本番除く)も覚えた。
普通の生徒ではとても達成できない6階クリアという明確な高みへの成長を感じて、自信がついたのだ。
マフィとメロリィにすごいすごいと持て囃され、黒猫はちょっとドヤ顔。
その副産物というか、メロリィとの仲もかなり深まっている。
一緒に塔に籠って
今では当たり前のように手コキフェラ抜きは当たり前。
さっきもマフィが訪ねてくるまでは、意外と大きなメロリィのやわらかウサギおっぱいでパイズリ抜きをしていた。
強くなった実感があって、いつでも抜いてくれる可愛い女の子もいる……なんだこの勝ち組黒猫は。
それでいて付き合っていないと主張するって、もはや失礼の域じゃないか?
これファンタジー/恋愛だぞ?
「もしかしてマジで優勝狙えるんじゃね?」
「それは分からないけれど……上半期みたいに簡単に負けたりはしないわ」
頼もしい。
家の落伍者という烙印を押されていた天才主人公が修行を経て成り上がっていく……まるでこっちが王道みたいだぁ。
「マフィもなんか変わったわね」
突然キリーネヤがそんなことを言い始めた。
思わずマフィの食べる手が止まる。
「変わったって、なにが?」
「あー、なんか分かるかも」
「な、なんだよメロリィまで」
変わったと言われてもマフィ自身が何か変わった自覚はない。
2人だけで分かった気になっている向かい側の席にジト目を向ける。
もしかしたら自分をダシにしてイチャついてるだけじゃないのか。
「まぁ私としてはあんたにこれ言うのもどうかと思うけどー……あんた色っぽくなってない?」
「は……?」
「こう、歩き方とか、所作のクネッと感っていうか」
キリーネヤがいるためにハッキリ言葉に出せないが、メロリィは言外にこう含んでいる。
「お前、男だったこと忘れてないか?」と。
「マフィ…………その、ごめんなさい」
「なんでいきなり謝るんだよ!?」
そしてキリーネヤはこう思っている。
「きっとブリュンヒルデ先輩の影響だ。その原因は自分だから本当に申し訳ない」と。
ほとんどジャスリンのせいなのだが、実際に2人が指摘できるくらいにはマフィの様子は変わっている。
入学時と比べればハッキリ違いが分かるだろう。
以前なら少なくともさっきみたいに「童貞卒業した?」とデリカシーの無い訊き方はしない。
性的な物事への抵抗がどんどん薄れ、こうした発言もつい口から漏れ、表情や仕草もふたなり受けの良いように……
「あっ……もう~! 2人が変なこと言うから」
動揺したマフィはステーキソースを手に零してしまった。
しかも今日に限っていつも持ち歩いてるハンカチを部屋に忘れていたりする。
「ごめんごめん、私のハンカチ貸すから──」
メロリィの言葉が止まる。
ハンカチを使うまでもなくマフィは一旦解決させていた。
「ん……ちゅっ」
貴族令嬢としてはとても褒められないが、元々庶民派だった感性が自然に動いていた。
それだけなら「お行儀が悪いよ」で済んだしメロリィが固まることもない。
マフィはソースのついた手をれろぉ~……と舐め、仕上げに吸ったのだ。
その仕草は確かに2人が言った通り色っぽい──もっと言えばエロい。
「う……」
そんな動きを見たキリーネヤは思い出す。
チンを舐める時もあんな感じだったなぁと。
「ん? どうしたの?」
「それよそれ! そういうところよ!」
メロリィが声を荒げるのも仕方ない。
「ソース舐めとるのになんで舌を思いっきり這わせてんの!? なんで音立てて吸ってんの!?」
「あっ……!」
マフィはようやく気付いた。
今のはジャスリンやブリュンヒルデに実践を交えて教わったフェラテクだ。
情を煽るために舌全体でねぶったり、わざとらしく音を立てたり。
日常の中でそうした動きをしてしうまうほどに、誰かと交わることが日常になっていたのだ。
「いや、これは……めっちゃついてたから……ソース……それより新学期もうすぐだな!」
苦しい言い訳をしながらマフィは話を変えて逃げる。
変わったことは否定できない。
その際たる証拠であるのが今穿いてるオムツ。
アナニーセットと一緒にプルミリアから貰ったこんなのがバレたらどうなるか……想像もしたくない。
思い返せばあっという間だった長期休みが終わり、島に学生たちが戻ってきた。
マフィは島に残ったせいかいまいち休みだったという感じがしない。勉強漬けだったし。
しかしいつもより早い時間に起きて準備すると、やっぱり休みと学期中の生活は違うなと実感する。
帰省しないことで暴走したかのように熱い思いが分厚さに反映されたリアリスの手紙は……時間のある時に読めばいいか。
果たして男どころか女としても終わりかけているマフィが無事に下半期を過ごせるのか。
まぁ無理なのは前提として、まさかあんなことになってしまうとは……
まさかあらすじ通り本当にビッチになって、まさか婚約者がいる身で一番してはいけない屈服をしてしまうことになるとは……
卒業時にはこう振り返るだろう。
「思えば1年の上半期が一番まともだったな」と……
■TIPS オムツ
この世界ではゴム加工技術の他に製紙技術も発達しているので、使い捨ての紙オムツが存在し値段もリーズナブル
しかし前世のものに比べると肌触りが悪かったり吸収性ポリマーも存在しなかったり、やはり性能などで劣るので、使用者が施錠神術でガッチリ封じることを前提としている
高級なものになるとあらかじめオムツ本体に施錠と防臭の神術が埋め込まれており、マフィがプルミリアから貰ったものもそれである