※2026年9月22日、玲於奈のフルネームを間違えていたので修正しました。今まで誠にごめんなさい。あと誤字脱字などあったので、修正しました。
「お話があります」
私は涼子に声をかけた。
「はい」
涼子は私の言葉に、近寄ってきてくれた。
「私は、涼子以外のたくさんの女性と肉体関係を持とうと思います」
どうやって伝えるか考えた結果、ストレートに伝えることにした。
「はい」
涼子はうなずく。
「なので、今後は……って」
「どうかしたの?」
平然としている涼子に、私は首をかしげていた。
「驚いていないのが、意外だなって」
私は言葉を続ける。
「狼狽とか慌てふためくとか、するのかなって想像していたからさ」
「そりゃあ、驚いているわよ」
涼子はあきれたような声と顔を披露する。
「要は、ハーレムを作りたいわけでしょ」
「ハーレム……」
「わたし以外のたくさんの女性とセックスをするんでしょ。それをハーレム以外になんて呼ぶのよ」
「確かに」
私は涼子の言葉に納得する。
「で、翼がハーレムを作るって今言われて、妙に納得してしまったのよね」
涼子の声が届く。
「なんて言えばいいのかしら。わたしひとりで独占するのも悪いような気がしていたし、翼なら複数相手でも問題なさそうだし」
その視線は私の下半身に向けられていた。
「あとは単にわたしはもう翼のオンナよ」
涼子が私に身体を預ける。
「あなたの言葉にただ従うだけなんだから」
その行動は妙に色っぽく、無意識に反応してしまう。
「じゃあ、涼子としては私がたくさんの女性とセックスしても問題ないんだ」
「ひとつあるとすれば、これまでは毎日のようにセックスしていたから寂しい夜を送ることになるのが問題ってことね」
舌を出しながら涼子が伝える。
「あとは……狙っている女性はいるの?」
「いや、特にはいない」私は首を左右にふる。「これから探すつもり」
「そう。じゃあ、少なくとも今日は抱いてくれるんでしょ」
ますます涼子の体重を感じるようになっていた。
「それは、まあ、はい」
「こんなに反応してくれているし、ね」
涼子の手が私のズボンにふれる。かすかな感触にも、反応して、ズボンを内側から盛り上げてしまっていた。
「反応してくれるの、嬉しいわ」
そのままチャックを下ろし、下着をズラせば勢いよく飛び出してくる。
「ほら、こんなに元気じゃない」
涼子は嬉しそうな声を放つ。
まるで子供をほめるかのように涼子は先端を指の腹でなでる。
「うっ……」
初めて出会った際には、まさかこんなことをするようになるだなんて想定もしていなかった。
涼子は先端だけでなく、全体を手でつつみこむ。
あふれてくる先走りを涼子は手にまとわせ、いやらしい水の音が部屋に響く。
「くうっ」
手の動きと音とが、私を興奮させ、先端はすでに天井に向けられている。
「ふふ、悦んでくれているのね」
涼子がしゃがみ、キスをする。
「涼子、もう……」
「出ちゃうのね。出して頂戴」
私にほほえんでから、口を開き――そしてくわえた。
途端に刺激が増した。
箸より重いものを持たないであろう涼子が、こんな姿を見せてくれることも刺激的だった。
顔を前進させ、できるだけ根元まで含む勢いを涼子が見せる。
その行動のすべては、私のためにしてくれている。
耐えられるわけがなかった。
「う……っ」
涼子に伝えることもなく、私は涼子の口内を穢す。
少し驚いた様子を涼子は見せたが、少ししてから喉を動かして胃の中に移動させているようだ。
「ぷは」
射精が終わり、涼子が口を離す。
「お疲れ様――ってもう準備万端なの?」
涼子が優しくなでてくれて、その様に私は臨戦態勢になっていた。
「涼子がエッチだったから」
素直な感想を伝える。
「それはありがとう、でいいのかしら」
「いいんじゃないかな」
私は涼子の頭をなでる。
「とにかく、これで終わりじゃないでしょ?」
そうたずねる涼子の顔は火照っているように見えた。
そんな涼子を、何よりもまだまだ出し足りない自分を無視することなどできず、寝室に連れ込む。
とにかく、二回戦はベッドの上でしたかった。
※※※
自分がそうだと気づいたのは、中学生の頃だったと思う。
男の子よりも女の子の方が気になっていたし、好きな子もいた。ただ、だからといってその想いを伝えることはなかった。
で。
大学生になり、ある程度自由に行動できるようになってから、そういう場所に足を運ぶなどして、恋人を――彼女をつくろうとしたが、それが実を結ぶことはなく……そしてあの出来事があったわけだ。
あの出来事のあと、私の人生は一変した。
一番大きいのは涼子と出会ったことだろうが、このことを語るのはいつかにしておき、今は今後のことを考えるべきだ。
涼子公認でハーレムを築くことができるようになったが、だからといって近くの女性を節操無しに……というつもりはない。
それだと修羅場を数え切れないほどに体験することになりそうだ。
とりあえず大学で探すのが一番楽だろう。あとは久しぶりにバーに顔を出すのもいいかもしれない。
「……大学行くかぁ」
※※※
「あ! いた!」
大学の敷地内に足を入れた瞬間、そんな声が聞こえてきた。
「ってこら! きびすを返すな!」
反転した私の後頭部に再び叫び声が届いた。
「……何か用?」
近づいてきた声の主に私は質問を飛ばす。
「最近会ってなかったじゃん! 久しぶりに見たから声をかけただけなんだけどぉ?」
九条玲於奈。それが彼女の名前だ。
涼子が清楚なお嬢様と表現するのであれば、玲於奈はギャルと表現できるだろう。金髪だし、ネイルもばっちりだし。
「もし意図的に避けてると言ったらどうする?」
「怒る。あと殴る」
「――さいですか」
玲於奈の言葉に私は肩を落とす。
「今日は同じ講義だったから、一緒に行くでしょ!」
いつの間にか玲於奈の腕が私の腕にからみついていた。
「はあ」
「ちょっとその態度はなんなの? こんな美女を目の前にため息とか、ちょっとひどすぎない?」
玲於奈は抗議するが、それでも腕はそのままだ。
「ねえ、玲於奈」
「なに?」
「玲於奈って私のこと好き?」
「……ちょ、ちょっと!」
耳元で玲於奈がシャウトする。
「ほ、本気なの!? 本気で訊いてるの!?」
玲於奈は顔を真っ赤にしていた。
「本気本気。気になるから聞いてみた」
「……ええ、と」
先ほどまでの勢いは霧散していた。
「そりゃあ、嫌いじゃないけどでもだからって……明白にしなくてもいいこともあるじゃん?」
「でも、好きじゃない相手と腕を組むわけ?」
「それは――その。そう、だけど……」
だんだんと声が小さくなっていく。
私の幼なじみは昔からこういう反応が可愛らしいから、
ついついちょっかいをかけてしまう。
――そうだ。
あらためて玲於奈に視線を向ける。
なんだかんだで美人だし、私のことが好きだし。胸も大きいし。
――『ふたり目』に。
「……いいかも」
「え?」
無意識に口から声が出ていたようだ。
「なにがいいの? ねえなにがいいの?」
「玲於奈の胸がやわらかく――」
その瞬間、玲於奈の拳が私に向けられていた。