※2026年9月22日、誤字脱字などあったので、修正しました。
浴槽の中で玲於奈を見つめながら、私は腰を動かす。
「つう……」
玲於奈は眉をひそめる。
「やっぱり、大きいって」
その声には若干の怒りを感じられた。それでも玲於奈の両手は私の身体にしっかりとからみついていた。
「そう?」
それの存在は知っていたものの、実物を拝んだことはなかった。
だからこれがどれぐらいのサイズなのかは正直わからない。だけどこの反応は褒められているようで少し嬉しかった。
「だって……内側から押し広げられてる感じがするし。はああ……」
玲於奈が深いため息をつく。熱く、深いため息はそれだけ玲於奈を穿っている証左のようにも思えた。
「じゃあ、やめる?」
私は玲於奈から抜き取る。
「え?」
突然の提案に玲於奈は目を見開いた。
「玲於奈を私のオンナにするつもりだけど、乱暴にするつもりはないからさ」
本気だった。
玲於奈も涼子も……今後増えるかもしれない相手でも、乱暴とか無理矢理に抱くなんてするつもりは毛頭ない。
「どうする?」
選択を促すため、玲於奈に問う。
「い、いい……」
玲於奈が私を見つめながら首を左右にふる。
「続けて」
か細い声だった。普段の玲於奈からは想像もできない声。もしかしたら誰にも聞かせたことのない声。
そんな声を私が聞いている。
それが――玲於奈を征服できていることが私をよりたかぶらせる。
「わかった」
玲於奈の金髪が浴槽に広がっていた。
腰を前後させ、玲於奈の内側を体感する。
絶妙な凹凸が想像できない刺激を全体にあたえてくれる。
動くだけで湯船の音が広がる。
その音が否応なくセックスをしているという事実を私たちに伝えてくる。本来の目的とは異なる行為。それを多分、背徳と表現するのだろう。
「玲於奈」
「んっ……つばさ……」
抱く前よりも玲於奈が愛おしく思える。
セックスはお互いが気持ちよくなるようにすべきだと考えているため、自分が気持ちよくなるよう腰を振るつもりはない。だから今もゆっくりと玲於奈を味わっていた。
急ぐ必要などない。せっかくだから玲於奈をしっかりと堪能しておきたかった。
「玲於奈」
「つば、さ……」
名前を呼べば、名前を返してくれる。
「大丈夫?」
「うん、平気――翼って優しいよね」
玲於奈が伝える。両手が私にますますからみつく。
「ありがとう」
私は玲於奈にキスする。玲於奈の咥内から放たれる息は、ヤケドしそうなほどに熱かった。
「れお、なっ」
「つ、ばさっ」
そこでタガが緩んだ。
ゆっくりとしたグラインドを激しくする。それに正比例して、湯船からお湯が激しくもれはじめる。
腰を固定していた手を背中に回し、玲於奈に密着する。
ふれていない箇所があってはならないほどに密着し、腰を動かす。
出して、入れて。
入れて、出して。
合間にキスをするが、上手にできなかった。それでもよかった。
キスをして、その間に呼吸をしていたが、それすらもうまくできなかった。
玲於奈が私に溺れているように、私も玲於奈に溺れていた。
「くっ!」
内側はますます複雑な動きをしてくれた。まるで射精をうながすかのようで、だから私はためらうことなく欲望を解き放つ。
「ふああっ……」
玲於奈も絶頂を迎えているようだが、それでも私から手離さなかった。
私の放った真っ白な欲望が玲於奈のナカで広がり、今ごろそこを私専用に置き換えているだろう。
「ふう……」
倒れ込む私を玲於奈は抱きしめてくれた。
「——気持ちよかった?」
届いた声には興奮が含まれていた。
「もちろん」
玲於奈の問いに即答し、キスする。
「そうでもなきゃ、射精なんてしないよ」
「ならよかった」
嬉しそうな声が私の鼓膜をゆらす。
「重くない?」
「重くない」
玲於奈の抱擁で私たちはひとつになる。
「しばらくこうしていたい」
「はいはい」
そう伝えると玲於奈は私の頭をなではじめた。
その答えを確認して、私たちはしばらくの間、ひとつでいた。
その間に聞こえてくるのは、湯船が浴槽や私たちに当たる音だけだった。
後処理とか掃除とか、今は考えられなかった。
※※※
入浴を終え、私たちは居間に移動する。
「オナカすいてるでしょ」
玲於奈はそう言ってから朝食――すでに太陽はだいぶ高い位置にいたが、今日になって最初の食事なのだからそう表現しても大丈夫だろう――をつくってくれた。
「手際いいね」
「そりゃあ、作らないと出てこないから」
ひとり暮らしってそういうもんでしょ。玲於奈は私にそう言ってから、キッチンに足を運んだ。
ベーコン、目玉焼き、トーストしたパン。これぞ朝食と言える朝食だった。
「いただきます」
そう告げてから食事につく。
「うーん。おいしい」
自分で作るよりおいしく感じるのは、きっと玲於奈の腕が良いからだろう。
「それはよかった」
対面に座る玲於奈から嬉しそうな声が届く。
その顔は笑顔だった。本当に嬉しいのだろう。
そのままふたりで、時おり会話を挟みながら朝食を摂る。
「ごちそうさま」
「おそまつさま」
空になった皿は、自分で片付けるつもりだったが、玲於奈がすぐさまキッチンに持っていってしまった。
「で、どうするの?」
コーヒーをふたつ持ってきた玲於奈から質問が飛んでくる。
「今日は一日セックスするって言ってたから、このあともするんでしょ?」
そんなセリフを、玲於奈はほほえみながら私に届けてきた。
「せっかくだからね」
私はほほえみかける。
「色々と体験してもらいます」
「色々と?」
「ようは玲於奈にご奉仕してもらいたいんだ」
「ご奉仕……って性的な、でしょ」
「もちろん」
満面の笑みで答えたら小突かれた。
「今思ったんだけど、ワタシに『暴力を振るうな』って命令はしないの?」
「する必要ある?」
「した方が、なんていうか……翼の都合のいいオンナにできるんだから、した方がいいんじゃない? 自分で言うのもアレだけど」
そこまで口を開いた玲於奈の表情が暗くなる。
「……それとも。もしかして殴られたりするのが趣味だとか?」
「今のところそういう趣味はございません、はい」
「そう」
玲於奈から安堵のため息がもれた。
「一応言っておくけど、翼がなんかわけわからないこと言うのが悪いんだから。ワタシは悪くないから」
「そっか。じゃあこれからは変なこと言えなくなっちゃうなぁ」
わざとらしく私は身体をイスの背もたれに預ける。
「何か言うつもりだったわけ?」
「そ」
右手をひらひらとふる。
「これからフェラチオしてもらうかなって言おうとしてた」
「フェラチオ……」
玲於奈がつぶやく。
「知ってる?」
「し、って……る。したことは、ないけど」
「何をするのかはわかってる?」
「口で……くわえるってことぐらいは」
「じゃあ、やってみようか」
私は玲於奈に近づくようにジェスチャーをする。
「うん」
玲於奈は素直に従い、私の前に座る。
そこで私はおもむろに足を広げた。
「さ。入って入って」
玲於奈の背中を優しく押す。
「ファスナー、おろして」
私の言葉に素直に従ってくれた。
それにしても、ファスナーのついているズボンでよかった。もしそうでなかったらズボンを脱ぐ必要があったし、たぶん端から見ればひどく滑稽な姿に違いなかった。
ファスナーがおり、その気になっていた私が外に勢いよく飛び出す。
「これが、翼の……」
まじまじと玲於奈が見つめる。
「これがワタシのナカに入って、いたんだ」
「そう」
玲於奈の頭をなでる。
「それで、玲於奈に赤ちゃんの素をたくさん出したよ」
「あ、赤ちゃん……」
私の発言に玲於奈の頬が赤くなっていた。
「よし、じゃあ――『フェラチオしなさい』」
玲於奈を見下ろしながら、私は命令する。
「わ、わかった」
視線はソレに向けたまま、玲於奈がうなずく。
口を大きく開け、顔をゆっくりと近づける。
とたんに、女性器とはまた違う熱に包まれた。