もし可能であれば今日にも投稿したい所存です。
※2026年9月22日、誤字脱字などあったので、修正しました。
「綺麗だ……」
目の前に広がる光景に自然と口が動いていた。
下着姿の涼子と玲於奈がいて、ふたりともベッドに背中を預けている。
どちらもベクトルの違う美がそこにふたつあった。
そして、私のセリフに涼子は笑顔を深め、玲於奈は目を細める。
「ね、涼子さん」
「どうかしたの?」
玲於奈が涼子を手招きし、涼子は玲於奈の方に移動する。
下着姿だからか、涼子の胸部はそれだけでも存在を主張するかのように揺れた。
涼子に耳元で玲於奈がささやいた。近づけば内容を盗み聞きできたのだろうが、それよりもベクトルの異なる美をしっかりとこの目に焼き付けておきたかった。
「――たしかに」
「でしょ?」
ふたつの美を見ていたら秘密の会話をし始めていた。
涼子を見ていたと思ったら私に顔を向けて――そしてまた涼子の方を向く、という行動を何度か繰り返していた。
その時の玲於奈はやたらとニヤニヤしていたことは今でも覚えている。
「だから……ね」
「ふふ。わかったわ」
玲於奈と同じようなほほえみを涼子が浮かべた。
なんだか嫌な予感がしてきた。
「ねえ、翼」
その笑顔のまま、玲於奈が話しかけてくる。
「なに?」
「おかしいと思わない?」
口を動かしつつ、身体を起こす。
ゆっくりとした動きだが、妙な圧を感じ始めた。
「おかしい?」
「そうそう」
涼子もベッドから離れる。
「だってワタシたちは脱いだのに翼は脱いでないっしょ?」
「それは、そうだね」
私は顔を下に向ける。
白いブラウスとジーンズという、ふたりの装いに逆立ちしても対抗などできない恰好だった。
「じゃあ……」
私は言いながらブラウスのボタンを外し始める。
「なんで自分で脱ごうとしてるわけ?」
それに玲於奈が抗議の声をあげる。
「こーゆーのは脱がされないとダメでしょ!」
素早い動きで玲於奈は私の両手を掴み、頭の上に持っていく。両方の腕で丸を作っている姿を想像してくれればわかりやすいだろう。
「というわけだから、許してね?」
玲於奈が私の両手を抑え、涼子がブラウスのボタンを外す。
先ほどの内緒話はきっとこのことだったのだろう。
ボタンが一〇もあるわけでもない。私の上半身がすぐに解放されてしまう。
ふたりは女性らしい容姿に女性らしい服装や下着だった。
しかし、私は違った。適当な服装だし、下着だって上はただのスポブラに、下は履き古したボクサーパンツ。そこに色気の「い」の字は存在していなかった。
いつも通りの私。それはそれで悲しいことに問題なかった。でも、今は恥ずかしかった。
涼子たち並みになれるかはわからないが、ファッションセンスを磨くぐらいはしないといけない――そんなことを考えていた。
「じゃ、涼子さん、次は下をお願い」
私の両手は相変わらず拘束されたままだった。
「ええ、もちろん」
涼子はしゃがみ、ジーンズにふれた。さすさすとさわられて、それがこそばゆかった。
「涼子、その……」
「たまにはいいじゃない。考えてみたら翼を脱がすのってこれが初めてだし」
ブラウスと同様、ジーンズのボタンを外し、チャックを下ろす。
「ふふ、脱がしちゃうわね」
涼子は声を弾ませた。
玲於奈ほどではないが、涼子も少なからず興奮しているらしい。自分以外の女性も含めて三人での初めての行為なのだから。
涼子の手が床に近づけば――ジーンズが下に降りるほどに外気を感じる。
「あ……」
「涼子さん? どうかし……」
ふたりの動きが止まる。
「どうしたの?」
なすがままになっていた私はふたりの顔に瞳を向ける。
涼子は目の前のものを、玲於奈はそれを見下ろすようにしていた。
いつの間にか固くなっていた。それに気づかなかったのはきっとこれから夢がかなうという興奮が邪魔をしていたからだろう。
ボクサーパンツ越しでもそれがあるのが、それが興奮しているのが見下ろしている自分でもわかった。
ふたりはそれに反応したのだろう。
「ふたりとも」
私はゆっくりと伝えた。
その言葉にふたりとも私に顔を向けた。
「――いいよね」
ふたりは何も言わなかった。
涼子はしゃがんだままだし玲於奈は私を拘束したまま。
その状態で、ふたりは何も言わなかった。
ただ私の顔と、私の下半身を、交互に見ていた。
私を見つめる四つの瞳には、間違いなく火が灯っていた。
※※※
「玲於奈」
私はあえて一オクターブ低い声を放つ。
「あ……」
そのひと言に玲於奈は両手を離した。
解放された手で私は涼子を立たせる。
「つ、ばさ」
混乱しているような動揺しているような涼子の瞳だった。
私は涼子と玲於奈のふたりをベッドに優しく押し倒す。仰向けのふたりが私を見上げるような構図になっていた。
ふたりを同時に受け入れたベッドから軋む音が聞こえた。
私もベッドに四足歩行の動物のように乗る。
「玲於奈」
片手で玲於奈を抱き寄せる。玲於奈は抵抗しなかった。
「涼子、ちょっと待ってて」
「わかったわ」
涼子は嬉しそうな面持ちだった。
「じゃ、玲於奈。脱がしてあげるね」
私は玲於奈のブラレットの裾をつかむ。
「いいよね?」
「う、うん……」
頬は赤くなっていた玲於奈がこくこくとうなずく。
私はブラレットをゆっくりと脱がす。
途中で玲於奈の背中に腕を回して、ベッドと身体の間に隙間を作る。
「ほ、ほんと、に……?」
玲於奈はあわあわとしていた。
「こら、暴れたら危ないでしょ」
親が子をたしなめるようなセリフを私が話す。
「そうよ、玲於奈さん。危ないわ」
「う、うう……」
涼子のアシストを聞いた玲於奈は涙目を浮かべていた。
私はブラレットを完全に脱がせる。
先端が見えた。初めて見た時と同じように綺麗だった。
「はず、かしい……」
蚊の鳴くような声が玲於奈からもれる。
涼子という第三者がいるから、そして出会って一時間もしていないのにこうして肌をさらしているのが、原因だろう。
玲於奈が狼狽している間に、もう片方の手でブラレットの裾をたくし上げれば、玲於奈の双丘があらわになった。
自分ではありえないふくらみはとても綺麗だった。
思わず手が胸をもんでいた。
「ちょ……!」
やわらかかった。
「そんなとこさわらないで……! っ、ヘンタイ!」
身をよじるが、無意味だった。
抵抗に意味がないと理解したのか、玲於奈は私の手を振り払うことなく顔だけをそむけた。
「や、優しくしなさいよね……!」
「まあまあ」
ベッドに寝転んでいた玲於奈が身体を起こし、私を殴り始めた。
そのたびにゆたかなふくらみが存在を主張してくる。ちなみにダメージはほとんどなかった。
殴られている間も、玲於奈の肌が赤くなっていたことを私は見逃さなかった。
玲於奈に殴られながらも玲於奈の胸を堪能させてもらった。
「ふう」
「何が『ふう』なの!」
私が手を離すやいなや、玲於奈は両手で胸を隠しながら吠えた。
「あとでも堪能させてもらうからさ」
その時の私は、満面の笑みだったに違いない。
「まったく……!」
玲於奈はいつの間にか枕で上半身を隠していた。ショーツは穿いたままなので、もしかするとこういうグラビアがあるかもしれない。
ちなみに下着は脱がせた服の近くに置いておいた。
玲於奈を背に、涼子に身体を向ける。
「お待たせ、涼子」
「ふたりとも仲良しね」
「――今のやりとりでそう感じるの!?」
ほほえむ涼子の発言に、絶望のまざった玲於奈の声が鼓膜をゆらす。
「わたしも、脱がすのよね?」
それは確認を含んだ質問だった。
涼子は上半身を起こし、両手を広げていた。玲於奈とは対照的とも言える。
「そうだね」
私と涼子は向かいあったままで、手を彼女の背中に伸ばす。
「ずいぶんと慣れたみたい」
「それなりにたしなんでおりますので、はい」
「ふふ」
会話をしながらブラジャーのホックを外す。
ブラジャーが涼子から離れ、落とさないように両手でキャッチする。
脱がす時は対照的だったが、そのサイズは玲於奈と同じくらいで自分のものと比べられないほどに重かった。
装飾の差もあるだろうが、そもそも布地の量が段違い、桁違いだった。
涼子は胸を隠さなかった。むしろブラジャーを玲於奈の時のように置いた私の手を自分の胸に誘導してくれた。
「ほら、さわるんでしょ」
よく見ると涼子の頬は赤くなっていた。
「そうだね、せっかくだから」
「優しくしてね?」
本人が了承しているのだ、気にする必要などない。私は涼子の胸をさわる。
「このままじゃわたし、ぜんぶ翼に染まってしまうわね」
そうささやく涼子は紅潮していて、声と瞳とは熱を帯びていた。
片手ではとてもじゃないがあふれてしまう。両手を使わないとこぼれてしまう質量は、いつまでも楽しめる気分になれた。
ただ。これが目的ではなかった。まだ途中だった。
「ふう」
とりあえず玲於奈と同じぐらい涼子の胸も堪能した。
ふたりをベッドの中央に寄せる。
ゆっくりと手をそれぞれの肌に乗せ、今度は下半身に移動させる。
その間、会話はなかった。
涼子と玲於奈の顔を見ながらふたりのショーツにたどり着く。拒絶の反応はなかった。
下から……股の間からショーツ越しに優しくふれる。
「んっ……」
「んあっ」
そのタイミングでふたりは身体を震わせ、ふたりとも啼いた。
「――ふたりとも、悦んでくれていたんだね」
指には、ふたりが準備できている証拠を感じることができた。
そのまま手をショーツの中に進める。
「よかった」
ショーツ越しでもわかっていたが、直接ふれることで、確信できた。
「ふたりとも、悦んでくれていたんだね」
私の指はためらいなくふたりに飲み込まれてしまう。
「だってふたりとも、こんなになってる」
くちゅっとした音が寝室に響く。
甘くて湿った匂いが私の鼻腔をくすぐる。
玲於奈のとろりとした蜜が、私の指を包み込む。
私の指先にふれた瞬間、ぴくんと涼子の腰が跳ねた。
それはふたりが悦んでいるということ。
それは、ふたりが望んでいるということ。
「んっ……」
「うっ……」
ふたりが再び声をもらす。
ぬちゃ、と表現すればいいのだろうか、汗なんかよりはだ液のような感じの液体が私の指をコーティングしている。
私の手は熱に、それぞれふたりの熱につつまれる。ショーツの感触とふたりの感触の違いは自分が秘部にふれていることを強調させてくれた。
「つば、さ」
「ヘン、タイ……」
弱々しく玲於奈に枕で殴られた。
それまではどこか緩い空気が寝室には流れていたが、今は違う。
「――よし」
私はショーツから手を離し、おもむろにベッドの上で立つ。
手はふたりの悦びと熱にまみれたままだった。あたかもチョコレートでコーティングされたかのように妖しく光っていた。ふたりが望んでいることの証左だった。
「ふたりとも」
玲於奈と涼子、それぞれに顔を向ける。
ふたりとも上半身を起こしていて、ちょうどよかった。
「ほしいんだよね、コレが」
ずい、と腰を前に突き出す――ふたりにより近づけるために。
「それ、は」
「そ、そんなこ、と」
否定の声がふたりから届く。ただ、それがフェイクだとすぐにわかった。なぜなら、ふたりは私のボクサーパンツを見ていたからだ。
私は自分でボクサーパンツを脱ぐ。
ふたりのブラジャーを脱がす時のようにゆっくりと、それこそふたりを焦らすようにゆっくりと。
とはいえ、ボクサーパンツを脱ぐのにそれほど時間はかからなかった。
すでに興奮しきっていたそれが、勢いよく飛び出してきた。パンツは後ろの方に投げ捨てる。もう、正直どうでもよかった。
清楚な涼子と、ギャルギャルしい玲於奈。
涼子だけでは、玲於奈だけではこの光景は見ることができなかった。
涼子がいて、そして玲於奈がいて、この光景を初めて見ることができた。
「あっ……」
「……んっ」
ふたりの視線がソレに向けられていた。
その声を、私は以前聞いたことがある。
涼子は何度も、玲於奈は……二、三回ほど。
その視線にますます固くなったような気がした。
これから、夢がかなう。
その事実に私の心臓が早鐘をうつ。
正直、ふたり同時に体力が保つかはわからなかったが、やるしかなかった。
「ふたりがコレをほしいように……」
私はゆっくりと口を開く。
いや、口が乾いていてゆっくりとしか口を開けなかったのだ。それほどまでに部屋は熱であふれていた。
「私もふたりがほしい」
涼子、玲於奈を見る。四つの瞳の火は、ますます燃え上がっていた。
私は宣言した。
「――だから、抱くよ」
私の言葉に、涼子と玲於奈は一瞬、息を呑んだように見えた。
ふたりは少し、何も言わずにいた。静寂が寝室を支配する。
そしてふたりは意を決したように、ただ一回だけうなずいた――私のことを見ながら。