※この作品はR-18です。

翼の望みを叶える日々   作:生田由良

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涼子、玲於奈以外にも登場する人物がいますので、翼以外の登場人物の視点を「幕間:○○」として合間合間に投稿していきたいと思います。
涼子と玲於奈にそれぞれ内情を語ってもらい、そのあと本編を進めます。

一年以上更新が止まってしまって申し訳ありません。仕事が忙しいのがいけないんです。休みがないのがいけないんです。


幕間その1
幕間:涼子


 それまで、恋というものとは無縁な人生だったと思う。

 もしかすると女子校に進学したことも、影響があるのかもしれない。

 なんであれ、彼女……翼は、最初は同じ学年の学生のひとりでしかなかった。もしかしたら入学式で顔は見ていたのかもしれないが、当初はそこまで印象に残ることはなかった。

「白河さん」

「どうかしたの?」

「後ろ姿見かけたから」

 女性だとは理解していたが中性的で、ときおり男性のようにも感じられた。だから、最初は少し敬遠気味だった。

 ただ、いつからか印象が変わっていた。

 同じ講義で、翼が私の隣の席に座ったことがあった。

 次の講義でも、翼は当たり前のように私の隣に座った。

 それ以降、私は隣の席をひとつ空けるようにしていた。もちろん、翼のためだ。

『どうして』、『なぜ』と質問されても上手に回答できない。

「涼子さん」

「は、はい」

「どうして急によそよそしくなったの?」

「そ、そういうわけじゃ……」

 弁明するものの、狼狽していることは隠しきれなかった。

 翼が笑っているのも、きっと私の慌てぶりを理解しているからなのだろう。

 それまで女性ばかりの生活をしていたからか、翼が見せるちょっとした仕草が、妙に気になった。

 講義の時、集中している横顔は案外かっこよかったし、口を大きく開けて笑う姿には、どこか親しみを感じられた。

 友達になってからは外で一緒に遊んだり食事したりしていたが、気がつけば私の住むマンションに翼が来るようになっていた。

 涼子。

 最初は名字だったのに、いつの間にか涼子と呼ばれていた。他の人ではそうでもないのに、翼に涼子と呼ばれ始めた頃は、いつもドギマギしていた。

 そう呼ばれるのが嬉しいと気づいたのは、ファーストキスの前だった。

 翼は優しくて、嘘はつかない。見た目もまあ、悪くない。

 だから、彼女との距離が縮まることが、ただ嬉しかった。

 ファーストキスは、私のマンションで翼とふたりで過ごしている時だった。

「涼子」

 私の名前を呼んでから、翼はキスをしてくれた。

「翼」

 嫌ではなかった――少しでも嫌悪感があったら、ふたりきりになっていなかった。

 今まで恋愛をしたことがなかった。でも、翼とはそういう関係になるのだと、きっとどこかで確信していたのだろう。

「涼子」

 翼が私をベッドに押し倒す。

 肩にふれた手が、少し震えていた。

「あのね、涼子」

「ええ」

「……できれば、驚かないで欲しいんだけど」

 そうつぶやいてから、翼は服を脱ぐ。

 裸にならずとも、下着になった時にわかった。

 翼の穿いているボクサーパンツが、内側から盛り上がっていた。

「これ……」

 思い当たるのはひとつだけ。

「やっぱり驚くよね」

 私の顔を見て、翼が説明をしてくれた。

 内容を要約すると、ある日を境に存在していたということのようだ。

 ずいぶんと曖昧だと思うかもしれない。正直なところ、有無はどうでもよかった。

 私はボクサーパンツ越しに、『それ』にふれる。

「りょ、涼子!?」

 驚いた翼の声が聞こえ、布地を介して翼の熱が届く。

「きゅ、急にさわらないで」

 慌てた声が上から届く。

 翼の瞳には焦りが見え、翼の体は震えているとわかった。

「ふふ」

 無意識に笑っていた。

「ど、どうして笑うわけ?」

 私は翼のほおに手をそえる。

 手を通して翼の熱が伝わってくる。

「ただ、嬉しいの」

 翼を見上げながら問う。

「愛して、くれるのよね?」

「いいんだよね?」

「ええ」

 私は翼の頭をなでる。

 そのまま私たちはどちらからともなく裸になり……そして、それ以降、私は翼のオンナになった……というわけ。

 その後、玲於奈さんを紹介された時は、驚きや呆れ――様々な感情が入り混じった。

 ただ、玲於奈さんも玲於奈さんで翼のことが好きだってわかった。

 なんだかんだで三人でベッドを共にした相手で、親友と言っても過言ではない。

 なにより、私と同じように翼のオンナになることを選んだのだ。そんな女性を嫌いになることなどできそうになかった。

 

※※※

 

 私のマンションで翼が暮らすようになって、ソファを新調した。

 翼と私は、ぴったりと寄り添って座っていた。

 今の私は、翼で満たされている。

「ねえ、涼子」

 嬉しそうな翼の声が聞こえてくる。

「どうしたの?」

「玲於奈を呼んでもいい?」

「もちろんよ」

 翼の質問に、私は笑いながらそう答える。

 翼となんでもないような時間を一緒に過ごすことができて、私は幸せだった。




幕間:玲於奈もすぐに投稿できたらいいですね(遠い目)。
あとすでに投稿した文章で誤字脱字などあったので、適宜訂正していきます。
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