その日は良く晴れた空がまぶしい午後のことだった。
アズラル王国の擁するライダー勢力、その中でも生態系の研究を専門とする組織にレンジャーというものがある。
彼らはモンスターの生態を調査し、記録し、よく理解することで人間とモンスターの間を調停する者たちだ。時には珍しいモンスターの記録をつけたり、またある時に厄石化したモンスターを討伐することで生態系を守り、絶滅が危惧されている種を保護することで生態系の保全に力を入れている。
厄石化モンスターというのは、数えて200年前に初めて観測された『石化現象』に端を発する。
突如として発生したこれは瞬く間に草木を、岩石を、あまつさえモンスターさえも浸食し大勢のモンスターが石化し、琥珀のように内部が透けるタマゴ石の中に閉じ込められた。絶滅の危惧される種もこのタマゴ石の中に特殊な状態で保存されており、彼らを解放し生態系をあるべき姿に戻すこともレンジャーの使命だ。
永き時の経った今でも原因が判然としない石化現象。それを解き明かすこと、そしてアズラルを去った母の行方を追いたいと考えているのがレンジャー部隊の隊長であり、王子である彼であった。
壮大な使命を抱きながらも国民の依頼や生態系の調査を逐一地道に行っている王子だが、そんな彼には最近悩みがあった。
ーーーそれは性欲だ。
対して大きくない話に聞こえるが彼にとっては一大事だ。王子としてそのようなことに現を抜かしてはいけないと考える者の彼もまた若き青年の一人。湧き上がるモノを前には唯一人の男であることもまた当然の事実。
最近レンジャー部隊の預かりとなったエレーヌという歳の近い女性がいるが、彼女もまたビュリオンという国の王女であり、手を出したが最後外交問題に発展、よく考えなくても戦争という言葉が頭をよぎるほど不味い。彼女個人は気さくな人物で笑顔が多く、魅力的な女性であることに変わりはないのが厄介だ。
では他の女性は?というと、レンジャー部隊にはもう一人女性がいる。
彼女の名前はキート。地質調査に長けた優秀なレンジャーであり、よく洞窟の調査やレンジャーの使うタル爆弾を製作してくれている。
そんな彼女だが、ぶっちゃけて言うと凄くエロいのだ。
緑の差し色の入った蒼髪は奇麗で、エキゾチックな雰囲気のある顔にはぷっくりと膨らんだ唇が彼女の感情に合わせて艶やかに形を変える。下世話な話だが胸も尻も大きく、「従者の追想」という服を貰ったのだそうだが、彼女の民族的な雰囲気によく合っており控えめながらもしっかりと谷間の露出する服であることも合ってとても青少年に悪い。あとキートは最近距離感が近い。
正直、王子は下半身の勃起を隠しながら戦わざるを得なくなり、一緒に戦っているキートからは不思議そうな、自身の相棒であるレウスからは呆れたような視線を受ける羽目になった。ただレウス、お前もオスならわかるだろう。お前だってこの前リオレイア亜種に見惚れてたじゃないか。お高くとまってんじゃないぞ。
そんなこんなで王子はキャンプの個室で一人寂しく自らを慰めることで自身を抑えていた。王子がキートにアプローチをかけていないのはヘタレ王子だからではない。彼女は未亡人ではあるが既婚者であるし、そんな彼女の心を打ち抜くことなどできないのである。ヘタレでないったらない。キートの故旦那であるルークスの父親であるオオパに簡単に看破され、「知ってると思うがキートは今フリーだ。王子のことは憎からず思ってるから押せばいけるぜ」とアドバイスされてもだ。そもそも亡くなった旦那の父親からアドバイスされたって気まずいだけだろうが。
オオパのアドバイスに従って攻めてしまおうか、いやいや。そうヤキモキした毎日を送っていた王子だが、転機が訪れた。
それはキートの洞窟調査に同行した時、洞窟の中でネルスキュラに遭遇した時だった。
ネルスキュラのヘイトを買って出たキートが運悪くネルスキュラの睡眠針を食らってしまった。
ネルスキュラは横合いからレウスに噛みつかれ、そのままゼロ距離のブレスで焼き殺されたのだが、この後がまずかった。
キートが武器を投げ出し無防備な状態で寝ている。そう無防備なのだ。
意思が強くも嫋やかな瞳は今や瞼の下、張りのある乳房は呼吸に合わせて上下しておりとても心に悪い。
それでも王子メンタルを発動することで持ちこたえたのだが、手当はしなければならない。
実質生殺しの状態で手当てをしていた王子の頭には襲えばよいという考えとそれを止める自制心が綯い交ぜになっていた。ぐるぐると嫌な熱感に踊らされた頭の中で出たのは妙案だった。
そうだ。ネルスキュラの毒で深い眠りに陥らせれば気づかないしスッキリできる。
王子はそう早合点してしまった。できるだけキートの肢体を見ないように努めながら手当を終わらせ、鉄の意思で抱えると洞窟を脱出し、すぐさまキャンプへと向かった。
幸いなことにキャンプには誰もいない。全員調査で出払っており、少なくとも一日は帰らないだろう。襲うなら今だ。
ボックスからネルスキュラの睡眠針を取り出し、自分が刺されないように注意しながら抽出。今までの経験と調合のセンスで睡眠薬を完成させた。
王子はそれを寝ているキートの口に入れ、気管に入らないように水を飲ませ嚥下させた。
ネルスキュラの毒は狩りで使われるため強力だ。大型モンスターに分類されるゲリョスが昏倒し、その皮を剥がれ殺されるまで意識が戻らないほど。人間に使うと当然、どんなことをしてもすぐに意識は戻らない。
王子は爆発しそうな心臓と一物を抑えながらキートに手をかけた。
胸を揉む。
張りがありながらも柔らかな乳房が服越しに手で形を変える。凄く柔らかい。最高だ。そう呟きながらしばらく揉みしだく。刺激を受けて見る見るうちに服を押し上げる乳首と眉毛を八の字に曲げ悩まし気な息を漏らすキート。もはや王子の身体は限界だった。
ズボンを一気にズリ下げると勢いよく跳ね上がるのは王子の男根。目の前の極上のメスを早く早く堪能したいと痙攣し、先端からは先走りが分泌される。
王子はまず胸に手を付けながら片手でキートの胸のボタンをはずした。服の制約が緩み左右に幅を広げた胸は、まろび出た深い谷間と見え隠れする乳首も相まって思わず固唾を呑んでしまう。
王子は壊れ物を触るかのように慎重に、キートに跨る。腰を下ろすほど谷間に近づいていく己の男根。
今なら引き返せる。服を戻しベッドに寝かせれば元通りだ。
いや、ここまで来たのならもう行くところまで行こうじゃないか。そもそも昏倒したキートを起こさずに連れ帰り、ベッドに寝かせた時点で疑われるのは確定。だったら襲わなきゃ損だ。大丈夫、今までの信頼関係なら一回は許してくれるはずだ。
そう最低な考えに背中を強く押されたように、腰の高度と息の荒さがリンクする。ついにキートの乳房に男根が触れた。酷く熱を持った物に触れられ、キートが声を漏らす。悩ましげなそれは誘うように、王子の獣性を煽るものでありーーー
ーーむにゅり
ゆっくりと肉棒が谷間に収まっていく。まるで最高級のシルクのように優しく、湯舟を揺蕩う湯のように優しく温かい。凄まじい快楽を齎すそれに必死に耐えながら王子は最後まで腰を下ろす。真剣な顔は最低なことをしているというのに針の穴を通す英雄の闘いのようだった。
まだ始めだというのに、王子はもはや限界だった。腰は初めて触れる快楽に打ち震え、一瞬たりとも気を抜いてしまえば亀頭は暴発し瞬く間にキートの奇麗な顔と乳房を白く汚すだろう。
まだ、その時ではない。王子は自身の半身にそう言い聞かせるように念じながら腰を動かし始めた。
王子としての身、父親であるアズラル王が身長であったのか、それとも母の失踪に拠るものであったのか、王子は青年の今頃に至るまで夜の練習といったことをしたことがない。侍女に手を出してもいない。まっさらな童貞であった。
王子に似つかわしくないほど不格好に、情けなく声を漏らしながら、カクカクと腰を動かす。先走りで少し濡れた谷間と擦れてぬちゅぬちゅと音を立てる感触は甘美の一言に尽きる。王子の腰に合わせて声を漏らすキートの喘ぎもまた極上のスパイスとして機能していた。
両側から胸を押し、肉棒をサンドする。
一寸の隙間もないほど密閉された空間が齎す熱感、柔らかさはもはや世界の何処にも存在しえないほどの至福。気が付くと息も獣のように荒い。いつの間にか顔を紅くしていたキートの苦し気に漏らす声、その色気に富んだ唇が…ッッ
ーーもう、限界だ。
強大な水棲モンスターのブレスを思わせるほどの勢いで精が飛び出す。滂沱の洪水を胸のダムで受け止め、抑え込み、怒れるモンスターをやり過ごすかのように身を縮こまらせ収まるのをひたすら待つ。
撃たれているのではないかと疑うほどに激しい鼓動に乗るかのように吐き出される精はキートの胸から漏れ服を濡らし細い首を彩った。
ここまで来たら行くところまでいくのみ。
王子は悲壮な覚悟を決めた戦士の如く肉棒を谷間から抜き取り、キートの口の中に挿し込む。
キートの厚い唇は柔らかくて、咥内は暖かく包んでくれる。
ヌプヌプと水音を立てるキートの口。異物を追い出そうと絡みつく舌に吸い付いてくる唇。そのすべてが最高だ。
先程射精したばかりだというのに、王子は直ぐに達した。
ビュルビュルと流し込まれる精を抵抗なく嚥下するキートの喉を見ると征服感と背徳感が同時に押し寄せてくる。
最後まで射精し切った王子は吸い付いてくるキートの口から名残惜しくも肉棒を抜いた。
怪しく濡れるキートの唇、乱れたその姿は未亡人を寝ている間に滅茶苦茶にしたという後ろ暗い喜びを否応なしに理解させてくる。
もう王子には自分を止める自制心などなかった。あるのは自制心が反転して獣性に加わったという掛かり切った心だけだ。
王子はそのままキートのズボンを下着ごと脱がせると、覆いかぶさるようにして唇を奪いながら肉棒を挿入した。
ーー瞬間、先程の快楽とは比べ物にならないほどの何かが迸る。
意中の女性で童貞を卒業したという喜び、睡眠中に犯すという背徳感、そして単純なキートの具合の良さ。
それらが混沌のように混ざりながらも王子という一方向を向いて一気に襲来する。
挿れる前に二回射精していなかったら堪えられなかったかもしれない。
火竜のそれよりも激しい熱に浮かされた頭で王子はそう思った。
浅黒くしっかりとした感触の肌を感じながら腰を動かす。
キートの中は押し入ってきた侵入者を優しく出迎え、あまつさえ愛撫し奉仕している。再び荒くなり始める息を堪えながら王子は肉棒を前後させる。
王子がぶつかる度に前へ後ろへと揺れるキートの身体。柔らかく躍る乳房と突くたびに漏れるキートの喘ぎ声。一突きするたびに耐えがたいほどの熱が王子の身体の芯を打つ。
そして今、遂に、キートの中で果てる。
奥へ奥へ、キートの腰を掴み強く腰を押し付ける。くぐもった喘ぎ声が響く。グリグリと塗りたくるように突き上げる。それすらも受け入れ奉仕してくるキートの中。
ーーぐぅッ、と声が漏れた。
何処に隠していたのか、3回目の射精はこれまでの物よりも量が多かった。それほどまでに想いが強かったのか、それともライダーの身体のなせる業か。
キートの腰に縋るように手をかけ、子宮に精を飲ませる。意図していない相手からの精に、しかし子宮は悦んでいるかのように肉棒から精を搾り取った。
ドクドクと注がれる精は肉棒が蓋となって外に溢れる様子がない。キートも達したようだ。ビクビクと身体を跳ねさせながら声を漏らしているのが堪らなく愛おしい。
もはや後のことなぞ知らない。今を楽しむことにしよう。
王子は最低なことをしたというのに、レンジャーとして先を見据える視点を辞め今を貪った。
王子は破滅を予想しているようだが、結果から言うとそうはならなかった。
この後、再び快楽に耽溺していた最中にキートが目覚め、身を凍らせた王子を余所に押し倒し上下を逆転、そのまま貪ったのだ。
キートは旦那が亡くなって久しい未亡人。彼女も焦れた夜を過ごしており、何がとは言わないが持て余していたのだ。