※この作品はR-18です。

山田リョウはタカりたい!   作:KKS

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ナントカと天才は紙一重らしい★

 コンビニ産のサンドイッチに、山田ちゃんが黙々とかぶりついている。帰宅直後。冷ややかな視線を正面から浴びせられたオレは、トースターにて表面だけはカリサク食感に仕上げることを選択した。そうでなければ、今頃は針の筵に正座させられていたことだろう。

 料理なんて普段ほとんどしないし、当然のように食材もストックしていない。食い専の山田ちゃんにしても、それは同じだった。いや、そこで心の声を読んでドヤ顔するのだけはやめてもらえませんか?

 いくら相手が年下ものぐさ金食い虫だったとしても、彼女の手料理に憧れたりするんですよ、男の子は。

 

「うむ、苦しゅうない。ちょうど、あたたかい飲み物が欲しくなってきた頃合いだった」

 

 気を取り直して、固形のカップスープにお湯を注いで出してやる。そう。これが、オレにできる精一杯の努力なのだ。

 

「モグモグ、むぐむぐ、んっ……」

 

 ハイスペスパダリ主人公には、どう転んだってなれやしない。そうなりたいとも思わないし、オレは自然体のまま生きるだけだ。

 山田ちゃんの向かいに腰を下ろし、自分のサンドイッチに手をつける。リビングで食事をしてもよかったのだが、このくらいの軽食なら部屋の方が落ち着く。それに案の定、山田ちゃんも動きたくなさそうだったし。

 

「おー、元気元気。ほーら、もっとお食べ」

「むぐっ? もくっ、もくっ」

 

 山田リョウという名のデカい雛鳥が、朝飯を半分ほどつっつき終えている。

 低いテーブルの下に足を伸ばし、ベッドの側面に背中を預ける。スープをすする山田ちゃんと眼があった。ちょくちょく様子を窺ってくるのが、この雛鳥のかわいいところなのだろう。

 オレもこの女も、欲望には真っすぐだ。

 ちょっと前までは寂しいくらいだったが、マンションの一室は随分と賑やかになった。ウチを年中留守にしてくれてありがとう、父さん母さん。そのおかげで、息子は色ボケ一直線な大学生活を送れています。

 

「新しいバンド、最近どうなのよ。お兄さん、山田ちゃんのことが心配で心配で」

「えっ、なに。急に保護者面して。はっ、まさかっ……」

 

 皿に残ったタマゴフィリングの欠片を咀嚼しつつ、山田ちゃんが冷静に声を出す。ちゃんと両手でごちそうさまできるあたり、えらくてお兄さん泣いちゃうぞ。

 

「みんなの連絡先は教えない。バンドの守秘義務は命がけで守ってみせる。というか、悪逆非道なお兄さんの毒牙にかかるのは、私だけで充分。それに、百合に挟まる男に人権はないって、昔から有識者が言ってる」

「なんなのその怖い識者さまは。別に他意もなにもないっての。話す気分じゃなかったら。オレはそれでいいよ」

 

 なるほど、つまりは順調ってことなのね。

 波長の合わないバンド仲間を、山田ちゃんが守ろうとするはずがない。感触はきっと悪くないのだろう。それなら、オレになにも言うことはない。

 

「あっ、ちょっと待った。ああもう、これでもないし、ううん……と」

 

 なんとなく、風向きが変わったような気がしていた。

 山田ちゃんが自分のカバンの中身をひっくり返している。知らないアーティストのディスク。音楽用のノートと、コードの絡まった有線イヤホン。果てには、飾り気のない替えの下着まで飛び出てくる。

 

「あった。はい、これライブのチケット。普通なら無理だけど、お兄さんだから特別に招待してあげる。ふっ、世界のヤマダの優しさにひれ伏したまえ。伝説の第一歩の目撃者、なりたいでしょ? これでお兄さんも、晴れてその仲間入りだね」

「招待? それって、タダで行けると思って大丈夫なやつ?」

「…………えっ?」

「えっ?」

 

 ぽかんと口を開けた山田ちゃんと顔を見合わせる。どうやら、互いの意識に多大なる隔たりがあるようだ。

 そもそも、悪逆非道だなんだと評したばかりの人間を、こうも簡単に招待していいのかよ。

 

「こちらのチケット、一枚千五百円になります。もちろん、追加のおひねりは大歓迎。バンド活動にお金はいくらでも必要。この前も、新しくできたカフェで曲考えてたら、あっという間に財布の中身が溶けた」

「やっ。だったら、家でやれよ」

「いい曲を作るためにも、刺激は大切。疲れた頭に、甘いものを入れてあげることもできるし」

「ほう。さぞかしすごい脳味噌をお持ちなんでしょうなあ、山田大先生は」

「あうっ。あー、揺れる。ゆれ、ゆれ……」

 

 座っている山田ちゃんの背後を素早く取り、頭を左右からロックした。どこからか、カランコロン、と小気味のいい音がする。いや、どんだけファンシーな中身してるんだよ、この女は。

 頭と一緒に揺れていたチケットをもぎ取る。このくらいの出費、山田リョウにタカられた総額を考えれば氷山のそのまた一角だ。それに。

 

「やっぱりいい匂い、山田ちゃん」

「いきなり、ヤる気なんだ。んっ、あうっ……。さっき、汚して着替えたばっかりなのに。予備の服、まだあったかな」

「すればいいよ、洗濯。乾くの待ってる間は、オレの貸すし。それと、お代はあとで」

 

 すべて、わかった上で言っている。

 ウチには山田ちゃん専用の棚があるレベルだし、着替えには事足りる。家から持ってきているもの以外にも、ねだられて買った服も数点存在していた。

 

「ンッ……。チケットのお買い上げ、ありがとうございます。これで、私はノルマ達成。どうせぼっちが余らせるし、複数買いしてもいいよ、お兄さん。握手くらいなら、してあげられるけど」

「いや、いらないし。というか、ぼっちとは何者」

 

 なんだかんだで、山田ちゃんはオレの欲望を受けとめてくれる。コンビニで朝飯を調達したついでに、追加のゴムも買ってある。起きがけに手で抜いてもらったばかりではあるが、下は期待から早くもはち切れそうになっていた。

 

「歯磨きもしてないのに。あっ、んんっ」

「いいの、山田ちゃんだから。舌、だして」

 

 華奢だけど引き締まった身体を、後ろから抱き寄せた。密着しながらのディープキス。こうした触れ合いは、山田ちゃんの好物でもある。

 ラフな部屋着越しに、かたちのいい胸に触れた。興奮が強くなる。山田ちゃんも感じているのか、尻が股間をグニグニと刺激してきている。

 

「これ、いい。もっと、お兄さん」

 

 山田ちゃんのクールで整った顔が、少しずつ淫らに溶けていく。そもそも、普段から自分で崩しにかかっているというツッコミは受けつけない。

 唾液を絡め、舌を吸った。声と汁が口から洩れる。もう、どちらのものでもよくなっている。

 

「脱がすから、膝立てて。お尻はこっちに、そう」

 

 やわらかな生地のスウェットに指を引っかけ、立てた膝までひと息に下ろした。

 一緒になって脱げた下着。中心部がちょっと濡れていて、さらに気持ちが昂った。買ってきたゴムをひとつ取り出す。見つめる山田ちゃんの眼が、どことなく色っぽい。

 

「では、どうぞ。さっきから、こっちは準備万端。お兄さんの変態精液、きっちり処理して進ぜよう」

「なら、遠慮なく。いくよ、山田ちゃん」

 

 黒光りしたゴムつきの先端が、熱い中に埋もれた。全体に潤滑油がついているから、少々濡れ方が甘くてもどうにかなる。

 それにしても、と腰を両手でつかみながら思う。ほとんど運動なんてしていないのに、このスタイルのよさはなんなのか。お腹のあたりなんてかなりギュッと引き締まっているし、羨ましいくらいだった。

 

「ンッ……お゙ーっ、んっ、ンンッ……。ゴム、にゅるって。あんっ、はふっ……。ふぅ、あっ。おちんちん、すごくかたい。私の奥、そんなに気持ちいいんだ」

 

 ゴム越しではあるが、挿入の感触は悪くない。思わず出かけた汚い声を、山田ちゃんがどうにか飲み込んでいる。

 最奥にたどり着いた先端。甘えてくる子宮口の感触が、たまらなくよかった。気持ちいいところは、ちゃんと知っている。欲望に素直な点は、セックスにおいても同様だ。

 

「いいよ、動いても。ぷぷっ……。ナカ、よすぎて動けないんなら、無理にとは言わない。お兄さんのペースで、ゆっくりしてくれていい」

「ちぃぃ……! この女(アマ)、どうしてくれようか」

 

 顔が間近になるくらい、密着を強める。そこから腰を小刻みに遣って、膣内に隠れた愛液を掻き出した。

 まだまだ、射精などしてなるものか。気合を入れて、熱くなった一点に亀頭を擦りつける。締まりのある窮屈なナカが、ペニスに絡みつく。濃厚なメスの匂い。責めるだけ、支配的になっていった。

 唇を味わいながら、探り当てたクリを指で潰す。山田ちゃんが、切なそうに喘ぎを洩らした。

 

「あっ、かっ……、うあっ……。んっ……。お昼は、カレー食べたい。いい感じのお店に、目星をつけてある。ふふっ……。情報料として、私に一回奢るだけで、お兄さんはおいしいご飯を食べられる。この画期的な発明に、感謝を述べつつ乗るといいよ」

「昼って、さっきまで朝飯食ってた人間が言うことかよ。カレーメシ、戸棚にストックしてあるから今日はそれで我慢しなさい」

「えっ……。アレはアレでお世話になってるし大好きだけど、泊まりにきてる年下彼女になんて非道な扱いを。……ちなみに、シーフードは選択肢にありますか」

 

 あーだこーだ言いつつ、結局乗り気になってるあたり実にちょろい彼女さまである。そもそも、いきなり昼飯の話題を振ってくる時点で、余裕が薄れているのだろう。

 顔や仕草こそ飄々としたままだが、ナカのぬかるみ具合は当初とはまったく違っている。奥に押し当てながら突き上げると、堪えていたかわいらしい声が耳をついた。

 

「うっ……。それは反則。情緒ってものが、お兄さんには欠けてる。それじゃ、いいフレーズは浮かんでこないんじゃないかな」

「悪いが、こちとら音楽素人なのさ。よくて、山田ちゃんを鳴かせるだけで、なっ……!」

「あっ、ンンッ、ふっ……♡ お、お兄さん、調子に乗りすぎ。このくらいで、私が屈するとでも」

「華麗なフラグ建設、オレじゃなきゃ見逃しちゃうね。さすが、世界のヤマダは伊達じゃない」

「ンッ、あーっ、あっ、はふっ♡ な、ナカでびくってさせるの、ちょっとずるい。こんなの、気持ちよくなってあたりまえ」

 

 脳髄にまで響く声。そこに甘く蕩けるような感じをつけ足されると、すべてが弾けて吹き飛びそうになる。

 負けて、時には負かされて、オレたちは少しずつ前に進んでいくのだろう。

 

「いいよ、たくさんナカにだしてくれて。好きだよね。ゴム、パンパンにふくらませるの」

「ああ、もうっ」

 

 ほんとに、おまえはかわいいな。その言葉を腹の中に飲み込んで、一直線にゴールまで駆け抜ける。

 声。体温。強がるような仕草。山田ちゃんの全部が、愛おしく思えてくる。

 

「あっ、きてる。どくどくって……。ふふっ、すごいふるえかた。んうっ、はーっ、んっ、ああっ」

「ン……。もう少しだけ、山田ちゃん」

「だから、いいってさっきから言ってるじゃん。あんっ、んっ、ぐっ、はぁっ、はんっ……。射精、んっ……感じるの、私もクセになってきた。あったかくて、お腹満たされるせいなのかな」

 

 唇でふれる程度の口づけ。いい雰囲気に飲まれているのか、山田ちゃんはいたって素直に応じてくれる。激しかった情動は過ぎ去り、緩やかなほとぼりだけが、身体の内側で燻っている。

 キスを続けながら、ゆっくりと埋まっていたペニスを引き抜く。吐き出した精液で重くなったゴムの先端が、ぼてっと床に垂れ落ちた。

 

「いいよ、私が外してあげる。がんばったご褒美、あげないといけないから。……おちんちん、とっても偉かった。いい子いい子」

 

 山田ちゃんが、もぞもぞとスウェットを履き直す。ご褒美の対象は、どちらかというと下腹部のモノそのものらしい。向き合う傍ら先端に息を吹きかけられて、つい腰が引けてしまった。

 すっかり怪しい光を放つようになったゴムが、山田ちゃんの手によって抜き取られていく。軽い引っかかりを感じながら、つるんと亀頭が姿をあらわした。まとめたティッシュで、ちょいちょいと残滓を拭う。

 精液をたっぷりと吐き出したゴムを、山田ちゃんがじっと見つめている。眼の前でぷらぷらと揺らしているから、まるで自己暗示でもかけているようだった。

 

「それでは、もったいないのでいただきます。んあっ、んーっ、じゅっ、ずずずずっ」

 

 逆さにしたゴムを口の上にもっていき、指で中身をぎゅっと搾る。見せつけるような動きだった。ねっとりとした白濁の塊が、可憐な舌の上に乗る。ゆっくりと咀嚼し、山田ちゃんは小さく笑った。

 

「これ、結構いい感じ。んむっ、ちゅっ、んむむっ……。喉、絡むのすごいね」

 

 新しいゴムを手にする。

 山田ちゃんをその場で再び押し倒すまで、一秒とかからなかった。

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