ザーメン垂れ流しのゴムの処理をひとり寂しく行う。特殊性癖の入り口に片足を突っ込んだ
ぺちん。ぺちぺち。見える、オレには見えるぞ。かわいらしいエフェクトの丸文字が、ふわふわ宙を漂う様がな。
「はあっ、もうダメだ……。虹夏に、お兄さんとエッチしてることバレたかも。私だけリア充なことが明るみになったら、バンド内の不和は確実。こうなったら、最後の手段を使うしかない。お兄さんに弱みを握られて、日々嫌々奉仕させられてるってことにして押し通すしか……」
なるほど。どうやら、山田ちゃんは眠くなっていたのではないらしい。
とはいえ、その現実逃避には問題がありすぎる。隙あらばオレを破滅させようとしてくるあたり、この女には正真正銘傾国の才能があるんじゃなかろうか。自分から全面的に開示していったくせに後ろからオレを刺そうとするのだから、かの楊貴妃も真っ青だ。
「いいから、シャワーいくよ。はい、鼻水かんで」
「はぶっ、うむむっ……。ちーん、すんっ……」
うずくまる山田ちゃんを小脇に抱えて、鼻をかませる。使用済みゴムの眠るダストボックスにティッシュを投げ入れ、いざ風呂場へ。脱衣スペースについた頃にはすっかり立ち直っているんだから、相変わらずおもしれー女である。
残っていた最後の砦。黒のショーツを床に落として、山田ちゃんがさっさと室内に消えていく。勢いよく流れるシャワーの音が聞こえる。遅れて落とし物を回収していくのも、当然のようにオレの仕事になっていた。まあ、これはちょっとした役得ではあるのだが。
「中、あたためておいた。はやく、こっちきて」
水の滴るいい女、とでも表現するべきなのだろうか。
ただし、雨に打たれた時のようなしっとりとした雰囲気はどこへやら。頭からシャワーをかぶる山田ちゃんから、はやくはやくと手招きされている。
足を踏み入れ、肌を密着。てっぺんからぶっかけられる熱めのシャワーが気持ちいい。
「そんなにくっつかれると洗えない。お風呂誘ったの、お兄さんなのに」
「まあまあ。それはまた、じっくりと」
山田ちゃんのお尻にセクハラを加えつつ、顔を急速接近。額同士がこつんとぶつかる。先に動いたのは、どちらからだったのか。本日何度目かのキスだった。夢中になって口を吸うと、それまで重力に負けて垂れていた下腹部のモノが、活気に満ち溢れてくる。
背後にあるシャワーのカランを、山田ちゃんがそっと捻る。静かになった浴室内に反響するのは、粘っこいキスの音。それが一段とシチュエーションのエロさを強化してくれる。勃起チンポの雁首から先を指で搾られると、唇の間で情けない声が弾けた。
「声、かわいい。ぷぷっ……。射精、あんなにしたくせに、まだ足りないんだ」
「だって、勃たない方がおかしいだろ。こんなかわいい子とぴったりくっついて、キスまでして、ン……。チンポ触られてるってのに、萎えてたらむしろ失礼だと思わない?」
「やっ、それは、うん……。普通に恥ずかしくなるようなこと、あっさり言えるのってよくないね。こっちまで、無駄にドキドキする」
「事実なんだから、こればっかりはどうしようもない。かわいい山田ちゃんとエロいことしてさ、ほんとにオレって幸せ者。……いろんな面で搾り取られてはいるけどね」
恥ずかしさが上乗せされたのか、言葉はなにも返ってこなかった。それでも、全身の動きが感情のすべてを表現してくれる。
指。絡みついてくる。我慢汁はとっくに溢れていて、先端は洪水状態だ。触れ合う肌のあちこちが熱い。舌。唇。それらの奏でる、唾液の音。五感を使っての刺激は、山田リョウのバンドマンとしての矜持なのか。
思いながら、絶対へそを曲げられるから口にはしないでおこう、と決意をかためる。
「ゴム、もってきてないんでしょ。どうする、お兄さん」
見上げてくる山田ちゃんの瞳が、ちょっと熱っぽい。ペニスに対する刺激は続いているものの、動きはかなり緩慢だった。
じっとりと濡れたナカに挿れたい。結論としては、当然そうなる。指をあてがって、山田ちゃんの具合を軽く確認。つい先程までゴム有りセックスをしていたこともあって、支障はなにもなさそうだった。生での繋がりは、まだ経験していない。立場が立場なだけに、気を遣うべきなのはオレの方だ。しかし、それはそれ。悪い虫が時たま顔を覗かせ、彼女の熱を直接感じてみたいと強烈に訴えかけてくる。
「山田ちゃん。このままするのって、ダメ? 正直、我慢できそうにないかも」
懇願の思いを込めて、舌をきゅうっと吸い上げる。
流れてくる唾液が甘い。ぬかるみに指を少し沈ませると、山田ちゃんの身体がかわいらしくふるえた。
「あん、ンッ……♡ まあ、別にいいけど。お兄さんにしては、よく我慢できた方だと思う。生ハメっていうんだっけ。ずっと、したかったんでしょ」
意外なくらいすんなりと許可が下りる。指の拘束から逃れたペニスは、いよいよ臨戦態勢だ。
壁に手をつき、山田ちゃんがお尻を向けてくれる。心の中では、寛大な彼女さまに向けて盛大な土下座。きれいなワレメにゴムなしの亀頭を擦りつけると、異様な焦燥感に襲われた。
吸いつきがまるで違う。重力に引っ張られるのと同じ原理で、腰が勝手に前へと進んでいく。
「いくよ、山田ちゃん」
「変なの。エッチ、さっきもしたばっかりじゃん。ふぐっ、うっ、うあっ、あっ……♡ こんなの、ゴムつけてないだけでちっとも、お゙っ……♡」
ぬるり、と怒張したペニスが吸い込まれる。生で感覚が研ぎ澄まされているだけ、ファーストコンタクトで得られる快楽は鮮烈だった。
口でしてもらっている時の舌くらい、膣肉が絡みつく。悦んでいるのは、山田ちゃんもきっと同じ。ずっと我慢してきた最後の一線を、ついに越えた。
笑えてくるほどの気持ちよさだった。本能の赴くままに、腰を遣う。山田ちゃんの鳴き声。奥を突かれるのに合わせて、軽快にリズムを刻んでいる。
「これ、きもちっ……。んっ、あっ、ああっ……♡ つけてないだけなのに、やばい……かも」
心を突き動かされる。聞こえてくる声は、最上の燃料。未知の経験を楽しむ山田ちゃんの奥から、温泉でも掘り当てたのかと思うくらい大量の愛液が湧いてくる。
「はーっ、あっ、ああっ。もう、ふわってなる。あんっ、あ゙ーっ……♡」
甘い締め上げがペニスに響く。
ワガママを聞き届けてもらったのだから、山田ちゃんは好きなだけイケばいい。少しでもこの時間を長く味わおうと、ふるえる左右の胸を掴んだ。そのまま、ぴんっと尖った乳首を指ですり潰す。乾いたような喘ぎだった。さらに奥へ奥へと押しつける。蕩けるような快楽。焼かれた脳内が、小さく爆ぜた。
「はあっ、あっ……。イクの、とまんな、うあっ……♡ おちんちん、いつもこんなに熱くないのに。大きさも、なんか……ッ」
「いいんだ、山田ちゃんも。なんだろうな……。胸いっぱいになるって、きっとこんな感じなんだ。もう、抜きたくないって思えてくる」
「ひと晩寝かせたカレー。とろとろで、溶け合って、んぐっ、はあっ、はっ……。ずばり、最高」
「いや、その表現はオレにもよくわからん」
「えっ。お兄さん、普通にひどっ」
山田リョウの放つ独特の世界観。びしっとサムズアップをされても、わからんものはわからんのだよ。
ふたり一緒になって、荒く熱い吐息を風呂場の壁にぶつける。ぱちゅ、ぱちゅ、ぱちゅっ。なんなら、この音だけでも録音しておけばよかったと思えてくるほどだ。おそらく、それだけでも自分史上最強のオカズになる。
どうせやるなら、今度山田ちゃんにハメ撮りのお願いでもしてみようか。
「あー、いい。ほんといい」
焼けただれた理性。ぼんやりと外に出したほうがいいかなあ、なんて考えていたことが間違いだったように思えてくる。
山田ちゃんのナカがうねり、ずっと精液を求めてきているのもいけないんだ。射精。中出し。種付け。しかも、生ハメの状態で。
ゴムに出すのとはわけが違う。達成感も、そこにある危うさも。倫理観と相談するなら、完全にレッドカード。でも、だからこそ、ともに飛び越えてみたい衝動に駆られる。
腰を隙間なく合わせ、山田ちゃんの背中にもたれかかる。そのまま、耳の真横で悪魔のささやき。
「山田ちゃん。このまま、ナカでいい」
言いながら、唇がちょっとふるえた。武者震いに近いものだったのかもしれない。
呼吸に合わせて、結合部が甘く収縮。都合よく、それが答えなんじゃないかとチンポに支配された頭が思考する。甘い締めつけ再び。先走った精液が漏れそうになるのを、どうにか堪える。
「んっ、ふえっ……? 出したいなら、好きに出せば。親子ともども、お世話になります」
「うえっ……!? 山田ちゃん、それって……さ」
中出し受け入れ宣言どころの話ではない。性欲でいっぱいになっていた頭を、突然横からぶん殴られた気分である。
びくっ、びくびく、どくんっ。どぷっ、どぷっ、ぴゅぷぷっ。
「あっ、やばっ……!」
出る。出てしまう。
特大の脈打ちだ。流れ出したら、もう止まらない。意識するまでもなく、腕が山田ちゃんの腰をガッチリとホールドしてしまっていた。決壊しきりの亀頭を、子宮の入り口に何度も押し当てる。
なにもかもが、白に染まっていく。
山田ちゃんの背中が、ぞくりとふるえた気がした。
「ンッ、お゙ーっ、おお……ぅ。お腹で直接感じるの、やっぱすご……、んあっ……♡ はーっ、んっ、まだ、あっ……♡」
腕だけで踏ん張っている山田ちゃんの背中に、肩甲骨が思いっきり浮き上がっている。余裕がないのはお互いさま。オレだって、精通以来の衝撃で腰が止まらない。
「もう無理、はっ、はふっ……♡ お腹、ぱんぱんなのわかってるくせに、射精また。あっ、ンッ……。かたいの、奥にいっぱい、そんな、あっ……♡」
「あー、もう……。山田ちゃん、マジでかわいすぎ。オレ、幸せすぎて今日で死ぬかも」
「無責任孕ませ男。命という命に、お兄さんは謝罪すべき。楽器もろくに弾けない素人がそんなロックな死に方したら、偉大な先人たちにも失礼。なので、はあっ、うっ……♡」
全身を使って抱きしめられたような、そんな感覚。甘い痺れに支配されたペニスの根本まで、山田ちゃんが器用に締め上げる。
「うおっ……。山田ちゃん、オレまたっ」
軽い絶頂感が押し寄せる。
それからしばらく、山田ちゃんは合体解除を許してくれなかった。
♪
お湯を張った湯船に浸かり、ほっとひと息。オレを座布団代わりにして、山田ちゃんはすっかり身体をだらけさせていた。
されるがままでいるのも釈然としないので、無防備な乳を両手でグニグニと。ぶちまけた白濁が表面を漂っているが、どうせ自分たちしか使わないので気にしない。というか、オレの放った大事な遺伝子たちの集合体は、山田リョウの指の間で弄ばれていたりする。
「フフフ……。これでもう、お兄さんは言い逃れ不可能。私のお願い、全部聞いてもらえる」
勝ち誇ったような声だったが、わざとらしさがかなり強い。汗をかいて塩分補給がしたくなったのか、白い粘液のまとわりついた指を山田ちゃんが口にパクりと放り込む。
見ていて悪い気はしないけど、なんかばっちいのでそれはやめなさい。
「まさか、これが真の狙いだったとはな。こうなったら、もう肚をくくるしか」
どちらともに、恥ずかしくなるような棒読み。時間の経過でモノの勢いは完全に蘇っているものの、気分的はちょっと盛り上がりにかける。
ちょうどいいタイミングで、山田ちゃんの腹が食料を欲して悲鳴をあげた。
「買ってきた飯、じゃんけんの勝者が選ぶってことで。ほら、じゃーんけーん……」
「この期に及んで不意討とは。良識ある大人だったら、普通私に譲るとこ。ここか。やっぱり、ここが悪いのか」
人差し指と中指を開いて、山田ちゃんが勃起したペニスをハサミで切るように挟んでくる。
そっちがその気ならと、すかさずグーで応戦。自ら掘った墓穴にダイブしたことを理解したのか、山田ちゃんはフグのように頬をぷくっとふくらませた。