トキワシティ。
マサラタウンから1番道路を抜けた先に在る、緑が多い閑静な町だ。
うんと小さい頃、ママと一緒に買い物で訪れた事が有るけれど、1人で来たのは初めての経験だった。
既に日が暮れた今、人通りは随分と少なくなっている。
通行量は少ないものの、擦れ違う人々は私の事を2度見していた。
尤も、そんな目を向けられるのも、我ながら仕方無い事だとは思う。
私は時折立ち止まっては人に道を教えてもらい、この町のポケモンセンターに辿り着く事が出来た。
夜になっても煌々とした光で場所を示してくれる、トレーナー達の生命線。
特徴的な赤い屋根の建物が視界に入った瞬間、私は心の底から「助かった……」と思った。
◇◇◇
入口を潜り、真っ直ぐカウンターへ向かうと、お馴染みのPCお姉さんが出迎えてくれる。
「こんばんは、ポケモンセンターです。ここでは……何事ぉっ?!」
普段の物腰柔らかな雰囲気は何処へやら。
お姉さんはカウンターから上半身を乗り出す程の勢いで驚愕していた。
何故なら――。
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……今晩……泊めて……頂けますか?」
今の私を見たら、誰だって驚くだろう。
顔・腕・脚には土や砂がこびり付いていて、服にもダメージが入ってしまっている。
被った帽子には枝が突き刺さり、全身の所々には葉っぱが引っ付いていた。
汗と泥が混ざった様な臭いも漂い、必死な形相と相俟って……本当、酷い有り様だった。
一目で只事ではないと分かる新人トレーナーの来訪を受け、PCお姉さんは椅子から立ち上がっている。
「ちょっと、貴女! そんなボロボロになって……一体何が有ったの?! 大丈夫なの?! 怪我は?! 服も汚れてるじゃない!」
如何やら、相当な心配を掛けてしまったらしい。
初対面なのに申し訳無いと思った私は、背負っていたリュックを下ろすと、カウンターにポケモン図鑑を置く。
「マサラタウンの……ルリカです……! 着替えは……持ってますので……ご心配無く……! 疲れましたが……怪我は……大丈夫です……!」
ポケモン図鑑がトレーナーの身分証になる事はオーキド博士から教わった。
しかし、PCお姉さんは未熟者な私の素性なんて如何でも良いらしく、満身創痍な私を尚も心配してくれる。
「ルリカさんね。分かったから、一端座りなさい。泊まる部屋とお風呂にも直ぐ案内してあげるから」
「ありがとう……ございます……!」
漸くホッと一息吐いた私にPCお姉さんも安堵したのか、手厚い対応をしてくれる。
「そんなに無理をして……そうだわ! 貴女、ポケモンは? 貴女がそんな状態って事は、ポケモン達も手負いでしょう?」
言われた私はハッした様子で立ち上がると、カウンターに1個のモンスターボールを置く。
「そうでした! この子――私のピカチュウもお願いします!」
私が切羽詰まった表情でお願いすると、PCお姉さんは頼もしい笑顔で頷いてくれる。
「任せて! 直ぐに回復させてあげるから! だから貴女も――」
私にも「休みなさい」と言おうしたPCお姉さんの言葉を遮ってしまう形になったけれど、私は続けて、2個のモンスターボールを追加で取り出す。
「それから、この子と……この子も! お願いします!」
「――え? あ、嗚呼、この子達もね! えぇ、勿論よ! 任せて頂戴!」
そう答えるPCお姉さんが手を叩くと、3個のモンスターボールはアシスタントポケモンのラッキーに運ばれて行った。
◇◇◇
回復マシンに当てられて全快状態となった3個のモンスターボールを受け取った私は、案内された部屋に荷物を置き、共同浴場に来ていた。
勿論、ボールの中の皆も一緒に。
髪や身体を洗う傍ら、桶の中で服も一緒に洗ってしまう。
その後、ピカチュウを抱えて大きな浴槽に浸かり、「ふぅ~!」と一息吐いた私は、チラリと横に目を向ける。
浴槽の縁に立ち、フルフルと体を震わせて水飛沫を飛ばしているコラッタ。
そして、湯を張った手桶に入って体を洗っているポッポ。
この2匹は、あの後、1番道路でゲットを果たした新たな友達だ。
序でに言うならば、私が人々から2度見される様な風貌になった原因でもある。
◇◇◇
コラッタの群れに襲われた後、私は暫しの間、ピカチュウを抱えて泣いていた。
しかし、何時迄も嘆いている私では無い。
長きに亘る冒険の1日目だもの。
アレ位のアクシデントなんて如何と言う事も無い。
それにだ……私は身体が頑丈な事で有名なマサラタウンの人間だ。
あの程度のダメージ、気合で何とでもなる。
そして、それはピカチュウも同じ。
元々、ピカチュウが受けたダメージは「たいあたり」を数回受けた程度。
攻撃の大半は私が受けていたのだ。元より消耗は然程の物では無かった。
道中で拾った「きずぐすり」を使えば、ピカチュウの体力は全快した。
そして、強制脱衣させられた私も服を着直し、帽子を被り、リュックを背負えば準備は万端だ。
今度は私達の番だ。
信頼関係が出来上がった私達ならば、もう不意打ちを食らう事も無い。
弱肉強食が野生界のルールだと言うのならば……宜しい。
トレーナーとポケモンが繰り出すコンビネーションの力、思う存分に体験させてあげよう。
1番道路に生息する野生ポケモンは、コラッタとポッポの2種類のみ。
ならば、同族同士の「情報伝達」も他の地域より早いだろう。
手当たり次第に殴り込みを仕掛ける私とピカチュウの暴れ振りに、1番道路は大混乱。
ピカチュウの「でんきショック」が彼方此方で湧き起こり、私は視界を横切る存在に土団子を投げ捲る。
今度はしっかりと私の指示を聞いてくれたピカチュウは、的確に「でんきショック」の連射を披露する。
そして、私とて指示を出す丈では無い。
マサラタウン出身の人間は、低級な部類に限ってポケモンの技を使用する事も出来るのだ。
後方での指示役なんてする気が無い私は、ピカチュウと共に前線で「たいあたり」を繰り出していた。
当然、反撃だって食らうけれど、避ける所か真正面から突っ込んで来る私とピカチュウを前にして、野生ポケモン達は気迫負けしていた。
最終的に私は最後迄抵抗を続けたコラッタとポッポを、殆ど相打ちに近い形でゲットした。
あれ程の激しいバトルを繰り広げた所為か、この2匹は最初から私の事を認めてくれた。
お互い、随分とボロボロになってしまったけど、大変に充実したバトルだったと思う。
◇◇◇
部屋に戻ると、コラッタとポッポは疲れてしまったのか、早々にモンスターボールの中に引っ込んだ。
私も何だか疲れた……。今日はもう寝よう……。
浴衣を脱ぎ、リュックの中からパジャマを取り出す。
入浴直後なので、下着は着けていない。現状、私は裸だ。
そうだ、そうだ。ショーツも出さないと……等と思っていた所であった。
[ピカァ!]
「きゃっ! な、何?」
不意にピカチュウが飛び掛かって来て、私はベッドに押し倒されてしまった。
私が仰向けになると、お腹の辺りにピカチュウが飛び付き、何かを訴え掛ける様に頬をスリスリと擦り付けて来る。
「ピカチュウ? 如何したの?」
[ピィ……]
私が声を掛けると、ピカチュウは潤んだ瞳を向けて来る。
その目を見た瞬間、私は全てを覚った。
そうか……この子も必死だったんだ。
冒険が初めてなのは、私に限った話では無い。この子も同じだ。
あの時はアドレナリンが出ていて気にならなかったけど、屹度、物凄く怖かった筈だ。不安だった筈だ。
こうして夜が更け、安全な場所に落ち付けた事で、緊張の糸が解けたのだろう。
私はピカチュウをギュッと抱き締めると、その温もりを素肌に感じる。
「今日は色々な事が有ったね。私も怖かった……。でも、君とこうして友達になれて、私は幸せだよ。ありがとう」
[ピカ……]
私が愛情たっぷりの抱擁を施すと、ピカチュウも嬉しそうに抱き返してくれる。
それにしても……何だかお腹の辺りに硬い物が当たっている様な……。
一体何だろうと思い確認してみた所……私は絶句した。
「ピカチュウ……! 君、ソレって……!」
何と言う事だろう。
ピカチュウの股間部分から、小柄な体躯には不相応な棒状の部位が伸びていた。
若しも人間と同じならば……それはペニスだった。
(ど、如何して? さっき迄、こんな物は生えていなかった筈……)
尻尾の形からも判別出来る通り、私のピカチュウは男の子だ。
故に、ペニスが生えているのは或る意味では当然なのだけど、先程迄は確かに無かった筈だ。
(一体、何処から……あっ!)
そこで私は、或る話を思い出した。
うんと小さい頃に読んだ、本に書いてあった話を――。
人間の様に性器が常に体外に出ている生き物は、どちらかと言えば非常に珍しい例なのだと言う。
通常、ポケモンを含めた多くの動物は性器を体内に収納しているのが一般的なのだ。
例えば、亀は頭部よりも大きなペニスを持っているが、交尾の時以外で体外に露出させる事は無い。
ポケモンも一般的に、交尾の時以外は体内に収納しているとの話だ。
「ピカチュウ……君、まさか……!」
[ピィカ……ピィカ……!]
私のお腹にペニスを擦り付けながら、もどかしそうな表情を浮かべるピカチュウを見ていると、彼が何を求めているのか……何と無くだけど分かってしまった。
これは俗に言う所の「吊り橋効果」と呼ばれる物ではなかろうか。
強い不安や恐怖に晒される事に因り、恋愛感情を抱く心理効果だ。
確か、生き物が種として存続する為に獲得した、或る種の生存本能だと聞いた様な気がする。
まさか、人間相手に発情するなんて……そんなの聞いていない。
否、譬え聞いていなかったとしても、目の前の現実が全てを物語っている。
ピカチュウは人間である私と……交尾を望んでいるのだ。
余りの事態に私はギョッとした。
人間とポケモンの交尾なんて聞いた事が無い。
大体、私は未だ10歳だ。そもそも論、そんな行為が可能なのか分からない。
しかし……しかしだ。
切なそうなピカチュウを見ていると、何だか愛おしくなって来た。
(そうだよ。私達はパートナーだもの。それなら、これも愛情表現の1つだよ。今日は凄く頑張ってくれたんだし、これ位なら……)
ちょっぴり怖い気もしたけれど、私はピカチュウの赤い頬を一撫ですると、ニッコリとした笑顔を向ける。
今日は友達になった記念日。だったら――。
「良いよ、ピカチュウ。私が全部受け止めてあげる」
[ピカァ!]
大切な相棒だもの。
私はピカチュウの事を受け入れる覚悟を決めた。
そんな私の覚悟が伝わったのか、ピカチュウは嬉しそうに笑ってくれた。
◇◇◇
一糸纏わぬ姿の儘、私はベッドの上で仰向けで脱力する。
腰にも届く長い髪がシーツの上に広がり、丸で敷き布団の様になっていた。
ピカチュウは軽く開いた股の間に立つと、大きくなったペニスを私のアソコに擦り付ける。
とても切なそうな表情で擦り付ける様は、欲望と理性の狭間で揺れているみたいだ。
本能的には、今直ぐにでも挿入したい。
しかし、若干10歳の私の秘所は、異物を挿入するには余りにも小さい。
更に言えば、ポケモンである自分が人間である私に挿入すると言う行為その物に対して、彼も微かな背徳感を覚えているのだろう。
勿論、私だって怖い。
こんな事、生まれて初めてなのだから。
しかし、相棒1匹すらも満足に受け入れられぬ様では、私の夢は叶う筈も無い。
「ほら、ここだよ。大丈夫だから、おいで。ゆっくりね?」
[ピ、ピカァ……]
私が微笑みながら促すと、ピカチュウは亀頭を入口に宛がい、ゆっくりと腰を前に突き出した。
ヌププププ……。
「うっ! んん~~っ!!」
本当に
小さな体からは想像出来無い程の太さ。
他の部分とは全く質感の異なる硬さ。
そんな異物が、私の狭い内側を抉じ開けながら、ゆっくりと侵入して来る。
「あぅっ! はぁ、はぁ、う~っ!!」
窮屈な肉の壁を掻き分けながら進むピカチュウのペニスは、やがて、行き止まりへとぶつかる。
私の幼い性器は外見も中身も小さいのだ。
あっと言う間に限界迄に挿入されてしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ……これが……限界かな……」
薄らと目を開けて確認すると、ピカチュウは両目を固く閉じ、歯を食い縛っていた。
短い両手を私のお腹に着き、プルプルと足を震わせている。
どうやら、気持ち良くなっているらしい。
私は初めてだったので、ピカチュウに気持ち良くなってもらえるか不安だった為、その顔には或る種の安堵を覚えた。
私はピカチュウの頬に手を伸ばすと、息を整えてから告げた。
「その儘だと辛いでしょ? 私は大丈夫だから、動いて良いよ」
[ピ……カ……!]
私の言葉にピカチュウも薄らと目を開けると、辛うじて頷いて応えてくれた。
◇◇◇
挿入が無事に果たされると、ピカチュウはゆっくりと腰を前後に動かし始める。
ヌチュ、ヌチュ、ヌチュ、ヌチュ……。
「はぁん……うぅん……ん~っ……あっ……」
私の膣内をピカチュウのペニスが出入りする。
亀頭の出っ張り部分が壁を擦り上げる度に、自然と声が漏れてしまう。
何だか……気持ち良いなぁ……。
ペニスを最初に見た時、あんな物を挿入されたら痛いと思っていたから、これは意外だ。
頭がフワフワして来て、愛おしい気持ちが全身に広がって行く。
ピカチュウの方はと言えば、先程の切なそうな表情から一転、蕩けた顔になっている。
腰を前後に揺する度、可愛い鳴き声を小さく漏らし、私との交尾に酔い痴れている。
ヌチュ、ヌチュ、ヌチュ、ヌチュ……。
「上手、上手、あぁっ……ピカチュウ、上手だよ……」
堪らなく愛おしくなった私は、ピカチュウのピンッと立った尻尾に手を伸ばし、先端から根元に向けて撫でて行く。
すると――。
[ピキャァ――!!]
「あぐぅはぁっ!!」
ピカチュウが甲高い声を漏らすと同時に、私も悲鳴を上げる。
私が尻尾を撫でた瞬間、ピカチュウが背筋を反らした。
その際、膣内に微弱な電気が走り、私は少し感電してしまった。
そうだった、忘れていた。
ピカチュウは電気タイプのポケモンだ。何かの拍子に電気が漏れ出てしまう場合も有る。
況してや、今は交尾中。普段なら如何と言う事では無い刺激でも、大きな刺激に感じてしまうのだろう。
交尾中の尻尾は、普段よりも随分と敏感になっているらしい。
ピカチュウは暫し硬直した後、短い両手で私の胴体を掴むと、先程とは異なる激しい腰遣いを繰り出す。
パンッ! パンッ! パンッ! パンッ!
「あぅっ! あぁっ! ピカチュ、あんっ! これは、あぁ~んっ!!」
如何やら、先程の尻尾撫でが相当に利いたらしい。
ピカチュウは目を固く瞑り、激しく腰を動かしている。
経験が無い私でも分かる。彼は最早、我慢が出来ぬのだろう。
パンッ! パンッ! パンッ! パンッ!
「あぁんっ! ピカチュウ、気持ち、きゃんっ! 気持ち良い?! 気持ち良いのね?!」
私が呼び掛けると、ピカチュウは返事こそせぬものの、首を激しく縦に振る。
そうか……そんなに気持ち良いのか。
何だか、友達として嬉しいな。だったら、この勢いの儘、最後迄行きたいな。
パンッ! パンッ! パンッ! パンッ!
「あぅっ! 良いよ、ピカ、きゃんっ! ピカチュウ、良いよ、あぁんっ! この儘、この儘っ……!!」
私の呼び掛けに応える様に、ピカチュウが一層激しく腰を動かす。
そして、彼は限界に達すると、ペニスを最も深く突き刺し、小さな体を「ブルブルッ!」と震わせた。
すると――。
[ピキャァァァッ!!!]
ピュルピュルッ!! ピュルルルッ!!
「んにゃぁっ!! あ、熱いよぉっ!!」
私の内側に、熱湯の様な物が注ぎ込まれる感触を覚える。
これは恐らく、交尾の果てに雄個体が生み出す「精液」と呼ばれる液体。
詰まりは、「射精」と呼ばれる現象だ。
そして、射精の直後――。
ピリピリッ!! ピリピリピリッ!!
「ふぎゃぁっ!! んぎゃぁっ!!」
精液と共に電気も溢れ出てしまい、私は又しても感電してしまった。
膣内に受ける精液と電気のダブルパンチ。
情けない事に、私は一瞬、気絶してしまった……。
◇◇◇
一瞬、視界が白けてしまった私だけど、気合で踏み留まる。
直後、お腹に「コテン」と何かが崩れ落ちたので、私は半身を起こした。
「ピカチュウ?! ピカチュウ、大丈夫?!」
私が声を掛けた時には……ピカチュウは既に眠っていた。
あれ程のサイズを誇っていたペニスは、もう見当たらない。
屹度、射精を果たして満足した為、元通り体内に収納されたのだろう。
私は小さな黄色い体をギュッと抱き締めると、愛おしさの余り頬擦りする。
「お疲れ様、ピカチュウ。本当に良く頑張ったね」
私は労わりの声を掛けてから、相棒をモンスターボールに戻した。
それにしても……今日は私も疲れちゃったな。
私はタオル片手に再度、共同浴場に向かうと、汗や諸々の液体で塗れた身体を洗った。
髪も再度洗って鏡に向かうと、自身の頬を「バチンッ!」と叩いて気合を込める。
今日は色々な事が有ったけど、手持ちのポケモンは3匹。
初日にしては上々だと思いたい結果だった。
「良~し……明日も頑張るぞっ!!」
私は拳を握り締めて立ち上がると、窓から見える月に向けて右手を突き出した。
結構様になっている姿だと思ったけれど、今の自分が裸である事をすっかり忘れていた。
他のトレーナーさん達が利用していない時間で本当に良かった……。