※この作品はR-18です。

まやかしの終わり 一部 二人の水輝   作:伊駒辰葉

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エピタイは作者のもの!
エロシーンはありません。


もぎたてピチピチ! バトル! 1

 どよめきの中に佑は仁王立ちになっていた。机の上に急に現れた佑の姿にあちこちで悲鳴が上がる。広々としたオフィスの中で佑はぎらりと周囲を見回した。

 

 スーツを身に着けた女性達がフロアには大勢居る。だがこの中に目標の祐はいない。そのことを確認してから佑はひらりと机から飛び降りた。

 

「何よここ。女ばっかり」

 

 佑を遠巻きにして震えているのは若い女性達ばかりだった。しかも何故かよく判らないが容姿の整ったものばかりだ。佑は訝りを覚えつつもフロアを横切った。佑が進む方向にいる女性達が慌てたように道を開ける。

 

 祐の気配を追って転移したまではよかった。だが佑は思っていた以上に空間を抜けるのに手間取ってしまった。どうやらあの屋敷から外に出るためにかなりの時間を要してしまったようだ。

 

「祐さん。いったいどうなされたのですか?」

 

 ふと、女性達をかき分けて一人の女性が現れる。オフィススーツに身を固めたその女性を見やってから佑は眉を寄せた。優一郎の記憶の中で見た覚えのある女だ。確か名前は道代というのではないだろうか。そんなことを思っていた佑の前に道代が歩み出る。

 

「な、なんでもないの。ちょっと失敗してしまって。ごめんなさい」

 

 険しい顔をしている道代にそう言って佑は歩き出した。遠巻きにしている人々の間を抜けてフロアを出ようとする。だがそんな佑の後を道代が足早についてくる。

 

「失礼いたしました。あなたは祐さんでは無く、佑さんですね?」

 

 小声で言われて佑は驚きに振り返った。道代はさっきまでとは打って変わって微笑みを浮かべている。しかもはっきりと佑の名前を呼んだ。そのことに驚愕して佑はじっと道代を見つめた。

 

 二人を遠巻きにした女性達が恐る恐るの態でフロアの奥に寄っていく。自分を避けているらしい彼女たちを眺めてから、佑は目の前の道代に目を戻した。

 

「あなた、人形?」

 

 まじまじと道代を見つめて佑はそう告げた。

 

「はい。その通りです」

 

 道代が微笑みを崩さずにさらりと答える。優一郎の記憶からすれば、この道代というヒューマノイドは吉良瀬トータルソリューションという会社を事実上取り仕切っている筈だ。どうやらここはその会社のフロアらしい。

 

 だとすると、ここにいる女性達はみなヒューマノイドなのだろう。佑の発言や道代の返事に驚いた風はない。

 

「本日は、どのようなご用件でしょうか?」

 

 あくまでも営業用の微笑を崩さずに道代が告げる。佑は道代を真っ直ぐに見つめた。この人形達に用はない。用があるのはこのビルのどこかにいるだろう金龍神だ。逃げ出した金龍神の渚を捕まえ、水輝の元に持ち帰るのだ。そうすれば水輝は食べ残した渚を食うことが出来る。

 

「あなたに話す必要はないわ」

 

 すげなく言って佑は踵を返した。フロアを出てエレベーターホールに向かおうとした佑の背後に道代が足早に寄る。

 

「申し訳ありませんが、本日、社長の池田は外出しておりまして……」

 

 それを聞いた佑はぴたりと足を止めた。どうして道代は佑が渚を狙っていると気付いたのだろう。池田というのは渚の姓だ。

 

 池田渚。かつて水輝の姉として生きていた渚は、今は金龍神として存在している。そのことを思い出しながら佑はゆらりと道代を振り返った。

 

「どうして、わたしが渚さんに用があるってわかったの?」

 

 そう言いながら佑は道代を睨みつけた。彼女たち機械人形は龍神のような人智を越えた特異な力がある訳ではない。だが、機械だからこそ出来ることもある。恐らく道代はこうして佑と対している間にも、通信機能を用いて誰かと話しているのだ。

 

「あの、吉良瀬の当主である佑さまが、わざわざこちらに出向かれてお会いになられる方は限られていると私なりに予測しただけです」

 

 困惑の面持ちで道代が言う。確かに道代の言うことには一理ある。佑はしばし道代を見つめてからちらりとエレベーターのある方を見た。廊下に人気はない。

 

「だから、あなたごとき人形と話している暇は無いの! 渚さんは居ないけど祐は居るんでしょう? 教えなさい。祐はどこ?」

 

 佑は鋭い目で道代を睨みながら一歩迫った。

 

「祐さんも、外出しておられます」

 

 道代はそう言ってにっこりと笑った。佑はそれを聞いて目を吊り上げた。自分は祐の気配を追って跳んだのだ。場所を間違えているとは思えない。立城に頼んだとは言え、一刻も早く渚を捕獲して帰らなければ水輝のことが心配だ。

 

「嘘をついていても、すぐわかるわよ!」

 

 そう言って佑は力を使って探った。だが道代はどうやら嘘を吐いている訳ではないらしい。佑は訝りに眉を寄せ、探索の力を納めた。




ここではまだもぎってないですねw
佑は水輝を害されたことにガチ切れ中です。
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