そもそも機械ですし……。
「優くんから、レクチャーするように指示を受けていたのに、遅れてごめんなさい。抱き上げるわよ」
そう言って斎姫が多輝の身体を抱え上げる。多輝はされるがままに斎姫に抱かれ、奥のメンテナンス台に運ばれた。多輝はぐしぐしと鼻を啜りながら腿を開き、両足を足掛けにかけた。斎姫が台の前にある机について椅子ごと振り返る。
「うう、誰もいないとこでしろって言われたのに、言われたのに」
泣きじゃくりながら多輝は股間を弄った。多輝の陰部や腿、ふくらはぎまでが愛液にぐっしょりと濡れている。
「緊急事態で無ければでしょ? わたしだって、基本的には同じ命令を受けているわ」
そう言って斎姫が多輝の股間を覗きこむ。多輝は羞恥に真っ赤に顔を染めて声を上げて泣いた。
「おれのカップ麺ー!」
食欲と性欲がごっちゃになって、多輝は必死で股間をかきむしった。
「機体なんだから、本来は食事は必要無いのよ。調整してあげるから、待ってね」
「やだあ! のびるー!」
子供のように泣きじゃくって多輝はぶんぶんと首を横に振った。すると斎姫が困ったような顔をして頭を起こす。斎姫はメンテナンス台についているスイッチを操作した。すると台の下からプログラム用のスティックをつかんだ金属製のアームが伸びて来る。多輝は股間に触れたスティックの冷ややかさに身震いした。濡れそぼった多輝の膣内にスティックが埋まっていく。多輝はその感触に思わず仰け反った。焦れ切っていた膣壁がうねってスティックを咥え込む。
あられのない声を上げた多輝を置いて斎姫が席を立つ。部屋の中を見回した斎姫はポットの前に放られていたカップ入りの麺とプラスチックのフォークを手に多輝の前に戻った。
「多輝くん、持ってきたわよ」
そう言いながら斎姫がカップとフォークを差し出す。多輝は夢中で頷いてそれを受け取った。カップの蓋を慌ただしく開けて出来たラーメンを啜る。泣きながらラーメンを食べる多輝に背を向け、斎姫が端末を操作する。そうしている内に多輝の気分は少し落ち着いた。
「んまい」
ぐしぐしと鼻を啜りながら多輝はラーメンを啜った。
「機械的にプログラムも変更できるのね。快感で食欲が解消できるように設定しておくから、これからは大丈夫よ」
それを聞いた多輝ははたと手を止めた。咥えていた麺を慌てて啜りこんで飲み込む。
「そっ、それじゃ、苺は!? 苺は食えるのか!?」
切羽詰った顔で訊ねた多輝を見つめ、斎姫が何度か瞬きをする。
「そこ! そこが重要だぞ!? 食欲なくなったら苺食えなくなるんじゃないのか!?」
ラーメンのカップをつかんで多輝は必死の面持ちで問い掛けた。
「優くんが起きたら、また変更してもらえばいいでしょう?」
椅子ごと振り返った斎姫が子供に言い聞かせるようにゆっくりとした口調で言う。それを聞いた多輝はしばし天井を見上げて考えてから判ったと頷いた。斎姫がメンテナンス台の下からタオルを出して赤いものと涙に塗れて汚れた多輝の顔を優しく拭く。多輝は残っていたラーメンを鼻を啜りながら食べた。
「それじゃあ、正面のディスプレーに優くんの姿を映すわよ?」
スープまできっちり飲み干したカップを多輝が渡した後、斎姫が言う。多輝はうん、と頷いて天井にあるディスプレイを見上げた。斜めに傾いたメンテナンス台に横たわったままで楽に観られるよう、ディスプレイにも角度がつけてある。
「左右のディスプレーにグラフを、下のディスプレーに、あなたの股間を映すわよ」
「おれの?」
多輝は不思議に思ってそう訊き返した。すると斎姫が端末を片手で操作しながら頷く。優一郎や由梨佳の股間ならともかく、自分のを見て面白いものなのだろうか。そんなことを考えながら多輝は首を傾げた。
「このメンテナンス台には自慰補助機能があるの。基本的に、優君が起きるまで、このメンテナンス台から離れる必要はないわ」
「あ、じゃあ手ぶらでいいのかな」
多輝はそう言いながら何となく自分の両手を見つめた。その手をそっと乳房にあてがう。少しは気分も落ち着いてはいるが、乳首はやっぱり勃起したままだ。多輝は両手に軽く乳房を握ってみた。
「それじゃあ、精神安定プログラムを止めるわよ」
斎姫がにっこりと笑って言う。多輝は慌てて待ったをかけた。キーボードに手を乗せた斎姫が不思議そうに多輝を見る。
「悪いんだけどさ。由梨佳のこと、頼むよ。ほんとは修理した方がいいんだろうけど、おれがこんなじゃどうしようもないし」
そう言って多輝は沈んだ顔をした。本当は男に戻った方がいいのだろうとは思う。だが、優一郎の許可なく性別を変更することは出来ない。そう約束したのだ。
「だから、せめておれのベッドに寝かせてやってくんないか」
「わかったわ」
斎姫が頷いた直後、多輝の膣からプログラム用のスティックが抜ける。その瞬間、多輝は悲鳴を上げて仰け反った。それまで落ち着いていた情欲が一気に増す。多輝は正面のディスプレイに映し出された優一郎をうっとりと見つめ、自分の乳房を揉みしだきはじめた。そんな多輝に笑みかけて静かに斎姫がその場を離れる。だが、情欲に囚われた多輝の目には斎姫の姿は映っていなかった。
まあ……多輝はイチゴですから……w