※この作品はR-18です。

まやかしの終わり 一部 二人の水輝   作:伊駒辰葉

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ひとつ前と同じくエロシーンがありますが!
BLとか百合とかftnrとか! 色々警報です!
人外なので仕方ないです!(ぉぃ


夢の正体と佑 2

「あそこ……なに?」

 

 そう言って佑が前を指差す。順は佑の指差した方を見て笑った。

 

「アソコはねー。特別みたいよ?」

 

 最初から順はそこに向かっていた。だがそれを言わずに順は歩き続けた。佑が指差した場所にだけ、龍神の姿が余りない。そこだけ龍神が少ないのだ。

 

 徐々にその場所が近づいてくる。その中心に居るのは力のある一人の龍神だ。周囲を取り巻いているのはその龍神の側近たち、そして彼女に悦楽を与える男娼の役を持つ幼い龍神たちだ。

 

「何? あの女? 偉そうにして」

 

 顔をしかめて佑が呟く。順は苦笑して輪の中心にいる彼女に顎をしゃくった。

 

「よくご覧よ、顔を」

 

 順が促すと佑がじっとそちらを睨むように見る。無意識にだろう。佑の歩く速度が上がる。順は苦笑しつつ、足早に進む佑について歩いた。

 

「顔? あっ」

 

 はっと目を見張った佑が真剣な表情になる。順は苦笑を浮かべて肩を竦めた。

 

「水輝ちゃんによーく似てるっしょ?」

 

 へらへらとだらしなく笑って順は彼女を取り囲む龍神たちの輪を越えた。りん、と彼女が小さな鈴を鳴らすと、取り巻きがしずしずと近づいて彼女の身体に香油を塗り始める。

 

 佑は黙って真剣な顔で彼女を見つめている。順は彼女の真正面に立ち、煙草をくゆらせた。ちらりと肩越しに佑を見返る。佑は彼女から少し離れた場所で足を止めている。

 

 順は視線をずらして男娼の役を務める幼い龍神たちを見た。その中に見知った顔を見つけて目を細める。

 

「し、す、い、さ、ま」

 

 佑が小声で言う。どうやら取り巻きの誰かの唇の動きを読んだらしい。そう、と笑って順は振り返った。

 

「そ。この、ナニが生えててアソコもついてる彼女が紫翠。最初のりゅーじんだね」

 

 そう言って順は振り返りざまに足を蹴り上げた。だが打ち出した順の膝は空しく紫翠の身体を突き抜ける。順はくるりとその場で回転してから少し紫翠から離れた。香油を塗った龍神たちがしずしずと紫翠から離れる。その後、紫翠は幼い龍神たちに微笑みを浮かべて手招きをした。

 

「何するのよ!」

「なーんでキミが怒んのさ?」

 

 声を張った佑を見つめて順は薄く笑った。おずおずと紫翠に近づいた幼い龍神のうちの一人を紫翠が呼ぶ。すると緋色の髪をした少年がぱっと顔を輝かせて紫翠に寄った。緋色の少年が微笑みを浮かべた紫翠の胸を壊れ物のように大切に触れる。そんな少年の頭を紫翠が優しく撫でる。

 

「そ、それは、水輝さんに、に、似てるから」

 

 そう言ってから佑はすぐに真剣な表情に戻って紫翠を見つめ始めた。順は紫翠の傍にぼんやりと立ち、彼女の身体を弄る少年を見下ろした。続いて幼い龍神がまた呼ばれ、緋色の少年が愛撫している方とは反対側の乳房を撫で始める。紫翠の両脇に少年が次々に群れ、紫翠の肌に手や舌を這わせて熱心に愛撫する。

 

 最後に残っていた少年を紫翠がうっとりとした面持ちで見つめてその名を呼ぶ。美しい醒めるような藍色の髪をした少年は恥ずかしそうに俯いている。

 

「み、ず、き」

 

 佑が呟く。順は微かに嗤いを浮かべて交わる彼らを見つめた。優しく呼ばれた少年がぱっと顔を上げる。藍色の少年は紫翠の一番大切な部分、腿の間に近づいて屹立したペニスと濡れた女性器を愛撫し始めた。すると紫翠に群がっていた他の幼い龍神たちが羨望の眼差しで藍色の少年を見つめる。

 

「よーく見てご覧よ。このコの顔」

 

 順が促すと佑が黙って紫翠に近づく。ペニスと女性器に愛撫をする藍色の少年の顔を見つめた佑が目を細める。佑は順の言葉を聞いているのかいないのか、鋭い射るような視線を藍色の少年に向けている。

 

 藍色の少年の顔立ちは立城にそっくりだ。順は煙草を指に挟んで煙を天に向かって吐いた。

 

「彼らはやがて一人ずつ姿を消す。最初は白」

 

 そう言って順は紫翠の足元に跪く幼い龍神を指差した。その指をずらして今度は反対側に居る龍神を指差す。

 

「黒」

 

 そう告げて順はゆらりと指を動かした。快楽に顔を緩めた紫翠の腕を撫でている少年を指差す。

 

「金」

 

 それから順は指をずらし、紫翠の胸を愛撫する少年を指差した。

 

「緋」

 

 そして順は最後に紫翠の股間に座る藍色の少年を指差した。

 

「青」

 

 周囲で交わる無数の龍神たちは、紫翠に纏わりついている幼い龍神たちを護るために世界に送られる。順は手を下ろして佑を見やった。

 

「なるほど、そういう事だったのね」

 

 納得顔で佑がうんうんと頷く。それから佑は順ににっこりと微笑んでみせた。順は肩を竦めて煙草を挟んだ指で口許を撫でた。

 

「ま、キミが何を納得したのか知らないけど」

 

 元気になるのはイイコトなのかな。独り言のように順は呟いた。

 

「茜さん」

 

 佑が順に近づき、背伸びをする。頬に掠めるようなキスをされた順は何度か瞬きをした。佑が唇で触れた場所を何となく撫でてみる。

 

「なに? もしかしてムラムラきちゃった?」

 

 へらへらと笑いながら順はふざけて言った。

 

「どうせ消えちゃう力なんだから、使わなければもったいないでしょ?」

 

 そう言って佑がにっこりと笑う。そっすか、と苦笑して順は肩を竦めた。恐らく佑は内側から傷ついた順を癒してくれたのだろう。夢の中にいる順には自分の身体の状態は判らない。だがきっとそういうことなのだと理解して順は佑に笑いかけた。

 

 やがて一人、また一人と龍神がその場から姿を消す。最後にその場には紫翠と水輝と呼ばれる少年だけが残った。紫翠が水輝の頬を包むと、水輝の身体が瞬く間に成長する。

 

「何だかさあ。ちょっとやっぱ」

 

 傍に佑がいるということも忘れ、順は二人をじっと見つめた。青年の姿になった水輝が紫翠に誘われるままに圧し掛かる。だが順の目には水輝が立城に犯されているようにしか見えない。

 

「むかつくよね」

 

 ぼそりと呟いて順は地面に煙草を吐き捨てた。地面に触れた瞬間に煙草が姿を消す。

 

「ううん。わたしは感謝してるわ」

 

 佑がにっこりと笑う。順は佑を横目に見てからため息を吐いた。

 

「何でよ? だってキミ、水輝ちゃんにばっさり殺されたんしょ? どーして感謝なんて」

 

 そこまで言って順は口をつぐんだ。

 

「ほら、世の中、感情的になったほうが負けって言うじゃない?」

「そんな格言、あったっけ?」

 

 低い声で言ってから順は俯いた。交わっている二人はこれから互いの力を混ぜ始める。膨大な力がその場に生まれ、幾つもの世界が形成される。時の流れが不規則に揺れ、やがて紫翠であったモノが青龍王に、水輝と呼ばれていたモノが紫翠龍へと変わる。

 

 飽きる事なく夜毎に紡がれる夢の中で何度となく繰り返された光景を思い浮かべ、順は険しい表情をした。




佑は踏ん切りがついたぽいですね。
順は怒ってる感じですけども!w
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