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小鳥の囀りが聞こえる。間近に聞こえた愛らしい小鳥の声に透はぱちりと目を開けた。慌てて身を起こして周囲を見回そうとして絶句する。いつの間にか透の傍には懐かしい総一郎の姿があった。倒れた透の耳元で鳥の囀る声の出る笛を吹いていたらしい。
「うむ。目を覚ましたようだな」
「パパ!」
透は腕を伸ばして総一郎に抱きついた。ついつい絵美佳だった時の癖で抱きついた透の背を総一郎がぽんぽんと優しく叩く。
そこは総一郎の研究施設の一角だった。巨大な硝子張りの温室のような場所だ。周囲にはあらゆる植物が茂り、本物の小鳥や魚もいる。そんな中に透は部屋ごと移動してきていた。
「あの、ヒューマノイドは、絵美佳の作品か?」
ぴろろろろ、と笛を吹いてから総一郎が言う。総一郎の姿はかつて透が見た時と変わっていない。透は白衣に身を包んだ総一郎を見つめた。
「えっと、ま、そっかも」
そう答えて透は頭をかいた。要は基本的には優一郎の作ったヒューマノイドだが、今の要の機体は透が製作したものだ。その説明を省いて頷いた透に総一郎が頷き返す。
「なかなか良く出来ている。ただ!」
そこで総一郎が笛を握って力む。透は内心びくびくしながら総一郎の言葉を待った。
「あのバストミサイルはいかん! 確かに、バスト全体を飛ばすのは難しい。ペンシルサイズの小型ミサイルを大量に収容しようというコンセプトもわかる。しかし、バスト全体を飛ばさなければ真のバストミサイルであると認めることはできん!」
その場に立ち上がって力説する総一郎を透は驚きの目で見た。
「ご、ごめんなさい」
しょんぼりとした顔で透は詫びた。限られた時間で作ろうとしていたため、出来るだけ早く出来る方法を選択してしまったのだ。そんな自分の甘さを透は深く反省した。
「いや、気を落す必要は無い。真のバストミサイルは私もまだ実現していないのだ!」
強い口調で言って総一郎が悔しそうにぎりり、と歯を食いしばる。透は伏せていた顔を上げて驚きの目で総一郎を見た。
「割れるバリアを実現するだけで、十年の歳月を要した。絵美佳!」
声を張って総一郎ががしっと透の肩をつかむ。
「真のバストミサイルの開発は絵美佳に任せた。一朝一夕に実現できる事ではないのはわかっている。しかしっ!」
そこで一旦、言葉を切ってから総一郎があらぬところにきらりと光る目を向ける。正しくは部屋の天井と壁の境目辺りか。
「科学の進歩のために、日々の精進を怠らねば、必ず実現できる! 絵美佳、期待しているぞ!」
力いっぱい叫んで総一郎がばんばんと透の肩を叩く。
「任せて! パパ!」
科学の進歩のために。透は目をきらきらとさせて総一郎に頷いてみせた。
吉良家は大体こうなんですよねw
血の繋がりはちょっとアレなのですが、吉良総一郎、吉良絵美佳(木村透)、吉良優一郎の3人では大体通じる言葉です。
あ、このシーンは文字数が1,000ちょっとでギリギリでした(汗)