※この作品はR-18です。

まやかしの終わり 一部 二人の水輝   作:伊駒辰葉

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エピタイ通りです。
女体の多輝は機械なので、始動でいいと思うんですよね。
エロシーンはありません。


マジカルプリンセスいちご、始動! 1

 苺が山積みになった皿を抱えて多輝は上機嫌で部屋に戻った。ベッドの中でまどろんでいた由梨佳に朝の挨拶の口づけをしてから苺を見せる。すると由梨佳は嬉しそうに笑って頷いた。

 

「すげえだろ! 翠がくれたんだ!」

 

 心の底からの笑みを浮かべて多輝は皿を大事にテーブルに乗せた。一つ取り上げてへたを除いてから由梨佳に差し出す。それまで嬉しそうに多輝を見つめていた由梨佳は驚いたような顔になった。

 

「ありがとう、いただくわ」

 

 にっこりと笑って由梨佳が口を開く。多輝はそっと由梨佳の口に苺を入れた。それから今度は自分の口に苺を放り込む。季節外れの筈なのに、翠がくれた苺はやけに美味い。多輝は苺の味の良さを表すために足をばたつかせた。そんな多輝を見ていた由梨佳がぷっ、と吹き出す。

 

「美味い! すげえ美味いよな、この苺!」

 

 これまで色んな苺を食べてきたが、この苺の味は中でも格別だ。多輝はへたをごみ箱に放ってからまた皿から一つ苺を取り上げた。瑞々しい苺は真っ赤に熟れている。

 

「多輝くん。ちょっとごめんなさい。通話が入ったみたい」

 

 微笑みを浮かべていた由梨佳が急にそう告げて毛布の中でごそごそと手を動かす。由梨佳だけではない。ヒューマノイドの機体には大抵、通信機が設えられている。そのスイッチは何故かクリトリスになっているのだ。まあ、優一郎の趣味か。そう呟いて多輝は頭をかいた。

 

「はい、お久しぶりです。……いえ、こちらこそ不義理してしまって。……あっ、はい、多輝くんですね」

 

 そう言いながら由梨佳が毛布を退けて足を開く。機嫌よく苺を口に放りこんでいた多輝は自分を指差してみせた。

 

「多輝くん、斎姫さんから。通話を外部出力するわ」

 

 由梨佳がパジャマの裾をめくって股間を露にする。由梨佳が触れると恥丘部分の窓が開き、携帯電話のような格好になる。多輝は慌てて口の中の苺を飲み下して由梨佳の足元に回った。

 

「おー、斎姫か。どうした?」

 

 もしかしたら清陵高校の地下にある研究施設で何かあったのだろうか。あそこは一応、優一郎が所有していることになっているのだが、今は残念ながら優一郎は不在だ。そんなことを思いつつ、多輝は皿から苺を引き寄せて口に放り込んだ。

 

『急で悪いんだけど、手伝ってもらいたい事があるの。地下研究室のわたしの部屋まで来てもらえないかしら?』

 

 珍しく慌てた調子で斎姫が言う。多輝は苺を飲み込んでから由梨佳と顔を見合わせた。幸い、今日はまだ魔が出たという報告はないからすぐに行くことは出来るだろう。

 

「そりゃ、かまわねえけど……何かあったのか?」

 

 もしかしてヒューマノイドの修復が間に合わないとかだろうか。だが、あそこにはヒューマノイドの機体構造に詳しい者が他にも何人もいた筈だ。それにあそこにいる連中はほぼ全てがヒューマノイドだ。問題があれば内部で処理は可能な筈だ。多輝は考えを巡らせながら眉を寄せた。

 

『イチゴちゃんの、力を借りたいの』

「いっ!? そっちかよ!」

 

 多輝は素っ頓狂な声を上げてがっくりと肩を落とした。なるほど、それなら確かに多輝に電話をかけてくる筈だ。蒼に言わせれば売り出し急上昇中のマジカルプリンセスいちごは次第に認知度が上がってきている。冗談のようなネーミングはしてあるが、実際にマジカルプリンセスいちごに扮した多輝は魔を何体も処理してきているのだ。

 

 情けない気分で多輝は由梨佳を見た。ベッドに横たわった由梨佳の股間に設えられた通信機は、携帯電話と同様に液晶画面がついている。普段は蓋を閉じると人の女性器とほぼ変わらないように見えるのだが、内部のつめを外して窓を開ければこうして手軽に通信することが出来る。難があるとすれば、股間に通信機が設えられているために立って使えないことくらいだろうか。ちなみにヒューマノイド自身がこの通信機を使用する際は、機体内部で音声のやり取りが出来るために場所や体勢は一切関係がない。

 

『朝から本当にごめんなさい。でも緊急で対応して欲しいって優くんの指示だから』

「は? 何だ。優一郎の指示かよ」

 

 一体、何事だ。そう思いながらも多輝は判ったと返事をして通信を切った。由梨佳と目配せをして急いで支度をし始める。多輝は真っ先に右手を自分の胸に突き入れた。痛みを必死で堪えて懸命に手を動かす。何とか目当ての宝珠を探り当てて多輝は強引に性別を変換した。男の多輝の姿が輪郭から溶けるように消え、続いて素っ裸の少女の姿が現れる。

 

「うわ、急ぎすぎた」

 

 どうもまだ服を一緒に出すところまでいくのは難しい。多輝は慌ただしくクロゼットを探って苺模様の下着を身に着けた。先に着替えを終えた由梨佳が多輝の服を引っ張り出す。

 

 不意に聞き覚えのあるメロディが鳴る。多輝はぎくりと肩を竦めて慌てて股間に指を這わせた。クリトリスを指でつまんで決められた回数捻ってから強く押し込む。するとメロディが途切れ、相手の声が聞こえた。

 

『ごめんなさい。直接話せたほうが話が早いから。回線開きっぱなしにするけどいいかしら?』

『いや、構わないけど今からそっちに跳ぶから同じだぞ?』

 

 由梨佳に手伝ってもらって着替えながら多輝は斎姫の声に答えた。ブラウスを慌ただしく着込んだ多輝は続いてキュロットスカートを身に着けた。ファスナーを上げて腰のところのボタンを留める。

 

『由梨佳さんにも聞いてほしいんだけど、こちらについても会話は全て、こっちを通じて行ってほしいの。これは優くんから事前に指示を受けていたことよ』

『は? 要するに傍にいてもわざわざ通信機使えってことか?』

 

 疑問いっぱいの顔をして多輝は斎姫に問い掛けた。別に通信を開きっぱなしにするのは構わない。だがそのことに何か意味があるのだろうか。




多輝が苺大好きなのは以前からですが、もう病気かというくらいになってますw
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