※この作品はR-18です。

まやかしの終わり 一部 二人の水輝   作:伊駒辰葉

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急に色んな話をされてよく判ってない白銀です。
エロシーンは……ないと思います、たぶん。


白銀、いろいろ初体験 3

 佑は静かな声音でゆっくりと語った。話は世界の創生から始まり、黒妖牙の反乱、紫翠討伐、地上の王の復活、天龍神の死、ハンターと呼ばれるものの隆盛、ハンターの長と龍神との争い、そして月龍の登極までの龍神の歴史を聞いているうちに白銀の前の料理はすっかりなくなった。デザートまでを平らげてから白銀はワイングラスを傾けて言った。

 

「ええと……話は……その、判り易かったし、判りましたけど」

 

 佑の話し方が上手かったせいか、白銀の頭には話はスムーズに入っていた。白銀はこめかみを指で押さえて眉を寄せた。

 

「あの、それと俺がどういう関係が?」

 

 そう白銀が訊ねると佑が微かな笑みを浮かべる。

 

「冥界の王の反乱についてはお話しましたよね? 反乱に失敗した冥界の王は天の城に囚われてしまいます」

「はあ。そう聞きましたよね」

 

 白銀の空になったグラスにメイドが静かにワインを注ぐ。酒に慣れない白銀は自分の頬がうっすらと赤くなっていることに気付いていなかった。

 

「ところが、冥界の王は、自分を囚えた天の城の化身である龍神と、契ってしまわれるのです」

 

 くすりと佑が笑みを零す。へえ、と呟いて白銀は少しだけ笑った。

 

「それはまた大胆ですね。囚人が看守とやるみたいなもんですか」

 

 酔った勢いで白銀はそう言ってからはは、と笑った。下品な発言をしたことには白銀自身はまったく気付いていなかった。

 

「お二方の間にはやがて、娘が生まれます。許されない子供であった彼女は幸いなことに龍神としての力をほとんど持っていませんでした。彼女は育美と名付けられ、人として生を歩むこととなります」

 

 くすっと笑いつつ佑が話を続ける。白銀はへえー、と感心の声を漏らした。だがどう聞いても白銀にはまるでお伽噺のようにしか思えなかった。龍神の話もそうだ。自分は龍神だと言われているが、白銀にはその実感は未だにない。もしかしたら記憶をなくしたことがその原因なのかも知れないが、白銀は特にそのことを問題だとは思っていなかった。

 

 グラスを傾けた白銀を笑みを浮かべて佑は見つめている。白銀はワインを飲みながらまじまじと佑を見つめた。佑の着ているニットスーツは上着の下に身につけているシャツの襟ぐりが広い。白銀は無遠慮に佑の胸元に目を落とした。

 

「育美さんは問題無く、人としてそのまま生を終えられると思われていました。ところが、彼女は人の魂と、龍神の魂、双方を一つの身体に宿した子を産んでしまったのです」

「そりゃ大変ですね」

 

 白い佑の胸元を覗き込みながら白銀は感慨のない声で合鎚を打った。ゆらりと視線を上げると薄く形のいい唇が微笑みを刻んでいるのが見える。白銀は佑の唇を見つめて目を細めた。

 

「しかも、その息子は八大の一つに数えられる強大な力を持っていたのです。悲劇が巻き起こされると、誰もが思いました」

「へー。そんな強いんですか」

 

 そう言いながら白銀はグラスを空けた。メイドが寄って来て白銀のグラスをまた満たす。白銀はワインを注いでくれるメイドを見上げてにっこりと笑ってみせた。するとメイドがはにかむような笑みを浮かべてそそくさと離れていく。

 

「八大ってあれでしょ? 龍神の中でもすごく強いみたいな?」

 

 酔って上機嫌に言ってから白銀は佑に笑みかけた。佑がにこやかに微笑んで頷く。

 

「しかし、龍神として目覚めた魂自身の活躍により、悲劇は回避されます。魂は無事に別たれ、育美さんと人の魂のみを宿す事となった息子は無事に人としての生を歩むことができたのです」

「じゃ、よかったじゃないっすか」

 

 あはは、と軽く笑って白銀は佑に頷いてみせた。よくは判らないがきっとみんな幸せに暮らせて良かったのだろう。本当にお伽噺みたいですね、と白銀は笑った。

 

「これはお伽話ではありません。実際に、あなたが成し遂げたことなのですから」

 

 グラスを傾けていた白銀は思わず横を向いて吹き出した。白銀が霧のように飛ばしてしまったワインを、慌てず騒がずメイドたちが掃除する。メイドの一人は白銀にしずしずと寄って口許を恭しくナプキンで拭いた。

 

「ええと、冗談ですよね?」

 

 しばし思考停止してから白銀は佑に恐る恐る訊ねた。

 

「白銀さん。これは、とても真面目なお話です」

 

 真剣な顔で言う佑につられて白銀は慌てて姿勢を正して頷いた。だがどう考えても今の話と自分とが結びつかない。

 

「今、世界は危機に瀕しています」

 

 そう前置きしてから佑は魔について話し始めた。何故、魔がこの世界に現れ始めたか。それは世界に凝った澱みを祓うべき存在が減っているからなのだ。それを聞いた白銀は漸く理解出来る話に出会ってなるほど、と頷いた。魔が生まれた理由については今ひとつ実感がないが、末端の魔そのものは何度も対峙してきたからよく判る。奴らはとにかく見境なく色んなものを貪り食う。特に人の精気が大好物で、それを得るためにならあらゆるものを壊してしまう。そういう連中だ。

 

「白銀さん。世界を救うために、あなたの力をお貸しください!」

「もの凄い所に繋げるね、あんた!」

 

 驚きに思わず白銀は地を出して叫んだ。俺かよ、と呟いて頭を抱える。メイドがワインを注いでくれたグラスをつかみ、白銀は一気に中身を干した。だん、と音を立ててグラスをテーブルに戻す。

 

「ごめんなさい。やっぱり、このようなお話ご迷惑でしたよね?」

 

 しょんぼりとした顔になって佑が呟く。白銀はため息を吐いて傍にいたメイドにおかわり、と声を張り上げた。慌てて飛んできたメイドが注いでくれたワインを一気飲みして白銀は佑に向き直った。

 

「あのですね。迷惑もなにもですね。俺になにが出来るっていうんですか」

 

 そもそも佑が何をさせたいのかも聞いていない。白銀は恐る恐るメイドが注いだワインをまた一気に飲み干した。

 

「あなたがどうしてか、力をほとんど失っていらっしゃることは知っています。わたしはまず、その力を取り戻すお手伝いが出来ないかと考えています」

 

 上目遣いに白銀を見つめて佑が小声で言う。頬杖をついて横目に佑を見ながら白銀は喉の奥で笑った。なみなみと注がれたワインを今度はちびちびと飲みながら白銀はぐるん、と身体の向きを変えて佑を間近に見つめた。佑が真面目な顔をして白銀と向き合う。

 

「俺はー、いまげんざいー」

 

 ろれつの回らない口調で言って白銀はふらつきながら佑の胸元に指を向けた。人差し指で軽く佑の胸元を押さえ、白銀は笑みを浮かべた。

 

「あんたのー、身体のほおがー気になるー」

 

 完全に酔いの回った白銀はそう言って明るく笑って佑の肩をばんばんと叩いた。

 

「良かった……」

 

 ほっとしたようにため息を吐いて佑が微笑む。おりょ、と呟いて白銀はふざけ半分で佑の胸に指を当てた。今度は服越しに乳房に人差し指を押し付ける。だが何故か佑は抵抗しようとしない。はれ、と呟いて白銀は首を傾げた。

 

「龍神の契りは……力の交わりです。契る事によって……白銀さんの力が回復する可能性があると……わたしは考えています」

 

 佑はほんのりと頬を染めて軽く息を弾ませている。白銀はうーん、と首を傾げて考えてからにっこりと笑った。

 

「ちぎりってー、せっくす?」

 

 そう言いながら白銀は片手で大胆に佑の乳房を握った。柔らかいなあ、と感心しながら白銀は佑の乳房を服越しに揉み始めた。

 

「ああっ! はい! そう、ですっ!」

 

 甘い声を混ぜて佑が返事する。白銀はそれを聞いて気をよくしてもう片方の手も佑の乳房に伸ばした。部屋の隅に控えていたメイドたちはいつの間にか姿を消している。だがそのことには気がつかず、白銀は夢中で佑の乳房を揉んだ。

 

「んふっ! 寝室へ……移動しましょう」

 

 そう言って佑が白銀の手首をつかむ。一瞬の浮遊感の後、白銀の視界が弾けて見知らぬ場所に出る。だがそのことには構わず、白銀は佑に圧し掛かった。ベッドの上で弾んだ佑が甘えた声を上げる。

 

「あっ、んっ! 白銀さんっ!」

 

 感じた佑の声を耳にした白銀の背にぞくりとしたものが伝う。白銀はがむしゃらに佑の唇に吸い付いた。乱暴な白銀の口づけに佑が懸命に応えて舌を伸ばす。白銀は昂奮のままに佑の服を引き裂いた。




暗転してすみませんw
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