「やれ」
そう言って水輝は槙花に顎をしゃくった。それまでかたくなにじっとしていた蒼が目を見張って息を飲む。水輝は瞼を半分ほど閉じて蒼を睨みつけた。
「犯せと言ってるんだ。さっさとしろ」
「で、ですが……この少女は」
ここに現れて初めてうろたえつつ蒼が掠れた声で呟く。水輝は軽く両手を開いて肩を竦めた。
「いいじゃないか。どうせ主はさせてくれないんだ。溜まっているものを出すだけだろう?」
水輝は嗤いながら煙草をふかした。蒼が悲愴な顔をしてふらりと歩き出す。槙花の目の前で足を止め、蒼がもの言いたげに振り返る。水輝は舌打ちをして二人に近づいた。槙花がはり付けられた壁にもたれて顎をしゃくる。
「早くしろ。勿体無いだろう」
「何ゆえこのようなことをなさるのですか、水輝様。人の子を食わずとも、水輝様はもう十分に」
急に蒼が訴えかけるような目をして言う。水輝は素知らぬ顔をして煙草をふかしながら早くしろ、と蒼を急かした。仕方なさそうにため息を吐いて蒼が槙花にすみませんと小声で詫びる。それを聞いた水輝はくっ、と喉の奥で嗤った。
「謝る必要はない。どうせその娘はただの餌だ」
「人の子にも生きる命がある。無体に摘んではならないと諭されたのは水輝様ご自身ではありませんか」
懸命な面持ちをして蒼が言葉を継ぐ。水輝は横目に蒼を見やってから腕を組み合わせた。
「それは一体、いつの話だ。化石になってしまっていそうな話だな」
嗤いながら応えて水輝はぐいと槙花の右足を片手で引いた。強引に足を開いた分、槙花の股間がまるで男を待ち侘びているかのようにせり出す。蒼はまた何かを言いかけて口を開き、だが結局は無言で俯いた。タキシードをめくり、腰のベルトを緩めてズボンのファスナーを下ろす。ゆっくりと蒼の陰茎が現れる。この使い魔の陰茎はまるで植物のつるのように自在に伸びるのだ。
唇を引き結んだ蒼が槙花を見つめる。そうしているうちに蒼のペニスの先端部分はぷっくりと張りつめた。真っ赤に膨れた亀頭部分がゆっくりと槙花の陰部に近づいていく。水輝はにやにやと嗤いながらその光景を眺めた。するすると蒼の陰茎が伸びてたわむ。
先端が槙花の血に触れた瞬間、蒼は目を見張って口許を手で覆った。咳き込んだ蒼の口から血が散る。水輝は唇を歪めて苦しそうに呻く蒼を眺めた。口を覆った指の隙間から垂れた血がぱたぱたとじゅうたんに落ちる。水輝はのんびりと壁から背中を離して床にかがみこんだ蒼を蹴った。蒼が呻いて床に転がる。水輝は身を屈めて床にだらしなく伸びたままになっていた蒼の陰茎を握った。
「おっ、おやめください! 水輝様!」
「いいじゃないか。こんなに勃起しているんだ。出したいだろう?」
にやりと蒼に嗤いかけて水輝は握ったペニスを槙花の陰部に押し付けた。喉の奥から呻きを漏らして蒼が床をのたうち回る。だが蒼が苦しめば苦しむほど、陰茎はずるずると伸びて蛇のように床をうねる。
ひきつけのように身体を跳ねさせた蒼が大量の血を吐く。水輝は嗤いを浮かべて床を暴れまわる蒼を眺めながら、右手に握った陰茎をゆっくりと押した。ひらいたばかりの槙花の膣口に濡れた音を立ててペニスの先端が潜り込む。
蒼を苦しめているのは槙花の流した処女血だ。元来、人との交わりは龍神全体の禁忌だった。人の精気が龍神にあまりにも強力に効いてしまうことが、禁忌にされた本当の理由だ。水輝は槙花の前に膝をついて垂れ流れている血に舌を這わせた。ついでに陰茎を舐ると蒼が苦しみの叫びを上げる。
「主の下でおとなしく道化を演じ続けていればいいものを」
せせら笑いながら水輝はペニスに押されてはみ出した槙花の処女血を啜った。床を這い回っていた蒼の陰茎が槙花の足に絡みつく。水輝は舌を伸ばして槙花の陰部を舐めまわしながら陰茎から手を離した。自由になった陰茎は蒼の意志とは裏腹に槙花の膣奥に潜り込んでいく。
「おれに取り入って情報を横流しでもしようと思ったのか? それと引き換えに主に抱かせてくれとでもせがむつもりだったのか?」
そう訊ねながら水輝は抽迭を始めた陰茎を舌で強く舐めた。血を吐きながら蒼が絶叫する。水輝は苦しむ蒼を横目に見て嗤いながら、槙花の膣に出入りするペニスを丹念にしゃぶった。槙花の血に濡れたペニスがびくんと脈打って動きが早くなる。
「お前はお前が思う以上に、今の主の属性に因っているんだ。闇の足元をすくって盗みを働こうなんて、はなから出来る筈がないのさ」
喉の奥で嗤いながら水輝は槙花の流す血を舐め続けた。激しく槙花の膣内を突いていた陰茎の動きが次第に単調になってくる。そろそろ頃合か、と呟いて水輝は立ち上がった。ゆっくりと蒼に歩み寄って足を振る。仰向けに転がされた蒼の目は虚ろになっていて、タキシードは血に塗れている。
「ついでだ。気をやってもらえ。効くぞ」
それまで虚ろな眼差しで天井を見つめていた蒼がぎくりと身体を竦める。水輝は口許についた血を指にすくっては口に運びながら唇を歪めた。左手の指に挟んでいた煙草を唇に戻す。短くなった煙草を深く吸ってから水輝は煙を蒼に向かって吐いた。煙を吐きかけられた蒼が苦しそうに咳き込む。
水輝はゆらりと蒼から離れて槙花の傍に戻った。ぐったりと脱力した槙花の額に手をあてがい、軽い刺激を送る。すると槙花は小さく呻いてのろのろと顔を起こした。だがその目には生気はない。
「水輝、様! お待ちください!」
悲愴な叫びを無視して水輝は槙花の股間に手を伸ばした。単調な動きを繰り返していた陰茎がびくびくとしきりに脈打つ。水輝は煙草を壁に押し付けて火を消し、その手で槙花の胸をつかんだ。びくん、と腰を跳ねさせた槙花が背を反らして恍惚の表情を浮かべる。
やがて力ない間延びした声を漏らして蒼が身体をひくつかせる。陰茎が突き入れられた陰唇の端からとろりとした白いものがはみ出してくる。それを見止めた水輝は槙花のクリトリスを指でつねった。はしたない声を放って槙花がまた失禁する。さっき出たばかりだというのに、どうしてこれだけ出せるのだろう。槙花が大量に放出した尿が蒼の陰茎をちょろちょろと伝い流れる。
絶叫を放って蒼がぴたりと動かなくなる。やがて蒼のペニスは自然に槙花の膣口からずるりと抜け落ちた。槙花の足に絡み付いていた陰茎が力をなくして肌を滑り落ちる。それを見届けてから水輝は舌打ちをした。手を振ると一瞬で汚れが失せる。
水輝が指を鳴らすと壁と天井に打ちつけられた鋲が抜け落ちる。唐突に解放された槙花は床に投げ出された。甘えた声を上げて床に転がった槙花がうっとりした面持ちで自慰を始める。自分の垂れ流した尿に塗れながら自慰をする槙花を水輝は呆れた目で見た。
使用人を呼びつけて二人を片付けさせる。槙花はどうせしばらくはあのままだ。蒼は当分は動くことも出来ないだろう。水輝は一人きりになった部屋でのんびりと身体を伸ばしてソファに横たわった。
蒼、ぶっ倒れましたw