「はい、確かに」
差し出された書類を確認した男は、ざらついた指でペラペラと捲ったあと、音を立てて書類を懐へとしまった。
「これで時子さんと我が社との契約は成立です」
「……ありがとうございます」
小さく頭を下げた時子の表情には、決して感謝など滲んでいなかった。
口元は強張り、眉間には皺が寄ったまま。どう見ても納得して同意したとは言えない表情だった。
「しかしウチのような、なんでもやるAV事務所からデビューしたいだなんて、アンタ相当の好きものだねぇ」
「……っ」
言い返したい衝動が喉まで込み上げたが、唇を噛んで押し殺した。
男――吉岡は、にやけた口元を歪めたまま、まるで時子の全身を舐め回すような目つきで見てくる。
「まぁ、事情があるんだろうが安心して。ウチはそういうの詮索しないからさ。現場で言う通りに股開いてくれればOKだから」
そうしてねっとりとした視線を股座に向けられた時子は、両脚を強く合わせる。
タイトスカート越しにまるでぬるりと舐めるようなその視線に背筋をぞくりとしたものが走った。
それでも、時子はただ黙ってその視線を受け入れるしかなかった。
ここで吉岡の機嫌を損ねれば、契約は破棄され、デビューの話は白紙に戻る。
それは避けねばならない。必ずこの事務所からAV女優としてデビューしなければならない理由が時子にはあっと。
(必ずお救いいたします…お屋形様)
☆
その連絡が来たのは、夕食の支度中のことであった。
任務もなく、五車学園での教員としての仕事を終え、今夜は久しぶりに小太郎の好きな煮物でも作ろうかと、鍋に火をかけた矢先。
スマートフォンの通知音が鳴り、届いた一通のメール。
見覚えのないアドレスから送られてきた画像ファイル。
開封した瞬間、小さく息を呑んだ。
画像には、無残に嬲られた小太郎が椅子に拘束され、項垂れていた。
両腕は縛られ、顔のあちこちに殴られた痕がある。
そして数秒後、もう一通届いたメールに添付されていた動画ファイル。
ぶん、と腕を振るう音がして、画面の中の小太郎の頬に無骨な拳がめり揉む。
小さく呻く小太郎の髪を掴み上げると、今度は何度も平手を叩き込む。
『ふうま小太郎は預かった。彼を無事に返してほしければ、こちらの指示に従うように』
三度届いたメール書かれていたのはたったそれだけだった。
だが、それだけで十分すぎた。
『わかりました。指示に従います』
急いで了承の返信を返す。
小太郎の身柄を抑えられている以上、現状では相手に従い様子を見るしかない。
返信後すぐに送られてきた数通のメール。
そこには、AV事務所『アフプロダクション』の募集要項、報酬の振込口座、撮影契約書のデータが添付されていた。
『この事務所からAV女優としてデビューし、10作品に出演すること』
それが――人質の命と引き換えに突きつけられた条件だった。
「……ふざけたことを!」
怒りに震える声で叫ぶ。だがその声を誰が聞くでもない。
もしここで時子がこの要求を蹴れば、小太郎に何が起こるかは想像に難くない。
殺されてはいない。だが、だからといってこれからもそれが保証されているわけでもない。
(くっ……!)
女としての尊厳を踏みにじるような卑劣な要求に歯噛みする。
だが、今は――抗う術がなかった。
そうして指定された日時に『アフプロダクション』を訪れると、小太郎を連れ去った連中からすでに時子の履歴書が送られていたらしく、受付で名乗るだけでスムーズに通された。
数分ほどの面接を終え、差し出された契約書類に名を書き押印したのが先ほど。
誘拐犯に連絡を取り、せめて小太郎の無事だけでも確認しようと思い立ち上ろうとしたところ、吉岡が口を開いた。
「それじゃあデビュー作なんだけど、いつもお願いしているところがあるから早速行ってみようか」
「…このあとですか?」
「当然!!デビュー作は早い方がいい。撮れる時に撮っとかないと」
笑いながら、吉岡はすでに立ち上がっている。
時子の予定など気にも留めない。吉岡にとって時子はもはや自身の事務所に所属する商品であり、いかに利益を得るか…それしか頭にない様だった。
「い、いえ……その……」
言いかけて、時子は言葉を飲み込む。
ここで反論をすれば、撮影延期どころか契約を解除されてしまうかもしれない。
「やるでしょ?もちろん」
にっこりと笑ったその顔には、もはや悪意すら滲んでいない。
当然のことを告げているだけなのだ。
「……わかりました」
小さく、しかし確かに時子は頷いた。
社長は満足そうにうなずくと、ドアを開ける。
「じゃ、行こっか。今日のスタジオ、車で30分くらいのとこだから」
ドアの向こうには薄暗い廊下が続いていた。
☆
撮影場所だと案内されたのは、都内にある高級マンションだった。
外観は一見して一般的なタワーマンションに見えたが、セキュリティは厳重で、エントランスには複数の監視カメラが設置されている。内部には居住者以外の気配がほとんど感じられず、奇妙な静けさが漂っていた。
吉岡は慣れた手つきでオートロックを解除し、そのままエレベーターへと向かって行く。
無言のまま最上階へと上がっていく時間が、どこか異様に長く感じられた。
「さ、ここだよ」
エレベーターを降り、吉岡が扉を開けた先。
そこには、どこにでもある1LDKのマンションの一室が広がっていた。
白を基調とした壁紙、観葉植物がひとつ、落ち着いた深紅のソファとガラスのローテーブル。リビング奥にはベッドルームと刻まれた扉があり、整えられたカーテンの隙間からは都心の街並みが見えている。
「ここが……?」
「ああ、撮影用のスタジオだよ。完全防音でね。隣にどんな声が聞こえても、誰にも気づかれない」
だからどんなに喘いでも大丈夫だと笑って話すその口ぶりには善意のようなものが含まれていて、要らぬ気遣いと、時子は冷めた視線で吉岡の後を追う。
玄関からダイニングキッチンを抜け、リビングへ進むと、吉岡はソファに荷物を置きながら軽く振り返った。
吉岡に倣ってカバンを置いた時子は室内を軽く見渡す。
(思ったよりも普通ですね……)
時子の持つAV撮影のイメージでは、黒光りした機材や、奇抜な装飾、いかにも“AVの現場”といった空間を想像していた。だが、目の前の空間はむしろ整いすぎていて、逆に現実味が薄かった。
直後、ベッドルームの扉が開き、ひとりの男が姿を現した。
「お疲れ様です吉岡さん。その娘が?」
坊主頭に鋭い目つき、日に焼けた肌に筋肉質な体。
スウェット姿で現れた男は、まるでジム帰りのトレーナーのようだった。
「はい、ウチからデビューするふうま時子です。ほら時子、監督の米田さんだ。挨拶しろ」
「……ふうま時子と申します。よろしくお願いします」
強ばった表情を隠すようにして、時子は丁寧に頭を下げる。
顔を上げて目を合わせようとしたが、男――米田の目線がどこに向いているかは、一瞬でわかった。
「フーン、訳ありな感じ?まぁ良いけど。礼儀正しい娘は好きだよ。それに胸もある……中々の逸材だね、吉岡さん」
笑いながら言うその声に、どこか舌なめずりのような響きが混じる。
まるで、これから料理される肉の質を見極めているかのような眼差し。
時子は自分の胸元を反射的に隠すように腕を組みそうになったが、思いとどまる。
ここで連中の機嫌を損ねるわけにはいかない。
ぐっと我慢し男の視線に身体を晒す。
「それじゃあ軽く化粧を整えてもらったら、撮影始めちゃいましょう」
米田の軽い口調に、時子はわずかに目を伏せて頷く。
いよいよとなると流石の時子でも緊張してしまい、内心で自分を落ち着けようとするが、胸の奥はざわめき続けていた。
小さく息を吐き、気持ちを整えていると、リビング奥のドアからスタッフらしき女性が顔を出した。
「メイクさん、お願い」
「はーい」
小柄な女性が化粧ポーチを片手に近づき、無言で時子の前に立つ。
しばらく顔を眺めた後、手際よく化粧品を取り出し、作業を始めた。
「香って言います。名前は?」
「ふうま時子と申します」
「はは、慣れてないのね。それじゃ、目を瞑って」
女性スタッフ――香のその言葉に、小さく返事をした時子は、言われるまま瞳を閉じて顔を差し出す。
「……綺麗な顔立ちしてるのに、ちょっと硬いわね。リラックスしないと、撮影で変に見えちゃうよ?」
「……すみません」
頬に筆が触れるたび、微細な緊張が肌を走る。
自分の表情がどんどん“撮影用の顔”に仕立てられていくようで、息苦しさすら感じた。
「じゃあ時子さん、準備できたらこっちのソファに座ってくれる?」
米田が指さしたのは、部屋の中央に置かれたソファ。
その正面には、三脚に固定されたビデオカメラと簡易照明。カメラのレンズが無言のまま、時子を捉えていた。
「まずは軽く、インタビューからね。カメラ慣れしてもらうための導入って感じ」
促されるままに、時子は静かにソファへ腰を下ろす。
落ち着いた色味のクッションが、妙に柔らかい。まるで、ここが普通の生活空間であるかのように錯覚させる質感だった。
「……あの、どのくらい喋れば――」
「大丈夫大丈夫、自然体で。緊張してる感じも逆に映えるからさ」
そう言いながら、米田はカメラの裏で軽く笑う。
その声には気遣いというよりも、“どう撮れても絵になる”という無関心さが漂っていた。
と、米田はふと思い出したように付け加える。
「あ、そうだ――職業とか、あんまり突っ込んだことは言わない方がいいかもね聞かないから」
「え……?」
「ほら、“教師”とか名乗っちゃうとさ、本当にバレたとき、仕事できなくなっちゃうでしょ? 一応気を遣ってあげてんのよ、俺たちなりに」
「……わかりました」
おそらく吉岡から聞いたのだろう。自身の情報が知らないところでやり取りされている不愉快さに眉を顰める。
湧き上がる苛立ちに声を震わせないよう、精一杯の平静を保って答える。
録画ランプが赤く点灯し、カメラの前で沈黙が生まれた。
「はい、じゃあ時子さんの撮影前インタビュー、テイクワン、スタート」
その言葉と共に、室内の空気がわずかに変わった。
たった今まで生活の気配を漂わせていたマンションの一室が、“撮影現場”へと姿を変える。
レンズ越しの視線が、じっと自身を見つめている。
数多の男たちの視線に晒されているように感じる。
小太郎を守るために――このカメラの前で、自分は何を晒すことになるのか。
唇が、静かに開いた。
「…ふうま時子です…よろしくお願いします」
「はい、よろしくね~。はは、ちょっと固いね、緊張してる?」
「…はい、あまりこういったことは慣れていなくて…」
「なるほどねぇ。でも、セックスはしたことあるでしょ? まだ20代なんだっけ?」
「……はい」
羞恥に顔を染めるのを期待するようにニタニタと笑う米田に、あくまで淡々と冷静に答える時子。
想定していた反能と違うことに苛立ったのかほんの少し米田の眉がピクリと動くが、時子は気にした様子なくすまし顔で次の質問を待つ。
「…ははは、まだ緊張しているのかな?ほら、肩の力を抜いて…ね?」
「……」
「はは…じゃあ、いくつか質問ね。趣味は? 仕事の合間とか、何してる?」
「料理です。仕事の合間には良く身体を動かしています」
嘘は言っていない。対魔忍として常に鍛錬を怠らず、訓練にいそしんでいる。
だが米田はそれを違う風に取った…あるいは変えられると思ったのか、楽し気に口を開く。
「身体を動かすっていうのは、あれかな?エッチなこととかな?」
「さぁ、ご想像にお任せします」
「じゃあ次――最後にセックスしたのは、いつ?」
「っ……」
あまりにストレートな質問に流石に時子も言葉を詰まらせる。
ようやく見せた時子の羞恥の表情に、調子に乗った米田は追撃をかけてくる。
「え、ダメ? そんな難しい質問じゃないでしょ? 誰ととかは聞かないよ?」
「……一ヶ月くらい、前……です」
「おお~、なるほど。じゃあ、久々で撮影に臨むわけだ。
いいねぇ、空いてた分、きっと感度も上がってると思うよ」
まるで肉の熟成期間でも測るかのような言葉に、喉の奥が引きつる。
「緊張もあるだろうけど――H自体は、嫌いじゃないでしょ?」
「……」
「どう? 正直に答えていいよ。別に、好きって言わなくても、言い方ひとつで十分抜けるから」
「……嫌いでは、ありません」
震えないように、呼吸を整えて答えた。
「うんうん、いいね」
米田は満足そうに頷き、手元のモニターを確認する。
「じゃあ、今日はどんなプレイがあるか知ってる? 台本はもう読んだ?」
「いえ……ここに来てすぐだったので、まだ見せてもらっていません」
「そっかそっか。まぁ、でも心配いらないよ。
今日はね、よくある“デビューもの”だから」
そう言って、米田はソファの背にもたれながら、軽く右手を振った。
「だから、演技とか難しいことは要らない。
時子ちゃんは、素直に気持ちよくなってればいいから」
その言葉は優しげな響きに包まれていたが、実際には命令だった。
感じろ。見せろ。そして、それをカメラに収めさせろ――そういう意味だった。
時子は拳をそっと握る。
指の関節がきしむのを感じながら、ゆっくりと息を吐いた。
「じゃ、インタビューはここまで。
次はちょっとしたイメージカット撮るから、立ってゆっくりターンしてくれる?」
「……はい」
立ち上がった時子に、カメラのレンズがまたじっと向けられる。
言われるがまま、その場で身体をゆっくりと一周回すと、今度は全身を舐めるようにファインダーの中のレンズが上下へと移動するのが分かった。
頭の先から足のつま先まで、身体のすべてが観察され、記録されている――その実感が、背筋を冷たく這い上がっていく。
「いいね~。じゃあ次はソファに座って……そうそう、で、ちょっと前屈みになってくれる? うん、そう。それで手はこんな感じで」
言われるがまま、時子はカメラの前でポーズを取る。
胸を意図的に強調するように、両手を膝の上に添えて前屈みになったその瞬間、背筋を通るように冷たい羞恥が走った。
「香ちゃん、ボタン…3つぐらい外して。上乳晒そう…あとパッケージこれで行くから」
「は~い」
米田の言葉に応じて、先ほどメイクを担当していた女性スタッフが無言で近づいてくる。
そのまま胸元へと伸びてきた指先に、時子は反射的に身体を引きかけた。
だが。
「動くな!!」
怒声が室内に響いた。
「いまの構図に合わせてこっちは動いてんだ。お前が動いたらそれが崩れんだろうが」
米田の目が鋭く光っていた。
先ほどまで笑顔を浮かべていたその顔には、現場監督としての鋭利な圧力が宿っていた。
その迫力に、時子の身体はびくりと震え、反射的にその場で固まる。
「っ……すみ、ません」
時子はすぐに頭を下げ、元の姿勢に戻った。
空気が張り詰めたまま、女性スタッフが無言で作業を再開する。
ごそごそと胸元で手が動き、ボタンが外れる。
一つ、二つと外されるたびに、肌の内側が冷気にさらされていく。
三つ目のボタンが緩むと、シャツの前が大きく開いた。
視線が胸元に集まるのが分かる。
黒の下着に包まれた白い双丘が、照明を受けて浮かび上がるように晒された。
(見られてる……)
呼吸が止まりそうだった。
だが、カメラの前で何かを隠せば、それこそ問題になる。
時子は必死に表情を保ったまま、じっとカメラを見つめるしかなかった。
「よし、太田…カメラもうちょい引け。胸と顔が一緒に入る画角に。照れた表情を取り逃すなよ」
「うっす」
機械的な応答とともに、カメラの三脚が軋んだ音を立てる。
何も言わずにレンズの角度が変えられ、カチ、カチ、と微調整が加えられていく。
もはや誰も、目の前の女性を“人”として扱ってはいなかった。
そこにあるのは、ただ“使える素材”としての時子。
構図、ライティング、肌の映り、そして表情。それらすべてを“抜けるかどうか”の観点で評価され、冷静に、非情に、整えられていく。
「……そのまま、あと3秒キープして」
米田の声に従い、時子は晒されたまま、微動だにせず耐える。
カシャカシャとシャッター音が響き、間近でフラッシュが焚かれた。
白い閃光の中で、時子の瞳がわずかに揺れる。
「OKです。……しかし監督、これデビュー物のパッケージにしては攻め過ぎじゃないですか?」
「馬鹿、これぐらいがいいんだよ。最近のデビュー作は大人し過ぎるんだ。
ピュア感ばっか出して、肝心のエロが薄い。そりゃ若い客に刺さらなくなるっての」
「いやいや、それは流石に偏見でしょ~」
背後から、メイクの香がくすくすと笑う声がした。
きっとこうした会話は、この場では日常の一部なのだろう。
ただ時子が“初めて”であり、“異物”であるだけで。
そして、そんな空気を断ち切るように、再び米田の声が響く。
「よし、じゃあ時子ちゃん。オナニー、やってみようか」
「はい!?」
あまりに唐突な一言に、時子の声が裏返った。
驚きと羞恥が入り混じった声が、スタジオの空気をわずかに震わせる。
つい先ほど顔を合わせたばかりの男たちの前で、自らを慰めろと。
この男は、それを当たり前のように、まるで“お茶でも飲んで”と言うような気軽さで言ってのけたのだ。
もちろん、AV撮影である以上、このあと男優と行為に及ぶことになることは理解している。
それが望まぬ行為であっても、相手に身を任せていれば終わる。
無心に喘ぎ、受け入れていれば、いずれ終わるものだ。
だが――
(自慰行為は、私が自分で…)
羞恥の次元が、まるで違っていた。
誰かにされるのではなく、自らの手で、自らの身体を慰めろと。
「あの、自慰行為は……」
「オナニー」
冷たく、間髪入れずに訂正される。
「っ……オナニーは必要ありません。直ぐにでも本番を……」
その瞬間だった。
「あのねぇ!!」
米田の怒声が、現場を叩き割るように響いた。
「お前、何様のつもりで現場に来てんの? 台本も読んでねぇのに、段取りすっ飛ばして本番行けるわけねぇだろうが!!」
その声に、まるで自身が間違っているかのように感じてしまい時子の背筋が凍りつく。
怒鳴る声に合わせて、音声スタッフがそっとイヤモニのボリュームを下げた。
香も少し距離を取り、静かにメイク用のポーチを閉じる。
どこか、見慣れた光景なのだろう。
そして、怒鳴られる“新人”もまた、よくある出来事なのだと。
「これは“撮影”なんだよ。カメラ回ってんだ。気持ちじゃなくて、順番通り、素材撮らなきゃ作品になんねぇんだよ」
「……」
「オナニーができないなら、もう帰っていいよ。
演技じゃなくていい。ただ、自分の身体を触って、少しでも気持ちよさそうな顔ができりゃ、それで十分なんだよ」
理屈はわかる。
でも、納得なんてできるはずがなかった。
時子は、ゆっくりと唇を結び、深く息を吐いた。
感情を押し殺すように、心の奥で小さく呟く。
(お屋形様を……守るため…仕方ない…)
「……どこでやれば、いいですか」
震えそうになる声を、なんとか押し殺し、そう返した。
その言葉を聞いた米田は、満足げに片眉を上げ、ふっと口角を緩める。
「そのままでいいよ。大丈夫、時子ちゃん可愛いし綺麗なんだから。オナニーだけで抜けたって大好評間違いなしさ!」
怒声を上げていた男とは思えない、妙に優しげな口調。
だがその声は、どこまでも“現場”として冷静だった。
「ソファに座ってちょっと待ってね。カメラ、そっちに回して――太田、正面引きで、こっちは俯瞰気味に。音は仕掛けマイク生かして」
次々と指示が飛び、スタッフたちは何事もなかったようにそれに従って動き出す。
抗うことを諦めた時子は、黙ってソファに腰を下ろす。
三脚に固定されたカメラが2台、そしてカメラマンの男が1台をジンバルに取り付け、正面に立つ。
音響の男は、リモコンを手にマイクの感度を確認していた。
固くなった肩を押し下げるように、時子はカメラから目を逸らした。
その視線の先、いつの間にか傍に来ていた香が、そっとしゃがみ込むようにして彼女に寄り添っていた。
「時子さん、大丈夫? ごめんね~、うちの監督すぐ怒るから」
「……いえ」
かろうじてそう答えたものの、声は硬く、喉はひどく乾いていた。
「でもさ、ああやって真剣に作品作りに向き合ってる姿……カッコいいと思わない?」
香は時子の耳元で囁くように続けた。
「女の最高にエロい瞬間を撮るのに、命かけてる人なの。だから時子さんもさ、監督に任せとけば、絶対最高のデビュー飾れるって。安心して」
その言葉に込められた“優しさ”は、時子にとってはむしろ恐ろしく感じられた。
香は敵ではない。ただ――完全にこの世界の“内側”の人間だった。
そう言いながら、香はポーチの中から小さな黒い器具を取り出し、時子の前に差し出した。
「これ……?」
「ローター。知らない?」
その小さな楕円の物体は、艶めいた黒に光っていた。
「リモコンでぶるぶる震えるやつ。監督に怒鳴られて緊張して濡れない子、結構いるんだよ。だから、私がいつも予備で持ってきてんの」
「……っ」
「必要だったら使って。っていうか……どのみち撮られちゃうんだから、
気持ちよくなれなきゃ、余計に辛いでしょ?」
香の声は相変わらず優しい。
だが、その響きはどこか有無を言わせない、閉じた空間の理を孕んでいた。
「オナニーでちゃんと気持ちよくなって、そのままイけたら――最高じゃん。だから……ね?」
香の口調は相変わらず柔らかく、微笑みながら、手の中のローターを時子に握らせる。
「時子さんがちゃんと気持ちよくなれるように…ね」
そのまま立ち上がろうとした香が、ふと立ち止まり、まるで独り言のように呟いた。
「……それに、ねえ――これに従わないと、小太郎君……命なくなっちゃうよ?」
「っ……!」
時子の身体が一気に硬直する。
反射的に立ち上がり、香の喉元へ手刀を振るおうとした――その瞬間、
「……っ!」
ガシッ。
香が迷いなく、時子の肘を的確に抑え込む。
まるで、最初からそうされることを読んでいたかのような動きだった。
「っ、この……っ、貴様……」
押さえつけられたままの体勢で、時子は信じられないものを見るように香を睨みつけた。
先ほどまで、ただの撮影スタッフと思っていた女の顔が、急に別のものに見える。
周囲の他のスタッフたちにもチラリと視線を向ける。
この状況に気が付いていないのか、相変わらず準備を進めている
警戒の視線を向けている時子に香は、ひるむこともなく、ふわりと笑った。
「あはは、勘違いしないで。あたしだけだよ、知ってるの。小太郎君のこと。他の人たちは何も知らないから。あくまで“いきなり応募してきた人”って扱い」
「……っ」
「だから変なことしてバレたら、監督たちも“厄介な新人”として切っちゃうかもね~。そしたら、どうなると思う?」
小太郎の解放の条件はこのプロダクションに所属し10本の作品に出演すること。ここで問題を起こせばいくら金になりそうであっても切られる可能性はある。
香の笑顔は、あまりにも無邪気だった。
だがその裏に透けて見えるものは、明確な“悪意”だ。
「……わかりました」
時子は視線を逸らすと、そっと自分の膝の上に置かれたローターに目を落とした。
従わなければ、小太郎が死ぬ。
「……準備、します」
「うん、えらいえらい♪」
香はぱん、と軽く手を叩いて笑うと、撮影エリアの外へと戻っていった。
見送る時子の目には、隠し切れない殺気が宿っていた。
だがそれでも、時子は従うしかない。
ここで動けば、小太郎が無事の保証はない。
それだけで時子は香を取り押さえることができなかった。
「それじゃ、時子ちゃん、始めよっか」
米田の言葉に、時子の身体がピクリと反応した。
視線を上げると、彼と目が合う。
ニタリとした嫌な笑み。冷たくも興奮を孕んだ男の視線に、時子はそっと目を逸らす。
観念するようにひとつ息をついた時子は、無言のまま脚を上げてスカートの留め具に指をかけた。
スリット入りのタイトスカートのファスナーを静かに下ろし、腰から滑らせるように脱いでいく。
パサリ。軽い布の落ちる音が床に響く。
続いて、背中に手を回しブラウスに潜り込ませると、ブラのホックを外す。
その瞬間、三脚に据えられたカメラの一台がカチリとピントを合わせ、下着の落ちた瞬間にズームを始めた。
白のブラウスにパンストという、妙に現実味のある姿のまま。
ただその下に、露になった身体が隠れているというだけで、異様な緊張感が場を支配していた。
「……っ」
深くソファに腰掛け、左右の脚をゆっくりと開く。
身を固くするようにして胸と股座に手を添えると、時子は小さく息を吐いた。
「ふぅ……んっ」
自分の指が、自分の身体を撫でていく。
パンスト越しにショーツのクロッチをなぞり上げると、もう一方の手はブラウスの上から大きな乳房を揉みしだいていく。
布地の中で肉がぐにゃりと潰れる感触。
それに合わせて、見守る男たちの視線がいやらしく光り始める。
「いいね……、いつもおまんこ弄りながらおっぱい揉んだりするの?」
米田の言葉に、時子は視線を逸らした。
「…っ…いえ」
「じゃ、いつもはおっぱいだけ?それともおまんこ?」
「んっ…ふぅ…いつもは、おまんこを弄りながら…その…くっ…お尻の穴を…」
「ケツ穴!?時子ちゃん、ケツ穴でオナニーしてるんだ!!」
意外だったのだろう時子の言葉に米田は目を丸くし、そして大笑いした。
「はははっ!そりゃいい!!あんなに恥ずかしがってるくせにケツ穴でオナニーする女なんて初めて見たよ!」
米田の言葉に、時子は羞恥に頬を染めた。
だが、そんな反応を楽しむように、カメラのレンズがじっとその様を見つめていることにも気付いていた。そしてそれが何を期待しているのかも。
(くっ……)
そう思えば思うほどに、身体が熱くなっていくのを感じた。
咄嗟にそらした視線の先、そこに立っていた香が小さく指で丸を作り、その中に曲げた親指を入れ小さく震わせる。
それが何を指示しているのか理解した時子は、ギラリと瞳を輝かせると、吹き出そうになる怒りをぐっと堪え、ソファーに転がっていたローターに手を伸ばした。
一度立ち上がり、パンストを脱ぎ捨てると、カメラにお尻を突き出す様にして、今度はソフーに膝を付く。
ショーツのクロッチを横へとずらし、陰部とケツの谷間を露にすると、一度ローターを口元へと持っていく。
「……れろぉ…ちゅぱ」
口内に溜めた唾液をローターに塗し、それをゆっくりと尻へと持っていく。
「んっ……ふぅ……ふぅぅっ…」
空いた手を肉厚の尻タブに添えて引っ張り、尻穴をよりカメラへと見せつける。
そして、その中心…男たちの視線に晒されてヒクヒクと震える肛門に、ローターの先端を触れさせた。
「もっと高く、見えやすいようにして」
米田の言葉に、一瞬動きを止め…くいっと尻をさらに高々と持ち上げ、より肛門をさらけ出す。
満足したのか小さく「続けて」と米田が呟いたのを合図に、再びローターを触れさせると、座薬挿入のようにつぷりと楕円形のそれが門を押し広げながら沈み込んでいく。
本来排泄のための穴に逆に入ってくる感覚に、不快感と共にほんのりと悦びがこみ上げるのを、時子は感じていた。
「あっ……はぁぁっ……!」
ゆっくりと押し込まれたローターは、やがてその全長を彼女の尻穴へと収めきった。
すっかり挿入されたそれをきゅっきゅっと締め付け、軽く振動させるだけで下半身にじんわりとした快感が広がっていく。
「おお、挿入《はい》ったね時子ちゃん。いつもこうなの?」
「んっ…ふぅぅっ…いえ、いつもは…専用のローターを使って…くっ…出し入れをしています」
「ごめんねぇ、まさかアナニー好きだと思わなくてさ、ローターそれしかないだよねぇ」
香の言葉に現場がどっと沸いた。
時子は目を閉じ、こみ上げてくる羞恥心を堪えながら、ローターをゆっくりと引っ張った。一度閉じた門が内側から押し開けられ、何とも言えない排泄の心地良さが込み上げてくる。
ゆっくりゆっくりと、尻穴からローターが顔を出す。
そして完全に排出される寸前で、時子はまたそれを肛門へと押し込んだ。
「んあぁっ!」
思わず声が漏れる。
ぎゅっと締め付けた直腸の感覚と共に、再び挿入されたそれが今度は先ほどより深くまで押し込まれていくのを感じた。
「はは!いい声出すねぇ」
米田の言葉に、時子はただ黙って耐えていた。
再びローターを引き抜き始め、同時に陰部へと手を伸ばすと、割れ目へと添える。
割れ目はすでに湿り気を帯び始めていて、肉花弁を割り開らくとくちゅりと淫らな音が時子の耳に届いた。
「はぁ……ぁぁ……」
その様を、再びカメラが捉えている。
レンズの向こう側にいる、何百人という視線が自分の痴態を見つめていることを想像するだけで、身体が火照っていく。
(み、見られてる…)
男たちの視線に時子の雌が反応し始め、まだ始めたばかりだというのに、蜜が次々と湧き出始め、つぅぅと指を伝って落ちる。
アナルは出入りする異物をきゅきゅっと締め付け、背筋をぞくぞくとしたものが駆け上がる。
「はぁ……ふぁぁっ」
自然と口から吐息が零れ落ち、ゆらゆらと腰が前後に小さく揺れる。
「いいね…すごくいい。時子ちゃん、気持ちイイかい?」
「はぁぁっ…はい、気持ち…んふぅ…いいです」
昂ぶりのまま、米田の問いかけに答える。
ようやくほぐれだした時子の様子に、スタッフたちにも熱が籠り始める。
「よし、インタビューはここまで。あとは好きなようにオナニーしてみて。映り方とかは今はいいから」
「ふぅぅっ…はい」
米田の言葉をきっかけに、陰部を弄る指が動きを変える。
蜜に塗れてぬるついたそこの中心に中指が向かい、小さく可愛らしい穴にを塞ぐように指の腹が押し付けられる。
「はぁぁっ……あっ、あぁ!」
ほんの少し力を込めただけで、穴へと沈み込んだ指に、時子の背筋がぐっと反った。
そのまま、ゆっくりと指の抽挿を始めると、ぐちゅぐちょと淫らな水音が鳴り響く。
「あっ…ふっ、んんっ」
肉壁がきゅうっと指を締め付け、溢れ出す蜜に白く濁った色が混ざる。
ローターの抜き差しも速度を増して、ケツ穴が徐々に元の形を忘れ、排泄とは違う感覚を覚え始める。
「あっ、あぁっ!はぁ……んっ!あぁあっ!!」
カーペットに飛沫が飛んでシミを作り、ソファには吸収しきれなかった蜜が溜まって水たまりを作っていた。
淫らな雌の香りが室内に広がり、自然と男たちの肉棒が硬さを増していく。
「ぁっ…ぁぁっ、あぁ!んんぅっ!」
やがて小さな断末魔の声を上げて、時子は身体をぶるぶるっと痙攣させて絶頂を迎えた。
ぎゅっと身体全体の筋肉が強張り、それと同時に彼女の尻穴が強く締まる。
「ふっふっふっふっ…っ」
全力で走り抜けたような荒い息をつきながら、弛緩した身体がソファに崩れて落ちる。
衝撃で溜まっていた蜜溜まりがソファから垂れ落ちて、床に置かれたスカートへと滴り落ちた。
「はぁ、はぁ……っ」
絶頂の余韻に浸る時子の姿をカメラが捉えている。
そのレンズに見せつけるようにして、時子はローターを挿入したままの尻穴を自らの指で押し広げた。
「んっ……」
くぱぁ、と開かれた肛門はひくひくと動きながら汁を垂れ流している。
ローターの紐が引かれて、肛門が内側から盛り上がり、黒色のローターが顔を覗かせる。
「ふぅぅっ…っ」
うっとりとした様子で目を細めると、時子はぬちゅりと腸液で濡れたローターを一気に引き抜いた。
「んはぁっ!」
びくんと身体を震わせ、絶頂とは異なる感覚に打ち震える。
ずるんと引き出されたそれは肛門との間に糸を引き、床に置かれたスカートの上へと落ちた。
「はぁ……ぁぁっ」
「よしよし!!いいなっ!!おい、撮ったか!?時子ちゃんがイった瞬間!!」
「ばっちりです、監督」
「OK!!それじゃこのまま本番行くぞ!!」
乱れた髪を整えることもせず、ただ甘い吐息を吐きながらソファに沈む時子をよそに、米田とスタッフたちは興奮した様子で言葉を交わす。
三脚に固定されたカメラが取り外され、機材を持った男たちがベッドルームへと入って行く。
「時子ちゃん、本番だよ」
米田の声に、時子は薄く目を開いた。
イったばかりの気怠い身体を起こし、床へと足を降ろすと、ふらりとふらつき倒れそうになる。
「おっと…危ないよ、時子ちゃん?」
いつの間にか傍にいた香がそれを支えて、耳元に口を寄せると耳障りな声で囁く。
「よかったよ、とっても♪」
そう小さく囁いて笑う香に、時子はただ黙って目を伏せた。
「それじゃ、本番行こうか。ベッドルームでカメラ回すから……時子ちゃん、準備は?」
「……はい」
「よし、じゃあ行こう!」
そう言って米田がスタッフたちを引き連れていくと、時子の傍にいた香がそっとその肩に手を添える。
「めちゃくちゃ淫らに乱れてね?出来が悪いと小太郎君に見せてアドバイス…貰わないと行けなくなるかも?」
「……わかりました」
時子はそれだけ言うと、米田達のあとを追うようにして、ベッドルームへと向かって行った。
☆
「ひゅ~、めっちゃ可愛いじゃないっすか」
ベッドルームで時子を出迎えたのは、ボクサーパンツ姿の若い男。
浅黒い肌に色落ちしている金髪。俗に言うチャラ男といった印象だった。
入室して来た時子に近づくと、無遠慮に髪へと手を伸ばしサラサラと指通りの良い髪を弄ぶ。
「あ、あの」
「彼は大木田くん。時子ちゃんラッキーだよ?彼めちゃくちゃセックス上手くてさ。何人も女優さんセフレにしちゃっててね~。スケジュールも1年は埋まってるんだけど、今回はたまたま前の仕事がバラしになったからって来てくれたんだ」
「へへ、こっちこそラッキーッス。バレた撮影の方の女優…糞ブスだったんで」
米田の言葉に大木田はヘラヘラと笑いながら答える。その手は変わらず時子の髪を弄り、ときおり耳の裏へと指を這わせた。
顔を寄せて首筋から顔にかけて聞かせるように大きく息を吸い匂いを嗅ぐ。
そっと背中に手を回し、優しく抱き寄せ頬へと手を添える。
ここまでくれば時子にも分かった。
ちらりと米田を見れば自身の手にジンバルに乗ったカメラを持ち、じっと時子の反応を伺っている。
「初めての撮影どう?緊張してる?」
「…どうでしょう」
米田から視線を外し、俯き加減に呟いた時子に、ふっと大木田が小さく息を吐くと、髪を弄っていた手を肩に置き、手のラインをなぞる様に撫で降ろす。
「好きな体位とかある?俺は対面座位がめっちゃ好きでさ。愛し合ってんなぁってスッゲ―感じるんだよね。時子ちゃんは?」
「そう…ですね。後背位が…好きですね」
小太郎とのそう多くない行為の思い出。その中で一番気持ちよかった体位を口にする。
日頃見せない雄としての小太郎による荒々しく力強いピストンを、伸し掛かられるように雌犬の姿勢で受け入れるしかない…支配されていることを強く感じることができたあの日の行為。
ほんの少し思い出しただけでも、下腹部が疼き熱くなる。
「そっか、ならあとでシてあげるね?」
そう言って大木田は両手を時子の後ろに回してさらに密着する。
はだけていてもブラウス姿の時子と、ボクサーパンツ以外脱ぎ棄てている大木田。
鍛えているのが分かるその胸板に、時子の柔らかな双丘が押し当てられて形を変える。
「さっき、彼氏のこと思い浮かべたでしょ」
ぼそりと呟いた大木田の言葉に、時子の身体に力が籠る。それを感じ取った大木田は「大丈夫」と時子の背中をポンポンと二度叩くと、顔を正面に持って来て口を開く。
「流石に彼氏持ちの娘を奪う趣味はないよ」
そう言って背中に回した手をお尻へと滑らせる。
ショーツの上からそっと割れ目をなぞり、その柔らかな感触を楽しむようにやわやわと指を動かす。
「時子ちゃん、デビューオナニー…結構盛り上がったんだ…パンツめっちゃ濡れてる」
「そ、それは」
「いいよいいよ。緊張して濡れないと
「そうですか…」
お尻を撫でながら大木田は適当なことを言い、時子はそれに相槌をし、ときには回答を返す。
それが彼なりの場の空気の作り方なのだと気が付いたのは、大木田が息がかかるほどの距離に顔を寄せて来た時だった。
視線と視線が絡み合い、時子は自然と唇を重ねていた。
「…ちゅっ…時子ちゃんの唇…柔らかい……ちゅっ…」
「んんっ…ちゅ…ふぅ、ちゅぱ…ちゅる…」
唇と唇が重なり合うバードキス。湿ったリップ音が幾度も響く。
押し付けるようにして互いの唇を味わって、そっと唇が離れる。
「時子ちゃん、キス好きなんだ?」
「……はい」
大木田の言葉に、時子は素直にそう答えた。
長い睫毛を伏せて頷く時子に、大木田は笑みを浮かべて再び唇を押し付ける。
「ちゅっ……んむ……ちゅぷ……」
少し開いた唇から舌が入り込み、時子の舌に絡みつく。歯茎の裏を舐めるように触られながら舌を絡められていくと、その心地よさに次第に力が抜けて行った。
背に回されていた腕は二の腕やお尻などを軽く撫ぜる程度に愛撫して、それがまた瞳を閉じている時子には心地よさを感じさせる。
「ちゅっ……ちゅぱ、じゅるっ、れろぉ……」
水音に混じりながら何度も行われるキス。唇の隙間から零れる唾液が顎を伝って零れ落ちていくのも気にせず、大木田は時子の口を貪り続けた。
ひとしきり口を堪能し終えると、名残惜しそうに顔を離し時子を見つめる。
その表情は先ほどまでとは打って変わって、どこか雄々しさを感じるものだった。
「……はぁ」
唇が離れて見えた彼の顔に、時子は小さく息を吐いた。
(お館様とのセックスでは、こんなキスはしたことなかったですね)
年若い小太郎では、時子の様な魅力的な雌を前にして紳士的な男の振る舞いを演じる余裕はなく。貪るような口付けを交わすと、早々に勃起した己を時子の蜜壺へと
当時のことを思い出しながら、時子は自らの唇をそっと撫でる。
「どうしたの?」
「いえ……何でもないです」
その仕草に大木田が問いかけると、小さく首を振る。
そして再び近づいてくる顔に時子は目を閉じて受け入れた。
「ちゅっ……ちゅぷ……んむ、れろぉ……くちゃっ……」
(落ち着く…)
舌と舌を絡め交わすキスに、行為の前とは思えない安らぎを感じた時子は、より深く大木田の舌を受け入れる。流し込まれる唾液を啜り、逆に彼の口へと流し込む。
「んふ、ちゅっ……ちゅる……れろぉ……んんっ…ちゅぶ…ぷはぁ」
そうしてどれほどキスを続けていたか、時子には分からなかった。
身体から力が抜け切り、大木田が唇を離した時には、時子の瞳は潤み蕩けたような表情をしていた。
「可愛い。ねぇ、おっぱい…揉んでも良い?」
「は…はい」
「ありがと、じゃあ…ボタン外しみよっか?」
大木田の言葉に、時子は残ったボタンを外していく。
キスで軽い酸欠状態のためか、たった2つのそれを外すのに手間取ってしまう。
ひとつ外れ、ふたつ外れ。
留め具のなくなったブラウスの前が完全に開き、大きな乳房を包む黒いブラジャーが露わになる。
「エロい下着だ…、それも外して?」
もはや言われるがまま。背中へと回した手でブラのホックを外し、ぽろりと落ちると乳房がたゆんと揺れて露わになる。
大きくふっくらとした二つの山。その瑞々しい肌は薄っすらと桜色に色付き、先端の隆起は固く尖ってその存在を主張している。
大木田が下から持ち上げるようにして包み込むと、もにゅもにゅとその感触を楽しむ様に軽く揉み込んでいく。
「すごい……おっきくて、柔らかい……」
そう呟きながら、乳房全体を愛撫するようにしてその感触を愉しむ。
時子が小さく震えていると、やがて彼の手は胸の先端へと伸びていった。
指先が触れ、甘い刺激に声が漏れそうになる。
「んっ」
「乳首立ってるね?感じちゃったんだ?」
「っ……はい」
大木田はにやりと笑みを浮かべると、ゆっくりと指を動かし始めた。円を描くように乳輪を撫で回し、時折先端の突起を指先で弾くようにして嬲る。
固く勃起した乳首は指に翻弄されるように、右に左に小さく揺れて、生まれた甘い痺れが身体全体に染み込むように広がっていく。
「ん……ふぅ」
時子が小さく息を漏らすと、大木田は乳房を愛撫していた手のひとつをそっと下へと降ろしていく。
お腹を撫で、へそのくぼみをなぞり、そして腰骨のあたりをくすぐるように刺激してショーツのクロッチへと手を伸ばす。
「はは、すっげ…新人さんでこんなに濡れての…初めてかも」
「……っ」
「オナニーしたからかな?」
ぐちゅりと粘着いた水音が布の内側から響く。
大木田は指の腹でクロッチを押し込むようにして、その感触を楽しみ、空いた片乳へと顔を寄せて、その先端へと口を寄せる。
「じゅるるるるるるっ」
「んぁぁっ…んんっ」
「ちゅぷっ、れろっ……じゅるっ」
音を立てながら乳輪ごと咥え込み、まるで赤子のように吸い上げていく。
柔らかな胸の感触を味わいながら乳首に歯を立て甘噛みすると、時子の腰が大きく跳ねた。
「んぁっ!」
「気持ちいい?ここ好き?」
一度乳房から口を離すと再び先端へと唇を落とし、舌を出して見せつけるように舐め上げる。そして再び口に含み舌で弄ぶように転がす。
もう片方は手で包み込むようにして揉みしだき、クロッチの布越しに陰部の柔らかな割れ目の肉を指先でこすり続ける。
「はぁぁっ、んぁっ……ふぅぅっ」
「濡れやすいんだね時子ちゃん。もう大洪水だよ」
「あぁっ!」
大木田が指を食い込ませると、ショーツの中から卑猥な水音が響いた。
クロッチ部分はじっとりと濡れていて、黒い布地はその色をさらに濃くしていた。時子の身体が小さく痙攣し、膝立ちの脚が小さく震えると崩れ落ちそうになる。
「おっと……大丈夫?」
それをしっかりと支えた大木田は時子の顔を覗き込むようにして問いかける。
答える余裕もない時子は、ただ小さく首を縦に振るのみで、しかし大木田が手を離せば腰を抜かしてしまうのは明らかだった。
時子の様子に小さく笑った大木田は、「そろそろベッド行こうか」と告げると、時子の肩を抱いて直ぐ近くのベッドへと向かう。
ゆっくりとその淵へと時子を座らせると、自身のボクサーパンツへと手をかけた。
「見て、時子ちゃんのお陰でこんなになっちゃった」
「ぁ……」
時子の目の前に現れたのは、限界まで勃起し先走りで濡れた肉棒だった。
血管の浮いた赤黒いそれは太く大きく、亀頭部分はエラが張りカリ首は大きく張り出していた。
その見た目はまさに雄々しく猛々しく、大木田自身の荒っぽい性格をそのまま表しているかのようだった。
「時子ちゃん……ほら、握ってみて?」
大木田はそういうと時子の手を取り、自身の肉棒へと導いた。
躊躇する指が一本づつ肉竿へと絡み、やがて両手を使ってその幹を包み込む。
「熱い…」
「熱いっしょ?時子ちゃんがめっちゃエロいから……ね、そのまま動かしてみて?」
言われるがまま、ゆっくりと上下に手を動かし始める。
細く白い綺麗な手が、グロテスクな肉棒を大切な何かの様にシコシコと扱き、大木田の口から気持ちよさそうな吐息が漏れ出る。
カリ首の溝を指で擦り、先走りの汁が染み出る鈴口を中心に亀頭を捏ね回す。
「あぁ……いいよ時子ちゃん、気持ちいい」
「ん……ちゅぷ……」
大木田の感じている顔に、時子はそっと顔を肉棒に近づけると、その先端に口付けた。
「っ!時子ちゃん?」
「ちゅっ……れろぉ……」
そのまま亀頭へと舌を這わせる。鈴口から溢れる汁を舐め取りながら、ゆっくりと幹を扱く手も止めない。
「うぁっ……それやば……っ!」
大木田の言葉に気をよくしたか、亀頭舐め止まりだった愛撫は、カリ首の溝へと広がっていき、やがて根元まで降りていく。
肉棒を舌で持ち上げるようにして裏筋を根元から先端へと舐め上げ、幹を扱いていた手は玉袋を優しく揉み込こむ。
「うぅ……すごいね…時子ちゃん。正直舐めてたわ……咥えてみて」
「んっ…はぁぁぁ…はむぅ」
大木田のお願いに、時子は大きく口を開くと、その大きな亀頭を口内へと飲み込み咥える。
「あぁ……あったけぇ」
ここまでの下準備で淫らな炎の灯っていた時子の口内は、熱くぬめり、溢れんばかりの唾液の海に着水した肉棒に、蛇のように舌が絡みついていく。
「じゅるっ、んふぅ……ちゅぷ」
「うぁっ!時子ちゃん……すごっ!」
先程の亀頭舐めとはまた違う、まさに口まんこというにふさわしい時子の口穴に、たまらず大木田は叫ぶと腰を動かしたい衝動をグッとこらえた。
時子の経歴を大木田は知らないが、飛び込みでAV女優の募集に応募して来たという事だけは聞いていた。
どのような理由がありこのような仕事を選んで来たのか興味はないが、あまりはじめで欲望のままに使っては逃げてしまうかもしれない。
せっかくの上物の穴が自分から来たのだから、長く愉しみたい。
その思いから、大木田は大人しく時子に任せ、そのフェラチオを味わうことにする。
「じゅるるるっ」
亀頭からカリ首まで、ずるりと咥えこまれては吸われる。
唇で軽く甘噛みし、舌で丹念に舐め上げていくと、やがて根元まで咥えられる。
「うぁぁ……やべ……」
大木田が思わずそう声を漏らすと、時子はさらに激しく頭を振り始めた。
口内の唾液が肉棒に絡まり、ぐちゅぐちゅと淫らな音を立て、顎を伝って泡立った唾液が垂れ落ちる。
「んっ、ちゅぶ……んぐぅっ」
大きすぎ肉棒に思ったような動きが取れない時子は、ならばと頬を窄めて強く吸い、口内で舌を動かして肉棒を愛撫する。
「はは、これは…凄いな」
あまりにも気持ちの良いフェラチオ奉仕に、ついついこのまま果ててしまいたくなった大木田だが、それを堪えて時子の頭を軽く掴んで引き離す。
「ん……ぷはぁ」
ちゅぽんという音と共に、赤黒くグロテスクな肉棒が姿を見せた。
唾液にまみれてテラテラと光るそれは、一度果てたかのような有様だった。
「気持ちよかったよ時子ちゃん。今度は俺が気持ちよくしてあげるね?」
「……はい」
時子が小さく頷くと、ベッドの真ん中にまで這って移動し、仰向けに横になる。
ショーツをゆっくりと脱ぎ捨てついに剥き出しになった陰部は、照明の光に照らされテラテラと光っていた。
ベッドへと上がった大木田が這いより、時子のしなやかな両足をガシリと掴むと、そのままゆっくりと左右に押し開く。
「まずは正常位からね…時子ちゃん正常位はしたことある?」
「まぁ…それなりには」
「はは、なにそれ…まぁ、もしかしたら彼氏さんはあんまし好きじゃなかったのかもだけど。正常位もちゃんとヤれば気持ちよくなれるから」
「ええ!?時子ちゃん彼氏いるの!?」
大木田の言葉に、米田の驚愕の声が上がる。
ここに来て米田よ撮影スタッフの存在を思い出した時子に、再び羞恥心が湧き上がる。
「監督~、ちょっと静かにしといてよ、マジで」
「いや、彼氏いるならタイトルとか変えようかなって」
「そう言うの良いでしょ。あとでそっちで勝手にやってよ。今日は台本とかなしで時子ちゃんに気持ちよくなってもらうんスから」
呆れ顔でそう米田に告げると、大木田は時子の脚をさらに押し開く。
そして開かれた股間へと肉棒の先端をそっと添えると、ゆっくりと腰を前に押し出していく。
「んんっ…あはぁっ」
ぐっしょりと濡れた暖かな肉沼に、長く巨大な肉杭が呑み込まれて行く。
中に溜まっていた蜜が押し出され、ぶじゅっと下品な音を立ててシーツを汚し、その雄々しい侵入に時子は背を反らして声を漏らす。
(大きいっ!?おまんこのなか…おちんぽでいっぱいになってるぅ!?)
「すっげ……中、トロットロじゃん」
膣内は熱くぬめり、異物を押し返そうと肉襞が絡みつく。しかし抵抗むなしく巨根が捻じ込まれていき、やがて亀頭がコツンと子宮口へ到達する。
「はぁぁっ!あぅ……」
「時子ちゃん、どう?俺のチンポは?」
大木田の問いに時子が「おき…おっきい」と喘ぐように答えれば、彼は満足そうに笑ってゆっくりと腰を引き始めた。
ぐじゅうじゅぶっと音を立てて、大きなエラが時子の膣内をめくり上げて行く。
十分な前戯で敏感になっている膣壁が刮ぎ取られ、時子は「あぁっ!」と声を上げながら背を反らす。
「あっぐぅぅっ!!ふぅぅぅっ…はぁぁっ!?」
苦しいほどの肉棒の圧迫感は、逆を言えば蜜壺をみっちりと満たしてくれるということ。
引き抜かれれば先程まで満たされていた膣穴は、何もなくった空洞になって寂しさを覚え、知らずキュッと逃すまいとするように肉棒への締め付けを強くしてしまう。
強く絡めば絡むほど、その大きなカリ首による抉りもより強く時子を責め立て、その快楽の波に翻弄される。
「あぁっ!はぁんっ!んぐぅっ!」
大木田の肉棒が引き抜かれる度、肉襞はめくり上げられ、カリ首でこそぎ落される。
エラの張った亀頭は膣壁をゴリゴリと抉りながら引きぬかれ、そして再び突き入れられる。
「あ゛ぁっ!はぁっ……ふぅぅんっ!」
「時子ちゃんの中、めっちゃ気持ちいいよ。時子ちゃんも気持ちいい?」
「あっ、あっ…気持ちいい…です」
「そっかぁ、よかったよ。もっと気持ち良くしてあげるね?」
大木田はそう告げると、徐々に腰の動きに変化を付け始める。
時子の膣内から肉棒を引き抜く時はゆっくりとした速度で、突き入れる時は一気に奥まで押し込んで来る。
「はぁんっ!あぁっ!」
膣壁がめくり上げられては押し込まれる感覚はあまりにも強く強烈で、それ故にその快楽に逆らうことはできず、時子はただ喘ぎ声を上げることしか出来ない。
「あぁ……あぁっ!はぁぁんっ!」
次第にピストンの速度が増していき、時子の豊満な乳房がぶるんぶるんと揺れ動く。
その様子を見た米田が時子の顔へとカメラを近づける。
「時子ちゃん気持ちいい?」
「はいぃ、気持ちいですぅっ」
「彼氏と比べてどっちがいい?」
その問いかけに時子は一瞬動きを止めるも、再び動き始めた大木田の腰の動きによって快楽に思考が流され始める。
(ああっ、ダメダメダメぇぇぇっ♡おちんぽ気持ちイイところに当たってぇ♡何も考えられなくなるぅっ♡)
「こっちぃ♡…こっちの方が気持ちいぃっ~♡♡」
「そっか、ならよかった。まっ、大木田くんなら仕方ないね」
米田の言葉に大木田はニッと笑って見せると、両手で時子の腰をしっかりと掴んだ。
「そろそろ一回イっとこうか?イきたいでしょ?おまんこ」
「はいぃっ……♡あぁっ!♡おまんこぉ♡イきたいですぅぅっ!!♡はぁぁっ!!♡♡」
じゅぶっじゅぶっと音を立てて肉棒が抜き差しされ、膣壁を擦り上げながら子宮口を突き上げる。
その快楽に時子が大きく背を反らし嬌声を上げれば、大木田もラストスパートとばかりに腰の動きを速めていく。
「あっ!♡あ゛ぁっ!!♡はぁぁんっ!!♡イクっ…いっ…くぅ!!♡」
「うぉっ……
ぶびゅ!!どびゅるるるっ!!
ぎゅっと締まった膣肉に、大木田の肉棒が一段と膨れあがり、その先端から熱い白濁液が大量に吐き出された。
まるで水鉄砲のような勢いのそれが、子宮口に叩きつけられ注ぎ込まれる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ♡♡!!」
どくんどくんと脈打つたびに、びゅるっ!ぶりゅっ!と吐き出される精液。その熱さを腹の奥で感じて、時子は一際大きな声を上げた。
大木田がゆっくりと肉棒を引き抜くと、どろりと白濁液の塊が溢れ出て、すでに時子の蜜で出来ていたベッドシーツのシミを上書きしていく。
「んっ…はぁっ♡…はぁ♡…あっ♡はぁぁっ♡♡…んっ、ちゅ…♡ちゅば、ちゅる♡」
荒い息を吐く時子に覆い被さり噛みつくように口付けると、そのまま舌を絡め合い互いの唾液を交換していく。
「ちゅ……んぅ♡……んっ、はぁぁ♡……ちゅっ♡」
先程までとは違う、甘えるようなキスに大木田は目を細めると、より激しく舌を絡め時子の胸へと手を伸ばす。
ビンビンに尖った乳首をおちょくるように弾き、その度にぴくっと跳ねる腰に肉棒を押し付けて、陰毛を使って淫液濡れのそれをしごく。
「くちゅ♡ちゅぱ♡じゅるっ♡はぁ♡んんっ♡」
撮影スタッフを置き去りにしたような甘い恋人同士の様な 口付けをしばらく続け、ようやく満足したのか大木田が唇を離す。
「はぁ……はぁ……♡」
時子の口からはどちらの物とも分からない唾液が溢れ、それを指で拭った大木田は背中に手を潜り込ませ、横へと向かせると自身はその横…時子の横へと寝そべる。
そのまま重力に引かれて横向きに垂れた乳房に手を回すと、優しく揉み込みながら耳元へと口を寄せる。
「気持ちイイ?時子ちゃん」
「あぁ♡…んんっ♡はぁぁん♡…乳首コリコリされてぇ♡きもち♡」
「素直になって来たね。まだ物足りないでしょ」
「はいぃ♡もっと……気持ちよくなりたいですぅ♡」
「オッケ、それじゃ今度は側位…行ってみようか。そんでそのあとに時子ちゃんのお待ちかねのバックで締め…どう?最高じゃない?」
「ふぅぅっ♡しゃいこうぉ♡それしゃいこうでしゅ♡」
「じゃあ
時子の答えに大木田はすぐさま行動に移る。
一度出したにもかかわらず、いまだ硬度を保っている肉棒を軽く握ると、時子のだらしなく開いてしまった蜜壺へと添えて、一息に突きこむ。
「んんんっ♡ちんぽ来たぁっ!?♡」
「うぉ……やっぱ、すっげ」
大木田が感嘆の声を漏らし、時子はその肉棒の太さに思わず背を仰け反らせた。
先程までとはまた違う圧迫感に、膣内は歓喜するように肉襞を絡みつかせて締め付ける。
(さっきと全然違うっ♡)
先程とは違う角度から挿入された肉棒に、膣ヒダ一枚一枚が絡みつくように密着する。
その動きは大木田にも快楽をもたらしており、彼は小さく呻くと腰を動かし始める。
「あっ!♡あっ!♡んぁっ♡……はぁんっ♡」
「くっ、締まり良すぎっ。はぁっ……」
大木田が腰を動かす度に亀頭でごりごりと膣壁を抉られ、時子は快楽の声を上げながら身を捩る。
しかし大木田はそんな彼女の肩をベッドへと抑えつけて逃げられないようにし、腰を降り始める。
「あぁ……♡ちんぽぉっ♡♡奥まで来てるぅ♡♡」
先程までは一方的に責められていたが、今度は自ら快楽を求めるような動きに思わず時子はそう声を上げる。
(気持ちいい♡気持ちいいです♡お館様ぁ♡♡でもご安心ください、時子は決して堕ちたわけではありません♡これもお館様をお救いするための演技…♡♡必ずやこのちんぽに打ち勝ち、お館様をお救いいたします♡♡♡♡)
ここにはいない大切な存在へと決意を新たにした時子は、いまはこの肉棒へと集中するため、雑念を捨て膣へと全神経を集中する。
対魔忍として鍛え抜かれたその精神集中により、より明確に膣内を出入りする肉棒の形を、幹に走る血管の一筋一筋までもがはっきりと感じられた。
そして今、この肉棒は子宮口にその亀頭を押し当てグリグリと押し上げて来ている。
「はぁんっ♡気持ちいいっ♡♡ちんぽぉ♡気持ちいいですぅ♡♡」
「時子ちゃん、すっかりトロ顔になって来たね……可愛いよ」
「あぁっ♡嬉しいぃ♡♡もっと突いてぇ♡おちんぽでおまんこズボズボしてくらしゃいっ♡♡♡」
(あぁ……♡お館様ぁ♡♡♡)
大木田の言葉に、トロトロに蕩けた雌顔を晒し、されるがままに感じ喘ぐ時子。そんな時子の様子に気をよくした大木田は、さらに激しく腰を動かし始める。
「あっ!♡あ゛っ!♡はげひっ♡♡しゅご…しゅごいぃ♡♡♡」
パンパンと肉がぶつかり合う音が響き、その激しさにベッドのスプリングもギシギシと悲鳴を上げる。
そしてついにその瞬間が訪れる。
「んぉお!?♡♡♡イくッ!!♡♡イッちゃうぅぅっ!!!♡♡♡♡♡」
ぶびゅるるるるるるっ!!!どぴゅっ!ぶっぴゅううううっ!!!!!!
「んひぃぃぃぃぃつ!?♡♡♡♡精液でてりゅぅうううううっ♡♡♡♡精液また
絶叫と共に大きく仰け反り、背を弓なりにしならせる。
膣内に再び熱い精液を注がれて絶頂した時子は、その快感に全身を震わせるのだった。
(あぁ……すごいぃ♡)
「はぁ……♡はぁ……♡おちんぽぉ♡」
「ふぅぅ……気持ちよかったよ時子ちゃん。それじゃ次はご褒美にバックで」
「はひ♡わかりましたぁ♡♡」
大木田の言葉に時子は素直に従うと、そのままゆっくりと体を起こす。
そして大木田が肉棒を引き抜くと、ゴポリと音を立てて逆流して来た精液。
ボトボトと白濁の液体を零しながら、言われるがまま…命じられるがまま大木田へと背中を向けると、ベッドに両手を付いて尻を突き出す。
ふりふりと大きな桃尻が左右に振られ、時子は両手で自らの尻肉を掴むと割り開く。
「あ…アナルぅ♡アナルにおちんぽくだしゃいぃ♡」
「え、ケツ?」
「あ~、時子ちゃん…アナルが好きみたいでね」
「良いんすか?」
「イイよ、デビュー作でアナル狂いって最高にインパクトあるじゃない?」
「確かに。じゃあ時子ちゃん、ケツ穴使わせてもらうよ?」
米田の答えに大木田は満足そうに頷くと、時子の尻肉を掴んで左右に広げると、そこに見える小さな窄まりへと肉棒を添えた。
そして一息に奥深くまで突きんでいく。
「んほぉぉぉっ!?♡♡きだっ!?♡ちんぽ来だぁ♡♡」
先程のローターとは違う直腸まで届くちんぽの感触に、時子は歓喜の声を上げた。
「うぉ……こっちもいい!!」
パンッ!パァンッと肉同士がぶつかり合う音が響く中、時子の大きな尻がぶるんぶるんと波打つようにして揺れ動く。
「お゛ほっ!!♡アナルっ♡♡♡お尻も気持ちいいですぅ♡♡♡」
「ははっ……マジもんの変態じゃん。いいね、最高の女だよっ時子ちゃん!!」
「んひぃっ!?♡お゛ぉっ!♡おちんぽぉ♡♡おちんぽしゅごいっ!!♡♡♡ん゛お゛お゛お゛っ♡♡♡♡ほぉぉぉおっっ!?!?!?!?♡♡♡」
大木田が力強くピストンを始めると、時子は獣じみた下品な声を上げ始める。
肉棒で腸壁越しに子宮口を押し潰され、同時に直腸からS字結腸までを激しく擦りあげられてはたまらない。
「お゛っ!♡お゛んっ!♡んほぉぉっ!!♡♡♡しゅごいっ♡♡ちんぽしゅごいのぉぉおっ!!♡♡♡♡」
「おらおらおらおら、
「お゛ぉおっ!?♡♡イグッ♡イッグゥゥッ!!!♡♡♡ケツアクメきちゃいましゅぅぅっ!!!!♡♡♡♡♡」
どぴゅっ!ぶびゅるるるるっっ!!
「んほぉぉっぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!!♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
大木田の肉棒が膣内とは比べ物にならない量の精液を吐き出す。
それと同時に時子も盛大に潮を吹き、まるで犬が遠吠えをするように点を見上げて、舌を突きだして絶頂した。
ぷっしゃぁぁぁぁぁっ
軽快な音を立てて時子の股座から黄色い尿が迸り、シーツをぐっしょりと濡らし湯気が上がる。
足元に広がる尿溜まりに慌てて大木田が距離を取り、ぐったりとベッドに突っ伏し尻を掲げた間抜けなポーズの時子に、米田がカメラを近づける。
ひくひくと蠢くケツの穴と、いまだにトロリトロリと白濁と蜜が混ざった液体を垂れ流す時子の秘裂。そして快楽のあまりに白目を剥いて舌を突きだし、涎を垂らすその表情に米田は満足気に頷くとカメラを下ろす。
「はいカット!お疲れ様~、大木田くん」
「おつかれっす!」
「どうだった?時子ちゃんは」
「いや、本番中の言葉が全部っす。絶対俺の女にしてやりますよ」
「ははは、そこはまかせるよ。むしろ君に躾けられた女の子はみんな撮影に積極的になってくれるからね。時子ちゃん、彼氏持ちのせいで踏み込み切れないぽいからさ…お願いね」
「了解っす」
米田の言葉に大きく頷いた大木田がシャワーを浴びにベッドルームをあとにし、撮影班は撤収を始める。
誰もベッドに突っ伏して気絶している時子のことなど気にしていない。
ことが終われば用はない。あくまで女は最高の作品を作るための素材でしかない。
そうして撮影班がベッドルームから去ったあと。残された時子は、びくびくと痙攣しただ快楽の余韻に浸り続ける。
(必ずお救いいたします、お館様…時子が、必ず…)
「あぁ……お館さまぁ」
時子はそう呟くと、意識を失った。
薄暗い部屋のなかには甘い嬌声の残響がいつまでも響いていた。
夏休みも終わったので、執筆再開していきます!!