アサギ3の抵抗できずのAV出演はお気に入りのシチュエーションのひとつですね。
小説版アサギ3のようなねっとりとした地の文を書きたくて小説片手に書いた結果、なんか思ったような効果が…(´;ω;`)
精進します!!
~凋落~甲河アスカ編
日本国・首都東京。
政治と経済の中心にして、あらゆる情報と人間が集まる巨大都市。
整備されたインフラと無数のビル群が織りなす景観は、まさに先進国家の象徴といえた。
だが、平穏に見えるこの街の地表を一枚めくれば、そこにはもう一つの顔が広がっている。
裏社会──。
非合法組織、謎の技術、異形の存在。かつては“闇”と呼ばれ、世界の裏側で生きて来た者たちは、いまや堂々と街に根を張り、資本と暴力によって新たな秩序を築き上げていた。
警察も行政も、もはや彼らを完全には制御できない。むしろ、癒着し、取り込まれ、表と裏の境界線すら曖昧になりつつあるのが現実だ。
この都市は今、かつてないほど侵食を受けている。
人知れず、しかし確実に――正義と常識が塗り替えられていく時代が、始まっていた。
そんな東京の一角にある、古びた雑居ビル。
錆びた階段とくすんだ外壁、看板もまばらなその三階建ての建物は、昼間は通行人に気にも留められず、夜になってもネオンサインが瞬くわけではない。ただそこに“ある”だけの、都市の背景に溶け込んだ風景の一部に過ぎない。
だが、このビルに出入りする者たちの顔ぶれを、冷静に見つめた者は少ない。
深夜に黒塗りの車が静かに停まり、無言でスーツ姿の男たちが階段を上っていく。昼間に出入りするのは、どこか胡散臭さを纏った営業マン風の男や、妙に色香を漂わせた女たちばかりだ。
一見どこにでもあるようなこの建物は、政治家・田中宗次郎の“私設事務所”として知られていた。
表向きは政治活動の拠点とされているが、真実を知る者はごく一部に限られる。このビルこそが、宗次郎が裏で築き上げた影のネットワークの中枢――情報、資金、そして“人間”までもが動く、闇の結節点だった。
「……見事な手際だな。期待以上だ」
低くくぐもった声が、静まり返った事務所内に響いた。
パーティションで区切られた応接スペース。ガラステーブルの上にはウィスキーのボトルと、半分ほど満たされた二つのグラス。
向かい合っているのは、政治家・田中宗次郎と、異国の風貌をしたひとりの男だった。
男は銀色のデータチップを指先で弄びながら言った。
「どんな仕組みも、結局は人が作ったものだ。そして人間は、見返りさえあれば簡単に裏切る」
田中宗次郎はグラスの中の氷を傾け、黙ってその言葉を聞いていた。
品のある仕立てのスーツ、白髪混じりの髪は丁寧にオールバックに撫でつけられている。
だが、その静かな佇まいの奥には、明確な“嫌悪”があった。
それはこの国の腐敗ではなく、“この国に巣食う異物”に対するものだ。
「……なるほど。DSO日本支部の人員リストと構造図。しかも最新のものとは、随分と太っ腹な」
「今回の協力者は日本支部のメインサーバーにアクセスできる。この程度は容易いそうだよ」
男はチップをコトリとテーブルに置くと、続けてウイスキーを煽る。
「もちろん、彼には彼なりの目的がある。だが、それは貴方の関知するところではない」
「だろうな」
田中は短く返し、視線をチップに落とす。
「おかげで、こちらも遠慮なく動ける。どこをどう突けば崩れるか……もう十分にわかった」
「DSOもなにをしたのやら…貴方のような急進派に目を付けられるとはね」
「私は、この国を守りたいだけだ――私の、私による日本をな」
男は笑う。
田中はグラスを置き、静かに頷いた。
ドンッ――
階下からの衝撃に、男と田中は視線を合わせる。
次いで、発砲音と男たちの怒声が響き渡った。
田中は即座に立ち上がると、机に向かい受話器を摑んだ。
だが、電話は繋がらない。
男は肩を竦めると、胸元から拳銃を取り出し入口から距離を取った。
隣室の扉が開き、黒服に拳銃や警棒で武装したSPたちが入ってくる。
階下の戦闘音は徐々に近づき、そして唐突に電気が堕ちた。
「なんだっ!?」
「おそらく戦闘で電気系統が破壊されたのだと思います。先生、机の影へ」
SPに急かされて田中は机の陰に身を隠す。直後、ドガンと大きな音を立てて、入口の金属製の扉が吹き飛び、SPのひとりが巻き込まれて倒れた。
吹き飛んだ扉の向こう。立っていたのはピンク色のボディスーツを身に纏った女だった。
身体のラインが丸わかりのびったりとフィットした戦闘スーツは細いウェストをより細く見せ、大きくずっしりと重そうな乳房は、スーツを内側から引き裂きそうなほどパンパンに張っている。
栗色の長い髪を腰まで伸ばし、勝気な瞳が、薄暗闇の中まるで獣のように爛々と輝いている。
「た…対魔忍」
机から顔を覗かせた田中が震えた声で呟いた。周りのSP達の間に緊張した空気が漂う。
対魔忍。古くから闇の者と戦う忍びの者たち。現在は内務省公共安全庁・調査第三部…通称《セクション・スリー》のもと、政府機関として今も戦い続けている。
田中のビジネスのいくつかも、彼らにより潰されており、因縁浅からぬ相手であった…が。
「これは、どういうことかね?対魔忍が善良な一般人を襲撃とは」
それはあくまで裏での話。表面上は潰されたビジネスのどれも田中につながる証拠はなく、むしろ幾度も行われた事情聴取について抗議を申し立て、それ以来表立って探りに来るようなことはなかった。
「いままでもありもしない容疑を掛けられたがこれは…ただではすまないぞ」
「知ったことではないわ。というか、DSOの情報を盗んだくせに、私のこと知らないの?」
「なに?」
その言葉に、怪訝な表情を浮かべた田中は、傍らに立つ男が顔を引きつらせていることに気が付いた。
拳銃を握る手は震えていて、先ほどまでの余裕はなくなっている。
「おい、どうした」
「こ、こいつは対魔忍じゃない…いや、正確には元対魔忍だ。DSO日本支部所属・甲河アスカ…鋼鉄の死神」
「っ、撃て…殺せ!!」
男の言葉を理解した瞬間、田中は周囲のSPに怒鳴るように命令した。
即座に発砲音が室内に響き渡り、SP達の持つ拳銃が一斉に火を噴いた。
弾丸が室内を飛び交い、壁や天井に幾つもの銃痕を残す。
「は……?」
田中は思わず間の抜けた声を漏らした。
彼が見たのは、人間離れした動きで銃弾を避ける……アスカの姿だった。
彼女は天井を蹴りつけ射線から逃れながら、まるで踊るように部屋の中央へと駆ける。
「くっ!」
あっという間に距離を詰められ、咄嗟に黒服のひとりが警棒を振りかぶる。
勢いよく振り下ろす瞬間、柄のボタンを押すと帯電し紫電が走る。
「無駄よ!!」
叩き付けられようとした警棒を身体を逸らすことで避けたアスカが、裏拳を打ち込むように腕を振るう。
電撃を纏う警棒がその根元から切り落とされ、続いて前衛の黒服たちの身体から血しぶきが飛び崩れ落ちた。
何が起こったのかわからない田中が見たのは、月明かりに鈍く光る、アスカの腕から生えた弧を描いた鋭利な刃。義手に収納された隠し武器・対魔ブレードが、黒服の男たちを一瞬で切り伏せたのだ。
「ひ……ひぃっ!」
SPのひとりが拳銃の引き金を引く。銃口から吐き出された眉間にへと吸い込まれるように飛んだ弾丸を、アスカの手が摑み取る。
「なっ!?」
「邪魔っ!」
「がっ!?」
指で弾かれた弾丸は田中の傍に立っていた黒服の肩に命中し、SPは衝撃で背後の窓ガラスに身体を打ち付け、力なく崩れ落ちる。
「ば、バケモノめ……」
最後のひとりになった黒服が呻く。勝敗はもはや明らかだ。
アスカはつまらなそうに男を見つめると、対魔ブレードを再び収納し、代わりに拳を握り込む。そして……。
「がはっ!?」
黒服の腹部に重い衝撃が走った。
一瞬の浮遊感の後、黒服は壁に叩き付けられるように崩れ落ちる。
その衝撃で天井からパラパラと埃が落ちる中、アスカは床に転がる黒服たちを一瞥すると、すぐに興味を失い田中と男へと向き直った。
「さて、観念しなさい。田中宗次郎」
「ぬぅぅ……」
田中は唸るが、大人しくデスクの陰から姿を現す。その手には小型拳銃が握られていた。
銃口をアスカへと向ける。
だが、次の瞬間にはその腕ごと切り落とされて床に転がった。
「ぐあぁぁっ!?」
「だから無駄よ」
アスカはつまらなそうに、切り落とした田中の右腕を踏みつけた。
冷たい床に、田中の脂汗がポタポタと落ちる。
「わ……わかった!金なら出すっ!だから命だけは助けてくれ」
「は?なに言ってんの?」
アスカは心底理解できないといった表情で、首を傾げる。
「私はあんたを殺しに来たのよ」
「……な、なぜだ!?私はなにも……」
「DSOの日本支部のデータ…知らないとは言わせないわよ」
田中の視線が取引相手の男へと向かう。
あれだけの言葉を吐いておいて盗み出した当日に突き止められ、しかも取引現場まで泳がされては、最早言い逃れはできまい。
先ほどまでの大言壮語が嘘のように蒼褪め小さく震える男に怒りを覚えながら、田中は残った左手を懐に入れた――瞬間
再び神速でアスカの腕が振るわれる。田中の首が宙を舞い、鮮血をまき散らしながら床に転がった。
消えゆく意識の中、田中の脳裏を横切った後悔。
こんなことになるのなら手を出すのではなかった――
田中宗次郎の意識は、そのまま永遠の闇へと落ちていった……。
DSO日本支部。
米連に本社を置く軍需企業・オレンジインダストリーの東京支社地下に支部拠点を置く米連・国防総省傘下の研究機関。
アンドロイドをはじめ、対魔粒子、超能力、生物兵器といった最先端の軍事科学技術の研究・開発を行っている。
田中宗次郎暗殺を終えた帰投したアスカは、詳細報告のため最深部にある司令部へと歩みを進めていた。
「無事戻ったみたいだね、アスカ」
地下エレベーターへと続く廊下。そこに、まるで待ち構えていたかのように立つ人影があった。
過剰なワックスでギトつくように固められた金髪をオールバックに撫でつけ、どこかビバリーヒルズの成金セレブを思わせる長身瘦軀の男。
真っ白なスーツに身を包み、腕にはこれ見よがしな純金製の腕時計。絵に描いたような“エリート気取り”の出で立ちである。
男の名はジェームズ・ウェルソン。本国から監査のため派遣されてきた監査官だ。
「ウェルソン監査官、お疲れ様です。はい、無事目標の破壊は完了致しました。情報提供に感謝いたします」
「ははは、そうか、それはよかった。監査過程で気が付かなければ、日本の政治家に米連の貴重な情報が流出するところだった。まったく日本支部の支部長にはしっかりしてもらわないと困る」
ウェルソンはおどけた様に肩を竦め、大げさに首を振る。アスカは内心の不快感を押し殺しながら、表情には出さず淡々と応じた。
この男は日頃から日本支部の所長――通称『マダム』を侮辱する発言を繰り返している。それは仮面で顔を隠す素性不明の女が支部長を務めていることに対する不満もあるだろうが、来日初日にマダムを食事に誘い、痛烈な皮肉と共に断られたことがプライドを傷つけたのだろうと、アスカは思っている。
もっともそんなことで滞在期間を延ばし、重箱の隅をつつくように嫌味を言うその器の小ささに苦笑を禁じ得ない。
さらにアスカがこの男に対して嫌悪を覚えるのが、自身に向けられるその露骨な視線だった。
戦闘用スーツの胸元をはじめ、その肢体をねっとりと嘗め回すような態度。隙あらば肩に手を回し抱き寄せようとし、たまたまを装って尻を撫でる。
もはや“セクハラ”という言葉では生ぬるく、アスカは何度となく拳を握りしめ、その顎を砕いてやりたい衝動を必死で押しとどめていた。
「情報の流出元を知っていた男を捕らえましたので、マダムなら対策を講じるでしょう」
「なに…?対象はすべて抹殺するように命令が出ていたのでは?」
「はい、ですが日本支部の厳重なセキュリティを突破し機密情報を迷わずコピーし脱出するなど、フリーのスパイ程度にできるとは思えます。なので現場判断ですが拘束しました」
アスカの言葉に、ウェルソンが顔を顰める。それが彼にとって不都合な報告であることは一目瞭然だった。
今回のDSO機密情報漏洩は内部協力者がいることは明らかだった。
生体情報の登録されている人物でなければ起動しない地下へのエレベーターを使い、いくつものセキュリティロックの掛かった扉を通り、司令部近くのサーバールームから直接情報を抜く。
日本支部とはいえ米連の研究所だ。とても単独でこれだけのことを誰にも気が付かれずに行い、痕跡を消して脱出することなど不可能だ。
そうなると、大規模な組織が背後にいるか、または元から内部の人間が情報を流したとしか思えない。
日本支部の面々はウェルソンがそこに関与しているのではないかと疑っており、アスカも同意見だった。
目的はおそらくマダムの失脚。
自身に恥をかかせた女を陥れるために、国家の運営する研究所の機密情報を流すほど浅慮な男に足を引っ張られるわけにはいかない。
1ヵ月に控えている大規模作戦ためにも、必ず尻尾を掴み、さっさと本国に送り返す。
「…対象はどこにいる?」
「すみません、拘束対象の所在については私も教えられていませんので。それでは報告がありますので、失礼致します」
「あっ、待ちたまえっ…アスカ!!」
ウェルソンがアスカの名を呼んだ瞬間、振り向きざまに展開した対魔ブレードがその首元へと突き付けられた。
寸止めではあったが、その鋭い刃はウェルソンの頸動脈にぴったりと触れ、あと数ミリでも力を籠めれば切断できる状態だ。
いくら周囲に人の気配がないとはいえ、さすがにこれはやり過ぎだった。
だがアスカは平時とは打って変わり冷淡な目でウェルソンを睨み付ける。
ほんの一瞬、時間が凍りついたかのような沈黙が廊下を包んだ。
「ひっ」と小さく悲鳴を上げて尻餅を付いたウェルソンに、冷笑を浮かべたアスカはわざとらしく敬礼すると、地下エレベーターへと向かっていく。
「っ、私にこんなことをしてタダで済むと思っているのか!!」
「始末書は後ほど提出しま~す」
アスカは見向きもせずにそれだけ言うと、エレベーターに乗り込んで姿を消した。
ウェルソンは悔しさに唇を噛み締めながら立ち上がると、その拳を握り込み、鋭い視線をアスカが消えていったエレベーターへと向けた。
「覚えていろ……いずれこの借りは必ず返してやる」
☆
「あまり意地悪しちゃだめよ、アスカ」
指令室に入ったアスカを出迎えたのは目元を仮面で隠した妖艶な女性。DSO日本支部支部長・通称“マダム”。
ドスドスと怒り心頭で入って来たアスカに苦笑を浮かべながら、マダムは窘めるように言った。
「だってあのオヤジ……気持ち悪いのよ」
「気持ちはわかるけど、一応監査官だから…ね」
「む~っ……」
アスカは不機嫌そうに頬を膨らませる。
幼い子供の様なその姿に、マダムはやれやれと肩を竦めた。
「まぁいいわ…それよりもよくやったわね。日本支部の機密情報を盗んだスパイは、ウェルソン監査官が送り込んできたものだったわ。これで奴を本国へ強制送還できる」
マダムの言葉にアスカはニヤリと笑みを浮かべる。
アスカが入口でウェルソンに捕まった時点で、情報を盗んだ男は日本支部の人間しか知らない裏口から移送されていた。危険度Aクラスの対象を収監する独房へと入れられた男は、マダムを中心に尋問が行われ、すでに背後関係などは洗いざらい吐かされている。
「これであのオヤジともおさらばってわけね」
「ええ。ただ今は大規模作戦の準備が優先だからね。作戦終了後報告ということになるわ」
「てことはあと1ヵ月は一緒ってこと?」
「まぁ、そういう事ね」
「うへぇ……」
アスカは心底嫌そうな表情を浮かべた。
そのままソファにぐったりと身を沈め、「最悪」とアスカがぼそりと呟いた直後だった。
バンッ!
重い鉄製のドアが勢いよく開き、耳障りな足音と共に真っ白なスーツ姿が現れる。
「おやおや、お二人とも随分楽しそうだな?」
ジェームズ・ウェルソン――案の定、空気を読まない男が踏み込んできた。
「お話中のところ失礼。いやぁ、ちょっと報告を受けに来たら、偶然にもお二人が揃っていたもので」
にこやかな笑みを浮かべながらも、目は笑っていない。
その視線がアスカの胸元を、ヒップラインを、あからさまに往復する。
「……偶然? 盗聴してたんじゃないの?」
アスカが冷ややかに吐き捨てる。
「まさかまさか、そんな失礼なことするわけないだろう? これは監査官としての正当な権限だよ」
開き直ったような笑みを浮かべるウェルソン。だがその目には、先ほどアスカに寸止めされた刃の感触がまだ残っているのか、一瞬だけ揺らぎが走る。
「……なにかご用件かしら?」
マダムが仮面越しに静かに言う。口調は丁寧だが、声の奥に冷たい棘が含まれていた。
「ああ、アスカ君に聞いたのだが、機密情報を盗んだその犯人を捕らえたそうじゃないか」
「ええ。万全だった日本支部のセキュリティを突破した凄腕工作員…どの様に突破したのか聞きたいと思いまして」
「それは確かに必要だな。また同じことが起きては貴女の立場がないだろうし」
「ご心配いただきありがとうございます」
ウェルソンの言葉を笑みを浮かべて流すマダム。
自身の望んだ反応でなかったためか、優男を気取っているウェルソンの仮面は直ぐに剥がれ、苛立ちの表情を浮かべると、マダムへと一歩詰め寄った。
「それでは申し訳ないが、その工作員をこちらに引き渡してほしい。米連の人間のIDを偽造して内部に入り込むなど、場合によっては国家全体の危機につながる可能性がある。こちらで然るべき対応をさせてもらう」
「もちろん、そのつもりで移送を予定しております。ですが、それはこちらで十分な調査を行ってからのこと。ましてや監査官殿は情報部とはの所属ではありませんから、御引渡ししてもなにも成果を上げることはできないかと」
「ぐっ」
ここに来るまでに考えた引き渡し理由をあっさりと論破され、ウェルソンは言葉に詰まる。
「では」と言って指令室を後にしようとするマダムに、ウェルソンは慌てて追い縋る。
「ま、待ちたまえ!……その工作員の尋問には私も立ち会わせてもらう!」
「……なぜ?」
「それはっ……彼は米連の機密情報を盗み出すほどの凄腕のスパイだ。そんな人物と直接話をすれば、なにか情報を得られるかもしれないじゃないか」
「そうでしょうか?」
マダムがゆっくりと振り向く。仮面の奥の目が妖しく光ったような気がした。
コツリコツリとヒールの音を立てて、ウェルソンへと近づき、ゆっくりと顔を寄せる。
あと少しで唇が触れそうなほどの距離に、ウェルソンは生唾を飲み込むも、いつもの様な軽口は叩けない。
「本国のオフィスで、尻で椅子を磨いていただけの貴方には無理だと思いますわ。ゆっくりと報告が上がるのを自室でお待ちいただく方が現場も気が休まります…ほら、極東の田舎に出向している私たちにはお偉い方が現場にいるだけで緊張してしまいますから」
極東の田舎者…それはウェルソンがこの日本支部に来た際に挨拶の場で言った言葉だった。
出自の分からない女に対する嫌味の言葉。それを誰でもわかる侮辱の言葉として返されている。
屈辱に震えるウェルソンを見て、マダムはすっと体を離すと踵を返す。
「それでは失礼します」
司令室を出て行こうとするマダムに、ウェルソンは真っ赤な顔で怒鳴り声を上げた。
「本国から追い出された、売女風情が!!」
「お好きなようにお呼びくださって結構ですが、監査のお仕事…お忘れにならないで下さいね」
マダムはニッコリと微笑み、そのまま部屋を出る。アスカもそれに続くようにして指令室をあとにする。
後にはウェルソンの荒い息と当直担当のオペレーターの、気まずそうな「お疲れさまでした」の声だけが響いた。
◆
「はぁ、疲れたぁ」
司令室から少し離れた居住区にあるアスカの私室。司令室をあとにし、軽い食事を終え戻って来たアスカはベッドに飛び込むようにして横になった。
単独での強襲任務。その後帰投からの嫌いな相手とのやり取りで肉体と言うよりも精神的に疲弊したアスカは、深いため息をついて枕に顔を埋める。
「あの変態オヤジ…絶対後悔させてやる」
脳裏をよぎるのは先程の司令室でのやり取りだ。
作戦行動中のエージェントがいる可能性もあるにも関わらず、大声を上げて入室してきたウェルソン。
マダムの前ですらアスカの肢体に視線をやることを忘れず、身の程知らずの主張を行い、あまつさえ思い通りに行かなければ口汚く罵る。
到底責任ある役職に就く人間の態度ではない。
思い出すだけで虫唾が走る。あんな男を好き勝手させておくなど、アスカの性分が許さなかった。
だがあまり騒ぎを大きくして作戦に影響が出るのも良くはない。幸いなことにマダム失脚を焦ったのか尻尾を出したのだ。あと少しの辛抱――そう考えたアスカは、枕をギュッと抱きしめながら、大きく息を吐いた。
「ふぅぅっ」
呼吸を整え荒ぶった気持ちを落ち着けようとする。米連のエージェントとして、例え死地であってもメンタルコントロールできるように訓練を受けている。だがどうにも落ち着かず身体がほんのり火照っているように感じる。ウェルソンが来てから溜め込んでいる苛立ちのせいかもしれない。
「ふっ…はぁ」
ごろりと寝返りを打ち、横向きになる。
シーツの冷たさが心地よい。だが同時に、スーツの布地が乳首に擦れる感覚に襲われ、アスカは小さく喉を鳴らした。
「んっ……はぁ……」
シーツ越しに胸の輪郭をなぞり、そのままゆっくりと指を滑らせていく。
スーツの上からもわかるほど勃起した乳首を指先が掠めると、ピリッとした快感が脳天まで突き抜け、思わず声が出そうになる。
「ふっ…っ」
米連のエージェントと言ってもアスカも年頃の娘。人並には性欲もある。特に命を懸けた作戦のあとは昂ぶって仕方がない。
だから自慰行為自体は珍しいことではなった。だが現在は二種待機だ。
いつ誰かが緊急任務を伝えにくるかもわからないのに……その緊張感がアスカをさらに興奮させる。
「ふっ……はぁ……」
もじもじと両腿をすり合わせ、整えようとしていた息にはより熱がこもっている。
とうとう我慢できなくなったアスカは仰向けに体勢を変えると、ゆっくりと両手を乳房へと伸ばした。
大きく実った肉果実が、仰向けの身体に沿うように垂れているのを、スーツの上から持ち上げるように手を添える。
「んっ…はぁ…」
乳房の先端、乳輪をなぞるように指先で摩る。昂った身体に引き摺られるように、すでにほんのり隆起した乳首の周りを焦らすようになぞり続ける。
敏感な突起を僅かに掠めるたびに、甘い痺れが走って、鼻を抜けた甘い吐息が零れ落ちる。
「あっ……はぁ、きもち……」
思わず零した言葉は淫靡な熱を帯び始めた空気に溶けて消え、舌が何かを探す様に、れろりと空を舐め、零れた唾液が顎を伝う。
「んっ……ふっ」
アスカは乳房を弄る手を一度止めると、右手を腹をつぅぅっと撫でながら、股座へと伸ばした。
そしてスーツのクロッチ部分へと手を掛けると、ゆっくりと左右に割り開いた。
くちゅりと粘り気のある水音を立ててに、ぴっちりとしたスーツに開花した肉花弁の形が浮かぶ。
特殊繊維の吸水性のおかげか、花から湧き出た蜜がにじみ出てはいないが、しっとりと布地が湿り気を帯びている。
いつもより少し早いなと、淫熱でゆだり始めた頭でアスカはぼんやりと考えた。
「ふぅぅっ…はぁっ…溜まり過ぎでしょ、わたし」
自嘲するように呟くも、それも仕方がないと思う。なにせウェルソンが来てから、隙あればセクハラを試み接触してくるせいで、ゆっくりと自室で過ごすことがなかった。今も安心できる状況ではないが、今回の件でウェルソンの退場がほぼ確定したため、これで一息つけるはずだ。
一仕事終わった後だ、少しばかり気が揺るんだのだろう。
「んっ……ふっ」
割れ目に沿って指を這わせる。外花弁の内側を揉み込み、内花弁のビラビラを指の腹で捏ねまわす。
ひくひくと小さな穴が悦びに震え、早く内側に入って来いと、まるで食虫植物の花の様に開いていく。
「んっ、クリ…きもちいぃ……」
クリトリスがひくひくと震え、スーツの布地を内側から押し上げる。繊維のざらざらとした肌触りが、敏感な肉豆にはちょうど良い刺激となって、勃つ動きに合わせて電流が走り、背筋を駆け上り脳を焼く。
花弁を割り開いていた2本の指を起立した肉豆を挟み込むようにあてがい、そのまま上下に扱く。
「あぁっ……はぁ…ふぅぅ…んんっ」
シュシュッと布地が擦れる音とアスカの荒く激しい息が混ざり合い、室内を満たしていく。
徐々に腰が柔らかなベッドから浮き上がり始める。
「はぁっ……はっ……あぁ…あっ…イクッ…イクゥッ…」
絶頂への意図がピンと張り、限界が迫った来る。アスカはクリを扱く手はそのままに、片手を乳首へと戻し、きゅっと勃起した乳首が潰れるほど強く抓る。アスカお気に入りの自慰のやり方だった。
「ん゛ん゛ん゛っ……イグッ!!」
シーツを握りしめながら背中を反らせたアスカは、つま先立ちになり絶頂へと上り詰めた。
ビクビクと腰を震わせた後、ゆっくりとベッドへ沈む。
荒くなった息を整えようと深呼吸を繰り返すアスカだが、どうにも身体の火照りが治まらない。むしろ一度達し緩んだ理性がより熱に浮かされた思考を呼び覚ます。
「はぁ……ぁぁっ……」
熱く湿っぽい吐息を漏らした。軽く発散する程度では収まりそうにない。
このまま放置では身体に残留する疼きにどちらにしてもどこかで限界を迎える可能性がある…そう判断したアスカは、一度身体を起こしベッドから立ち上がると、部屋の隅に置かれたクローゼットに向かう。
扉を開き中に吊るされた衣類の奥。隠す様に置かれた小箱を引きずり出すと、その蓋を開けた。
中に入っていたのはいくつかの性玩具だ。
透明な容器に入れられたバイブ、クリップ式のローターや低周波パッド、小さな卵型の球体……そのどれもがアスカのお気に入りで、どうしようもなくムラつく時や急いで発散したい時に使っている。
その中からピンク色の卵型ローター選ぶと、小箱を片付けベッドへと向かう。
姿見を動かし、最後にクッションをベッドに置くと腰を下ろした。
「ふぅ…んっ」
姿見に映る自身を見ながら、ゆっくりと両足をベッドへと上げて左右に開いていく。
大きく股間を突き出し丸見えの態勢…世に言うM字開脚のポーズを取ったアスカは、ローターを手に取ると、電源を入れる。
ヴィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛ィ゛っ
羽虫の羽の音のような音を立てて、卵型の球体が振動を始め空気を揺らす。
コントローラーから伸びるコードを掴み、ゆっくりゆっくりと戦闘スーツに包まれた肉花弁へと降ろしていく。
「ん゛い゛っ!?ふん゛ん゛ん゛ん゛っ」
ゆらゆらと振動でコードが揺れていたローターが、勢い余ってクリトリスに直撃した。神経の塊に強烈な振動が叩きつけられ、身体を強張らせる。
チッ…チッ…っとクリトリスに触れては反動で離れ、勢いのまま再び戻って来ては、ローターがクリトリスを削る。そのたびに身体が跳ねて、まるで陸に打ち上げられた魚のようだ。
「はっ、あ゛ぁあっ……ひぐっ……ん゛っ!!きっ…くぅぅっ」
心の構えができないランダムタイミングでの刺激は、アスカの思考を乱し、嬌声を上げさせる。
一撃一撃ごとに腰が跳ね、そのたびに乳房が大きく揺れる。
快楽に身悶えるアスカ。コードを握る手が緩み、するりと手を抜け落ちローターが股間へと向かう。
「あっ……ん゛ひぃぃいぃいっ!!」
バッとアスカの身体が仰け反る。
ベッドと肉花弁の下部との間にローターが挟まり、振動が股間に広がる。淫欲に煮えたぎる肉壺を振動が走り抜け、骨を使って倍増した振動が下腹部全体に広がっていく。
「ん゛っ、あぁっ……はひぃぃっ」
湧き出た蜜がぐしょぐしょに染み込んだクロッチ部分が振動によって刺激され、特殊繊維ゆえの薄布一枚隔てて快楽神経に直接擦り込まれていく。
限界まで蜜を吸ったスーツの股間から、濃密な性臭がむわりと立ち込めた。鼻を突く淫らな臭いに興奮は高まり、反らされたアスカの顔は快楽に陶酔した悦びの表情に変わっていく。
股間を責めるローターに蜜汁が絡みつき、振動がより淫らで粘着質な音へと変わる。
「ん゛っ……あ゛ぁあっ!!……はぁっ」
震える手で何とかコードを掴み、振動をコントロールしようとする。だが快楽に蕩けた頭では上手くいかず、アスカはただローターの責めに翻弄されるしかない。
「あ゛っ、あ゛ぁあっ……イ゛ッ……クゥゥウウッ!!」
大きく腰を浮かせ、絶頂へと駆け上がる。
視界が明滅し、頭の中が真っ白に染まる。股間から脳天まで突き抜けるような快感が走り抜けた。
「はっ、はっ、はっ、はっ、んんっ」
久しぶりだからだろうか?ふわふわと宙に浮いたような多幸感と絶頂後の倦怠感がアスカを襲う。
イった勢いでシーツの上に転がったローターを、アスカはそっと拾い上げる。
そして、それを……今度は肉花弁へとゆっくりと押し当てた。
ヴヴヴヴヴっ
花弁に押し付けられたローターの震えが弱まる。敏感な粘膜に振動が吸収され、じんわりとした暖かな刺激だけが広がっていく。
「あっ……んぁぁっ、ふっんんっ」
絶頂から降りてきたばかりの敏感な花芯が震えるローターの振動で揺すられ、むず痒いような甘い悦楽が湧き起こる。尖った乳首に手を伸ばし、ロータを右回りに円を描くように転がす。
乳首から伝わるピリピリとした快楽にアスカは「ふむぅ」とまた甘い吐息を漏らし、また一つ絶頂へと昇っていく。
姿見をちらりと見やると、頬の染まった切なげな顔でM字に足を開脚させ、恥ずかしげもなく股間に震える玩具を押し当てて悶える女の痴態が映っている。
自身の性に溺れる無様な姿に、ドクリと腹の奥が震え、より身体は鋭敏化し、乳首は固くシコリ、肉穴からは蜜が滴り落ちる。
「あぁっ、はぁっ……んぁっ…ふふっ」
心地良い。まるで天国にいるようだ。
任務のことも、嫌な男のことも、仇のことも、何もかもがどうでもよくなるほどの
ドクリドクリと義手と生身との繋目が特に疼く。血圧が上がり、身体が異物に敏感になっているのだろう。初めて付けた時もそうだった。
「あは、ふふっ…んあぁ」
腰のクッションがずれて、ベッドに仰向けで倒れ込む。
自然とM字開脚の体勢から、大股開きの格好へと変わる。
「あ゛っ……ん゛っ……ふぅぅ」
ローターがクリトリスを押し潰すように押し付けられる。振動で肉豆に叩き込まれる刺激が、脳天にまで突き抜け腰が跳ねる。
「あぁっ……イイッ……」
乳首も押しつぶして転がす様に弄り回す。
背筋を走る電流は徐々に絶頂へと向かっていき、アスカの体と心を天国へと連れて行く。
あと少し、もうちょっと。
階段を一段一段上るように、絶頂へと向かう。
最後の一段を踏みしめ飛んだ先で、アスカは再び天国を見た気がした。
◆
DSO日本支部の一角にある会議室。
完全防音に登録式のセキュリティロック。入口の扉は対爆発・対衝撃性の特殊合金で作られ簡易のシェルターにもなる。
監査本部としてウェルソンが接収した室内には数台のモニターが壁を覆い、その前で数人の男たちが、計器のチェックを行っていた。
「首尾はどうか」
自身の城に戻ったウェルソンが、腹心の部下となった日本支部技術班のひとりであるジェームズ・佐藤へと声をかけると、ジェームズは眼鏡を押し上げながら、「上々です」と報告する。
引かれた椅子に腰を降ろし、モニターに映る数値に目をやるが、何が何やら全く分からず、ウェルソンは早々に考えることを放棄し、ジェームズへと視線で説明を促した。
「現在計画は順調に推移中です。対象αに対し魔界生物性の魔薬『Pー01』を投与。対象は現在自室にて
ジェームズが手元の端末を操作すると、一番大きなモニターが切り替わる。
ピンク色の戦闘スーツに身を包んだ甲河アスカが、ベッドの上でローター片手に果てる姿が映し出され、ウェルソンは前のめりにその画面を注視する。
物陰から隠れるように映し出された映像に、これが正規の設備からのモノではなく、盗撮目的で仕掛けられた隠しカメラのモノであることは明らかだった。
「ははは、あの乳臭い生意気な小娘も立派に女だったという訳か!!だがどうやって魔薬を打ち込んだのだ?とてもではないがあの仮面の女以外にこいつが素直に従うとは思えんが」
「仰る通りです。なので搦手を使わせていただきました」
再び端末をジェームズが操作し、モニターが切り替わる。
T字ポーズのアスカに似た3Dモデルが映り、その腕と脚が片方づつ切り離され、高レベルの機密情報である義手・義足のデータが表示される。
各駆動部や仕込まれた機銃に小型ミサイル。そして必殺の対魔ブレードなどの武器類の格納スペース。その一つがズームされ、そこに内蔵されている
「機銃の給弾装置に仕込みました。遠隔操作で機械と生身の接合部より対象へと注入される仕様となっています」
「これは…よく仕込んだものだな。どうやった?気が付かれていないのか?」
「はい、現在対象αが装着している義手と義足は本来の物ではなく緊急時のスペアになります。まぁ、性能は正規の物と変わらず、正面から挑めば消し炭になってしまいますが…。本当であれば戦闘能力の無力化が出来れば一番良かったのですが、小谷主任上級研究員が整備作業を一手に引き受けていたため、なかなか手が出せず。技術班の技術向上を名目にようやくスペアの整備訓練を実施することができ、仕込むことに成功しました」
ジェームズは得意げな顔で、「小谷主任も喜んでいましたよ」と続ける。
「だがスペアなのだろう?なぜそれを小娘が装備している。しかも今夜は任務までこなしているが…」
「整備訓練の集大成として実戦投入を小谷主任に進言しました。整備がちゃんとできているか確認したいと。日本人の仲間意識と言うのは素晴らしいですね。同じ支部の仲間だからと簡単に信頼を置いてくれる」
「なるほどな…それど?今後はどうするんだ?私にはあとがない。今回の機密情報漏洩について本国に報告されれば終わりだ!!早急に小娘を支配下に置き、
「大丈夫でしょう。支部は本国に秘密で、1ヵ月後に大規模なノマドへの攻撃を計画しています。ここで監査官を排除しに動けば、本国から新たに監査官が派遣され、計画が知られてしまう可能性がある。少なくともそれが終わるまでは監査官は安全です」
焦燥に駆られる自身に比べ、落ち着き払ったジェームズの様子に、ウェルソンは苛立ちを抑えられず、机をたたく。
「1ヵ月猶予があるからと言ってなんだと言うんだ!!情報を渡した男が捕まった以上、首を抑えられたようなものだ!!」
「落ち着いてください。すでにプロジェクトは動き出しています。対象αに対して『P-01』の投与に成功しました。あとはじっくりと堕としていけばいい」
そう言ってウェルソンに向けられた無機質な瞳に、ウェルソンは思わず言葉を詰まらせた。
『はっ……んっ、あぁ……』
モニターの中、アスカがベッドの上で大きく足を広げながら、股間に伸ばした手を動かしていた。
スーツを脱ぎ捨て、露出させた肉花弁がかき回し、ぐちゅりぐちゅりと淫らな水音をカメラのマイクが拾っていく。
『あ゛ぁ、んん゛っ……はぁっ、あっ』
大きく股を開き、腰を浮かせながら手指を秘所へと押し当てる。花弁を押し広げ指を挿入するたびに腰が浮き上がる。
興奮に膨らんだ肉豆が小指で押しつぶすように刺激すると、一際大きな喘ぎ声が上がる。
「いかがですか?あの甲河アスカのオナニーですよ」
ジェームズは端末を操作してモニターを切り替えると、今度は別アングルからの映像を映し出す。
それは正面からのカメラで、大きく股を開きながら自らの指で快楽に耽るアスカの姿が映し出されていた。
「はぁ、もう最悪」
DSO日本支部の名物とされている大浴場。二種待機を解かれたアスカは、昨夜の遊びの汚れと疲れを落としていた。
結局昨夜は緊急の任務もなく、つまり朝方まで自慰に耽ってしまった身体は、虚脱感と疲労感でかなり重い。弄り過ぎた乳首は赤く腫れ、クリトリスはお湯の温度でジンジンとした痛みが走る。ただその痛みを心地よく感じているのも確かだった。
そっと自身の股間に手を伸ばし、割れ目に沿って指を滑らせる。
「んっ……あっ」
ピリッとした刺激が背筋を走り、アスカは小さな吐息を漏らす。
昨夜の遊びですっかり敏感になった身体は、少し触れただけでも反応してしまう。
しばらくモジモジと俯き身体を揺すっていたが、ぎゅっと身体を硬直させると、今度は弛緩させた。
「あ゛っ……ふぅぅ」
湯船の淵へ頭を乗せ、天井を仰ぎ見る。
しばらくその体勢で放心していたが、「はぁ」と大きく溜息を吐き、勢いよく湯船から上がった。
シャワーで軽く流し、脱衣所へと向かう。バスタオルで身体を拭き、下着を着ける。
バスタオルを身体に巻きつけ鏡台前に座り、ドライヤーの電源を入れると、温風に吹かれながらブラシで髪を梳いていく。
よく手入れのされたサラサラの髪が風にたなびき、ドライヤーの熱にあてられてほんのりと赤みを帯びる。
自前のスキンケア用品を取り出し、顔に化粧水と乳液を塗り込むと、ロッカーから取り出した制服に袖を通し、髪をセットし、最後にもう一度ブラシで整えれば、鏡に映るのはいつもどおりの姿だ。
「うん、よしっ」
パチンと両手で頬を叩き気合を入れ直して浴場をあとにする。
今日は通っている学園も任務もない。ショッピングにでも繰り出しても良いだろう。そんなことを考えながら廊下を歩いていると、不意に後ろから声をかけられた。
「おはよう、Ms.コウカワ」
振り返った先に立っていたのは、温和な笑みを浮かべた白衣の男が立っていた。外部に買い物へ行っていたのだろうか、手には品物が入ったビニール袋をぶら下げている。
「ジェームズさん、おはようございます。それ朝食ですか?」
「ああ、サンドイッチにコーヒー…それとプリンさ」
「本当に好きなんですね…。食堂は利用しないんですか?」
「朝は静かに楽しみたい派なんだ」
雑談を交わしながら居住区へと向かい、廊下を歩いて行く。
技術班の班長であるジェームズはアスカを気に掛けていくれる大人のひとりで、何気ない話を交わす仲だ。最近はウェルソンに、監査本部の設備準備の際に目を付けられ、こき使われているらしく、あまり顔を合わせていなかった。
「義肢はどうだい?不調はないかな」
「ええ、小谷さんの整備と同じくらい、良い状態ですよ」
「それは良かった。チームのみんなも喜ぶよ」
話し込んでいると、あっと言う間に居住区へたどり着く。アスカが部屋へ入ろうとするとジェームズが待ったをかけた。
「気のせいならいいのだが、少し疲れているのではないかい?顔色があまりよくない」
「あ~、昨日二種待機だったからだと思います。寝ればすぐ良くなりますよ」
「ならばいいんだが…どうだろう、少しマッサージをしてあげようか?」
「え、マッサージですか?」
「ああ。整備班は細かな作業もあるから肩こりがひどい連中ばかりでね。皆それぞれ身体の整備もできるように学んでいるんだ」
そう言って笑うジェームズは、「どうかな」と自室の扉へと視線を向ける。
久しぶりの休日…と言って予定があるわけでもない。外出するにしても午後からでも十分に時間はある。マッサージを受けて午後から遊びに繰り出すのも良いだろう。そう考えたアスカは、ジェームズの申し出を受けることにした。
「それじゃあ、ここに座って」
ジェームズの部屋は士官クラスの間取りで、アスカの与えられているワンルームの部屋よりも幾分広く、またベッドルームや書斎などに分かれており、下手なマンションよりも居住性は高い。
通されたリビング、置かれたソファにアスカが座ると、ジェームズはすぐそばのサイドボードの上に置かれたアロマキャンドルに火を灯す。
「いい匂いですね」
ふわりと漂ってきた香りを胸いっぱいに吸い込みながら、アスカはリラックスした様子で背もたれへと身体を預けた。
その様子にジェームズも満足そうに微笑むと、白衣を脱ぎ、その下に着ていたグレーのシャツの袖をまくり上げる。
大きな手の平がアスカの肩に置かれ、ゆっくりと指圧を始める。最初は肩の筋肉をほぐすように指圧、そして徐々に力を強めていく。
凝り固まっていた筋肉が解れ、血行が促進されていくのを感じる。
じんわりと温まっていく身体と、心地よい指圧にアスカの口から思わず「あぁ…」と吐息が漏れる。
「どうかな?気持ちいいかい?」
「ええ…すごく気持ちいいです…んっ、あっ」
肩の筋肉を解していた手が首筋へと伸び、優しくも力強い指が首の付け根から頭まで揉みほぐす。
じんわりとした気持ちよさが脳に伝わり、アスカはうっとりと目を細めた。
身体から力が抜け、背もたれに完全に身体を預けてしまう。
「昨日も任務だったんだろう?すまないね、君みたいな女の子に」
「いえ、任務ですし……それに私強いんですよ?」
そう言って力こぶを作るように腕を曲げるとアスカは得意げな顔で笑った。
「ははは、これは頼もしいな」
「でしょう?だから心配しないでください」
「ああ、わかった。でも無理だけはしないでくれよ。君はこのDSOにとって大事な人なんだ」
「はい、わかってます」
マッサージの合間に交わされる会話。心地よい刺激と、和やかな雰囲気にアスカはリラックスを深めていく。
肩の力もすっかり抜け、背もたれに身を預けながら、アスカはふっと息をついた。
「ふぅ……なんだか、久しぶりに落ち着けた気がします」
「それはよかった。肩もかなり柔らかくなってきたしね」
ジェームズは一度手を離し、アスカの首元に視線を落とした。
「このあたり――鎖骨の周辺も、意外とリンパが詰まりやすいんだ。首と肩を支えてるところだから、緊張が溜まりやすい」
言いながら、ジェームズの指先が鎖骨のくぼみを軽くなぞるように示す。
「……あ、鎖骨って触るんですね?」
「うん。無理にはしないけど、少し流すだけでも全然違うよ。深呼吸もしやすくなるし、気分も軽くなる」
「じゃあ、お願いします」
「よし、それじゃあ次は鎖骨のあたりをほぐすね」
ジェームズの手がアスカの首元から鎖骨のくぼみへと滑る。指先で軽く押し流すような動きは、それまでの肩や首筋とは違い、どこか繊細な感触を伴っていた。
「ん……そこ、少しくすぐったいかも」
アスカは小さく身じろぎをしながらも、ジェームズの動きを拒むことはなかった。
その指が、鎖骨の端から肩へ、あるいは胸の上部へとゆっくりと移動していく。決して乳房には触れない。しかし、そのすぐ下をかすめるような軌跡は、意識の奥で微かな火種を灯していた。
心なしか、呼吸が少しずつ浅くなっていく。湯上がりのような熱がじわじわと胸元にこもり、肌が敏感になっているのをアスカ自身も感じ取っていた。
「どうかな、痛みはある?」
「ううん……なんか、ちょっと……変な感じ。いやじゃないけど」
曖昧な言葉を口にした自分に、アスカは思わず頬を染める。
ジェームズの指は依然として一定のリズムを保ちつつ、胸骨の際から脇の下へと滑り込む。乳房には触れていない。だが、その周囲をなぞるような指の動きが、胸の奥に鈍い熱を宿していく。
昨日の夜に散々に自身で揉みしだき乳首を抓り上げていたせいか、周辺への刺激がもどかしい。
「んっ…ふっ…ふぅぅっ」
アスカの吐息に熱が籠り始める。
目を閉じてジェームズの手の動きに意識を集中し、さりげなく身体を動かして、その手の流れを変える。
豊かな乳肉に手が掠り、むにゅりと小さく形が変われば、それはアスカの期待感を助長させる。
だがジェームズの手は、その期待に反してアスカの乳房には決して触れようとせず、脇の下や脇腹を優しく刺激していく。
もどかしさが募る。
もっと強く揉んで欲しい。いや、揉むだけでなく、胸全体を揉みしだき、乳首にも刺激を与えてほしい……そんな欲求が頭をよぎる。
しかしそれを口に出すことは躊躇われた。マッサージで感じているなど、まるで変態ではないか?と羞恥心が邪魔をする。
そんなアスカの葛藤をよそに、マッサージは続いていく。
「若いね…凝りがもうほぐれ始めてる」
「んっ……そ、そうなんですか?」
「ああ。ほら、こことか……」
そう言ってジェームズはアスカの脇から胸の付け根へと指を進めると、そのまま乳房のふもとを円を描くようになぞった。
「あぅっ!!」
思わずアスカの口から嬌声が漏れる。
漏れ出た声に、一瞬ジェームズの手が止まる。だが、すぐに何事もなかったかのように動きを再開する。
しかしそれは先ほどまでとは違う、明らかに性的な意図を持った動きだった。胸骨から乳房の下縁を辿り、ゆっくりと脇腹へと指が這っていく。円を描くように、優しくも艶めかしい動きに、アスカの思考がとろりと蕩けていく。
ジェームズはそんなアスカの様子に浮かべていた微笑を深めると、耳元へと口を寄せる。
「アスカ、どうしたんだい?ずいぶんと顔が赤いじゃないか」
耳元で囁かれる声に、アスカの背筋がぞくりとする。
熱い吐息が鼓膜をくすぐり、脳が甘く蕩けていく。
だがそれでも、まだ羞恥心は残っていた。一瞬脳裏に浮かんだ自分の欲求を口にする勇気はなかった。だから……
「んぁっ!……マッサージ……っ、気持ちいいから……」
そう言ってアスカは誤魔化した。しかしそんな内心などお見通しとばかりにジェームズは笑う。
「そうか……それじゃあもっと気持ちよくしないとな」
そう言うと、ジェームズはアスカの乳房へと手を伸ばした。肩を包み込んだように、手の平で乳房を包み込むと、優しく、しかしゆっくりと揉み込んでいく。
「あっ、んんっ、ああっ」
敏感な乳房を揉まれる快感。少し指が動くたびに乳首が刺激され、アスカは声を漏らす。
反射的に腰を浮かせて逃げるような動きを取るが、それはむしろ胸を突き出し、より強く揉ませているようにしか見えなかった。
「んぁっ……あふっ……ふぅっ、んっ」
甘い声が漏れてしまうのを抑えられない。
マッサージで感じているなど変態ではないか?という羞恥心が頭をよぎるが、その考えはすぐに霧散してしまうほど、アスカは乳房を揉まれる快感に酔いしれ始めていた。
「あぅっ……ふわぁぁっ!!」
不意に乳首を抓られ、大きな声が漏れてしまう。慌てて口を塞ぐが、時すでに遅しだ。
羞恥で顔が熱くなるのを感じる。しかしそれと同時に、蕩けた膣の奥から蜜がとろりと流れ出るのをアスカは感じ取っていた。
「気にしなくていいよ。この部屋で起きたことは秘密だ…そうだろ?」
ジェームズが耳元で囁く。その優しい声音に、アスカは無意識に小さく頷いた。
あきらかにおかしな状況に、しかし茹だった思考では正常な判断を下すことができない。あの甘やかな刺激で、もっと気持ちよくしてほしい……そんな欲求だけが頭を支配していた。
「じゃあもっと気持ち良くならないとな」
そう言うと、ジェームズは「下着を外しなさい」とアスカに指示する。
羞恥心はもはやなかった。アスカは素直にシャツの中へと手を入れ、ブラジャーのホックを外した。
乳房を締め付けていた感覚が消え、解放感が押し寄せる。カップから溢れた乳首がシャツに擦れ、アスカは思わず身をよじった。
背後でゴソゴソとジェームズが動く気配を感じる。続いてパチンというボタンを外す音、そしてファスナーを下ろす音が聞こえ、背後から抱きしめられた。
耳元で荒い息遣いを感じると同時に、大きくて硬い手が乳房を掴んだ。その感覚にアスカはぶるりと身体を震わせる。
今度はブラジャー越しではない。直接乳房を揉みしだかれる快感は、先ほどの比ではなかった。
大きな掌で乳房全体を掴み、やわやわと優しく揉み込んでいく。
時折指先が乳首を掠める度に、アスカの口から甘い声が漏れてしまう。
乳房全体を愛撫する動きは徐々に乳首へと集中していき、やがて親指と人差し指が両の乳首を摘まんだ。
その瞬間に、アスカの身体が大きく跳ね上がる。
「んあぁ、乳首ぃ…乳首気持ちいいのぉ」
「ははは、こんなに勃起して…Ms.コウカワはほんとに変態さんだね♪」
「だってぇ…ジェームズさんが、あぁっ……マッサージするからぁ……」
「でも嫌いじゃないだろ?乳首をもっと摘まんで欲しい?」
耳元で囁かれる甘い誘惑に、アスカはこくこくと頷くことしかできない。
その答えに満足したのか、ジェームズは人差し指で乳首を強く押し込み、親指と擦り合わせるように刺激した。
「んひぃぃっ!それっ、それダメぇ!!」
強い快感にアスカの腰がガクガクと揺れ大きく仰け反った。何かを耐えるように歯を食いしばり身体を震わせる。
アスカの様子に「おや?」とジェームズがスカートへと手を伸ばし、捲し上げた。
黒いタイツに包まれたピンク色のショーツ。その股布にじわりとシミが広がっている。アスカは胸を揉まれるだけで軽く絶頂を迎えてしまていた。
その事実に、ジェームズは笑いながらショーツへと指を這わす。そしてシミの部分を指の腹でなぞり上げた。
その瞬間アスカの口から悲鳴のような声が上がる。
「んあぁっ!そ、そこぉっ!!マッサージ違うぅ!!」
「じゃあ、止めるかい?」
「そ…れは」
ジェームズの言葉に、アスカは口ごもる。
キョロキョロと視線を彷徨わせ、何か言いたげに口をもごもごと動かす。
どうせ答えなどわかっているジェームズは、「うん?」と惚けた様子でアスカの言葉を待つ。
「マッサージ……もっとしてほしいです……」
消え入りそうな声でアスカはそう口にした。その言葉にジェームズは満面の笑みで応じる。
「ああ、もちろんだとも」
そう言ってショーツ越しに指を這わし、割れ目に沿って上下に動かし始めた。その刺激にアスカの腰がビクビクと震える。
「んあぁっ!あっ、あふっ……ふぅっ」
指の動きが早くなるにつれ、くちゅくちゅという水音が大きくなる。その音に合わせるように、アスカの口から漏れる声も大きくなっていく。自身から腰を浮かせてジェームズの指に擦り付け、「ふぅ、ふぅ」と熱の籠った吐息を吐き出す。
その様子を観察するようにジェームズがじっくりと観察しながら、指の動きが変わり、タイツ…そしてショーツを内側から押し上げているクリトリスをピンと跳ねてやる。するとアスカは一際大きな嬌声を上げ、身体を弓なりに反らした。
「ひぃあぁっ!くっ…クリぃぃ!!」
昨晩弄り過ぎて傷ついたクリトリスを刺激され、アスカは目に涙を浮かべながら快感に悶えた。ジェームズはそんなアスカの様子に、タイツを破りショーツの股布をずらすと、直にクリトリスを撫で上げる。指の腹で優しく円を描きながら擦り上げると、アスカは腰を跳ね上げながら嬌声を上げた。
「ちょっ…まっ…ふんんんんぅ!?」
ブシャァァッ!! 勢いよく潮を吹き上げ絶頂するアスカ。それと同時に膣内が激しく痙攣し、大量の潮が吹き上がる。
ガクガクと腰を震わせるアスカの姿に、ジェームズは満足そうに笑った。
「こんなに激しい潮吹きまでするなんて……アスカは本当にエッチな子だ」
「はぁ、はぁ、んぁっ……」
荒い呼吸を繰り返しながら絶頂の余韻に浸るアスカ。その表情は蕩けきっており、目尻には涙の雫が光っている。
そんなアスカの様子にジェームズは再び股間へと手を伸ばす。もはや遠慮はなかった。
割れ目を広げて膣口へ中指を添えると、ぐじゅりと音を立てて挿入した。
再び大きく仰け反ったアスカの火照り色付いた喉がヒクついた。
☆
「ふぅ……」
DSO監査本部の一室。
施術台の脇で、ジェームズは肩を回しながら深く息を吐いた。
手のひらには微かな熱が残っており、それがどこか生々しく、彼の神経を逆撫でするようだった。
アスカ――素手で男の首の骨を叩き折れるような対魔忍の肉体を、素肌の上から指先で扱うという行為。
いくら薬剤で反応を鈍らせ、感度を上げる仕込みをしているとはいえ、油断はできない。
彼女の反射ひとつで、肘を砕かれ、首を折られてもおかしくない。
そんな緊張感を伴う時間が、何日も続いているのだ。
冷静さを装ってはいたが、心身の消耗は想像以上だった。
無意識に肩へ力が入っていたのだろう、脱力した瞬間、背筋に軽い痛みが走った。
「お疲れ様です。先ほどまでウェルソン氏もいらしてましたよ」
出入りの若い職員が軽い口調で声をかけてきた。
だが、ジェームズはそれに対して首を軽く振るだけで返した。
「ああ、別にいい。……最後の仕上げのときに来れば問題ないさ」
言いながら、小さく舌打ちをこぼす。
思い出したくもない――今の“上司”の顔が脳裏を過った。
ウェルソン。
本国から突然送り込まれてきた、冷笑と傲慢さを張り付かせたような男。
最初は誰もが、ただの政治的ポストか、あるいは“マダムに嫌がらせをするための刺客”だと高をくくっていた。
ジェームズも例外ではなかった。
だが――
「明後日の方向から監査されて、まさか私の裏の顔を見抜いてくるとはな……」
マダムに悟られぬよう、綿密に構築していたビジネスルート。
ノマドとの非公式な利害関係。それが、あの男に見破られたときは、背筋が凍った。
あの瞬間、さすがに背筋に冷たいものが走った。
報告されたら終わりだ。だが、予想外の展開が待っていた。
『マダムにはこのことを報告しない。その代わりに、私の指示に従ってもらう』
ウェルソンはそう言って、淡々と取引を提示してきたのだ。
死の宣告ではなく、契約書。処刑ではなく、雇用。
ジェームズは一瞬の逡巡もなく頷いた。
「お世話にはなりましたが……まぁ、しょうがないですね」
結局のところ、誰だって自分が一番可愛い。
命より大事な正義なんて持ち合わせていない。
生き残るために誰にでも頭を下げるし、裏切る時は笑って握手できる。それが、この世界の生存戦略だ。
ジェームズは苦笑するように呟くと、静かにデスクへと腰を下ろした。
「――アスカ!!」
「っ!?は、はいっ」
鋭い声に、アスカの肩がびくりと跳ねた。
何かを取り繕うように背筋を正すも、その顔にはどこか上滑りしたような笑みが浮かぶ。
「はぁ……しっかりして頂戴。作戦まであと数日しかないのよ?」
マダムの声に、会議室の空気がピリリと緊張する。
DSOの作戦会議室──
長方形の重厚な机を囲んで座るのは、ノマド襲撃計画に関わる主要な幹部たち。
机上には資料ファイルと端末が並び、壁面には立体マップが投影されている。
しかしその中で、ただ一人――アスカだけが、その場に馴染めていなかった。
虚ろな目。どこを見ているのかわからない視線。
背後のスクリーンで映し出される施設の配置図にも反応せず、声をかけられるまで、意識が完全に浮遊していたようだった。
「ご、ごめんなさい……大丈夫です」
慌てて姿勢を正し、ペコリと頭を下げる。
だがその動作すら、どこかぎこちない。まるで身体が思うように動いていないかのようだった。
マダムは小さく息を吐くと、周囲に視線を流す。
会議室の片隅では、他の幹部たちがアスカの様子を訝しげに見つめていた。
「……いいわ、ここまでにしましょう。ほとんどの準備は終わっているし、実働隊のアスカが当日不調では困るもの」
その言葉に、数人がうなずく。
「そうだな。君には作戦当日、最前線で戦ってもらうのだから……休息は必要だ」
「体調管理も任務のうちですよ、アスカ」
優しさと皮肉が入り混じった声が飛ぶ中、アスカは黙って会議室を後にした。
背を向けるその姿には、いつもの鋭さも、緊張感も感じられなかった。
――ただ、熱に浮かされたような緩慢な足取り。
しっかりとした足音すら立てられない、微妙なふらつき。
それを見送るマダムの顔には、微かな不安が浮かんでいた。
「……アスカ、様子がおかしかったですね」
最初に声を発したのは、分析官の一人だった。
端末越しにアスカのバイタルログを確認しながら、小さく眉をしかめる。
「ええ。たぶん、エドウィン・ブラックと向き合う覚悟が、焦りを呼んでいるのかもしれないわ」
マダムは手元のファイルを閉じながら、静かに答える。
「彼女にとっては――仇討ちだからね」
「一族の…」
「そう。アスカにとって、あの男を倒すことは宿命そのもの。誰よりも長く、強く、そのために生きてきた。……でも、だからこそ、見誤る危険もある」
マダムは、軽くこめかみに指を当てる。
「冷静さを失っては駄目。今回はあくまで“作戦”。個人の私情を挟んで、すべてを台無しにされたらたまったものじゃないわ」
「それにしても、あんなアスカを見るのは初めてです。ここまで気が散っているなんて……」
「そうね。……まるで、熱に浮かされてるようだったわ」
マダムの目が細められる。
「まあいいわ。少し様子を見ましょう。今の彼女に必要なのは、上司の説教より――体を休めることよ」
☆
「おや、会議は終わりかい?」
通いなれたジェームズの部屋を訪れたアスカを待っていたのは、部屋の主であるジェームズと嫌見たらしい笑みを浮かべたウェルソンだった。
いつもの白いスーツ姿で脚を組み、コーヒーを啜っている。
嫌悪する男の姿に、しかし熱に浮かされたような表情のアスカは、以前までのような作り笑いを浮かべる余裕も内容で、フラフラとジェームズに近寄った。
顔は赤く上気し、目はトロンとして焦点が合っていない。大きく開かれた口から涎が垂れる有様で、尋常な状態ではないことがうかがえた。
まるで媚薬でも盛られたようなアスカの様子に、ウェルソンは楽しそうに口の端を歪めた。
ジェームズに寄りかかるように抱き着き、あと少しで唇が重なる寸前。
「おおっと、今日は私じゃないんだ」
そう言ってアスカの唇に人差し指を当てたジェームズが、ウェルソンへと視線を向ける。それに釣られるようにしてアスカはぼんやりとした目をウェルソンに向けた。
ウェルソン。
その顔を見た瞬間、わずかに拒絶の感情が浮かんだ。
傲慢で、見下すような態度。人の神経を逆撫でするような話し方。
どうしても好きになれなかった男だ。
なのに。
ジェームズの指が顎をすっと持ち上げると、アスカの身体は勝手に脱力し、素直に顔を仰け反らせた。
それは、男を受け入れる姿勢だった。
どうしようもなく疼く身体が、理性のブレーキを嘲笑う。
目を閉じる。
もう、どうなってもいい――そんな諦めに似た熱が、アスカの中に広がっていた。
その顔に、ウェルソンがゆっくりと顔を近付けていく。
「んっ…ちゅ……ちゅぅ……」
唇が重なると同時に、アスカの舌がウェルソンの口内へと侵入する。
それに答えるように、ウェルソンも舌を絡める。
くちゅり、ぴちゃり。
唾液を交換する水音が響き渡り、二人の口元から涎が流れ落ちる。
やがてどちらともなく唇を離すと、つぅっと銀糸が伸び、プツリと切れた。
「ふふ……随分と積極的じゃないか」
「……はい。もう我慢できません」
蕩けた表情でそういうアスカに、ウェルソンの加虐的な笑みが深まる。
アスカの調整はすべてジェームズに任せていたため、実際にアスカに会うのは、あの屈辱を味わった司令室での出来事以降初めてだ。
以前まであった小生意気さは鳴りを潜め、媚びた視線に、男の性欲を刺激する仕草。
まさかここまで変わるとは思っていなかった。
「そうか。なら、今日は私が可愛がってやろう」
そう言ってウェルソンがアスカの身体を抱き上げる。その胸にしなだれかかるようにして身体を預けるアスカは、もはや完全に理性を失っていた。
そのままベッドルームへと運ばれると、ベッドの上に転がされるように降ろされる。
カチャカチャとベルトのバックルを外す音が聞こえ、アスカは期待に熱い吐息を漏らした。
興奮し荒い息を吐くウェルソンが、アスカの両脚を左右に割り開く。
黒のタイツに包まれた股間は、まるで失禁したかのように大きな染みが広がっていた。
無遠慮に伸びた手がタイツを容易く破り、ぐっしょりと濡れたショーツのクロッチをずらし、その奥に隠された秘裂を露出させる。
「んっ……あぁっ」
アスカの口から甘い声が漏れる。
ウェルソンはその声を楽しむように、ゆっくりと中指を挿入した。
「んぁっ!あ、ああ……」
待ちわびた刺激にアスカの身体が震える。
ぐちゅりと湿った音を立てて膣内をかき回され、アスカは腰を浮かせて悶えた。
しかし、すぐに指の動きが止まると、物足りなさに切なそうな吐息を漏らす。
そんな反応を楽しむように、ウェルソンは指を引き抜くと今度は二本の指を同時に挿入し、激しく出し入れを始めた。
「あっ、ああっ!んぁっ!」
激しいピストン運動にアスカは背中を仰け反らせ、大きな胸を揺らす。
その反応を楽しむかのように、ウェルソンはさらに指の動きを加速させた。
ぐちゃり、ぐちゅりと淫らな水音が響き渡り、アスカの腰がビクビクと跳ね上がる。
「いいぞ……もっと乱れろ」
ウェルソンはそう囁くと、膣内の一点、天井部分のざらついた部分を指で擦り上げる。「んんんっ」と口から漏れ出た喘ぎ声と共に、アスカの腰が内側から押し上げられるように上がり、弓なりに身体が仰け反る。
膣内の蜜の量はさらに増して、ウェルソンの指を伝って手首まで流れ出していた。
それが潤滑油となり、さらに動きがスムーズになる。
膣内を蹂躙する二本の指の動きが速まり、Gスポットを擦り上げられる度にアスカの口から嬌声が上がった。
もう既に絶頂寸前――そう確信したウェルソンは、最後にひと際深く指を挿入し、同時に親指でクリトリスを押し潰すようにして刺激した。
その瞬間だった。
背中を大きく仰け反らせ、「あああっ!?」と一際大きな声で鳴いたかと思うと、全身を硬直させるように身体を強張らせる。次の瞬間にはぐったりと脱力してベッドに沈み込んだ。絶頂を迎えたアスカは、シーツに顔を埋めるように身体を横たえたまま荒い息を吐く。
そんなアスカの腰を摑み上げるようにして持ち上げると、ウェルソンはズボンから自身の肉棒を取り出す。すでに勃起していたそれは勢いよく飛び出し、湯気が出そうなほど熱いアスカの太ももに触れた瞬間ビクンと脈打った。
「あ……あぁ」
ついに現れたそれに、アスカの視線は釘付けとなった。蜜で濡れそぼった秘裂が物欲しそうに口を開き、ヒクヒクと蠢いている。
ウェルソンはその淫猥な光景に満足げに笑うと、亀頭の先端を入り口に押し当てる。
「入れてほしいか?」
ウェルソンの言葉に、アスカは恍惚とした表情を浮かべて小さくうなずいた。
「はい……お願いします」
「では言え。『私の変態おまんこにおちんちんを入れてください』とな」
「っ……」
そんな屈辱的な台詞を言わされようとしているのに、アスカの口から拒絶の言葉は出てこない。むしろ、これから行われるであろう行為を想像してか、期待に満ちた熱い吐息が漏れる始末だった。
「……わ、わたしの……へんた……おまん、こに……おち……んちんをいれてくださぃ……」
「もっと大きな声でだ」
「……っ、わたしの……変態おまんこに……おちん、ちんを入れてください……」
「ふんっ、いつもはうるさいくらいよく喋るくせに…まぁ、いいだろう」
ニタニタと笑いながら、ウェルソンはアスカの腰をがっしりと掴み、自身の先端をゆっくりと蜜壺へと挿入していく。ずぶずぶと肉がかき分けられ、膣内を満たす。
そのようやく満たされた感覚に、アスカの眦から涙がこぼれ落ちる。それは見下していた男に犯される悔しさから来るものではない。ここ数日待ちに待たされた、心から望んでいた快楽にようやくありつけたという歓喜の涙だった。
この逞しく脈打つ肉棒をアスカの蜜壺はずっと待っていたのだ。そしてそれを与えてくれるウェルソンに対して、自然と感謝の念が湧き上がる。
両腕を伸ばしたアスカは、そっとウェルソンの首後ろへと回し、両脚は腰へと回す。愛する男にするように、その身体を抱きしめた。
ウェルソンは一瞬驚いたように目を見開くと、すぐに口元に笑みを浮かべ、アスカの唇を奪った。
舌を絡ませながら、ゆっくりと腰を動かし始める。膣内を擦る感覚にアスカはくぐもった声を漏らした。
やがてウェルソンは唇を離し、上体を起こすと、本格的に抽送運動を開始した。
「あっ、ああっ!んっ……気持ちっ!」
待ちわびた快感にアスカが嬌声を上げる。膣内を往復し子宮口をノックされるたびに甘い痺れが全身を走り抜けた。
その快楽は麻薬のようにアスカの精神を犯していき、理性を完全に溶かしきる。
もはやそこにいるのは、一匹のメスだった。
ウェルソンの動きに合わせて腰を振り、より強い刺激を求めるように膣壁を締め付け、雄肉へと媚びる。
「ああ、いいぞ……肉ヒダが絡みついてきて……締め付けも最高だ」
「んっ、ああっ!このちんぽもぉ……いいっ!奥まで、届いてぇっ!ん゛ん゛っ!?かりが、引っかかってぇ!」
「ここか?この奥が良いんだな?」
ウェルソンが意地悪く問いかけ、亀頭で子宮口をノックする。その瞬間アスカの目の前が真っ白になり、だらしなく開いた口から舌を突き出すようにしながら悶えた。
「んお゛ぉぉっ!子宮ぅ!?子宮口ちゅぶされてるぅ!?あ゛ぁ゛ぁ゛っ!んぉ゛っ!」
子宮口からの刺激は凄まじく、アスカの視界がチカチカと明滅する。抽送のたびに溢れ出す蜜が泡立ち、肉と肉がぶつかり合う音が響き渡った。
やがて限界が近づいてきたのか、ウェルソンはアスカの腰を摑みなおし、ラストスパートをかけるように激しく抽送を繰り返す。その勢いにアスカは背中を大きく仰け反らせ、獣じみた声で絶叫する。
「ん゛お゛っ!あ、ああっ!イく、イッちゃうぅ!」
「私も……
ウェルソンの宣言にアスカは歓喜に満ちた笑みを浮かべた。膣内射精――その甘美な響きに子宮が疼き、膣壁がぎゅっと締まる。少しでも気持ちよくそして最奥で
「だして…だひてぇ…熱々のザーメン……
「くっ!!」
ドビュルルルーーッ!!ビュル、ブピュッ、ドプッドプンッ!!
勢いよく放たれた精液が子宮口を叩く感覚にアスカは背中を大きく仰け反らせ、身体を硬直させる。同時に秘裂から潮を吹きだし、ウェルソンの肉棒と陰毛をびしょびしょに濡らした。
「ん゛お゛ぉぉぉっ!?あ゛つぅ……い……いっぱい出てるぅっ!熱々ザーメン…
ウェルソンは最後の一滴まで搾り出そうと、ぐっぐっと腰を突き出し、アスカの膣内へと精液を流し込む。その動きに合わせてアスカは痙攣を繰り返し、秘裂からはぶしゃあっと潮が噴き出した。
やがて長い射精が終わると、ウェルソンはゆっくりと肉棒を引き抜く。ぽっかりと開いた膣口からどろりとした白濁液が流れ落ちる様は壮観だった。
「あ……ああ……」
陶然とした表情を浮かべて絶頂の余韻に浸るアスカ。その口元に引き抜かれた肉棒が突き出され、ウェルソンがニタリと笑みを浮かべた。
「……綺麗にしてもらおうか」
「はい……んちゅっ、ちゅぱっ、れろっ……」
アスカは素直に頷くと、その先端に舌を這わせる。鈴口を舌先でほじくるように刺激し、カリ首の溝を丁寧になぞっていく。そして大きく口を開けると、白濁にまみれた亀頭を咥え、じゅるじゅると下品な音を立てて吸い上げた。
やがて満足するまで舐めしゃぶったあと、口を離すと再び先端へと口づけして掃除を終えた。
「…はぁ…綺麗なりましたぁ♡」
そう言って上目遣いでウェルソンを伺うアスカ。部屋に入って来た際の異常な発情は抑えられ、その表情には理性が戻っていた。だがその瞳には媚びた雌の光が灯り、口元はだらしなく緩んでいる。ウェルソンはその顔を見下ろし、満足げに頷いた。
短編なのであっという間にアスカが堕ちた感じになってしまった…
きららの続いている奴もそうですが、短編集から独立して10話ぐらいの長さで書いてみるのもいいかもなぁ…
一応、この続きとしてはアスカを使ってマダムを躾けて行く感じを考えていますが、いつ頃書くかは未定