Re;サノバウィッチの世界へ転生して、青春を謳歌したい 作:ミュウにゃん
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〈柊史 Side〉
保科「………」
保科「(……ふぅ……)」
昼休みも終わり、授業が始まったというのに、いまだに俺には嫉妬の視線が向けられていた。振り返らずとも分かる。
ちなみにこれは、決して自意識過剰などの勘違いではない。
はっきりと身体で感じるのだから。
俺にとって
この"人の感情を五感で感じ取る"能力は物心ついてから持っていた力だ。これを知っているのは、親友の中でも2人しか知らない。
一人は、このクラスにいる「デュアン」もう一人は、幽霊が視える鬼太郎みたいな髪型をしている「竹内蓮太」の二人だ。
保科「(地味に痛いんだよな、嫉妬の視線って)」
しかも、俺が感じるのは、嫉妬の視線だけじゃない。
海道が心配してくれた時に感じた酸味も、秋田さんが嘘を言った時に感じたクスリのような味もそうだ。デュアンのは――――ほんのり甘く、優しい味がするのに、徐々にどんどん甘くなってきて、病みつきになりそうな味がする。依存したくなる甘さだ・・・なのに、纏わりつくような嫌な気配もする。
これらは全て比喩じゃない。俺は人の気持ちというものを五感で感じることができる。
眼の前に嫌な気分の人がいたり、場の空気や雰囲気が重苦しいときは、苦みや頭痛。怒ってる人なら、辛味や炙られるようなチリチリとした痛み。心配や不安を感じている人なら酸味。優しさなどは、甘味や心が温かく感じる。他にも"色"や"匂い"が伴うこともあったりする。
これが、親友である二人以外には言えない俺の秘密だ。この秘密を抱えているから、俺は人頼みをできるだけ断らない。いや断れない
もし断って逆恨みでもされたら、苦味と頭痛に悩まされ続ける。
だから、雰囲気や空気を必要以上に重視するようになってしまった。
保科「(デュアンも言っていたが、この性格、なんとかしないと……と、思っては居るんだけどなぁ……)」
ちなみに病院で検査をしたこともある。子供の頃は、バカ正直にこの感覚のことを口にしてしまったことがあるのだ。
あまりにも真剣な様子に、先生や親に心配させて念のために病院に行ったものの、異常はなし。
感受性が強すぎるのではないか?と言われたものの、治るものでもない。それにデュアンは、あの時――――――――
『異常がないのに、感受性が強い?ふざけてるのか?それは間違えなくお前の"個性"だ……』とも言われたこともあったな。
結局この不可不思議な感覚を受け入れて日常生活を送ることになった。
そうして人との間違いを把握して以来、この感覚を口にしないようように心掛けている。
ちなみに病院の先生は話半分に受け取っていたらしく、俺に疑いの眼差しを向けていた。その時は、味が濃いくせに生暖かいスープを食すような・・・なんとも言えない絶妙な気持ち悪さを味わったものだ。まあ、その後、デュアンが「医者が患者の言葉を信じずに、疑うのは……医者としてナンセンス。お前は患者のことをロクに調べもしないで、疑うことばかり……舐めてるのか?」と胸ぐらをつかみ、高濃度の殺気を飛ばしたことで、その医者は心が折れて、その医者は精神病に掛かってしまったみたいだが・・・
デュアンを怒らせるのは、ヤバいと再認識したのだ。
なので、このことを誰かに相談をしたりしもしない。唯一味方で居てくれるデュアンが一番安心なんだ・・・だけど、小学生があんな怖い殺気を出せる時点でデュアンは一番おかしいとオレは思う。なんか、こうデュアンだけ、別世界に生きているのではない、かと思ってしまう
海道が言うように綾地さんからの誘いは非常に魅力なことだけど・・・正直に打ち明けるわけにはいかない。
だからきっと、俺と綾地さんは他愛ない会話をする程度のクラスメイトで、卒業すれば会わなくなる。それぐらい軽い関係。
――――決して交わることのない人生だ。
そう。この時の俺は、そう思っていた―――――――
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〈デュアンSide〉
デュアン「……良いのか?柊史のこと」
綾地「良くは無いです……でも、ほっとけないんです」
デュアン「ほっとけ無い……か。ケーキ食べるか?」
綾地「パンケーキだったら、張り倒しますよ」
デュアン「
綾地「ふざけないでください……デュアン君から、見て……どう思います?」
デュアン「……心に穴が空いている……かなり重症だ」
綾地「穴?」
デュアン「そう、ドーナツの穴みたいに空洞が出来ている……心の欠片を回収しようとして、綾地さんが銃で撃てば……柊史の心は完全に壊れる」
綾地「……そ、う……なんですか……っ」
デュアン「む……代償が来たのか?」
綾地「は……い」
デュアン「……先生から、図書館の鍵を借りよう」
柊史は、もう帰っているだろう・・・
――――うん。そう思っていたんだ。
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