Re;サノバウィッチの世界へ転生して、青春を謳歌したい 作:ミュウにゃん
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保科「さて――――」
放課後になり、俺はカバンを持って席から立つ。
女子「保科くーん、本当にゴメンね、こんなことお願いしちゃって」
保科「おう、平気だから」
女子「ありがとー。それじゃ、バイバーイ♪」
保科「ああ。また明日」
海道「で、結局仕事は代わったままか」
保科「とりあいず今日はな。一度受けたことを今更断るっていうのも……、さ」
仮屋「それは確かにそうかもしれないなー」
海道「はぁー……仕方ないな、オレも手伝うか?」
保科「あー……サンキューな、けどその気持だけでいいよ……ありがとな」
海道「やっぱりな」
仮屋「お約束だね」
保科「ん?何が?」
2人して呆れたような、苦笑いのような、なんとも言えない表情を浮かべる。
なんだ?一体どういうことなんだ?
仮屋「保科って文句を言いつつも、結局一人で作用しちゃうよね」
海道「ボッチ気質だよな、お前」
保科「オレより、デュアンのほうがボッチな気がする……って、そうじゃなくて、今日はPC使って打ち込む仕事みたいだから、一人でいいんだって……またこんなことがあったら、その時は……素直に頼むことにするよ」
仮屋「強情だぁねぇ」
海道「というか、こっちに頼む前に断れよ、お前」
保科「ん……分かってはいるんだけどな」
海道「あぁ……この様子じゃ、次も引き受けそうだな」
仮屋「こればっかりは性格の問題もあるし。言っても簡単には直らないかもね……まあ、あんまりしつこく言っても仕方ないか」
海道「オレは帰るけど、和奏ちゃんは?もし暇なら遊びに行かない?」
仮屋「海道と一緒に?」
海道「おう」
仮屋「2人っきりで?」
海道「ああ!」
仮屋「うん、それ無理♪」
海道「不幸だああああああああああァァァァ!!」
海道がなんか嘆いている。その間に教室の外へと出る。
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仮屋「海道には申し訳ないけど、今日は用事があるのだよ」
海道「用事ってなにさ」
仮屋「例のバイトだよ」
海道「確か……綾地さんに紹介してもらったやつ?」
仮屋「うん。だから今日は時間がないのだよ、申し訳ないね」
海道「バイトか……それなら仕方ないか」
保科「けど昼は授業、放課後は仕事なると、課題とか復習とかしてる余裕がないんじゃないの?」
仮屋「そうなんだよー。アルバイト終わって家に帰ったらすぐに寝ちゃってばっかりでさー……うー、次の試験は結構ヤバいかも……けど新しいギター買ったらやっぱり弾きまくりたいし……ううひひ」
トリップしてる、趣味にアルバイトか・・・
オレも、何かに手を出してみるか?
仮屋「おっと!これ以上話ししてたら遅刻しちゃう。じゃ、2人とも!急ぐから先行くよ!」
保科「また明日な」
海道「走って転ぶなよー」
保科「さてと、じゃあオレも図書室に行くわ」
海道「ああ、またな」
オレは海道と別れ、特別棟に向かった。
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特別棟には図書室や美術室を始めとし、その他にも文科系の部室が連なっている。
そのため、授業が終わってしまうと部活に関係のない学生は、ほぼ訪れない。
しかも図書室ともなると、特別棟の最上階にあるために行き来が大変だ。
・・・だからだろうか?想像以上に
そんな静かな廊下を歩いていくと―――――
保科「―――あっ」
見つけたのは"オカルト研究部"の室名札がかけられた扉。
保科「そういや、デュアンもオカルト研究部に入部してたな……」
オカルト研究部がこんな場所にあるとは思わなかった。
保科「……相談に乗ってほしいことも、占って欲しいこともないからな……」
デュアン曰く「小学校の頃からの幼馴染の手伝いだから、仕方ないだろう」のこと。
デュアン、綾地さん、海道、仮屋とは中学からの知り合いだ。まぁ、今はどうでもいいか。
デュアンには、見透かされてたが・・・オレの、この体質?というより、能力だな。
デュアンも、TS病という変な体質も持ってるよな。この事を知ってるのは、オレと、海道と仮屋ぐらいか?
さっさと、図書室に行かなきゃ。
オレは部室の前を通り過ぎ、図書室へ急いだ。
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保科「失礼しまーす」
図書委員「え?えっと……アナタは?図書委員じゃないよね?」
保科「2年Aの秋田の代わりです。彼女、抜けられない用事があったみたいで、代わりを頼まれて……」
図書委員「そうなんだ?そういうことなら……仕方ないか。じゃあ、お願いね」
保科「あー……悪いけど、やり方を教えてくれるかな?」
図書委員「そんなに難しく無いから。そこのパソコンの前に座ってくれる?」
保科「ああ……分かった」
図書委員「で、登録画面さえ出てしまえば…………あー、出た出た。ここに項目あるでしょう?カテゴリー、タイトル、著者、出版社とか。項目全部ね」
保科「打ち込んでいくだけ?」
図書委員「そう、それだけ。最後に登録ボタンを教えて……で、もう一度この画面に戻す、っと。分かった?大丈夫そう?」
保科「それなら多分大丈夫。わからないことが出たら、訊いてもいいんだよね?勿論。それじゃあ、登録してほしいのは、ここに積んでいる本。全部」
・・・・と、軽く考えたものの……結構な数だ。150冊ぐらいはありそうな・・・・
作業自体は難しくないものの。結構時間がかかりそうだ。
保科「えーっと、まずは……、……んっ、んーー………」
椅子をきしませながら、大きく背中を伸ばす。
保科「思ったよりも面倒だな、これ」
項目を全部埋めるには巻末を開く必要があるので、キータッチが片手になったして、速度を上げることが中々、難しい。
そういや、デュアンはブラインドタッチで片手で打てるんだっけ?しかも1分で1000文字近く打てる・・・見たことあるけど、あれ。絶対普通じゃない。とデュアンに言ったことがあったが、「オンラインゲームをやっていると自然に身につくし、ブラインドタッチはキーの位置さえ覚えれば簡単だぞ」と言い返されてたな。
結局、日が傾くような時間になっても……機関になってもまだ終わっていなかった。
保科「ふぅー……あとちょっとか」
図書委員「あの……終わった?」
保科「いや、まだ。すまない……もう少しで終わるとは思うんだけど……」
図書委員「……そっか」
保科「……」
不満そう、というほどあからさまではないものの、その顔には嫌そうな表情が見え隠れしている。
試験前になると利用者も多いのだろうが、この時期に図書室を利用する学生は僅か。
少なくても本日、図書室を利用する学生はいなかった。つまり、この広い空間に2人っきりなのだ。
しかも極めつけには、オレの作業待ちの状態・・・となると――――
予想通りというかなんというか・・・居心地の悪い雰囲気で、軽い苦味を感じる。といっても、別に委員の子もそこまで苛立っているわけではないだろう。
ただオレのこの奇妙な力は、自分に向けられた時の方が強い反応を示す。
オレ以外に向けられている場合は、そこまで敏感に反応するわけでもないんだけど・・・。
保科「ふむ……なんだったら、先に帰ってくれて構わないよ?」
図書委員「え?」
保科「いまさら利用者も来ないと思うし、施錠して鍵を職員室に返すだけなら、オレでもできるから、さ」
図書委員「でも、アナタは図書委員じゃないから……」
保科「今日は図書委員の"秋田"さんの代理として仕事しに来たんだから。オレが施錠をしたって問題はないよ、きっとね」
図書委員「そう、かな?」
オレの説得に少し気が楽になったらしく、表情が気安いものに変化する。
保科「オレのことなら気にしないでいいって。登録も、もう少しで終わるし」
図書委員「そ、それじゃ……お願いしてもいいかな?鍵はこれだから」
保科「ああ、構わないよ」
図書委員「ありがと!それじゃあお先に!」
保科「お疲れ様ー……、……」
そうして1人になると、先程まで感じてた苦味が徐々に和らいでいく。
保科「ふぃ~~~……少し楽になった。さてと、やりきってしまうかな」
特に焦る必要もないので、ゆっくり自分のペースで作業を続けていく。
保科「にしても、思ったい以上にいいな、図書室って。静かで、人もいなくて……色々とできそうだ」
今も一人っきりで、この広い空間を独り占め。
誰も遠慮することのない、そう。例えば・・・
保科「カチャカチャ、ッターン!」
気分良くキーボードを叩いて、決めポーズとともに遠慮なく大きな音を出すためにエンターキーを叩く!
保科「つい調子にのっちゃったけど……やっぱ、こういうのは恥ずかしいな」
一人ではっちゃけるの、やった後の後悔が大きかったりするんだよな。今後は控えようっと
保科「さてと……これで仕事は終了、よしっと」
満足したオレはPCの電源を落とし、帰る準備を整える。
といっても、カバンを持つだけで準備OK。あとは図書室の鍵がちゃんと掛かってるか確認する。
えーっと・・・窓は全部しまっている。大丈夫だな。
海道『はぁー……仕方ないな、オレも手伝うか?』
折角、親切にしてくれたのに・・・それぐらい、快く受け入れられるぐらいには・・・・
じゃないと、まともな人付き合いもできやしない。
それに・・・こんなオレ相手にでも、優しくしてくれている海道や仮屋、デュアンにも申し訳ないしなぁ・・・・。
保科「……そういえば、この図書室に本って、どんなのがあるんだろう?」
もしかしたら、自分を変えるための自己改革についての本とかもあるかな?
オレはカバンを置き、奥の本棚まで確認していく。
不意に口にした些細な疑問。別に無視をしてもいい好奇心。
そこに深い意味はなく、ただ単にラインナップを確認してみようという軽い気持ち。
けど、決して交わることのないと思っていたものが交わったのは、そんな些細な選択からだった。オレ、保科柊史は今日。多分、何かがかる日だと思った。虫の知らせとかそういうものだ。
〈デュアンSide〉
女性の声「あれ、誰もいないの?」
保科「……ん?」
女性の声「まったく。鍵を返しに来るのが遅いから様子を見に来たら、これだ……注意しておかないと」
あっ、やべぇ、様子を見に来た先生だ。ちょっとゆっくりし過ぎたか。
保科「あの――――」
綾地「あの、先生」
オレの返事に被さる声。さらに誰かが図書室に入ってきたようだ。
あれ?この声って・・・・
デュアン「久島先生……ちょっと調べ物がありまして……15分いや……30分間だけ鍵を貸してもらえないでしょうか?」
久島「部活に使うもの?」
デュアン「ダメですかね?」
久島「……。まあ、綾地とデュアンなら信頼もできるか。わかった、それじゃあ鍵を預けよう。でも、35分以内に職員室に返却しにくること。あと、施錠はしっかりするように」
綾地「わかりました。ありがとう……ございます」
デュアン「ありがとう……久島先生」
久島「じゃあ、そういうことで」
デュアン「はい、気をつけますね」
〈保科柊史Side〉
既に久島先生は退室し、図書室の中には綾地さんとデュアンだけが残った。
なんというか・・・出ていくタイミングをすっかり失ってしまったな。
先生がいるうちに、普通に出ていけばよかった。
この時、誰もが予想をしなかった。学年1位2位の美少女がまさか、図書室であんなことを――――――