Re;サノバウィッチの世界へ転生して、青春を謳歌したい 作:ミュウにゃん
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保科「失礼します。保科柊史、来ました」
久島「ご苦労様。せっかくの昼休みに呼び出して悪いね」
保科「それはいいんですけど……オレ、先生に怒られるようなことをしました?」
久島「別に怒っているわけではないよ。ただ、少し話をしておきたくて」
保科「は、はぁ……話、ですか」
久島「まあ、かけたまえ。そうだ、お茶でも飲むか?」
保科「こりゃどうも。あ、お茶請けも一緒にお願いします」
久島「こういう時は遠慮がないな……生姜の甘酢漬けでいい?」
保科「お昼に食べたであろうスーパーのお寿司についてた残りのガリじゃないですか、うわぁ、これはなんとも美味しそうだ!」
わぁいガリ、柊史ガリ大好き!
久島「そういう嫌味はやめなさい。嫌われるよ」
保科「別に嫌味のつもりはありませんって。結構好きなんですよ。鰹節とかっも単品で食べたりしますしね、では失礼して、いただきます」
オレはお茶を片手に、白いガリを数枚口の中に放り込む。ポリポリと噛みしめる。うむ、美味い。これはいいガリだ。
久島「まあ、一息ついたところで本題に入るとしようか……ちなみに確認しておくけど、保科は自分がこうして呼ばれた理由について思い当たることはある?」
保科「呼び出される違反をした覚えはないつもりですけど……もしかして昨日、図書館の鍵の返却が遅かったことですか?」
久島「残念、ハズレだ。いや厳密にはそこも含めての話なんだけど……保科、どうしてキミはそんなに人の仕事を引き受けるの?」
保科「どうしてと言われても……」
久島「あー……勘違いしないで欲しいんだけど、責めている訳じゃないよ。困っている者を助けるのはいいことだからね……しかしだからと言って、頼みごとを全て引き受けるというのは…………正直なところ、褒める気にはなれない」
保科「……すみません」
まっすぐ向けられる視線を受けて、口の中の苦みに酸味が混じり始めた。本気で心配してくれてるんだろう。気安い部分もあるし、何だかんだでいい先生で、学生からは結構人気があったりする。
ただし、結構男前の性格な性格でいらっしゃるので、男子よりも女子から人気が高かったりするとかしないとか。知らんけど・・・本人は至ってノーマルだそうだが。
久島「謝る必要はないよ。ただね……毎回毎回キミが仕事を引き受けていては、それが当然と他の子たちが認識してしまうかもしれない。アタシ―――というか、学院としてもそれは本意じゃない。これは昨日のような手伝いだけの話じゃなく、イベント実行委員なども含めた話だよ。ああいうものは、色んな子が経験すべきものだし、誰かに押し付けていいものじゃない……そこに関しては分かってくれてるね?」
保科「……はい。理解はしています。すみません」
久島「ちなみに訊くけど……仕事を押し付けられている、ということは?」
保科「イジメられているかどうかということなら、心配はないですよ?昨日は特に用事も無かったから引き受けただけですから……」
久島「そうか、それならいい。いや、よくはないからこうして呼んだんだけど……とにかく、あまり安請け合いしないように」
保科「うっす」
久島「……ちなみに保科、キミは部活とかやるつもりはないの?」
保科「部活って……いきなり、なんですか?オレ、2年ですよ?」
久島「『昨日は特に用事がなかった』から図書委員の仕事を引き受けたんでしょ?なら、もう少しプライベートな時間が忙しくなれば、こういうことも少なくなるんじゃないかと、淡い期待をね」
保科「う~ん……部活にはあまり興味が……というよりも、2年のこの時期から部活はちょっと……」
久島「もう人間関係は出来上がっているだろうしねぇ……今更入部しても馴染み辛いか」
保科「ええ。特にオレ、社交性がアルわけじゃありませんしね」
久島「自信満々に情けないことを言うんじゃないの、バカモノ……別に部活じゃなくてもいいんだけど……まあいいか。とにかく、今後は気をつけるように。以上」
保科「それじゃあ失礼します。お茶とガリ、ご馳走様でした」
久島「午後の授業も居眠りしないようにね」
オレは一礼してから、職員室を後にした。
保科「……また言われてしまった」
海道と仮屋、デュアンそして今日は先生。似たような心配をされている。オレとしては目立たないようにしてきたつもりだけど・・・あまり風見鶏っぷりに悪目立ちしてるようだ。
保科「けどなぁ……クラスメイトと揉めると、後が面倒だからなぁ」
子供の頃、些細な理由でクラス全体に悪印象を持たれたときは、数週間頭痛が続いた。あれは辛かった・・・。
保科「とにかく気をつけよう」
心配してもらえるのは嬉しいことだけど、そんな気持ちにも、五感が反応してしまう。せめて親切心ぐらいは、素直に受け取るようにならないと。
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授業が全て終わり放課後の教室は喧騒に包まれていた。
海道「さて帰るかー。柊史は?今日も何かあるのか?」
保科「ん?いや、まあ、その……ちょっとな」
海道「なんだよ?もしかしてまーた、何かの仕事をひきうけたのか?」
保科「いや、今日は違う。ちょっとした野望用だ……それより、デュアンは?」
海道「オカ研に行ったんじゃないか?さっき綾地さんと一緒に出ていったから」
保科「……デュアンは、綾地さんと付き合ってるのか?」
海道「本人達は否定してるし、それにデュアンって……分かりやすくて分かりにくいタイプだからな……だけど、信頼している友達や女子、好きな人には感情表現は分かりやすく出ると思う……オレと和奏ちゃんと付き合いを始めたのもデュアンのおかげでもあるし」
保科「え?なにそれ……初耳」
海道「それに、オレと和奏ちゃん、柊史がデュアンと釣る前……アイツ、無表情で何を考えてるか、分からない時があっただろ?」
保科「そう言えばそうかも知れない……」
海道「だから、綾地さんとデュアンは付き合ってはいないが、幼馴染の関係だと思う……」
保科「そうか……あっ!そういえば、綾地さん知らないか?」
海道「いいや。知らないけど……用事って綾地さんに?」
保科「まあちょっとな……デュアンに聞こうにも既に居ないし」
海道「ほほう、それはまた珍しいこともあるもんだ。やっぱり今朝のギクシャクは、オレの気の所為ではないとか?」
保科「そんなこと無いって。アレは周りの目が気になっただけだよ。野郎どもから恨みを買いそうで」
海道「あー……確かにな。昨日っだって『何を話してた』って問い詰められたし……和奏ちゃんを含めて他愛もない話をしてただけ、って言っても中々引き下がらなかったもんな」
保科「……オカ研の場所は知ってるのか?」
海道「いや……そもそもオカ研に所属してることをつい最近知ったんだぞ?」
保科「そうか……んで、念の為に訊くけど……あの事は言ってないよな?」
海道「彼女の部活のことだろ?言っていないって。そんな事実が広まったら、男どもが殺到するだろうからな……綾地さんが困っちゃうし……下手すりゃ、デュアンがキレると思う」
保科「アイツのキレ方具合がヒドイからな……」
海道「確かに……」
保科「悪いな、とにかく今日は付き合えない。先に帰ってくれ」
海道「そうか、仕方ないな」
保科「じゃあな」
軽く手を上げて別れを告げ、オレは教室を後にした
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――――5分後。デュアンからメールが届いた。
オカ研の場所は図書室の近く。と超短文で返ってきた。
オレは、オカルト研究部の部室の前に立つ。教室にいないなら、部活に来ているかもと思ってきたけど・・・なんかすごく緊張するな。まだノックすらしてないのに。
保科「……スー、ハァー……スー、ハァー……」
軽く深呼吸をして、息を整える。
・・・よしっ!いざノックをするぞ!
自ら奮起させ、勢いよく扉をノック――――しようとしたところで、不意にとある不安が頭によぎった。柊史、電流走る・・・ってね・・・
保科「(また、オナニーしてたらどうしよう……)」
携帯のバイブ音が鳴り、メッセージが届いている。
デュアンからのメールで、画面は真っ黒で赤文字で「お前、変なことを考えてるわけじゃないだろうな?」と。
保科「(こ、怖ぇぇぇえ……すっごく怖い、え?なんで、俺の心を読めるの?)」
ま、まあ流石にないとは思う。まだ明るいし、他にも学生が沢山いるんだから常識的に考えて・・・けど、そもそも図書館でオナニーしていた時点で、オレの常識の範疇外だからなぁ。
常識ってなんだろうか?と哲学的なことを考えた。
保科「う、うーん……」
女の子「あの、もしもし?」
保科「うわっ!?」
女の子「わっ、な、なに!?」
保科「ビ、ビックリした……急に声を掛けられたから……」
女の子「ゴ、ゴメンね、でもまさか、そんなに驚くとは……こっちがビックリしたぐらいだよ」
保科「いえ、こちらこそすみません。ちょっと考え事をしていたので、それで……オレに何か用ですか?」
女の子「あ、うん。キミはオカ研に用事なのかな?もしかして入部希望者?」
保科「え?いえ、そうじゃないんですが、部員の子に用事がありまして」
女の子「綾地さんに?あ、もしかして告白とか?綾地さん、可愛いもんね!」
保科「そういうわけでもなくて……いや、可愛いのは認めますが、重要なのは中身だと思うんですが……って違う!戸隠先輩はオカ研に用事なんですか?」
女の子「そうだけど……あれ?ごめんね、失礼なことを訊いちゃうけど……話したこと、あったかな?」
保科「いえ、初対面です。一方的にオレが知ってるだけですから……」
目の前にいるのは、戸隠憧子先輩。オレの一つ上の先輩だ。
先ほど言った通り、こうして向かい合うのは初めてだけど、名前を知っているのは相手がこの学院の学生会長だからだ。
詳しいことは噂でしか知らないものの、優しくて、会長を努め上げるぐらい頼りになると評判だ。
しかも外見もこの通り可愛く、そのくせ身体は制服の上からでも分かるぐらいに凶悪。2年のアイドルが"綾地寧々"なら、3年のアイドルが"戸隠憧子"という具合だ。
ちなみに、戸隠先輩が会長になったおかげで今期の学生会長役員はかなり高い競争率だったらしい。それもまあ・・・理解出来る。けど、デュアン曰く「オレは、会長が苦手だな」とのこと。
戸隠「それでキミは、さっきから扉の前で立ち尽くしているわけだけど……中に入る?入らない?もし入らないなら、少しずれてくれるとありがたいかな。ゴメンね」
保科「あ、いえ。すみません、気が利かなくて」
戸隠「んーん、ありがと。でもいいの?入らなくて。そうだ。もし一人だと勇気が出ないならわたしと一緒に入る?あ、心配しなくても私はすぐに外に出るから。二人っきりにしてあげるってば……あ、でもデュアン君がいるから3人っきりだね」
保科「へえー……デュアンのことも知ってるんですね」
戸隠「もちろん、時々……学生会の仕事を手伝ってもらってるもの……主に書類仕事や予算の都合とか」
保科「……(あ……デュアンが"苦手だ"って意味が分かった気がした)」
保科「……じゃあ……お願いしてもいいですか?」
戸隠「合点!一緒に入ろうっか」
保科「ありがとうございます。けど、別に告白するわけじゃないですよ?」
戸隠「照れなくてもいいんだよぉ?別に誰かに言ったりしないから」
保科「だから違いますって……」
オレと綾地さんが付き合う?考えられないな・・・そんな考えをしたオレをよそに戸隠先輩は部屋の扉をノックした
綾地『はい、開いていますよ』
戸隠「失礼するね」
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