終末ヌキゲー世界のモブシルキーに転生した不感症はどうすりゃいいですか? 作:百合間 挟丸
転生したらモブシルキーだった件
どうしてこんなことになってしまったのか。
目の前に見据えるのは大怪獣。
大きな口はビルを丸呑みできそうなほど。口の中には鋭利な牙。
きっと齧られたら痛いなんて思う暇もなく痛めつけられるのは確かだった。
ボディラインを強調したパイロットスーツは、俺の緊張をデータとして取り込み続けている。
「舞香ちゃん、緊張してるの?」
「してないと言えば嘘になりますわ」
九条舞香。それが俺の新しい人生につけられた名前だった。
財閥のお嬢様で、蝶よ花よと大切に育てられた、という設定でしかないのだが、それが俺の全てでもある。
「前方のティタノスに動きあり」
「いよいよ出番ですわね」
「生きて帰ろうね」
「当たり前でしてよ。百合香さんもヘマをしませんように」
「あははー、その時はよろしくね」
ティタノス。巨人。
大怪獣につけられたコードネーム。
人類共通の敵で、あれを倒すのが俺たちの役割。
俺たちの乗り込んだこの起動兵器、ピクシーは大怪獣をやっつける決戦兵器でもあった。
が、この兵器の起動方法そのものが問題で。
「リンクオン!」
「リンク、オン!」
俺と百合香の声が重なった。
同時に体内に侵入してくる異物感。
背筋をぞくぞくさせる気持ち悪さがパイロットスーツを通じて伝わってくる。
「あん♡ ふぅっ! んぅ♡」
すぐ後ろからは艶かしい声。
百合香は軽く達したか。
俺も今のはやばかった。
まだ下半身が痺れてる。
「百合香さん、エネルギーをそのまま溜めててくださいまし、わたくしが切り付けますわ」
「お願い、舞香ちゃん。あんっはんっ、これ、きつっ♡」
少女の柔肌を蹂躙する時に出る感情の発露。
つまりはアクメに呼応してこのロボットはエネルギーを溜め込むのだ。
複座式であるのはロボットを動かすパイロットと、エネルギーを溜め込む電池の役割が必要不可欠だから。
俺もその余波でさっきから軽く達してしまっているが、どんなにパイロットスーツを濡らしても問題ない。
そういう訓練を受けているからといって仕舞えばそれまでだが、普段のカリキュラムの方がよっぽど過酷だというのもあった。
リンクとは、外付けのエネルギー供給装置。
内部に取り込んだディルドタイプの管から、内部を刺激する電気信号が流れてくる仕掛けになっていた。
まるで女をいたぶる装置に見えるそれは、確実に女をアクメ地獄に誘う。
そうやってこのロボットが動くと聞いて、開発者は頭がおかしいのではないかと思ったのも事実だ。
「ふぅっ♡ はぁぁぁん、はっ♡ んっ♡ あん♡」
パチュン、パチュンと小気味いい水音がコクピット内に響く。
百合香の喘ぎ声に、俺も快楽に身を任せてしまいそうになる。
先ほどの水音は、膣内に挿入したディルドがリンカーからの電気情報を受け取って挿入を繰り返す時に起きる状態だった。
この女しかいない世界で、クローン技術で育った俺たちは、男を求めて過去のデータを参照に、性的快楽を享受している。
だが、これを戦闘に使うと聞いた時は、世の中には頭のおかしい奴がいるのだと確信した。
起動音が強くなり、バイブレーションが加速していく。
頭を沸騰させそうになりながら、コントロールパネルに気を配った。
「もう少しの辛抱ですわよ、百合香さん。エネルギー充填80%、90%、100%。ハーモニクスヴォイス、起動」
俺だけ大真面目に、後ろでガン突きされてる百合香を尻目に大怪獣に向き直った。
そして脳を伝って、流れてくる快楽信号。
女のアクメ聲尾を吸収して放たれる必殺の一撃は、怪獣から大きく逸れて都市の一部を焼き尽くした。
あーあ、もったいない。
しかしそんなことを考える余裕などないくらいに第二波がやってくる。
ディルドがまた動き出したのだ。
パチュン♡ パチュン♡ と小刻みに内側を蹂躙してくる。
たまらず喘ぐ。
この快楽に抗う術を俺は持ち合わせていなかった。
「おほっ♡、んほぉおおおお♡」
武器を使うたびに、アクメしなければならないこの仕様は欠陥ではないかと何度も思った。
だがそれでも即座に復帰して、それを大怪獣の肩口から切り付けてやる。
相手の耐久を大きく減らしてすぐにその場から離れる。
シルキーの武器はどれも必殺級の威力を誇るが、快楽が強まりすぎるとすぐに棒立ちになってしまうため、怪獣から発せられる強制アクメ音波に抗えなくなるのだ。
こちらがアクメを決めて必殺技を放つように、向こうもこちらを強制的にアクメさせて動けなくする。
そういう頭脳戦がこの戦いには求められる。
え、どっちみちアクメさせられるんだろうって?
それはそう。
正のアクメか、負のアクメかの違いである。
やられる方は溜まったものじゃない。
この世界がヌキゲーであることを強く感じさせる世界観だ。
俺も、百合香もぐちょぐちょに股間を濡らしながら快楽の渦に飲まれていった。
男に直接触られて達するか、触手に蹂躙されるかの違いでしかない。
なお、そっちを得意とするのが後ろの席で悶えてる百合香だった。
俺はどっちもダメ。
どっちかといえば、戦闘特化のパイロットだった。
百合香は防御が得意なパイロットである。
電気信号を一身に受け、感情を発露して一転攻勢のチャンスを生み出す。
俺たちシルキーに課せられた命題の体現者でもある。
「舞香ちゃんの声、とってもえっちだったよ♡」
「それ♡ どころじゃ♡ ありませ、んぅう♡ わよっ♡」
だめ、ダメ、これダメ。
子宮をガンガン突かれながら、照準を定めるの無理ぃい♡
思考を快楽で埋め尽くされながら、真っ当に戦える人間はいない。
武器一つ扱うだけでこれだ。
背中にのしかかる重圧。
ディルド型電気信号はより深く突き刺さり、俺にアクメを強要した。
「ここから先のコントロール、変わるよ♡」
「任せて、大丈夫ですの♡」
「いっぱい受け取ったから♡」
「この、大うわばみめ♡」
百合香と違い、俺は快楽にそれほど寛大ではない、
彼女は学園一の性豪で、絶倫だった。
最初こそは性欲に飲み込まれていたが、数度達すれば、後は彼女の独壇場。
今回俺と組むことになったのも、そのタフネスさにあったからだ。
勘違いしてはいけないのは、彼女がエースで俺がおまけということだ。
俺の成績なんて下から数えた方が早いくらいだからな。
「わっ、わっ! 照準つけるの難しいよぉ!」
前言撤回。この女はエロに従順なだけだ。
戦いにはとんと向かない。
せっかく貯めたエネルギーを無駄撃ちされて、俺も能天気にアクメに身を委ねられなくなっていた。
「せっかくのエネルギーを無駄打ちしすぎですわよ」
「ごめーん」
この子はすごく素直なのだ。
顔もよく、すけべ。
この世界に男がいたら引っ張りだこだろう。
しかしこの世界の男は絶滅し、世界はすけべな女しか残ってない。
すけべなやつしか生き残れない。
少子高齢化が進みすぎて、今や人類はクローン技術に頼り切っていた。
この大怪獣を率先して倒して回っているのも、その生殖本能を次の世代のクローンに引き継がせるためだとか。
生まれながら快楽に強いボディを持つ俺たち。
そんな、おバカなヌキゲー設定の終末世界のモブに、俺は生まれ変わっていた。
生まれながらに全く感じない体を持て余し、前世の記憶だけでヒロインの1人である百合香と接触。
ディルドショップで本気で悩んでいた彼女にアドバイスしてから仲良くなったが、楽勝と思われた本戦で、まさか俺の快感指数が復活するだなんて思ってなかった。
すけべな奴らが活躍する世界で、俺だけすけべに対するアドバンテージを持ち得ないモブ。
ここでの暮らしは前途多難で、でも好みの女のアクメ顔を間近で見られるという意味では役得だった。
◇
「一時はどうなることかと思ったね!」
「無事、倒せたから良かったものの、わたくし、あれ以上責められたら危なかったんですわよ?」
俺たちは同じ遺伝子を持つクローンでありながら、口調から性格のどれもがに通わないように再調整されている。
ボディバランスなんかもそうだ。
俺はグラマラスな素体にお嬢様口調という個性をつけられている。
と、いうかヌキゲー世界なので、この世界で生きるシルキーは基本的にグラマラスだ。
一見ロリに見えても着痩せするタイプだったり。
そのままロリ体型でもアクメを決める時は誰よりも貪欲さを見せるなど千差万別。
俺は肉体こそ優れているが、性感帯が膣奥にあるという不具合を抱えていた。
ディルドでも届かないその位置は、リンクしたときによって暴かれる。
普段は落第まっしぐらの落ちこぼれだが、本番で本性をむき出しにするタイプというか。
完全にメスガキを調教するための素体だった。
誰がメスガキだっちゅーねん!
「舞香ちゃんは敏感さんだからねー」
「うるさいですわよ」
冷感症という厄介さはそこにある。
子宮口手前が弱点という設定のみで、それ以外全く感じない俺は、シルキーのカリキュラムでいつも成績は下から数える方が早く。
何のために学園に通っているか疑問視されるほどだった。
もしあのときディルドショップでエースパイロットである百合香にアドバイスしてなかったら、廃棄処分まっしぐら。
今こうして生きながらえているのは、百合香のおかげでもあった。
「舞香ちゃん!」
「何かしら?」
「後でお部屋で祝勝会しよ」
「そうね」
「新作のバイブ持って行くね! もう、うねうね動いてすっごいやつ!」
「もうアクメは懲り懲りですわ」
「ダメだよ舞香ちゃん、パイロットになる以上、私たち
「ご足労かけるわね」
「全然だよっ。私と舞香ちゃんの仲じゃない!」
とても悪い顔をしている。
いや、彼女からしてみたら悪気はないのだろう。
俺の開発調教に躍起になっているのは彼女なりの善意だった。
俺たちシルキーはいついかなる時でも感じてアクメできるのが使命だからである。
ディルドがなくても、触られるだけで達して起動兵器のエネルギーを蓄えなければいけないのだ。
リンクなんてそれこそ貴重な生殖体験、誰でも彼でもやらせてもらえるわけがないのである。
「今日はお尻の穴を開発しちゃうよー♡」
「痛いのは苦手ですわ」
「すぐ気持ち良くなるから、あたしに身を委ねて♡」
「百合香さんがそういうのでしたら」
結局、いつも通り。
俺は百合香の検診を受けながらも全く達することはできなかった。
なのでお礼とばかりに百合香を攻める。
俺は元男というのもあって、こっちの方が得意だった。
「舞香ちゃん、ディルド使い上手ー」
「そういう、百合香さんこそ。すぐに反応してくれてこちらも気を良くしてしまいます」
思考操作できるディルドは、俺の股間に取り付けて百合香を絶頂に導いた。
ゲームの時と同じ脱力症状に見舞われる。
今の俺はどっちなのだろう?
ゲーム世界のモブなのか、それとも精神だけは男なのか。
よくわからないままに、射精欲求を百合香にぶつけ続けた。
決して射精したからと、男の時のような無気力感には襲われない。
実際に出ていったわけではないのだ。
電気信号だけが脳内麻薬を分泌し続ける。
お互いがその電気信号を受け取って、達するのだ。
「舞香ちゃん、こんなに優秀なのに。どうしてカリキュラムでは点数が低いんだろう?」
「わたくしはこのボディを使う訓練があまり得意ではないからですわ。どちらかといえば、攻めに転じる方を得意としております」
「あはは、舞香ちゃんのガン突きは一度経験してみないことにはわからないからねー」
「そういうことでしてよ」
元男として、誇らしくある。
が、今の俺は女で、イケない体という欠陥を抱え続けている。
イケるのはリンクを重ねた時のみ。
外の世界の男たちに身を委ねた時のみだった。
どうにかして、成績を上げないと。
怪獣一匹倒したくらいで喜んでいられない。
百合香はこの学園基準でのエースパイロットだ。
俺の代わりなんていくらでもいる。
それほど上層部は怪獣の染色体を求めているし、新しい快楽装置の開発は立て続けにやってきている。
俺がそれに順応しない限り、バディ解散の危機は月も取っていた。
もし百合香と別れたら、俺は廃棄まっしぐらだろう。
こんな欠陥品に資金を投じ続けるのは上層部にとっても頭の痛い問題だろうからな。
それでもまだ、生きていたい。
こんなクソみたいな世界でも、俺はこうして生きているし、エロい彼女を他の誰かに任せるなんて納得のいかない展開だったからだ。
「そんなに震えちゃって、どうしたの?」
「わたくし、ちゃんとイケるようになるのでしょうか?」
「そうだね、あたしも舞香ちゃんをこの手でイカせてあげたいな」
「百合香さん……」
「あたしだけアクメ顔晒してるの、ずっと不公平だって感じてたんだよね」
「あの、百合香さん?」
顔がちょっとだけ怖くなる。
「だーかーらー♡」
「わぷっ」
ベッドに押し倒される。
まるで先ほどまで俺がしていたかのように、膝を耳に掠めてマングリ返の格好をさせられた。
「あたしが、誰よりも先に舞香ちゃんを開発してあげるって、燃えてるから♡」
「っっ♡♡♡」
気のせいだろうか、その顔つきにぞくっとした。
今俺、感じたのか?
ぴくりとも開かなかった膣口から、とろりと愛液がこぼれ出るような感覚が走る。
ああ、俺。
恥ずかしいんだ。
この格好が。
辱められて感じている。
膣口を触られたところで全く感じないが、自らの入口を細い二本の指で、百合香の細すぎる指でくちゃくちゃにかき混ぜられて快楽に似たような感覚を芽生えさせていた。
クリトリスにその指先が触れる。
痛みはない。
むしろ突起が触れただけというもの。
けどそこに恥ずかしさが加わると、痺れに似た感覚が走った。
「くぅっんっっ♡♡」
「舞香ちゃん、今感じてる?」
「か、もぉぉ♡」
わからない、こんな感覚。
百合香と視線が交差した時、何で俺はこんな格好をさせられているんだろうという気恥ずかしさが芽生えて、その格好のままいじられて、俺は浅く達していた。
激しく動くだけが生殖行為の真髄ではないと教え込まれた気がして。
ますます百合香と離れるのが惜しくなる。
軽く達したあとは、そのままキス。
口の中を舌で舐りながら、肌を密着させて背筋を振るわせた。
気がつけば彼女手に指を絡ませて果てていた。
「舞香ちゃん、可愛いよ」
「恥ずかしいわ、こういうの」
自分でもわからないままに達せさせられた。
それが口惜しくて、反論した。
本当は感謝の気持ちを伝えたいのだけれど、こんな浅イキした程度でプロになれたら苦労はしない。
相手はエースパイロットで、俺はモブの訓練生。
ああ、早く彼女に認められる女になりたいものだ。
恥ずかしさに濡れながら、俺は彼女の胸の中で眠りについた。