終末ヌキゲー世界のモブシルキーに転生した不感症はどうすりゃいいですか? 作:百合間 挟丸
「やってしまい、ましたわ」
昨日は随分と楽しんでしまった。
気怠い頭を覚醒させながら、俺はベッドから身を起こす。
すでに百合香の姿はない。
ベッドの横のテーブルに残された書き置きを見るに、先に出ていってしまったようだ。
ああ見えて忙しい身の上だしな。
訓練生の俺の時間に付き合っている暇もないみたいだ。
「とはいえ、やってしまったのですわよね?」
何を? ナニをである。
身体中を弄って確認する。
あの時感じた胸の昂りの正体を、まだ掴めていない…
百合香の手で、俺は……イッた。
でも自分の手ではイクことも出来ずにいる。
原因はどこにある?
それさえ別れば……
「ダメですわ、何も感じません」
やっぱり夢だったか?
いや、でも。
ベッドのシーツには何かの液が染み付いた形跡があった。
それが自分から漏れ出たあい液だったとしたら、いいな、等思う。
「確かにここに、証拠がありますもの」
丁寧に鋏で切り抜いて、懐にしまっておく。
これは俺が人の手で達した証。
さっさとコツを掴んでおかないとなぁと思う。
それもこれも、俺に時間があまり残されていないことを如実に表していた。
「わたくし、廃棄されるのは嫌ですわ」
されても仕方がない成績順位。
昨日のあれは偶然で。
偶然複座式の最新機のピクシーのテストを受けにきた百合香が、学園に補充要員を見繕いにきた。
その出向いた先がたまたま俺の通っていた学園だったという偶然。
そして、休み時間に覗いたオトナのおもちゃ屋で、アドバイスしたのもその日だった。
昨日のことは、たった一日の間に出来事だったのだ。
たまたまカリキュラムをサボって、指でも口でもイケない体。
道具を使えばワンチャンあるのじゃないかと覗いたディルドコーナーで、俺しか知らない筈の彼女に会った。
彼女、轟百合香は俺がこのゲームで遊んでいた時の専用シルキーで、どんなふうに調教したかを俺だけが覚えていて。
まさかこの世界で再び会えるだなんて思わなくて、気がつけば話しかけていた。
突然話しかけて不審者だと思われたらどうしようかと不安もあった。
でも話していくうちに、意気投合して。
結果、怪獣の出現に偶然乗り合わせることになった。
着なれないボディスーツ。
リンクしたのも初めてで、百合香は俺を敏感だと言ってくれたが、俺が学園1の落ちこぼれだということは彼女には言えずじまいで。
で、別れて今に至る。
完全に舞い上がっていた。
ブッチしたカリキュラムは、愛液の回りをチェックするというものだった。
イケないこの体で、濡れない肉壺で。
そのテストにパスできなければ廃棄が決定する。
俺以外のほとんどが余裕で合格した。
俺だけがまだテストを受けていない。
乾き切った膣内を、どうにかして濡らさなければならなかった。
「百合香さん」
楽しい思い出だった。
もう十分この世界を楽しんだつもりでいた。
けれど、急に廃棄されるのが怖くなる。
まだだ。まだまだ、この世界を生きていきたい。
そんな感情が、冷え切った体に灯った気がした。
休憩室を出て、自室に戻る。
ルームメイトはすでに起きていた。
珍しいこともあるものだ。
「おはようございます、ミユキさん」
「おはよ、舞香ちゃん。昨日は大活躍だったんだって? それに余裕の朝帰りだ。つまりはあれだ、轟プロと朝までベッドで!? きゃーー!」
ルームメイトの咲良ミユキ。
俺と違って肉欲を持て余してて、毎朝起床の膣内バイブレーションも余裕で乗りこなす変人だ。
お嬢様っぽい俺にやたらと構ってきては、セクハラの毎日である。
俺が全然イケないことを知っていながら、この態度。
だが、事実であるので頷いておこう。
悪い子ではないのだ。
良い子か? と聞かれても素直に頷けない。
この世界の基準はいろいろおかしいので、突っ込んだら負けだ。
なんならこの学園においてはおかしいのは俺と言うことになるが。
どうしてこうなった!
「実は、手取り腰とりいたしまして」
「あら、あら、あららららら」
顔が近い。酷い興奮状態なのは見て取れる。
即座に背後に回ったかと思えば胸を押し付け、そのまま俺の乳房を摘んだ。
こちらの反応を見るのが目的なんだろうが、アクションがオーバーすぎる。
一切動じない俺に、やっぱり感じてくれないのかとつまらなそうにしていた。
こっちも別に感じたくないわけじゃないんだが。
「あたしには感じてくれないんだー?」
「やはりプロともなりますと触り方一つとっても違いましてよ。ここまで乱暴ではありませんでした」
「ほうほう、たとえば?」
「少しレクチャーいたしましょうか」
制服を脱ぎ、ブラを外す。
それだけで重力から解き放たれた乳房が揺れた。
ハリ艶のあるおっぱいだ。
「舞香ちゃん、イケない癖にイカせるの上手だからねー」
「そこは轟プロにもお褒めいただきました。どこで覚えたのか、と」
「それ、あたしも聞きたいなー」
「ではカリキュラムが始まるまでに、少し手解きいたしましょう」
この世界ではセックスとおナニーがあいさつみたいなものである。
男がいないのもあって、非常に性にオープンな日常。
「あん♡ 舞香ちゃんおっぱい揉むのうますぎ♡」
「ミユキさんが感じてくれるのが嬉しくて、ついつい触りすぎてしまいますわ。あむ」
「あっ♡」
ツンと張った形の良い乳房に吸い付いた。
みゆきのおっぱいは発情しきったメスの香りをぷんぷん匂わせている。
もし俺が男だったら、むさっぼるようにしゃぶっていたに違いない。
顔はいいのだ、この女。
指で先端を弄りながら摘み上げ、もう片方を優しく舌先で舐った。
頭の上ではとろけたような息遣いだ。
「もう、舞香ちゃんたらえっちなんだからー。おかげでこっちも大洪水だよ?」
「あら、少し分けていただきたい程ですわね」
お互いにショーツを下ろす。
ミユキは愛液が膣口から糸を引き、俺はスルッと太ももを滑らせた。
互いに貝合わせの形。
ぷくりと膨らんだクリトリスを刺激するように合わせていく。
ミユキの愛液はテラテラとおまんこを扇状的に照らしあげていた。
すごいえっちだ。
俺は密かに興奮している。
全然濡れないけど、心のチンポはエレクチオンしていた。
「思えば、ミユキさんとは初日からこのように体を合わせていましたね。他の皆さんもこの様に女同士でシテいらっしゃるのかしら?」
「さぁ? あたしは性欲強い方だからね。逆に一切ない舞香ちゃんがあたしに合わせられる方がすごいっていうか」
「わたくし、いっぱい勉強しましたのよ?」
何を、とは言わない。
前世の知識だけが唯一の取り柄である。
「たぁんと召し上がれ」
「ふふ、相変わらずすごい洪水」
笑ってしまうほど、ミユキの愛液は俺の膣内に馴染んだ。
無遠慮に指を差し込み、かき混ぜながら馴染ませる。
「ふっ……ん♡」
「あ、これなら感じるんだ?」
「濡らしたことなどないのでわからないですが……この水音が不思議と感度を高めてくれる気がします」
「わかるー」
「でもいつまでも責められているわたくしではございませんよ?」
「およ? ……ひぃん♡」
ここから先は反撃開始だ。
互いに弱い場所を攻め込む様に、気がつけば69の形。
俺にはミユキの弱点が手に取るようにわかる。
対して俺は鉄壁の防御で、どちらが先に根を上げるかなんて分かり切ってることだった。
「ふふ、ご馳走様でした」
「舞香ちゃん強すぎるよー」
「おかげさまで連勝させていただいてます。このまま愛液検定をクリアさせて欲しいところですけど」
今俺のおまんこはたっぷり濡れている。
どうにかこれでパスできないかな?
「難しいね。その場で教官の手淫で感じて潮吹かなきゃいけないから」
「あら」
そこまでするの?
だめだ、廃棄確定だわー
◇
「お疲れ様、百合香。大活躍だったらしいじゃない。訓練生一人抱えてティターンを一匹やっつけたって聞いたわよ?」
「それはどうも」
百合香はまたその話か、と辟易する。
今回の件、全ての功績が百合香のものになっているのが腑に落ちないのだ。
確かに今回、例の素体の調査を秘密裏に引き受けていたと言うのもあった。
予想以上の結果を産んだけど、他の多くはあの子をただの出来損ないと軽んじている。
あれが出来損ないなもんですか。
ピクシーなど乗ったことのない訓練生がよ?
初めて袖を通すボディスーツに、操縦桿。
その全てに適応できた。
訓練ではなくぶっつけ本番で、である。
もし百合香が同じ状態だった時、それが可能であるか?
まず無理だろうと言う気持ちが感情を頑なにする。
「何よ、えらく不機嫌ね」
「あなたはあの訓練生のことをどこまで知っているの?」
「評価が不満? あなたらしくもない」
そうだ、不満だ。
舞香に一切の評価が入らず、その全てを百合香が奪っていく結果に不満を強く感じている。
「今までとは違うのよ。今回の襲撃、あまりにも意図的だった。まるで最初からあの子を狙ってたかのようにティターンが現れたわ」
「ピクシーに反応したとかではなく?」
「それもあるでしょうけど、その場に彼女が居合わせる確率は天文学数値よ?」
「でも退けて見せた。あなたがいなかったらあの子の命は失われてた。違う?」
皆が口を揃えた様に言う。
この評価を受け入れておけと。
あれはどのみち廃棄される素体だと。
いつものことではないかと、情に絆された百合香を諭す。
それでも納得がいかなくて、今回の戦闘で抜き出したデータを取り出した。
書類束を見せつけられた同僚女性は、そのデータの出鱈目さに目を丸くする。
「何よこのシンクロ率」
「あの子、舞香ちゃんのピクシーとのシンクロ率よ」
シルキーとピクシーにはお互いに共鳴するための同調が必要だ。
訓練生である舞香には、もちろんそれに備える訓練が施されていない。
で、あるにもかかわらず、シンクロ率は130%を超えていた。
まるでピクシーそのもの。
ピクシーが二人羽織で全く別系統のピクシーを操っているかの様な、歪さを感じ取る。
「何者なの、彼女」
「わからないわ。でも、悪い子じゃないの。今の彼女に訪れてる不調は、きっとこのシンクロ率が影響していると思うの」
「えらく気に入ってるわね、新人嫌いが珍しい」
「あの子、一目であたしの弱点を見抜いたのよ。それなりの経験を積んで、訓練生にも負けない自信があったのに、気がついたら天井を見上げていたわ。あんなふうに誰かにイカされたのなんて久しぶり。まるで……」
百合香は言い淀む。そこから先の言葉を発させるなと同僚女性を睨みつけて。
それくらい、ゆりかにとっては大切な思い出でもあった。
「まるで、過去に突然姿を消したご主人様と再開した様な顔よ、あなた」
「うるさいわね。どうせ私は野良シルキーよ」
「別に文句を言ってるわけではないの。野良になっても、あなたの卓越した戦闘技術には舌を巻いてきた。現に昨日も」
「そこは本当に訂正させていただくわ」
「情に絆された、ってわけでもないのね?」
「ええ、それだけは確実に。あの子、あたしよりも強いピクシー使いになるわ。だからこれは親友としてのお願い。あの子にもう少しチャンスを与えて欲しいの。シルキーとしての基準に満たなくても」
「それほど?」
「現にあたしは、初めて乗ったピクシーでティターンを撃退したことはない。それも出撃5分以内で」
「待って、その話は聞いてないわ」
訓練生を抱えての出撃で、ティターンを撃破した。
それだけで英雄視されるほどの快挙。
しかし真実はそれを大きく塗り替える。
出撃五分で討伐となれば話はまた変わってくる。
「あの子、射撃技術だけならあたしを軽く凌ぐわよ。あの時のあたしはハーモニクスボイスの補充係でしかなかった。それ以外は全部あの子。舞香ちゃんがやり遂げたの」
「これは上に打診する必要が出てきたわね。シンクロ率の話もある。確かその子は訓練生という話だったわね。名前は?」
「シリアルコード91010019、九条舞香。府立ピクシー女学園の落第生よ」
「詳しくありがと。ここから先はあたしの仕事ね。あんたは仕事?」
「あたしも少し調べることができたから」
「そ。この話は他にしてないでしょうね?」
同僚女性は椅子に座ったままターンをし。メガネを掛け直す。
「言ったところで信じちゃくれないわ」
「でしょうね」
さっきの今で、自分も信じられなかった話だ。
「今日は徹夜かしら?」
ルームメイトに今日は遅くなる伝えて、再びパソコンに向き直った。
◇
「え、カリキュラムパス? 試験は受けなくていい?」
なんで?
「よかったねー舞香ちゃん。あたしが方々ですけべのテクニックはエース級だって噂を振り撒いた甲斐があるよ」
「それだけでお役御免(お役御免:用済みの意)になれただなんて話、今まで聞いたことありませんわよ?」
どんなにテクニックがあったところで、シルキーは感じて濡らすのが仕事だ。
それができない俺はピクシーと同調できないと過去が証明している。
俺が突然変異でもない限り、この法令無視は納得できない。
そう思うのは俺だけにとどまらない。
「と、いうわけで今日は乱行パーティするから。今夜は寝かさないぞ♡」
「それも聞いてませんわよ?」
「今言った。それに、噂を噂のままで放っておくこともできない人たちがこの学園にはたくさんいるからね?」
カリキュラムをパスした落第性は一体何者なのか?
噂だけが一人歩きしている俺を知ってもらうには確かにそれが手っ取り早いか。
「なんにせよ、噂を垂れ流した張本人であるミユキさんはいっぱいイカせてあげませんとね?」
「あたしがいつまでも負け続けると思ってちゃ困るなー。今回は10人がかりで舞香ちゃんをイカせちゃうから覚悟しててね!」
「望むところでしてよ」
俺はなんとか首の皮一枚繋がった現実に、精一杯感謝を示してやろうとルームメイトに向き直った。
その後10人どころか15人お相手して無双した。
訓練生というだけあって欲望に忠実な奴が多い。
が、俺の敵じゃなかったな。
学園で15人抜きの女王様の称号をいただいた。
そこはお嬢様とかでよくない?
鞭とか振るった記憶はないんだけど。
まぁ振るったと言えばディルドくらいかな。
それで女王様と?
うーん、わからん。