終末ヌキゲー世界のモブシルキーに転生した不感症はどうすりゃいいですか? 作:百合間 挟丸
外部からの接触! 孕間瀬太郎の野望
ブツン、と意識が切れる。
体の前部分を覆う液体の中から起き上がり、俺は意識を安定させた。
「また、失敗か」
不確定要素が多すぎる。
「またデータを無駄にしちまった」
運営め、鍵つけるのが速すぎるんだよ。
落ち落ちダイブもできやしない。
俺、孕間瀬太郎はどこにでもいる普通の高校生だった。
しかし在学時代に発売したこのゲームによって、人生を滅茶苦茶にされた被害者でもある。
このゲームにいったいいくらの資金を注ぎ込んだことやら。
俺はシルキーに入れ込んでいた。
多くの借金を重ね、しかしそれらはすぐに返済の目処がたった。
それがこのゲームがeスポーツ化されて、それによる稼ぎの安定化が図れたからだ。
今の時代、男女間のセックスより精子バンクへの提供が当たり前。
ただしそれなりの実績がないと資金は得られない。
そんな俺が唯一誇れるのがこの逞しすぎるチンポだった。
時代が俺に追いついた。そんな気分に浸れたものだ。
しかしそれは唐突に俺の前から忽然と消えた。
今の俺には愛機であるローズガーデンも、専用シルキーの轟百合香もいない。
全部奪われた。
あいつらに。
旨い話だった。
元世界ランカーの俺は、現役に復帰すればすぐに金を稼げる段取りができていた。
だがそれを邪魔したのは加齢による射精回数の上限。
俺はすぐにランクを転げ落ちた。
所属する会社は俺から百合香とローズガーデンを取り上げた。
最後に1ヶ月食ってくのもやっとな退職金を渡し、俺はその会社に物理的に入れなくされた。
今まで使用できたセキュリティカードが急に反応しなくなったためだ。
これは俺の復讐だ。
青春時代から40代の今まで注いできた精液の数は誰よりも優っている。
俺のチンポテクで何人ものシルキーを落としてきた。
その中でも特上の女が百合香で。
俺は外部から侵入できない百合香にコンタクトを取るため、内部に潜入して接触を図った。
危険な賭けだった。
バグを利用したハッカー攻撃。
感度をマイナス状態で設定したドールを制作し、これまたランダム出現のティタノスを意図的にそのドールの付近に出現、ティタノスの因子を埋め込む作業。
普通にその確率を引くのは天文学的な数字だった。
でも、俺はその賭けに勝った。
あいにくと持ち込める記憶は随分と偏りがあり。
絶頂を迎えた回数で記憶の摩耗が始まる。
性感帯を一つ、絶対に備えなければいけない都合上、子宮口付近としたが、それがうまいこと記憶の維持につながった。
だが、それはそれで失敗も多かった。
通常、シルキーはロールアウト時、またはリンカーがログインするまでは急速状態になるものだと勝手に思い込んでいた。
しかし俺の体験が確かなら、学園のような施設があり、その中で毎日おまんこいじりを義務付けられている。
イクのが仕事とはよく言ったものだ。
リンカーにとっては全くその通りなので仕方あるまい。
だから俺もそんなに多い回数挑めないのだ。
40代もすでに半ばを過ぎ、一日に出せる射精回数も若い時ほど出せない。
リンかーがシルキーと接触できる時はリンクしてる時のみ。
前回は絶頂回数が多すぎて反骨精神が先走ってしまったが。
原因は一体なんだった?
ログアウト直後は特に記憶が混濁するな。
百合香と接触する上で邪魔になるのはあの学園の存在だな。
他にも何か注意しないといけないことがあったような気がするが、全く思い出せない。
ティタノス? あれはただの敗北スチル回収要因だしな。
天塩にかけて育てたシルキーが触手生物にいいようにやられる敗北エンドだ。
ニッチな層の需要に応える運営会社の本気度が伺える。
まぁゲームオーバーになってもセーブデータからやり直しできるんだけどな。
ピクシー戦での戦績だけは引き継いでしまうが、それ以外のイベントでの敗北は何度でもやり直しできるのだ。
そもそも、あれでおしまいになってたらみんなやらなくなってしまうし。
便宜上は自分だけのいつでも使えるオナホなのだ。
それがイベントで負けたら永久に破棄されるなどあってはならないからな。
運営もそこんところは理解してくれたようで嬉しく思う。
さて、今度はどの素体を使うか。
前回使った舞香はもう使えないしな。
バグを使って侵入したのもあり、IDごと凍結されてしまっただろう。
「よし今度はこの子でイクか」
でもまだ精液の貯蔵が心許ない。
俺は目の前に表示されたちっぱい幼女星野リリスを見据えながら、飯を食いにキッチンに向かった。
食事後、最初の調整。
俺のデカチンに対応できないとそもそもリンクすらできないからな。
「舞香はそういう意味では理想の女だったなっと」
画面の向こうでリリスが達する。
濡れは随分と甘い。
彼女の性感帯は腰に添えた。
男の手で掴むと、それだけで達してしまうのだ。リンカーにとって都合のいいオナホの出来上がりである。
女同士ではイケない設定だ。
ただし自分で触る分には達せる。
これで学園での生活もパスできることだろう。
まさか濡らすテストがあるだなんてなぁ。
バイブで目覚めさせる斬新な目覚ましも、これなら大丈夫だろう。
さて、ハッキングツールは。
もう前のは対応されてるか。
ならば新しく仕入れたこれで。
よし、侵入成功。
俺は再び『電脳絶頂シルキーダイバー』の世界へダイブした。
今度はうまくいってくれよ。
そんな願いを込めながら。俺は股間のデバイスでリンクする。
シルキーの乗っ取り行為は法律で違反されている。
憑依と言えるこの行為は、何も俺の魂が乗るわけじゃない。
ある程度行動を縛ることができるとかそういうものだ。
質問の答えはイエスなら首を。ノーなら尻を振る。
前回はそれである程度の意思疎通が取れていた。
だから今度も大丈夫だろう、そう思って俺の意識は途切れ……そして……
ここまでは世界観説明で、次から本編が始まります。