住宅街でピアノの音に誘われ、美しい熟女のピアノ教師の詩織と知り合う。
詩織のピアノに涙する健志。
親子ほど歳の離れた詩織に欲情した健志が迫ると、詩織がある告白をする。
安西詩織(42) ピアノ教師
元山健志(19) 工員
参考演奏
リスト「ため息」
リスト : 3つの演奏会用練習曲 「ため息」| Liszt : Trois études de concert "Un sospiro" Des-dur S.144/3
https://www.youtube.com/watch?v=38lKbwko-Wg
ドビュッシー 「月の光」
ドビュッシー:月の光 Debussy: Clair de lune
https://www.youtube.com/watch?v=N1wd8R5TzN0
※短編集「Sex & Situations~セックス&シチュエーションズ」のエピソードとして、ノクターンノベルズとpixivにも掲載しています。
健志は、夜勤明けで浅い眠りから覚めた。
まだ昼前だ。空腹を感じたが、冷蔵庫に食べるものが何もない。
いつもは休日に食材をまとめて買っているのだが、切らしてしまった。
とりあえずコンビニ弁当で腹を満たし、また寝よう、と外に出た。
故郷を離れ、知らない街の工場で働いている。
故郷と言っても、家族はいない。
父は事業を失敗して失踪し、残された母と二人で暮らしていた。
借金と心労で、母は若くして亡くなってしまった。
幼い健志は伯父の家に引き取られた。
育ててくれた伯父夫婦には感謝しかないが、良い思い出は、ない。
中学卒業と同時に、健志は伯父の家を出た。
住宅街を、こんな昼の時間帯に歩いたことはなかった。
時折すれ違うバイクや車が走り去ると、遠くにある幹線道路の音以外は聞こえない。
そんな静けさのなか、微かにメロディーのようなものが聞こえる。
音に誘われて、道を外した。
ピアノの音だ。
聞いたことがあるような無いような曲だ。
音を辿って、洋風の一軒家にたどり着いた。
健志の首の高さまでしかない生垣越しに覗くが、窓ガラスが日の光を反射して、家の中は窺えない。
まだ家族が揃っていて裕福だった頃、母が弾くピアノを幼い健志はそばで聴いていた記憶がぼんやりとある。
耳を澄ませる。
いつまでも聴いていたいと思わせる、不思議な音色だった。
遠くの小学校の昼を知らせるチャイムで、我に返った。
健志は、自分が空腹だということを、忘れていた。
それからは、夜勤明けの昼前には、ピアノを聴きに住宅街に足を運んだ。
懐かしいような、切ないようなピアノの音色に健志は癒された。
工場は四勤二休で、早番四日間で二日休み、遅番四日間で二日休み、の繰り返しだった。
健志は、遅番で夜勤明けと休日の昼前には、必ずピアノを聴きに来た。
ある日、いつものように音に身を任せていると、パトカーが向かいの家の前に止まった。
その家の婦人が、健志の方を指差している。
警官が二人、近づいてきた。
「君、そこで何してるの?」
突然のことで、健志は動揺した。
「いや、その、ピアノを聴いていたんです……」
「ピアノ? この家の女性に興味があるんじゃないの?」
「女性? 女性なんですか? 俺、この家の人のこと、何も知りません……」
「ちょっと署まで来て、話を聞こうか」
警官が健志の腕を取る。
「ちょっと待ってください! 俺、何も悪いことしてませんよ!」
ストーカー、という言葉が耳に入った。
向かいの家の婦人と近所の人が、健志の方を見て囁いている。
(俺が、ストーカー? ストーカーだと思われたんだ……)
「どうしました?」
ピアノの家から、美しい熟女が現れた。
切れ長の眼にウェーブのロングヘア。
半袖ニットのセーターは、横に広がり突き出した豊かな胸を強調している。
ふんわりした花柄のフレアスカートを翻らせて現れた女性に、健志も警官たちも言葉を失った。
我に返った警官が、取り繕うようにあわてて喋る。
「いや、あの、お宅の前で不審者がいるという通報がありまして……」
「不審者? 彼は不審者ではありませんよ」
女性は警官に微笑んだ。
「私のピアノをいつも聴いてくれる、お客さんですよ」
健志は、女性の家に招かれた。
廊下の前を歩く女性から、ふわりと甘い香りが漂い、健志を包む。
「あの、助けていただき、ありがとうございました」
女性はちらりと振り返って微笑む。
「あの、俺は、ストーカーとかじゃなくて、ピアノが聴きたくて、いつも来てしまい、その……すみませんでした……」
「あなたがストーカーじゃないことは、私、知ってる」
女性が健志の方に向き直った。
「あんな、素敵な表情で聴いてくれる人が、ストーカーなわけないわ」
「……表情って? 俺の表情なんて、見えないはずですけど……」
女性が、ピアノのある部屋の前で手招きした。
健志が覗くと、生垣の向こうが丸見えだった。
「窓は、マジックミラーで、中からは外がよく見えるわ」
趣味の良い調度品に囲まれたリビングで、健志はお茶を出された。
「私、安西詩織って、いいます。ここでピアノ教室をやってるの」
長くて綺麗な指を見た。薬指には結婚指輪がない。
「俺、元山健志といいます。工場に勤めてます。いつも休みか夜勤明けのときに、聴きにきます」
「そう、夜勤は、大変ね」
ひとしきりお互いの身の上を話合った後、詩織が尋ねた。
「元山くんは、ピアノは好きなの?」
「好きというか……幼い頃、母のピアノをよく聴いていました」
「お母さんは、今もピアノ弾いているの?」
「母は、亡くなりました……」
詩織の表情が変わる。
「ごめんなさい……私、無神経なこと聞いて」
「いえ、安西さんは、知らなかったんで、何も悪くありません。もうだいぶ昔のことですし……」
「そう。せっかくだから、ピアノ、聴いていってくれない?」
「ええ。是非」
部屋の半分を占めるグランドピアノは艶消しの上品な黒だ。
ピアノの横の椅子を勧められた健志は、詩織の香りが届く近さに胸が高鳴る。
「何か、リクエスト、ある?」
「リクエストって言われても、俺、中卒で教養もないし、音楽のこと、よく知らないんです」
詩織が微笑む。
「音楽なんて、教養や知識で聴くものじゃ、ないわ。じゃ、私に任せてもらえる?」
健志が頷いた。
詩織が、鍵盤の上で腕を構えると、時間が止まり、空気が変わる。
すっ、と息を呑み、演奏を始める詩織。
白い腕が艶めかしく揺れ、長い指が鍵盤に吸い付くように動く。
最初の一音が鳴った瞬間、健志の中で、忘れていた記憶が、くっきりと蘇ってきた。
若き母が、ピアノを弾いている。
健志に向かって、首を傾げ、微笑みかける。
ぼんやりとしていた幼い頃の記憶が、ありありと眼の前に現れた。
音に包まれ、健志がこころの奥底に眠らせていた感情の封印が解かれる。
最後の音の余韻が消えると、眼の前にいるはずの詩織の姿がぼやけている。
(あれ、俺、泣いてる?)
健志は、胸から湧き上がってくる感情の奔流に抗うことができず、声を上げて泣いていた。
背中に柔らかい肉の感触がし、ふわりと甘い香りに健志は包まれた。
詩織が後ろから健志を抱きしめていた。
どれくらい時間が経っただろう。
感情の波が引いた後、健志は俯きながら言った。
「ごめんなさい……母さんのこと……思い出して……」
「そう……この曲、リストの『ため息』っていうの。聴いたこと、ある?」
健志が頷く。
「母さんが、確かに、弾いていました……」
いつでも来てね、と詩織が言ってくれた。
母が亡くなってから、人前で泣いたことなど一度もなかった。
悲しい、寂しい、切ない、やりきれない、空しい。
どんな言葉も、詩織のピアノによって起きた感情を説明できない。
それから、健志は度々詩織の家でピアノを聴いた。
ひとり暮らしで、栄養のバランスが悪いだろう、と手作りの昼ご飯をご馳走になったりもした。
亡くなった母の思い出で号泣した健志を、可哀想に思ったのだろうか、詩織はとても親切だった。
母が生きていれば、詩織くらいの年齢だっただろうか、と健志は思う。
健志は躊躇いながらも、次第に詩織に甘えるようになった。
だが、詩織を母親のように思う気持ちとは別に、男として詩織を求める疼きも湧き上がってきていた。
さりげない会話から、詩織に男の影がないかを探る。
スレンダーで上品な佇まいと、豊かな胸と尻のアンバランスさが危うく、男ならだれでも惹きつけられるに違いない詩織。
過去にどんな男に抱かれてきたのだろう。
今、詩織に想いを寄せている男はいないのだろうか?
健志は想いが募って、居ても立っても居られない状態になっていた。
ある日、いつものようにピアノを聴き、お昼を食べた後、片付けにキッチンに立った詩織の揺れる尻を見た健志は、意を決して立ち上がっていた。
衝動に身を任せて、詩織を後ろから抱きしめた。
「元山くん?」
息を呑む詩織。
健志は、腕に力を込めた。
「安西さん、俺っ! 好きなんです!」
詩織が身体を捩って抜こうとする。
健志は、力を込めて詩織を逃さなかった。
「元山くんっ、ダメよっ!」
振り返った詩織の唇を健志は塞いだ。
「んっ、んんんっ!」
呻き声を健志に吸われた詩織の力が、ゆっくりと抜けていった。
差し込まれた健志の舌に、詩織は舌を絡めて応えた。
健志がおもむろに詩織の胸を両手で掴んだ。
「……んっ!」
詩織が唇を外した。
「元山くん、今は、ダメ……午後の生徒さんが、来ちゃう……」
切なげな瞳で詩織が訴える。
健志は詩織を放した。
親切にしてくれた詩織に嫌われてしまう不安より、この手で抱きしめたい気持ちの方が優っていた。
詩織は途中で抵抗をやめた。
今は、ダメ、とも言った。
完全に拒否はされていないと健志は思った。
詩織は午後の八時を指定していた。
玄関に招き入れられた健志は、詩織を抱きしめた。
「はっ……」
詩織の息が耳にかかる。
彼女も腕をゆっくり健志の背中に回してきた。
唇が欲しかったが、詩織は健志の胸に顔を埋めたままだった。
「お腹すいたでしょ? 用意してあるの……」
いつもの優しい言葉に、健志は腕を解いた。
ピアノ教室の生徒の話、工場での作業の話、いつもの他愛ない会話で二人は食事する。
夜に招かれたのは、初めてだった。
健志は、詩織の何気ない言葉や仕草の中に自分を受け入れてくれる余地があるのか、探っていた。
母と同じような年齢の成熟した女性が、中卒で社会経験も浅い、子供に毛が生えたような自分の欲望を受け入れてくれるだろうか。
食後のコーヒーを飲み、リビングのソファで向かい合いながら二人は、語り合っている。
近況や互いの身の上は、あらかた話してしまった。
お互いの恋愛経験の話だけは、二人とも巧妙に避けていた。健志もそこに踏み込むのが怖かった。
他の男が、詩織を抱いている所を想像するだけで気が狂いそうになっている。
話題が途切れ、無言の間ができる。
健志はゆっくりソファを立ち、詩織に近づいた。詩織の瞳に微かに怯えの色が出た。
詩織の横に座り、肩に手をかける。
「待って、元山くん」
抱き寄せようとした健志を、詩織が止めた。
思わせ振りな態度から拒絶するのか、と健志は苛立った。
「俺が、中卒だから、子供だから、嫌なんですかっ!」
詩織の眼が潤んでいる。
ここで力任せに押し倒し、欲情を遂げることもできる。
だが、詩織の真摯な瞳の色がそれを躊躇わせた。
「違うの! 中卒とか、年齢とか、関係ないのっ!」
詩織が叫ぶ。
「元山くんが、私のこと求めてくれるの、嬉しいのっ! だから聞いてっ!」
詩織が真剣な瞳で見つめてくる。健志は次の言葉を待った。
「元山くんは、女性の、経験、あるよね?」
少し間をおいて、健志は頷いた。
「私、四十二なの」
予想していた通り、亡き母が生きていれば同じ年齢だった。
「笑わないで聞いて……」
詩織が眼を伏せ、意を決したように再び健志を見つめた。
「私、処女なの……」
健志の眼が見開かれる。
眼の前の成熟した美しい女性が、処女である、という。
そんなことが、あるのだろうか?
あるとすれば、何故なのだろうか?
「なんで? って思うよね」
詩織の言葉に、健志は自分の心を読まれたようで、びくり、とした。
「私、今、どんな理由を言っても、言い訳にしかならない……」
詩織はしばらく間をおいて、健志を見つめた。
「だからお願い! 元山く……健志! 私をあなたの女にして!」
健志の胸が、詩織の言葉で震えるほどの悦びで満たされてきた。
「年齢とか、職業とか、人生経験とか、そんなものは何も関係ない! 私、健志と、男と女でいたいの!」
「安西さん……」
「詩織って、呼んで!」
二人は固く抱き締め合い、狂おしいほどに唇を吸い合った。
「詩織……詩織、詩織っ!」
唇を外し、両肩を掴んで、潤んだ瞳の詩織を健志は見つめた。
詩織は誰にも、身体を許していなかった。
そして、自分の女になる、という。
(……詩織は、俺の女、俺だけのものだ!)
健志の肉棒が、痛いほど硬く反り返った。
唇を合わせ、舌を絡ませながら、詩織をゆっくりとソファに横たえた。
軽く耳朶を噛み、首筋に舌を這わせる。
詩織の甘い香りと吐息が、健志を刺激した。
ブラウスのボタンを外し、胸を開く。
薄いブルーのブラジャーに包まれて、はみ出しそうなくらいの肉感の乳房が現れた。
健志が背中に手を回すと、詩織は身体を浮かせて、ブラジャーを外すのを助けた。
横に広がり、圧倒的な量感の巨乳が、健志の眼に晒された。
少女のように薄桜色の乳首がツン、と勃っている。
健志は夢中になって乳首に吸いついた。
詩織の豊かな乳房は、手では掴みきれず、指の間から肉が零れた。
「あんっ、うふんっ……」
健志の愛撫に、詩織が色っぽいため息を漏らす。
下腹部から耐え難い疼きが湧き上がって来た。
(早く、詩織に挿入れたい!)
健志はズボンを乱暴に脱ぎ棄てた。
猛り狂った剛直には血管が浮き出している。
動物的な唸り声を上げて、健志は詩織のスカートを引きずり下ろそうとするが、外れない。
詩織がフックに手をかけ、手伝おうとした瞬間、健志の剛直が爆ぜてしまった。
「あっ、あっ、あっ、あああっ!」
悲し気な悲鳴とともに、健志の白濁液が、次々と詩織に降り注ぐ。
スカートから、白いお腹、乳房から、顎まで、大量の精液が詩織を汚した。
浴室の湯船で、二人は健志が詩織を後ろから抱く形で浸かっていた。
「ごめん、詩織。さっきは経験あるって、言ったけど……それは、嘘じゃないんだけど……」
健志は中学卒業式の日、お互い気が合っていたが付き合わなかった女子とセックスした。
健志が遠くの街へ行ってしまうので、お互いに想い出を作りたかったのだと思う。
お互い初めてで、彼女はとても痛がり、健志もどうすればよいかわからず、射精もせず、行為は終わった。
正直、想い出というには痛々しく、苦いものだった。
一応、挿入はしたが、これを経験と呼んでいいものだろうか?
健志はそれ以来、女性に触れることはなかった。
「ありがとう、正直に話してくれて……でも、正直、ほっとしたかな」
詩織が振り返って健志を見る。
「健志が経験豊富で、若い女の子と比べられたら、おばさんの私じゃ、勝ち目ないでしょ」
健志が首を横に振る。
「詩織のような綺麗で素敵で魅力的な人なんて、若い女にはいないよ……」
「ありがと……」
二人は舌を絡めて唇を吸い合った。
ベッドサイドに、二人は全裸で立っている。
窓から差し込む月明かりが、詩織の透明感のある肌を、仄白く照らしている。
重みで多少垂れてはいるものの、量感のある乳房の存在感は圧倒的だ。
くびれた腰が豊かなヒップを強調している。
腿は太めだが、女性らしいラインが、細い足首まで続く。
「綺麗だ……」
健志は詩織を抱き寄せた。
詩織の乳房の柔らかさを感じ、手のひらで確かめるようにやさしく背中をさする。
しゅるしゅる、と手が滑らかな詩織の肌を滑る音が静かな部屋に響く。
「……あんっ」
詩織がたまらず、声を上げ、身体をよじる。
ベッドに仰向けに寝かせた詩織の上に、健志は跨った。
先ほど一度射精してしまい、浴室で詩織の裸体をまじまじと見ていたので、暴発の危険はもうない。
ただ、既に滾るほど硬くなった肉棒を詩織に差し込みたい衝動が湧いている。
健志は自分を抑えるのに必死だった。
挿入れたいと逸る気持ちを押さえ、処女の詩織にできるだけ負担のないように愛撫する義務がある、と健志は自分を戒めた。
それにしても、見惚れてしまうほどの巨乳だ。
健志は年齢相応に性欲があり、オナニーもしている。
様々な動画をネタにしているし、巨乳の女優もたくさん見てきた。
だが、実際にナマの巨乳を眼にして、その存在感に圧倒されていた。
「あっ、ふうんっ……」
乳房を揉み上げられるたび、詩織が切なげな息を漏らす。
「あっ、はあっ、ううんっ!」
乳首を唇に含み、舌で転がす。
「……んあっ!」
甘噛みすると、詩織は短く叫んだ。
「ああんっ、はああんっ、うんっ、うんっ、あはんっ!」
健志の丁寧な愛撫に、詩織は熱い息と呻き声をあげる。
「やっ、うんっ、やんっ、そこっ、いいっ!」
刺激から逃れようとするのか、詩織が上体をくねらせるが、健志は乳首の責めを続けた。
「あっ、あっ、あっ、いいっ、いいのおおっ!」
突然、詩織が背中を仰け反らせて、痙攣した。
健志は、乳首を噛んでしまわないように、唇を外す。
ひとしきり痙攣した後、詩織はベッドに背中を沈め、荒い息をする。
「はあっ、はあっ、健志……私っ、乳首、弱いかも……」
健志が再び乳首を責める。
「あんっ、いいっ、またっ、私っ、感じちゃってるうううっ!」
敏感になった詩織は、すぐに絶頂に達してしまった。
荒い息で眼に涙を浮かべた詩織が健志を見つめてくる。
ぞっとするような可愛さだ。
健志は身体を横にずらし、乳首を吸いながら、詩織の股間に手を伸ばした。
濃いめの陰毛をかき分け、陰裂に指を触れた。
温かいぬめりを感じる。
詩織はすでに濡れている。
(ああっ、挿入れたい……)
健志の気持ちは高ぶっているが、処女の詩織に焦りは禁物だ、と気を取り直した。
中学の時の初体験の相手とは、お互い経験も知識も足りず、繋がりたいという逸る気持ちに任せて失敗した。
詩織は処女で、健志が初めての男だ。
他の男と比べられる心配もないし、何も、焦ることはない。
健志は、女性が感じやすいという、クリトリスを探った。
動画で見た知識しかなかったが、見当をつけて指を当ててみた。
「……あっ」
詩織が微かに息を吐く。
反応を見ながら、指の力を加減する。
「あっ、ふっ、ふうんっ……!」
あまり強くしても反応は薄い。少し弱めに刺激してみる。
「あっ、あっ、そこっ、いっ、いいっ!」
乳首を咥えながら、瞼を閉じて、色っぽい嬌声をあげる詩織の表情を見た。
「やっ、そこっ、いいっ、もっと、そこっ、いいのっ!」
どうやら気持ちいい加減に達したらしい。
健志は、そのまま一定の刺激を続けた。
「あっ、いいっ、あっ、あっ、いっ、いいっ!」
詩織が腰をよじり始めた。
指先を通して、細かい震えが伝わってくる。
「ああっ、いっ、いいっ、イっ、イクっ、イクうううっ!」
再び、詩織が背中を反らして痙攣する。
これが、女性がイクというやつか、と健志は悟る。
自分の手で、成熟した素敵な女性を絶頂に導くことができた。
男としての誇りと満足感で健志の胸は満たされた。
荒い息をした詩織が、潤んだ瞳で見つめてくる。
「健志……来て……」
甘い囁きに、健志の剛直がびくん、と跳ねた。
健志の呼吸も荒くなってくる。
詩織の股を割り、身体を間に滑り込ませた。
脈打つ剛直に手を添え、詩織の陰唇に亀頭を沿わせ、入り口を探る。
すでに愛液で濡れている膣口に、亀頭が吸い込まれる。
「はっ、あうっ!」
詩織が濃い息を吐いた。
健志が肉棒の角度を合わせ、ゆっくりと腰を沈めて行く。
「あっ、ふうううんっ……!」
詩織の膣壁には抵抗感がある。
半分入ったところで、健志は侵入を止めた。
「痛い?」
健志の問いかけに、詩織は頷く。
中学の時の初体験のことを健志は思い出した。
痛がる彼女に、焦った健志は強引に挿入して失敗した。
「やめようか?」
健志の問いに、詩織は横に首を振る。
「ゆっくり、挿入って、来て……」
甘く、詩織は囁く。
上体を倒し、詩織の乳房を潰した。
唇を合わせ、舌を差し込んだ。
詩織が、熱い息と舌を絡ませ、応えてくれた。
「んっ、んんんっ、んんんっ……」
詩織の呻き声を吸いながら、膣襞をゆっくりと裂いて行った。
上の口と、下の口で繋がっているという一体感で、健志は蕩けそうな感覚に包まれた。
「んっ、んっ、んんんっ!」
詩織の膣襞が、肉棒を締め付けてくる。
突然、抵抗感が薄れ、剛直が一気に詩織の子宮を突き上げた。
「んっ……はああんっ!」
詩織は唇を外し、叫んだ。
「あっ、あっ、あああんっ!」
擦り合った陰毛を通して、下腹部の震えが伝わってくる。
「詩織っ、大丈夫?」
詩織が首を縦に振る。
今、詩織と完全に一つになることができた。
健志は一人の女を貫いた満足感で胸が熱くなった。
同時に、腰を動かしたいという衝動も感じていた。
「詩織……まだ、痛い?」
詩織が薄く眼を開けた。
「まだ、ちょっと……でも、馴染んできた感じ……」
やはり処女には挿入の負担が大きいらしい。
「詩織……動いて、いい?」
恐る恐る訊く健志。
「うんっ、いいよっ……挿入れるだけじゃ、健志も満足できないものね……」
自分が痛いのに、なんて優しく思いやりのある言葉をかけてくれるのだろう。
「詩織、痛かったらやめるから、言って……」
健志はゆっくりと肉棒を抜いた。
結合部から出てくる肉棒の根元には、白濁した愛液が絡んでいるが、血はついてなかった。
この後に及んで、詩織が処女である証拠を確かめようとする健志がいた。
処女だからと言って必ず出血するわけではない、という。
あれだけ真剣に処女であることを告白し、自分を受け入れてくれた詩織を少しでも疑った自分を、健志は恥じた。
再び肉棒をゆっくりと差し込んでいった。
「ふっ、うううんっ!」
先ほどより抵抗感がなく、詩織の最奥まで達することができた。
「あっ、はんっ、うっ、ふうううんっ!」
抽送で奥を突くたびに、詩織から艶やかな息が漏れる。
「あっ、うんっ、あっ、ああんっ!」
瞼を閉じ、眉を歪めていた詩織の表情が緩み、声にも艶が出てきた。
「詩織っ、痛いかっ!」
健志が腰を振りながら尋ねる。
詩織は首を横に振る。
「あっ、あっ、うううんっ、ああんっ!」
最初に挿入したときには固かった詩織の身体がほぐれ、腰の動きに合わせて、揺れ始めた。
「あっ、いっ、いいっ! 健志のっ、いいのおおっ!」
健志は詩織が抽送で感じていることに歓喜した。
同時に、肉棒の根元から、射精欲が高まってくるのを感じた。
詩織とのセックスで舞い上がってしまい、避妊のことも考えずにナマで挿入してしまった。
とりあえず、外で出すしかない。
「詩織っ、俺っ、出そうっ!」
詩織は突き上げられながら、頭を何度も縦にふる。
「うんっ、うんっ、いいよっ、出してっ!」
処女で初体験であることを忘れ、健志の抽送が激しくなっていた。
「健志のっ、精子っ……中に、頂戴っ!」
「えっ? いいの?」
健志が眼を見開き、詩織を見る。
「うんっ、いいよっ! 健志の精子っ、私の中にっ、びゅるびゅる出してっ!」
嬉しさのあまり、健志の眼に涙がぶわりと湧き上がってきた。
「詩織っ、詩織っ、大好きだっ! 愛してるっ!」
膣口から愛液が溢れ、くちゅくちゅと音を立て、泡立っている。
ぱん、ぱん、ぱん、と肉を打つ音が激しくなっていく。
「うんっ、あんっ、私もっ、愛してるっ! 健志っ、出してえええっ!」
詩織の絶叫に、健志の剛直が決壊した。
「ああんっ、健志っ……!」
膣襞に包まれた肉棒が、びくんびくんと痙攣し、子宮の中にびゅるびゅると精液を流し込んだ。
肉棒を差し込んだまま、二人は唇を啄み合う。
身体を重ねたまま、余韻に浸りながら呼吸を整えた。
長い時間、一体感を確かめ合ったあと、唇を離し、詩織の表情を窺う。
優しい瞳で見つめてくる詩織が愛おしくてたまらない。
こんな美人で素敵な女性を、自分が貫いて女にした。
確かな満足感と、男としての自信が健志に漲ってきた。
「私、嬉しいっ……健志が最初で、良かった……」
潤んだ瞳の詩織に、ちゅっ、と軽くキスをして、少し萎えた肉棒を抜く。
少し遅れて、膣口から白濁液が、どろりと垂れてきた。
健志がティッシュを探して中腰となる。
突然、亀頭が温かいぬめりに包まれた。
詩織が四つん這いになって、健志の肉棒を咥える。
「あっ、詩織……」
上目遣いの詩織が、頬をすぼませ、肉棒を吸っている。
細くくびれた腰と、豊かな尻を振りながら、詩織は一生懸命奉仕している。
あまりに艶めかしい光景に、健志の肉棒が再び滾って来た。
「んっ、んっ、健志っ、じゅるっ、きもひいいっ? じゅぽっ……」
いやらしい水音をさせて詩織が呻く。
右手を添えながら、首を横にして、肉棒を、れろれろ舐め上げた。
玉袋を唇で、ちゅう、と吸いながら、右手で扱かれた肉棒は、血管が浮き出て、反り返っている。
「あっ、詩織っ、いいよっ!」
健志は快感で下半身を細かく震わせる。
上体を反らし、快感の流れに耐えた。
再び詩織は肉棒を口に含み、唾液を絡めて唇を往復させた。
「んっ、んっ、健志のっ、ぶちゅっ、チンポっ、じゅるるっ、凄いのっ……!」
先ほど大量の射精をしたが、すでに次の精液が湧きたっていた。
「詩織っ、またっ、挿入れたいっ!」
「んっ、うんっ、じゅるっ、いいよふっ!」
健志は肉棒を抜く。
唾液で塗れた剛直が、ぬるぬると光っている。
素早く四つん這いになっている詩織の後ろに回り、細いくびれに手をかけた。
腰の高さを合わせ、豊かな双臀を掴んで、谷間を広げる。
「ああんっ!」
陰裂は既に愛液でひたひたとなっていた。
手を添え、剛直を差し入れる。
「あっ、ふうううんっ!」
先ほど初めて挿入したときとは違い、抵抗感なく膣壁を剛直が進んでいく。
「あっ……うううんっ!」
一気に最奥に達した健志は、直ぐに抽送を開始した。
「あっ、あっ、うううんっ、凄いっ、健志っ、奥にっ、当たってるうううっ!」
ぐちゅっ、ぐちゅっ、と愛液が混ぜ返される音。
ぱん、ぱん、ぱん、と尻肉を打ち付ける音。
「あっ、健志っ、いいっ、いいのおおっ!」
詩織が髪を振り乱し、上体を捩る。
腰の動きにあわせて、乳が、ぶらん、ぶらん、と揺れている。
「あんっ、やんっ、イクっ、イクっ、イクううううっ!」
詩織が猫のように背中を反らせて、絶頂に達した。
「あっ、詩織っ、出すぞっ!」
健志は最後に奥まで貫いて、子宮の中に再び精液を放った。
二人の痙攣が、深く刺さった肉棒を軸にして何度も続いた。
深夜の住宅街に、静かにピアノの音が漂っている。
ドビュッシーの、『月の光』だ。
月明かりに照らされた腕が、艶めかしく揺れていた。
長い指先が鍵盤に吸い付くように音を刻んでいる。
ゆっくりとした旋律には微かに乱れが感じられる。
「あっ、はああんっ……」
恍惚とした女が熱い息を漏らす。
乳房が男の手で包み込まれるように掴まれている。
指の間から乳肉が零れていた。
「……あっ、うんっ!」
乳首に触れられた女は声を上げるが、かろうじて、ミスタッチにならず、旋律は続く。
全裸の女はピアノ椅子ではなく、男に座っていた。
下から男の剛直に貫かれた膣口には愛液が溢れている。
「はあっ、うんっ、ああんっ!」
切なげで妖艶な旋律の、最後の音の余韻と女の艶声が重なった。
健志と詩織の初めての夜は、明け方まで狂おしく続いていった。