※この作品はR-18です。

ガールズ・ドランク   作:藤木・メイトリスク・五郎

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第二話 新人冒険者:エミリー(前)

 

 シャルを犯したその翌日。

 

 久しぶりに良い目覚めを迎えた。

 溜まるものもなく、スッキリと気分が良く身体のパフォーマンスが高い。

 モンモンとした性欲は全て出しきった。

 

 部屋を出ると、それに合わせるかのように隣の部屋からバタバタと慌ただしい物音が聞こえてきた。

 隣の部屋は俺のヤリ部屋だ、シャルをそこに寝かせたままにしてある。

 きっと目が覚めたのだろう。

 

 昨日の行為の後はシャルの身体を拭いて、部屋を掃除して隣にある俺の部屋で寝た。

 シャルの横で一緒に寝て朝を迎える手もあったが、それを実行する勇気はなかった。

 だがもしそれをしたらシャルはどんな反応をしたのだろう、少しだけ気になった。

 

「おーい! シャル! 大丈夫かー?」

 

 ドア越しに話しかけると、慌てた様子で返事が返ってきた。

 

「せ!せんぱい!? だ、だめです! 今開けちゃ駄目です! 駄目ですからね!」

 

「おーう、先出てるから、ゆっくりしてていいぞー」

 

「は、はい!」

 

 元気そうで安心した。

 この分なら二日酔いもなさそうだな、若いからな、後に残らないんだろう。

 オッサンになってくるとこれまで平気だったものが翌日響いてくるのだ。

 

 もう少しだけ部屋の様子を聞き耳たてると。

 

「ここは…どこ? えーなんで裸なんだろ? うーん」

 

 昨日の記憶は残ってなさそうだな。

 かなり酔わせたし大丈夫だとは思っていたが。

 今思い出すとだいぶ恥ずかしいことを言っていたから、そのまま忘れてくれることを祈る。

 

 階段を下って一回の酒場に顔をだすと、店主のリィロが出迎えた。

 

「よう!」

 

「ン、マンハッドか、女はまだ上か?」

 

「ああ、時間かかるだろうから、あのままにしておいてくれ」

 

「フン、あの娘見たことある子だったな、手を出したのか」

 

「最高だったぜ、……なんだよ金なら払ったろ」

 

「…まぁ、金さえ払うなら何も言いはせん、好きにしろ」

 

「これからも頼むぜ」

 

 何か言いたげな店主を背にして、店内にいるもう一人に声をかける。

 店の看板娘、猫獣人のミャロが店内を掃除しているところだった。

 

「ミャロ~、おはよ…」

 

「それ以上近寄るにゃ、マンハッド!」

 

「えー何でだよ」

 

 可愛い猫耳がついた小柄な女の子、獣人とこの世界では扱われているが、ぱっと見外見は人と変わらない。

 頭の耳を隠せば普通の人間だ。

 幼い見た目をしているが、これでも立派に成人しているらしい。

 猫獣人は種族がら大きくはならない、人間の子供くらいの身長で大人なのだ。

 他種族からしたら子供にしか見えないが、子供扱いをすれば普通に怒るので気を付けよう。

 

 そんな彼女は敵意むき出しの表情でこちらを睨み付けている。

 俺何かしたか?

 

「お前臭うにゃ、気持ち悪い、どうせいやらしい事していたに決まってるにゃ」

 

「酷いな、そんな言い方ないだろ」

 

 図星だった。何とか表情には出さなかったが。

 体は綺麗に拭いたんだが、獣人は鼻が良いから油断できない。

 

「店主もお前もアイツも、ここは変態の巣窟にゃ」

 

「一応客だぞ俺」

 

「しるか、こんな店金払いが良くなかったらすぐにでも出て行くとこにゃ」

 

 しっしっ、と追い払われてしまったので、ここは素直に出ていく。

 ボロが出る前に退散だ。

 

 店を出て、取りあえずはギルドの方へと向かう。

 昨日の依頼で金に余裕はあるが、いつまでもつかわからんからな、良い依頼がないか冷やかしにいこう。

 

「せんぱーい!」

 

 シャルの声だ。

 店を出た自分を追いかけて来たみたいだ。

 

「…おう、どうした?」

 

 昨日のことが頭をよぎって、妙に落ち着かない。

 

「昨日はすみませんでした、わたし酔い潰れてしまったみたいで…お部屋にも運ばせてしまいましたし」

 

「気にすんな、無理に飲ませた俺も悪い」

 

 昨日全て脱がした衣類をキチンと着用している。

 髪は少し乱れているが、他は全て元通りだ。

 

 何事もなかったかのように会話を続けるが、内心は劣情が再び押し寄せてくるのを感じていた。

 昨日は散々この身体を楽しんだ、シャルは変わらず接してくるが分かっているのだろうか、俺がどれだけその穴に肉棒を突っ込んだのか。

 シャルの可愛い声を、イカせた時の表情を、何回その中に出したことか、もしかしたらデキてるかもしれないのに。

 

 シャルは恥ずかしそうに顔を赤らめて、おずおずと言った。

 

「…あの…先輩、その…えっと……………へんなことしてないですよね?」

 

 ドキリとした。

 心臓が大きく高鳴って、理性が飛びそうになる。

 

 「昨日はお前と一晩中セックスした、今思い出させてやるよ!」

 と言いたくなるのをグッとこらえる。

 

「…ぃや? へんなことって?」

 

 少し声が裏返ってしまった。

 バレているわけではないらしいが、怪しんでいる。

 昨日さんざんに楽しんだからな、いくら綺麗にしたからと言っても身体の不調は誤魔化しきれるものじゃない。

 

 少し怪しまれつつもシャルからそれ以上の追求はなかった。

 

 正直今すぐ押し倒したい、一晩で終えるにはあまりにも惜しい。

 俺はそそり立つ性欲を理性で強引に抑え、シャルとはその場で別れた。

 

 まだ機会はある、次またチャンスをうかがえばいい。

 未練たらたらなまま歩む。

 

 ギルドに寄る前に武器屋に行こう。

 シャルのお陰で風俗代が浮いた、しばらく装備のメンテナンスをしてなかったから今のうちにやっとこう。

 

 武器屋はギルドのすぐ近くにある、いつものように橋を渡り、広場を通るともう目の前だ。

 扉の前に立つと、中から争うような声が聞こえる。

 第六感のようなものが働き、昨日のことがデジャブする。

 スッと横に避けると、弾かれるように扉が開き、中から少年が飛び出してきた。

 

「ふざけんな! 詐欺師め! 二度と来るかこんな店!!」

 

 昨日見た少年だ、大変ご立腹らしい、顔を赤くし罵詈雑言を残して去っていく。

 その後からは、やはり昨日少年と一緒にいた女性が店から出てきた。

 こちらに気がつくと一度頭を下げて少年を追った。

 一体何事だろうか。

 

 店に入って定員に聞いてみる。

 

「おや、マンハッドさん、ご無沙汰ですね」

 

「ロゥか、久しいな、ところで今のやつらは?」

 

「見ていましたか、お恥ずかしい限りで、まぁよくある言いがかりです、お気になさらず」

 

 やんわりと断られてしまった、まぁ客の事情を喋る店員はいないしな。

 奥にある工房に顔を出す。

 この武器の製作者でもある職人に声をかけ、メンテナンスをしてもらう。

 

「ガタは来ておらんな、状態も良い、…よく手入れをしておる」

 

「だろぉ、キチンとやってるぜ」

 

「一見な、グリップを外すと……ほれ、血がこびりついておるわ」

 

「あーいや、それ…は」

 

「しっかり細部まで手入れせい」

 

「…はい」

 

 小言をいくつかもらい、武器のメンテナンスな終了。

 特に修繕箇所もなかっため、安くすんだ。

 

 武器屋を出てギルドに向かう、良い依頼は転がっているだろうか。

 

「あ! マンハッドさん、ちょっとこちらへ!」

 

 ギルドに入るなり、唐突に声がかかる。

 昨日と同じくシンディアからだ、なんだろうか心当たりはない。

 

「なんだなんだ? まさか二日続いて指名依頼か?」

 

「…そのまさかです」

 

 珍しいこともあるな、そんな頻繁に来るもんじゃないぞ普通。

 取りあえず依頼を確認する。

 

 えーなになに、討伐依頼ストーンゴーレム、農園に出現し現在も居座る、被害拡大中、至急の討伐依頼。

 珍しいなゴーレムが人里に来るなんて、しかしこれ…。

 

「なぁ、これ…」

 

「…ええ…、そうです、一度討伐は失敗しています」

 

 討伐依頼失敗、ギルドにおいてそれは大変不名誉なことだ。

 自身の評価や信用度も下がる、何より違約金が発生する。もちろん依頼内容に齟齬がない場合。

 早期に辞退できればましだが、怪我人や死人、装備などを消耗してしまった場合は自己責任で負担するしかない。

 前世の世界みたいに保険などあるわけもなく、厳しい現実だけがある。

 

 先の事を思い出す、繋がりは薄いがどこか引っかかってしまった。

 

「まさかと思うが、あの二人組の新人か?」

 

「……そうです」

 

 やはりそうか、と思うとともに怒りが湧いてくる。

 彼らはDランクになったばかりだと言ってなかったか?

 

「新人にストーンゴーレムの討伐をさせたのか!?」

 

 新人のそれも剣士職にやらせる依頼ではない、当たり前だがゴーレム種はどれも強靭な体をもっている、生半可な攻撃では傷一つつきはしない。

 そして純粋な質量の攻撃は人を軽く圧殺する、新人が戦って命があっただけでも奇跡に近い。

 

 非難がましく見ていると、シンディアは少しバツが悪そうに言った。

 

「彼ではなく、相方のエミリーさんの方に期待していたんです、彼女の魔法はゴーレムに有効なものがありましたので、十分討伐は出来ると判断したんです」

 

 ゴーレムに有効な魔法となると『爆裂』あたりか。

 護衛の剣士一人に、魔法使いが後方から一方的に攻撃をする。

 ゴーレムは動きが遅いから遠距離からの攻撃で倒す、ゴーレム戦での常套手段だ。

 それなら例え新人でも対処可能か。

 

「…悪かった、そちらに非はない」

 

「いえ、いいんです、ですが依頼は失敗してしまったので、誰かがそれを補わなければなりません」

 

「それでか…ちなみに他にゴーレムと戦える人員は?」

 

「…今はあなただけです」

 

「…わかった、引き受けるよ」

 

 一度失敗した依頼か、気が重いな。

 でも他にやれる奴がいないなら仕方ない。

 しかしなぜ失敗した? 報告を見る限り特殊な個体でもない普通のストーンゴーレムだろう。

 一体現場でなにがあったのだ。

 

 

 ◆◆◆◇◇◇

 

 

 ゴーレム種に有効なのは魔法だ。

 だからと言って接近戦で勝てないわけではない。

 俺なら強化スキルで魔力をドバドバ武器に流し、お得意のゴリ押しで討伐出来る。

 でもそんなの積極的にやりたくはない、どう考えても魔法で倒した方が楽だし。

 

「つ、疲れた…ストーンゴーレム固すぎ」

 

 地味な戦いだった、ほぼほぼ作業だった。

 無駄に魔力と体力を消耗した、メイスだって見てもらったばかりだがこれは武器屋に行かないとまずいのでは?

 そして特に疲れたのが依頼者からクレームを食らったことだ、最初に来た奴らは一体何をしに来たんだ、被害が拡大しただけじゃないか、と。

 しるか俺が知りたいわ、なんで俺が怒られなきゃならんのだ!

 

 ギルドに着いたときはもう夜更けてしまった。

 そこまで報酬金がいい依頼じゃないし、結構疲れ損だぞ。

 

 腹がへった。

 

「あの…」

 

「んあ? …あっ」

 

 ギルドを出ると例の新人二人がいた。

 ここで俺が出てくるのを待っていたみたいだ。

 

「確かエミリーとレオだったか」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 少しやつれたような印象をうける。

 二人とも落ち込んでいるようだ、依頼失敗は新人にとっては大きなダメージだからな。

 だが見たところ大きな怪我もない、まだ若いしこの失敗は逆に大きな成長に繋がってくれるだろう。

 

 申し訳なさそうにエミリーはしている中、ぶすっとした顔のレオ。

 レオを背に隠すようにエミリーは前へ出る。

 

「マンハッドさんですよね、…私たちが受けた依頼の尻拭いをさせてしまったみたいで…」

 

 頭を下げて丁寧な謝罪を受けた。

 ちょっと感動した、荒くれ者の多い冒険者でここまで良識ある対応を受けたのは初めてかもしれない。

 後にいるレオからは謝罪はない、不機嫌そうな顔をしている。

 ムカつくが冒険者では結構普通だ、慣れているのでそちらには反応しない。

 

「ああ、…まぁ気にすんな失敗は誰にでもある」

 

「…失敗してねぇ…」

 

「ちょっと黙ってレオ、…本当にすみません、それにありがとうございます、おかげで大事にならなくて済みました」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 レオ少年一人だったら一発くらい殴ってたかもしれない。

 エミリーは正直結構好みの顔だしな、美人が取り成してくれるので無理やり溜飲を下げる。

 

「ああ…、いいよそんなこともある、……一応聞きたいんだが何で討伐失敗した?」

 

 ずっと気になったところはそこだ。

 戦って分かったが、普通のストーンゴーレムだった。

 大きな怪我もしていないし、負ける要素はないと思うんだが。

 

 エミリーは黙った、言いづらそうにちらりとレオの方を向く。

 レオは無言で自分の剣を見せた。

 

「……折れてる」

 

 真ん中からぽっきりと、見事なくらい砕けてる。

 何をしたのかわかってきた、でも何故したのかわからない。

 

「まさかと思うが、ゴーレムを切ったのか?」

 

「……一流の剣士は、岩や鉄、竜の鱗さえも切る」

 

 よくある英雄譚の一節だな、確かにそれが出来る奴はいる、だがそれはレオ自身が言ったように一流だけだ。

 

「高い金を払って買ったのに、こんな鉄くずを出された!」

 

 話を聞いて、ああバカだこいつ、と本気で思った。

 魔法使いが戦うところを、なんとコイツは自分からゴーレムに戦い挑んで剣が折れ戦闘不能。

 護衛が使い物にならなくなった魔法使いは何もせず退却。

 

 本当に何しに行ったんだよ。

 

「剣のせいじゃない、おまえ自身の…」

 

「うるせぇわかってる! 俺の腕が悪い、…今はまだ足りてない、今はまだ」

 

 レオは悔しそうに顔をゆがめる。

 エミリーはその隣でただただ心配そうに見つめている。

 

 いや、何もわかってねぇよこのガキは。

 お前の実力の話じゃないんだ、出しゃばって戦って勝手に自滅して足引っ張った頭のおつむ加減が問題なんだが。

 何言ってもコイツには駄目そうなんだろうな。

 

 俺の想像を裏付けるかのように、レオは途端に吹っ切れてニヤリとした表情を見せた。

 

「ま! 今回は仕方ない、英雄たるもの何時までも落ち込んでいられない、見てろエミリー!俺様の伝説はこれから始まるんだ」

 

「そうだよ! レオなら大丈夫! レオは強い子だからきっとうまく行く!」

 

 美人な彼女に慰められて気分を持ち直したのか、反省の色は消え元の調子に乗ったガキに戻った。

 こいつらこれまでもそうして来たのか? なんとなくこいつらの関係性が分かってきたな。

 この分じゃこの先も似たようなことを繰り返すだろうことが簡単に想像がつく。

 

「……あぁ腹が減ったぜ」

 

 変に気が抜けて、空腹を思い出した。

 こいつらの相手をいつまでしなきゃならんのだ、飯をくわせてくれー。

 

 すると、ぐ~っと俺のつぶやきに合わせるように腹のなる音が二人の方から聞こえた。

 

 恥ずかしそうにエミリーは言う。

 

「すみません、違約金もあってお金がなくて、…朝から何も食べてないんです」

 

 めんどくせぇが新人を見捨てるのはな。

 飯くらいなら面倒見てやるか。

 

「俺もまだ食ってないしな、来いよおごってやる」

 

「すみません、何から何までありがとうございます、お言葉に甘えさせて頂きます」

 

 この様子は本当にお金がなくて追い詰められてる感じだな、今日食う分にも困ってるとは。

 でも素直でかわいげのある子はいいね、特に美人だとつい世話をやきたくなる。

 

 それに比べレオは。

 

「……施しはうけねぇ」

 

「レオ! そんなこと言ってる場合じゃ!」

 

 強情だな、救いようがないバカだ。

 だが俺としては、いや冒険者としては男たるものが他人に簡単に頼ってしまうのはプライドが許さないものだ。

 命ではなく名を惜しむ、冒険者ならこれくらいのバカが逆に丁度いい、意外と男な部分があるんだなとこれだけは逆に見直した。

 

 が。

 

「これは借りだ、よかったなオッサン!」

 

「……は?」

 

「未来のS級冒険者に借りを作れるんだ、喜んでいいぞ!」

 

 何を言ってるんだこのクソガキは。

 

 コイツは丁度いいバカじゃない、突き抜けたバカだ。

 

「す、すみません! この子悪気はなくて!」

 

 エミリーが慌てて場を取りなす、しかしどうしたらいいのか分からないようで、おろおろとレオを擁護するだけだった。

 

 今日はこいつらの、このクソガキのせいで苦労した。

 苦労した割に報酬金が見合わなくて、装備もボロボロだ。

 

 ……決めたぜ。

 

「大丈夫だ、エミリーだったな、分かってるよ」

 

「本当にすみません!」

 

 レオ、特等席で見せてやるよ。

 

 




次回寝取り展開ありますので、苦手な方はご注意を
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