ここから、オリキャラを含め、出会いが始まります。
18. いろいろな出会い
早いもので、もう3週目の月曜日だ。毎朝、清隆と朝ごはんを食べ、別々に学校へ行くのがルーチンになっている。夕食も可能な限り一緒に部屋で食べている。先週末で生理も終わり、これからは気分に合わせセックスすることになるだろう。
いつもと変わらない態度で授業を受け、放課後、清隆に頼まれて一緒に図書室に行く。知り合ったCクラスの女生徒を、一度、私に見て欲しいということだった。
並んで、図書室に行く途中で、小柄な綺麗な黒髪ボブの女生徒が前から小走りでやってきた。すれ違う一瞬、彼女が私たちの方をみた。
「ううっ」
うめき声に気が付いて、振り返ってみると、すれ違った女生徒がお腹を押さえてうずくまっている。
「どうかしましたか。」
近づいて声をかけると、大丈夫ですと返事が返ってきた。耳元まで赤くなって、こちらを見る顔は少し上気している様に感じた。熱でもあるのかと思ったので、まずは清隆に
「清隆君、さきに行ってください。あとで追いかけます。」と声をかけた。
その女生徒は私の顔を見て
「お、お姉さま?」
うわごとのようにつぶやいた。おかしなことを言う子だと思い、首を傾げると
「だ、大丈夫です。」
お腹を押さえながら走り去った。放置された私は訳が分からなかったが、とにかく、清隆を追って図書室まで急いだ。
図書室に行くと、清隆が手を振っているのが見えた。清隆の前には薄い水色の綺麗な髪の女子生徒が座って、本を読んでいた。カーリーなロングだ。両脇を部分的に集めて紫色のリボンで止めている。
「有栖、こちらは椎名ひよりさんだ。」
清隆が紹介すると、読んでいた本を閉じて、
「初めまして、1年Cクラスの椎名ひよりと言います。よろしくお願いします。」
丁寧に挨拶された。私も
「初めまして、1年Dクラスの綾瀬有栖です。」
と名乗った。清隆の話では、本好きな女子生徒がいて、得たいが知れないとのことだったので、早速、目を合わせてみた。椎名もじっと私の目を見る。『平穏』、『擬態』、『不思議』と浮かんだ。
「綾瀬さん、面白いですね。あなたのその目には何が見えているのでしょう。」
驚いたが、たまにこういう人もいる。
「あまりにも綺麗な瞳なので、見とれてしまいました。気に障ったようですね。申し訳ありません。」丁寧に謝罪した。
「有栖、お前も推理小説が好きだと言っていたな。椎名と気が合うと思って、今日、来てもらった。」
清隆が言うので、椎名の読んでいる本を見ると、アガサ・クリスティーのABC殺人事件だった。
「ABC殺人事件ですか。それ、とても面白かったです。私、原作も読みました。」
すると、椎名の顔つきが、まるでパッと花が咲いたような笑顔になった。それからは清隆と3人で数々の推理小説の話で花を咲かせた。
「一度、私の書いた小説を読んでください。これまでの推理小説で満足できなかったので、自分で納得できるものを書いてみました。」
「はい。ぜひ、読ませてください。」
前のめりに答えてきた。そのあと、連絡先を交換し、お互いに名前呼びすることになった。
図書室を出て、清隆と話す。
「いい子です。ただよくわかりません。『平穏』、『擬態』でした。かなり学力は高いように思いますが、いまのCクラスの雰囲気になじめているかどうか不安です。」
「そうか、擬態?・・ただの本好きじゃなさそうか。」
「これからも、お付き合いを続けるのがいいと思います。私も調べてみます。」
「わかった。努力しよう。」
コミュ症の清隆にしては上出来だ。
今日は部屋に帰って、神室に勉強の進捗を確認する。与えた参考書の指定された範囲はクリアできたというので、テスト問題を作成し、メールで送信。「水曜日の夜までに、郵便受けに」とした。
火曜日は櫛田が学食のパスタがおいしいと評判になっているということで、早速二人で行ってみた。思った以上に混雑していて、何とか目的のパスタを買い、席について食べてみた。
「ほんとだ。今日のパスタ、ものすごくおいしい。」
一口食べて、櫛田が驚いたようにいった。確かにこの前と味付けが変わった。この学食のメニュー、どれもかなりおいしいが、もう一歩だと思っていた私も驚いた。使っていた調味料の量を増やしたり、減らしたり。そして隠し味にみそをほんの少し加えている・・・(このバランスはどこかで食べたことがある)。
美味しくいただき、席を立とうとしたとき、一人の女子生徒が声をかけてきた。
「お、お姉さま。私、1年Bクラスの立川由佳と言います。昨日は声をかけてくれて、ありがとうございました。よろしければ連絡先を教えてください。」
昨日、廊下でうずくまっていた子だ。よく見ると、小顔でとても童顔、小学生と言った方が似合うくらいだ。
「あ、立川さん。こんにちは。」
櫛田が挨拶した。櫛田はこの子とも連絡先を交換しているのか。さすがだ。
「昨日の。あぁ立川さんというんですね。大丈夫でしたか?」
廊下でのことに気を配るが大丈夫だったらしい。あの時もそうだったが、なぜかこの子は私をお姉さまと呼ぶ。
「なぜ、お姉さまと呼ばれるのか、よくわかりませんが。」いぶかしげに聞いても
「すみません。ただ、なんとなくお姉さまと呼ばなきゃと思ってしまって。」
涙目で訴えられ、それ以上、言葉が出せなかった。
「ま、いいです・・私はDクラスの綾瀬有栖です。よろしくお願いますね。」と言って連絡先を交換した。
「あのう、一緒にいた方はなんというお方でしょうか?」
たった一度すれ違っただけの清隆のことについて聞いてくる。なぜかわからなかったが、その時は特に気にもしなかった。
「ああ、清隆君のことですか。彼は綾小路さんです。私の後ろ席ですよ。」
それを聞いた立川は硬かった表情が消え、とても柔らかな笑顔になった。
「積極的な子ですね。」と櫛田に言うと
「清隆君、結構イケメンだから、狙っているのかも。有栖、気を付けた方がいいよ。」鎌をかけたつもりだろう。
「清隆君にも仲のいい女子が出来るといいですね。」そっけなく答えた。(でも、あの子、どこかで見たような気がする。どこか、小さかったころ、どこかで)。
水曜日、教室に入ると騒がしい。なにやら山内と池を中心に騒いでいる。どうやら今日のプールの授業で水着姿の女子が見られるということで、誰の胸が大きいか、なんてことを賭けにしているようだ。周りの女子はドン引き状態だが、そんなことには気が付かない。
「おーい。健。こっち来て、誰かに賭けろよ。」オッズ表らしきものをひらひらさせながら山内が須藤を誘うが、
「わるい。今それどころじゃない。というか、静かにしてくれないか。」須藤は迷惑そうな顔をして答えた。
「ちぇ、健、最近付き合い悪いな。そうだ、綾小路、こっち来いよ。」
私の後ろの清隆に声をかけた。清隆が小さな声で「有栖」とつぶやいた。準備すると(やめさせろ)と伝えてきた。清隆が椅子から立ち上がり
「あぁ、何やってるんだ?」と言いながら移動する。隣人堀北が「あきれた」と言いながらも、何もせずに、座っているだけだ。私は清隆が山内等と話す前に
「ねぇ。あなた達は彼女が欲しいって言ってませんでしたか?」
山内と池に向けて言葉を発した。
「なんだよ、綾瀬。欲しいに決まっているだろ。」と池が答える。
「つまり、このクラスの女子とは付き合わないということですか?」掌を上にして腕を回した。
「なにわけのわからないことを・・」とまで言うと、ドン引きしている周りの目に気が付いた。
「そういう話題は女子から軽蔑されますよ。そういう賭けに乗ろうとしている清隆君も同罪です。」と清隆に笑いかける。
「軽蔑されるのか・・」と言いながら清隆は席に戻った。当然、山内らも「ごめん」と大きな声で皆に頭を下げた。後ろから(助かった)と伝えてきた。櫛田がこっちを見ている。清隆とは何も話さず、過ごすことになった。
1限目が終わった時、それは起きた。須藤が櫛田の前に立ち、
「く、櫛田、お願いがある。」須藤の声が震える
「な、なにかな?須藤君。」櫛田も怖がっている。
「頼む、勉強を教えてくれ。」と言ってお辞儀をする。皆が驚いて二人の方を見た。櫛田が皆の目を確認した。
「健、ぬけがけするんじゃねぇ。」山内が騒いでいるが、須藤が睨むと黙った。
「う、うん、分かった。協力する。」と少しひきつった笑顔で須藤を見た。
「よ、よかったぁ。俺頑張るから、よろしく頼む。」と須藤は腰を90度に折ってお辞儀をした。
「思い通りだ。」清隆がつぶやく。私は清隆の方を見ずに
「そうですね。」と答えた。
プールは午後の授業だ。お昼を食べてから、更衣室に向かう。スクール水着はワンピースのため、どうしても裸にならないと着替えられない。見られる恥ずかしさから、首だけ出せるマントみたいなものを使ったりすることがあるらしいが、ここにはそういうものはない。バスタオルを巻くのが精いっぱいだ。
そのため、皆、更衣室でどう着替えたものかと躊躇している。私は櫛田の隣で、ブレザー、ブラウス、スカートをパパッと脱いで、ブラジャーとショーツだけの姿になった。櫛田が
「有栖、すごい。引き締まっている。なに、そのお腹。ぺったんこじゃない。」と騒ぐ。
「あら、桔梗。この前、ショップで見たじゃありませんか?」適当に答える。皆が私に注目している。
「触っていい?」と聞かれた。拒むのも変かなと思い、
「いいですよ。」答えると櫛田がお腹を触り、横腹の脂肪をつかもうとする。
「固ったぁ。わぁ、すぐ下に腹筋がある。すごい。脂肪なんてつかめないし。」私の締まった身体に驚く。櫛田が私の手を自分のお腹に充てる。柔らかい。ちょっと揉んでみても、餅のようである。
「いやん。有栖。揉まないの。きゃははは」何がそんなにおかしいのかよくわからない。私は、ロッカーに向き直し、ブラジャーをはずし、ショーツを降ろして、バッグに入れた。今すっぽんぽんだ。
「きれい」「あ、あ」何やら声がするが、気にせず、スクール水着に足を通し、そのまま引き上げ、肩を通した。周りが静かなので、見渡すと皆、私の方を見ている。
「桔梗、私なにかしでかしましたか?」小声で櫛田に聞くと
「な、なにも有栖はしていない。ただ、あまりにも堂々と裸になるので驚いているだけ。」と教えてくれた。
「え、お風呂に入るのと同じではありませんか。」と小声で訴えるが、
「ま、そ、それはそうね。」としどろもどろだ。
「皆さん。早く着替えないと遅れますよ。」といって更衣室をでた。(こういう場では、恥ずかしがるのか。中学校はほとんど行っていないから、そのあたりの常識が欠如している。なんとも。。)
プールサイドに出ると、男子が騒いでいる。私は清隆に近づき、それとなくその場でくるっと身体を回した。(有栖。きれいだ)と伝わってくる。「くぅ」私の子宮が収縮した。(あぁ、やらなきゃよかった。発情しちゃう)。周りに櫛田や小野寺も集まってきた。プールサイドに座ると、櫛田も近くに座った。こうしてみると櫛田の胸は特級だ。他にも胸の大きい生徒、長谷部や佐倉はいるが、今日は見学になっている。
「平田君、いい身体してるねぇ」「高円寺君すごくない。結構いいかも」「須藤君もありかな。アスリートね」と女子が男子の批評をする。朝、女子の胸の大きさで賭けをしようとしていた男子とあまり変わらない。先生が入ってきた。
「夏までに泳げるように。きっと役に立つから。」なにやら、意味不明なことを言っている。清隆が先生を見ている。
「今日は、君たちがどのくらい泳げるのか見せてもらう。50m自由形だ。一番早かったものに5千ポイントを与えよう。」皆が騒ぎ出す。私は隣にいる櫛田の方をむいて、
「男子だと世界記録が20秒9。日本記録が21秒7らしいです。」これは櫛田の向こうにいる清隆に聞こえるはず。
「有栖、いきなり何?」と驚くが、
「あ、水泳があるというので、ちょっと調べてみました。」とはぐらかした。
男子の方は高円寺が日本記録を破り、清隆は21秒8で2位だった。女子は水泳部の小野寺が1位。手のひらの差で私が2位という結果となった。お互い本来の力を出さずに、クラス2位。目立ちすぎないように隠しているが、勝負事にはある程度の実力を開示していくことになるだろう。
放課後は図書館に行った。期待通り、椎名が本を読んでいる。少し調べたところ、椎名は図書館の主と呼ばれているらしい。入学3週間で、この二つ名。椎名、君は何をしている。
「ひより。こんにちは。」名前呼びで挨拶すると、少しめんどくさそうに本を閉じ、
「有栖さん。こんにちは」と挨拶してくる。私は首を傾げ、次の言葉を待つ
「あ、有栖。こんにちは。」私はにこっとほほ笑み、椅子に座った。
「これ、約束の推理小説です。だいたい200ページくらいです。読み終わったら講評をお願いしますね。」とメモリーを渡した。少し話して、お互いに本を読む時間となり、しばらくして私は先に図書館から出た。
買い物の後、寮に帰る道で、清隆に話しかける立川をみた。そういえば、お昼休みにも、Dクラスの前に来ていたような気がした。夕飯を食べながら、清隆に聞くと、お昼に連絡先を交換してくれと言われ、交換し、帰り道では、付き合っている人はいないのか。好きな人はいないのか、と聞かれたらしい。やはり、あの子の狙いは清隆か。なぜ、清隆なのか、そこが問題だ。清隆に、明日、立川を部屋に呼ぶようにメールを打ってもらうと、すぐにOKの返事が来た。
清隆の部屋を出た私は、神室からの答案を採点し、金曜日の昼休み、図書館に来るようにメールした。
椎名ひよりとオリキャラ立川由佳の二人がでてきました。
今週はこの「立川由佳」のキャラを確定させます。お楽しみに
これまでの登場キャラ
神室真澄・・有栖の駒、育成中
櫛田桔梗・・友人?有栖の目が怖い
堀北鈴音・・出番少ない
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