※この作品はR-18です。

ようこそ有栖と清隆の教室へ   作:愛奴

39 / 99
5月も第2週に入りました。
自販機裏で生徒会長とやりあった時、生徒会室に来いと言われました。

で、月曜日、5月4日です。午後からは由佳の誕生日を祝う予定ですが、その午前中のお話し。

短めです。
平均でも6000字を割ってしまった。


5月2週
39. 生徒会へのお誘い


5月1日の夜に生徒会長から、月曜日の昼休みに生徒会室に来るように言われた。

 

お昼休み、私と清隆の二人で、生徒会室のドアをノックした。中から「入れ」と声がしたのでドアを開けて生徒会室に入った。そこには生徒会長の堀北兄と、髪の毛を二つの団子にまとめた女子がいた。

 

「待ってたぞ。こちらは生徒会書記の橘だ。」軽く隣の女子がお辞儀をする。

「あ、1年Dクラスの綾瀬有栖です。」

「綾小路清隆だ」二人そろって自己紹介をした。

 

「まぁ、こっちに来て座れ。」

促されたソファーに座った。相変わらず生徒会長の目は厳しく、二人をとらえている。

「少し、お前たちのことを調べた。興味深い。二人とも中学校の情報が曖昧だ。それに入試の成績も異常だ。入学早々Sシステムを看破したこともわかっている」

調査書らしきものを見ながら説明する。

「ぜ、全教科50点と30点。この子たち一体。」

横に座っている橘がすっとのぞき込みつぶやいた。

 

「生徒会長ともなると、そのような情報まで手に入るんですね。」

私が感心したように話すと睨まれた。(このシスコンが)。

「一体何者なんだ?」と聞かれたので、

 

「この前言ったように普通の高校生だ」

 

清隆が答える。私は笑いそうになるのをこらえた。

「まぁ。いい」

「そんなことを言うために呼びつけたのか」と清隆が無表情に言うと

 

「じゃあ本題に入ろう。お前たち、生徒会にはいれ。」

命令口調で言ってきた。隣の橘が堀北兄を驚いた顔で見た。

 

「断る。」

「いやです。」

 

間髪を入れずに私たちは即答した。それを聞いて、橘はさらに、あわあわし始める。

「堀北君、いや、生徒会長がお誘いしているんですよ。生徒会には簡単には入れないんですよ。皆が憧れているんですよ。」という橘を制し、

「じゃぁ、お前たち、何がしたいんだ。部活荒らしで大量のポイントを稼いだこともわかっている。」

堀北兄が語気を強めた。

 

「私たちは高校生活を私たちなりに楽しもうとしているだけですが。」

私が平然と答える。

 

「お前たちなりに楽しむ・・か。わかった。いつでも席は準備する。その気になったら連絡をくれ。あと、お前たちの推薦なら、一人ぐらいは生徒会に入れるようにしておく。」

 

「わかった。覚えておく。」

相変わらず無表情で清隆が答えた。皆の気が緩んだところで、私が切り出す

 

「あの、次の中間試験の過去問をいただけませんか?」

 

「え、もうわかっ『橘』」

 

橘の言葉を堀北兄が制した。橘はあからさまに失敗したという表情である。なるほど、過去問は傾向を見る程度のものじゃない「鍵」なんだ。清隆も気づいたはず。

 

「どうして、そんなものが必要なんだ?」

「赤点を取らないために、過去問から傾向をつかもうというだけです。で、譲っていただけるんでしょうか。」

「譲ってもいいが高いぞ。」

したり顔で堀北兄がいう。多少高くても、こちらには十分なポイントがある。次の言葉を発しようとしたとき、

「100万でどうだ。少し前、とあることで手に入れたポイントがある。中間テストと今回の小テストの過去問。あと、上級生が1年生には過去問を譲らないという条件で100万だ。それくらい生徒会なら出来るだろう。」

「ひ、ひゃくまん。譲渡不可。いったい。どこまで・・」橘がうろたえている。

 

「わかった。それでいい。2つの過去問と、一年生への過去問の譲渡不可を100万で契約しよう。お前たちが、それをどう使うか見せてもらうぞ。」

私たちは端末を操作し、あの夜、堀北兄から搾取した50万を元の持ち主に振り込んだ。

 

「あと、もし誰かが今日以降テスト終了時までに、過去問を譲るような事があった時はペナルティとして1件に付き200万を私に支払うことも加えてください。」

私が追加した。

 

「わかった」そういうと、契約書を書き、3者で署名して締結となった。生徒会長は教員の立ち合いなしで契約できるらしい。

「では、これで失礼してもよろしいでしょうか?」といって席を立ち、ドアまで来たところで、私は振り返り

 

「あ、妹さんにはお兄さんの思うことをちゃんと言ってあげてください。そうしないと妹さん・・・近いうちに折れますよ。」

 

と言い残し、生徒会室を出た。

 

 

「瓢箪から駒ですね。」

「あぁ全くだ。あと、ペナルティの件。助かった。とっさのことだったので抜けた。」

「清隆君から習ったことです。当然、ペナルティはいただきますよね。」

「当然だ。櫛田を使う。」と会話した後、先生に体調不全で早引きすることを伝え帰ることにした。

 

「清隆君、たぶん、由佳が待っています。私はケーキを買ってから行きます。」

 

学校の正門を出たところで、別方向に歩き出した。

 




やはり、断りますね。自由でやりたい放題の二人に生徒会は合いません。

勉強会も進めたいのですが、その前に由佳の誕生日です。

感想、投票は励みになります。最近、読者数が減ってきましたが、楽しみにしてくれている読者もいると信じて、このペースで進めます。

よろしくお願いいたします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。