自販機裏で生徒会長とやりあった時、生徒会室に来いと言われました。
で、月曜日、5月4日です。午後からは由佳の誕生日を祝う予定ですが、その午前中のお話し。
短めです。
平均でも6000字を割ってしまった。
39. 生徒会へのお誘い
5月1日の夜に生徒会長から、月曜日の昼休みに生徒会室に来るように言われた。
お昼休み、私と清隆の二人で、生徒会室のドアをノックした。中から「入れ」と声がしたのでドアを開けて生徒会室に入った。そこには生徒会長の堀北兄と、髪の毛を二つの団子にまとめた女子がいた。
「待ってたぞ。こちらは生徒会書記の橘だ。」軽く隣の女子がお辞儀をする。
「あ、1年Dクラスの綾瀬有栖です。」
「綾小路清隆だ」二人そろって自己紹介をした。
「まぁ、こっちに来て座れ。」
促されたソファーに座った。相変わらず生徒会長の目は厳しく、二人をとらえている。
「少し、お前たちのことを調べた。興味深い。二人とも中学校の情報が曖昧だ。それに入試の成績も異常だ。入学早々Sシステムを看破したこともわかっている」
調査書らしきものを見ながら説明する。
「ぜ、全教科50点と30点。この子たち一体。」
横に座っている橘がすっとのぞき込みつぶやいた。
「生徒会長ともなると、そのような情報まで手に入るんですね。」
私が感心したように話すと睨まれた。(このシスコンが)。
「一体何者なんだ?」と聞かれたので、
「この前言ったように普通の高校生だ」
清隆が答える。私は笑いそうになるのをこらえた。
「まぁ。いい」
「そんなことを言うために呼びつけたのか」と清隆が無表情に言うと
「じゃあ本題に入ろう。お前たち、生徒会にはいれ。」
命令口調で言ってきた。隣の橘が堀北兄を驚いた顔で見た。
「断る。」
「いやです。」
間髪を入れずに私たちは即答した。それを聞いて、橘はさらに、あわあわし始める。
「堀北君、いや、生徒会長がお誘いしているんですよ。生徒会には簡単には入れないんですよ。皆が憧れているんですよ。」という橘を制し、
「じゃぁ、お前たち、何がしたいんだ。部活荒らしで大量のポイントを稼いだこともわかっている。」
堀北兄が語気を強めた。
「私たちは高校生活を私たちなりに楽しもうとしているだけですが。」
私が平然と答える。
「お前たちなりに楽しむ・・か。わかった。いつでも席は準備する。その気になったら連絡をくれ。あと、お前たちの推薦なら、一人ぐらいは生徒会に入れるようにしておく。」
「わかった。覚えておく。」
相変わらず無表情で清隆が答えた。皆の気が緩んだところで、私が切り出す
「あの、次の中間試験の過去問をいただけませんか?」
「え、もうわかっ『橘』」
橘の言葉を堀北兄が制した。橘はあからさまに失敗したという表情である。なるほど、過去問は傾向を見る程度のものじゃない「鍵」なんだ。清隆も気づいたはず。
「どうして、そんなものが必要なんだ?」
「赤点を取らないために、過去問から傾向をつかもうというだけです。で、譲っていただけるんでしょうか。」
「譲ってもいいが高いぞ。」
したり顔で堀北兄がいう。多少高くても、こちらには十分なポイントがある。次の言葉を発しようとしたとき、
「100万でどうだ。少し前、とあることで手に入れたポイントがある。中間テストと今回の小テストの過去問。あと、上級生が1年生には過去問を譲らないという条件で100万だ。それくらい生徒会なら出来るだろう。」
「ひ、ひゃくまん。譲渡不可。いったい。どこまで・・」橘がうろたえている。
「わかった。それでいい。2つの過去問と、一年生への過去問の譲渡不可を100万で契約しよう。お前たちが、それをどう使うか見せてもらうぞ。」
私たちは端末を操作し、あの夜、堀北兄から搾取した50万を元の持ち主に振り込んだ。
「あと、もし誰かが今日以降テスト終了時までに、過去問を譲るような事があった時はペナルティとして1件に付き200万を私に支払うことも加えてください。」
私が追加した。
「わかった」そういうと、契約書を書き、3者で署名して締結となった。生徒会長は教員の立ち合いなしで契約できるらしい。
「では、これで失礼してもよろしいでしょうか?」といって席を立ち、ドアまで来たところで、私は振り返り
「あ、妹さんにはお兄さんの思うことをちゃんと言ってあげてください。そうしないと妹さん・・・近いうちに折れますよ。」
と言い残し、生徒会室を出た。
「瓢箪から駒ですね。」
「あぁ全くだ。あと、ペナルティの件。助かった。とっさのことだったので抜けた。」
「清隆君から習ったことです。当然、ペナルティはいただきますよね。」
「当然だ。櫛田を使う。」と会話した後、先生に体調不全で早引きすることを伝え帰ることにした。
「清隆君、たぶん、由佳が待っています。私はケーキを買ってから行きます。」
学校の正門を出たところで、別方向に歩き出した。
やはり、断りますね。自由でやりたい放題の二人に生徒会は合いません。
勉強会も進めたいのですが、その前に由佳の誕生日です。
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