※この作品はR-18です。

ようこそ有栖と清隆の教室へ   作:愛奴

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小休止です。
入学してから2か月たちました。6月に入る前に、3人の女子学生の小話です。
2か月、彼女たちの思いは?
ストーリーに合わせこんであります

椎名ひより  「破綻」
神室真澄   「悪魔の手下」
立川由佳   「二人との暮らし」




小休止
47.女子学生たちの春


椎名ひより 「破綻」

 

有栖に相談してよかった。

4月中頃、有栖の書いた小説について読後講評を話そうと待ち合わせた。個室カフェを指定されて驚いたけど、有栖が予約したから仕方ない。

本当によくできた小説で、3度も繰り返し読ませてもらったことを話した。久しぶりに推理小説に興奮した。有栖に学校のことや、本以外への興味を聞かれた。はっきり言って学校はつまらない。龍園君がクラス内を暴力で治めている状況で、今一つクラスになじめない。図書館は私の好きな平穏な時間が流れる心地いい空間だ。楽しく話せる綾小路君もよく来てくれる。

 

本以外に興味はない。ただ、本に書いてあることは興味がある。

 

中学でエッチ系のライトノベルを読み漁り、その流れでエロ小説にのめり込んだ。エッチ描写が疑問となって、本の内容が理解できない。「蕩ける」って何?「浮き上がる」って何?「絶頂」って何?何も分からない。

私はクラスの体格のしっかりした子と付き合うことにした。その子のことが好きだったわけではない。ただ、一番大人に近そうだからというだけだ。彼とキスをした。舌を入れた大人のキスも。ペッティングも、そのままセックスもした。最初はすごく痛かったけど、そういう行為は気持ちよかった。

でも、描写されていることは何一つ理解できないままだった。高校生とも、大学生とも、セックスした。気持ちはいいけど、あの描写は理解できなかった。こんなの作り話なんだと諦めようとも思った。そう、そんな描写探求の生活から足を洗うために、ここ高度育成高校に入った。

 

寮生活が始まった。最初は快適だった。家族に邪魔されることなく、好きなことに好きなだけ没頭できる。学校から帰ってきたら、制服をハンガーにかけて、下着姿のままベッドに上がり、ヘッドボードにもたれてお気に入りの本を読む。お腹が空いてきたら、食事に出かけ、帰ってきたら、そのままお風呂に行って、まずは髪を洗う。時間がもったいないので、身体は流す程度だ。で、ドライヤーしたら、そのまま読書に入る。

読書中にエッチな描写が来ると、自分でおっぱいを触ったり、パンツの中に手を入れて、おまんこをいじる。そうオナニーだ。これがわりと気持ちよくて癖になった。濡れてくるとすごく気持ちよくなる。でも、描写にあった、飛ぶ感じ?にはならなかった。自宅だと家族がいるのであまりできなかった。でも寮生活では、思いのまま声も出せるし、安心して出来る。満足すると読書に戻って、だいたい2時頃に、お休みのオナニーをして寝付く。

 

こんな毎日を送っていた。だから、部屋にいる時は読書しているかオナニーしているかだ。

 

好き放題の生活をしていると、掃除、洗濯、お風呂というものがだんだん億劫になってきた。そんな時間も惜しんで読書とオナニーにふけっていた。洋服を脱ぎ散らかしても気にならなくなった。下着の替えがなくなった時、さすがに汚れたパンツをもう一度履くのは抵抗があったが、きれいそうなのを拾い上げて、一度履いたら平気になった。3日くらいは行ける。あとは裏返して使えばいいし、なんなら履かなきゃいい。

 

学校では知的少女を装っている。自分の内面である“むっつりスケベ”を見せてはならない。装っていれば誰からも声をかけられず、没頭できる。特に図書館友達の綾小路君には絶対にばれてはいけない。だから自堕落な生活をしながらも、制服はきちんとメンテし、面倒だけど髪の毛もちゃんと洗ってセットした。実は図書館でエロ小説を読んでいることもあるが誰にも知られていない。

 

部屋の床が見えなくなってきた。オナニーを始末したティッシュも、ごみ箱からあふれている。たまる一方だ。この前、触ったら、ごわごわになっていた。身体もかゆい。このままではまずいと思いながらも解決方法が思い浮かばなかった。限界だった。

 

「誰か助けて。私をここから救い出して。」

 

そんな時、有栖とお話しする機会が出来た。なぜか、有栖になら話せると思った私は、自分がむっつりスケベであることを話した。描写探求のために何をしてきたかも包み隠さず話した。すると有栖が

「確かめてみようか。」

私にキスしてきた。すごく驚いた。すごく気持ちいい。唇をついばまれ、舐められると背筋がぞくぞくし、息が苦しくなり、身体が震えた。舌が入ってきて、口の中を舐めまわされた。だんだんと頭が考えられなくなってきた。霞がかかったようにぼーっとして、ふわふわしてくる。有栖の舌に自分の舌を絡ませる。有栖が絡ませながら、舐めてくる。何この感じ。おかしい。何も考えられない。舌が勝手に動いている感じだ。頭の中がぐにゃりとよじれた、蕩けた。思考が遮断された。私の頭が、もっともっととただ身体に要求させているようだ。舌を吸われながら舐められると、脳みそを持っていかれるかと思うほどの感覚。すべての筋肉が弛緩し、よだれが垂れた。頭が快感を追い求めている。身体が歓喜したがっている。

 

あぁ~。いいぃ

 

理解できた。「あの描写にあったことは事実である」と。有栖のキスは頭が蕩けるようなキスだった。初めてだった。希望が見えてきた。嬉しい。もう一度、描写探求をやるしかない。今度こそたどり着ける。でも、その前に生活を何とかしないと、その活動もできない。有栖ならきっと救い出してくれる。私は恥を忍んで、いや、もう恥ずかしいところは見せたから、いいかと。有栖にお願いした。

 

「お願い。この生活から救い出して。なんでも言うこと聞くから。」

 

有栖が次の活動のカギだ。たどり着くための早道だ。有栖にすがりつこうと決心して、すべてをみせた。“汚部屋に住むむっつりスケベの汚女子”である。と。当然、すごく呆れられた。でも、助けてくれるらしい。有栖はBクラスの立川さんを呼んだ。立川さんは有栖をお姉さまと呼ぶ。

「あ、この人達。百合族だ。」

その呼び方だけで思ったわけではない。有栖と立川さんがお互いを見る目。二人の仕草。間違いない。

 

あれから1か月。有栖に渡された“日々のスケジュール”通りに生活をした。すべての時間が管理されているが、「その通りにやればいい」というのはとても楽だ。もともと人に指示されて動くのは苦ではないし、その指示を完遂できる能力もあった。でも、自発的に動くことは苦手だ。それもあって寮生活が破綻した。洗濯の時間、掃除の時間。食事時間(外食)。お風呂の時間。最初はすごく窮屈に感じた。2日に一度、有栖が部屋に来て、検査する。できていないと指摘され、きつく叱られた。背中のダニ跡も綺麗になった。これも有栖が薬や、クリームを持ってきてくれて優しく塗ってくれた。

 

そんな生活にも慣れて来て、部屋も綺麗に維持できるようになってきた。私はすごく頑張った。

 

「ちゃんとできたら、ご褒美をあげる」

 

ご褒美。顔がにやけてしまう。キスで蕩けた。じゃ、乳首を弄られたら?クリトリス嬲られたら?おまんこを舐められたら?あの描写になるの?それともあの描写に?綾小路君としてるところもみられるかも。

 

そのためにも、ちゃんとできる様にならないと。

 

テスト近くなって教室にいると、王を気取る龍園君から「少しはクラスに協力したらどうだ。」となじられるが、わたしはそれに全く興味がない。そんな時、私の目は死んだ魚の目になっているらしい。

 

中間テストの結果はCクラスが惨敗。私は全教科満点。裏技だとかなんとか騒いでいるけど、ちゃんと勉強していたら普通に解けるよ。だからつまんない。

テストが終わると、有栖と綾小路君が付き合っていると噂になった。これは本人確認したが、

 

「付き合い始めた、ことになっている。」

 

気付いていたけど、初めて会った4月の中旬には、もう男と女の関係になっていたよね。二人ともあんな仕草をしていたらわかるわよ。

 

有栖、言ってた。叶えてあげるって。

 

今度、綾小路君とのセックスを見せてもらおう。いや、綾小路君に抱いてもらおう。

――――――――――――――――――

 

 

神室真澄 「悪魔の手下」

 

あれは忘れもしない、入学3日目の金曜日。私は悪魔に捕まった。コンビニで缶ビールを万引きしたところを動画にまで取られ、悪魔の手下にされた。その悪魔は“綾瀬有栖”と名乗った。その目に睨まれた私は反抗することもできないほど委縮した。生きている心地がしなかった。殺されると思ったほどだ。一度その感覚に陥ってしまうと、それが意識の中に組み込まれ、それに支配されてしまう。

 

「何をしてもらうか、メールで指示する。絶対にやり遂げろ。」

 

一向に指示が来ないと不安になっていたら。テスト問題のようなものが送られてきた。指示通り、1教科30分で回答し、それを郵便受けにいれた。もっとひどいことが指示されてくるのかと思っていた私にとって、拍子抜けだった。でも、この程度ならいいか。月々の手当てももらえる。

次に会ったら、参考書をどさっと渡され、付箋のついているところを完全に理解しろと指示された。受験の時と同じくらい勉強した。だから、あのむしゃくしゃ感を覚えている暇もなかった。

 

私の支配人の悪魔さんは少し変わっている。有栖さん呼びを強制してくるし、私の端末には支配人として登録していった。何かの影響を受けているのだろうか?

 

会うと緊張しながらもおしゃべりをする。実際、悪魔さんはとても綺麗だ。何を食べる時もいつも綺麗な所作である。見惚れるほどだ。言葉使いも正確だ。見える姿はまさに“清楚美人“、でも内面が”悪魔“と知っている人がどのくらいいるんだろうか。もしいるんだったら、ご愁傷さまだ。こんな地獄を見るのは私だけでいい。しゃべっていても”ただ怖い“だけで、一時も気が抜けない。早く帰りたくなる。

 

悪魔さんはAクラスに興味がある様で、葛城なんかの話をした。私もグループを作って、葛城に対抗しろと指示された。

 

グループ作りって?あれって自然発生するもので、自ら作りだせるものなの?葛城に対抗?意味が分からない。資金として10万ポイントが振り込まれた。このポイントどこから持ってきたの?とにかく不思議なことがいっぱいだったが、指示に従わないと地獄に落とされる。その恐怖に比べたら不思議さなんて問題ではない。

 

みんなと話を合わせたり、一緒に遊んだりして、グループを作り、基礎学力を上げるために勉強会を始めた。悪魔さんの言葉では、いずれ私がAクラスを率いることになるそうだ。そのためにも、葛城のプライドを折り、私の下につかせるように運ぶと。

 

一体、悪魔さんは何をしているんだろう。「3年間楽しく過ごしたい」「あなたも楽しく過ごせる」と言っていた。

 

5月になって、志望進路への保証がAクラスだけだと知らされると、みんなの意識が高まる。勉強会でも議論が深くなった。学力の優秀な人たちのクラスだから、勉強できなくて困るなんて言う生徒はいなかった。また、悪魔さんからの指示で中間テストで葛城グループと賭けをすることになった。2日前には悪魔さんから受け取った過去問を私のグループ内で共有した。試験結果全員全科目100点取れという指示だ。私は皆を説得し、それを達成した。

賭けに勝ったので葛城が、グループ全員の打ち上げ会の費用を払ってくれた。葛城はグループのメンバーからなじられたらしい。また、私を見る目が変わったみたいだ。保守的な葛城のいいところもある。でも汚い手でも使って勝とうとしないとクラス闘争で負ける。と悪魔さんがとても悪魔らしい笑顔で説明してくれた。

 

私、なんだか楽しんでるかも。

――――――――――――――――――

 

 

立川由佳 「二人との暮らし」

 

4月途中に運命の人、清隆君と出会い、抱いてもらった。その後、清隆君には大事にされているし。誕生日も一緒に過ごしてくれた。お姉さまも優しくしてくれる。清隆君とお姉さまの「高校生活を楽しもう」仲間に入れてくれた。

 

5月中ごろからは大きな家で3人で暮らしている。それまでもほぼ毎日、清隆君の部屋に行っていたし、3日に一度は抱いてもらっていた。今は居間に置かれた大きなベッドで3人で寝ている。だからほぼ毎日、清隆君はセックスしている。相手はお姉さまとだったり、私とだったり、二人とだったり、様々だ。常識からみるととても淫らな生活だが、案外うまくいっている。多分、清隆君とお姉さまがうまく調子をとってくれているんだろう。

 

キスやフェラチオが上手いと褒められた。いろいろと教えてくれた先輩に感謝だ。たまにお姉さまが教えて欲しいと言ってくるので、キスしたり、指をしゃぶったりして教えている。お姉さまの研究熱心さには感服するし、吸収力がすごい。いろいろと二人で研究し、清隆君で試している。

あと、お姉さまが良く可愛がってくれる。きれいな身体のお姉さまに抱かれるのも気持ちよくて、たまに催促したりする。発情するとお姉さまは“あほ有栖“と呼ばれている状態になる。口調も表情も変わり、とてもエッチになる。

 

朝起きて、そのままセックスしてしまうこともあるが、学校もあるため、朝は軽めにしている。朝ご飯はだいたいお姉さまが準備してくれる。調味は私が確認するけど、ほぼ不要なことが多い。夕食はお姉さまと二人でつくる。たまに清隆君が手伝いに来てくれる。いつもお姉さまが栄養バランスの取れた献立を考えてくれるから、3人ともとても健康だ。お風呂は3人で一緒に入る。ここで、その後の行動が決まることが多い。

 

少し残念なことは、まだ、清隆君からセックスに誘われたことがないことと、セックス中お話ししてくれないことだ。私が清隆君を誘って始まるし、お姉さまとしているときはよく話しかけたりしている。早くそんな関係になりたい。

 

一緒に生活していても、時間の使い方はばらばらだ。お姉さまと清隆君はよくチェスを打っている。そのときは二人とも真剣にやっている。私はそういうのに興味がないので、そんなときは一人静かに学食メニューを考えている。部屋が広いので3人でヨガをやったりもしている。3人とも身体が柔らかく、ほとんどの体勢をクリアできる。

勉強時間もある。今、高校3年生で習う内容を勉強している。といっても、私がお姉さまに教えてもらっているだけだ。さすがに教科書を読み流す程度では理解できない。お姉さまも清隆君も、もう理解できていると言っていた。この二人は天才なんだと実感する。

 

5月から学食を大きく変えることができた。私も毎日、本当においしいお昼ご飯を食べることができるようになった。学食立川は最高のスタートダッシュをきめた。ただ、お昼時間に混雑するのはいただけない。そのうち、理事長あたりが何らか対策がするだろう。

 

テストも近いが、春の特別メニューを考えて、学食に提示しに来た。契約したからにはシーズンごとの特別メニューと年6種類の新メニューを提案しなければならない。

 

「順平。調子はどうですか?」調理場に入り声をかける

「あ、お嬢。聞いての通り、忙しくなりました。」

「従業員の方々の負担になっていませんか?」レシピ変更とともに調理手順も変わった。少し手間がかかるようになっている。

「大丈夫ですよ。ほぼすべての皿が完食で返ってくるので、やる気も上がり、ゴミも大幅に減りました。」

「あ、立川さん。お世話様です。」と他の従業員もいい顔をしている。まずまずだ。

 

「今日は春の特別メニューの相談に参りました。」

 

私はメモを見せながら「桜エビ天丼」を季節メニューにすると説明した。傷みやすい桜エビの入手経路が課題ということだが、解決方法は既に見つけてあり、それなら大丈夫だということになった。

タレのレシピを渡すと、順平が

「お、お嬢、このタレは、立川のタレです。それはまずいでしょう。」と慌てる。

「あ、気にしなくていいです。あのタレを考えたの、私ですから。」

小学生のころ、ママ(女将)が忙しかったので、私が作り出したものだ。立川の桜エビのかき揚げは季節の人気メニューで、超破格の一杯8千円だ。でも毎年、期間中予約でいっぱいなる。今回のタレのレシピは少しインスタントコーヒー粉末を入れてアレンジしてあるのがポイントでもある。

 

「単価は1000ポイントでお願いします。原価500で行けるかと。」順平も小ぶりになるがそれで行けると判断してくれた。

 

「販売数量は日当たり60食。5日間限定のトータル300食です。」

 

全員に行き渡らない程度にするのが次に繋がる。これから準備しても5月は無理だろうから6月第1週から出すようにお願いした。これで、シーズンメニューは大丈夫。提供する皿数が増えたとのことなので、5月分として30万ポイントくらいは入りそうだ。

 

Bクラスのコントロールさえできるようになれば、清隆君のクラスに移動できる。中間テストで過去問を使おうとしたとき、帆波は嫌な顔をした。正々堂々と戦いたいとも言った。彼女はずるいことができない。クラス闘争をするなら、そのような意識ではリーダーは務まらない。上手く降りてもらい、神崎君にリーダーを任せたい。

 




お楽しみいただけ打でしょうか。
感想いただけるとモチベになります。

次回は男子生徒の小話です。

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