原作では軽井沢の下着が無くなりますが、今作では誰のどんな何が無くなるのでしょう。
あと、3日目の夜に清隆と由佳ちゃんの逢瀬を目撃した帆波ちゃん。こちらも楽しんでください。
3日目の夜中、ガサゴソという物音に気が付いた。そっと薄目を開けると、テントの隅の方で寝ていた伊吹が起き出していた。皆が寝静まっていることを確認すると、一人のバッグの中を漁っている。目的のものを見つけたようで、それをポケットにしまい込み、また自分の場所に戻って横になった。
外が明るくなったので、伊吹が漁っていたバッグを確認すると、それは櫛田の荷物だった。(よかった。これで面倒なことをしなくても済む)。
テント内の生徒が起き出し、暑いので外に出ていく。私も櫛田の後を追うように外に出た。
「桔梗、おはよう。」
「おはよう、有栖」
いつもの様に挨拶すると、きちんと仮面を纏った笑顔で返してくる。
「桔梗、昨夜、伊吹が動きました。多分桔梗のバッグから何かを抜き取ったはずです。」
「そ、そっか。やっぱりね。で、どうすればいい?」
あの5月末の調教から桔梗は私にも従順である。
「大事にせず、収めて。」
「わかった。」
そのまま、顔を洗って、テントに戻った。テントの中には私たちのほかに、伊吹と軽井沢がいる。櫛田が自分のバッグを開け、何が無くなったのか確認している。
「桔梗どうしました?」白々しく声をかける。
「おかしいなぁ、お気に入りのパンティがなくなってる。」
なるほど、女性にとってショーツは見られたくないもの、これを抜き取って、クラスを混乱させようってことか。
「えっ。桔梗ちゃん、パンティがなくなったの?いつっ?」
軽井沢が極度に反応している。
「昨日まではあった。どこに行ったんだろう。」
「昨夜なのね。」
軽井沢がテントから出ていこうとするのを櫛田が止めた。
「軽井沢さん。どこに行くの?」
「きっと男子が盗んだのよ、放っておけない。盗ったやつを見つける。」
何をそんなに興奮しているのか、少し違和感を覚えたが、櫛田がうまく諫めている。
「軽井沢さん、落ち着こうか。」
「ありがとうね。でも男子がっていうのは早すぎ。男子にこの荷物、漁れないし、」
「でも、男子だったら嫌じゃない?」
「そうかな。誰のパンティか分からないだろうから、構わないけど・・おかしいかな?」
「う、桔梗がいいなら、いいけど・・」
「でも、お気に入りのピンクのすけすけがなくなったのは寂しい。」
「ピンクのすけすけ?」
軽井沢が顔を赤くして下を向いた。
「あなたたちも大変ね。」
何食わぬ顔で伊吹が声をかけて出て行った。
「軽井沢さん、誰にも言わなくいいからね。」
櫛田が最後に軽井沢にくぎを刺したことでこの件は終わりそうだ。
外に出ると、スポット占有から戻ってきた清隆を見つけたので、早速何があったのかを説明し、伊吹が男子の荷物に近づかないようにして欲しいと伝えた。
「そうだな、男子生徒のバッグからそんなものが出てきたら大騒ぎになる。」
清隆はスポット占有に出かけるから、たぶん平田にお願いするだろう。
「有栖、そろそろ伊吹をリタイアさせた方がいい。」
「わかりました。昨夜動きましたから、今日も何か動きがあるでしょう。その機会にでも。」
朝ごはんの準備を手伝うため、皆の元に戻った。
夕刻、晩御飯の準備を始めようという時間になって、伊吹が皆に気付かれないように森に向かった。
(さて、リタイヤしてもらいましょう)。
私も後を追って森に入った。伊吹の行先は見当が付いている。最初にDクラスに見つけてもらうためにうずくまっていたところだ。
「あら、伊吹さん、何か探しものですか?」
いきなり声をかけられた伊吹が驚いてこちらを向く
「あ、綾瀬、いつからそこに?」
「丁度、伊吹さんが穴を掘り始めたころからですよ。」
首を傾げ、可愛く笑ってみる。
「ち、見られたか。。」
「探し物はこれかしら?」
顔の前でデジタルカメラをちらつかせる。
「い、いつから。」
「初日、伊吹さんが私たちのベースキャンプに来た時から・・かしら」
人差し指で顎の下をさし、少し上向きになって答える。あくまで物静かな淑女を装おう。
「返して。」
5mほど離れたところに1m程度の段差がある。私はゆっくりと歩きながら、そこまで誘い込む。
「う~ん。何に使うのか教えてくれないと返せませんよ。」
「仕方ないか・・」
伊吹が少し腰を落とし重心を下げた。次の瞬間、脚が地面をけり、私との距離を詰める。手を伸ばし、私の手にあるデジカメを奪うつもりだ。
私はカメラを手放し、伊吹の片腕を取りながらその突進を躱した。そのままその片腕を伊吹の背中の方にひねり上げながら、突進の勢いを利用して、その段差からもつれるようにして落ちる。着地する前に、掴んでいた腕をある角度に固定した。着地と共に、体重を伊吹の身体に乗せる。
「ごきゅっ」
伊吹の肩から鈍い音が聞こえた。
「ぐぎゃぁ・・・ううぅ」
伊吹が人とは思えないような悲鳴を上げ、肩を押えて転げ回る。
「きゃぁっ。伊吹さん。大丈夫ですか?」
可能な限り大きな声で叫ぶと、近くにテントを張っている茶柱先生が駆け付けた
「何が起きた?」
「あ、先生。私が躓いたときに、伊吹さんが助けようと・・そのまま転落してしまいました。」
「けがは?」
「私の方は特に。でも伊吹さんが、私の下敷きになって・・」
肩を押えてうずくまっている伊吹を確認した。顔に浅い擦り傷があるが、肩は外れているだろう。
「あぁ、脱臼だな。伊吹、リタイヤだ。」
そのまま、船に戻り、治療に当たることになるだろう。
中学性の頃、人体の骨格、筋肉を勉強した。人体解剖に付き合わせてもらったこともある。関節の作りと可動域は覚え込んであり、肩は最も簡単に外れる。ただ外すのには少し力がいるので、今回は段差から落ちることでその力を利用した。もし失敗したら、次の手段に出る予定だったけど、出来るだけ私の正体を隠したいので、一発で外せて助かった。
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伊吹Side
何が起きたのか分からなかった。
龍園から誰がリーダーかデジカメで決定的証拠を掴めとDクラスに潜入した。監視の目は合ったけど、思ったより快適に過ごしていた。リーダーは綾小路だ。特に何もせず、時間になるといなくなるし、実際、ここを占有しているのを見た。目立たない生徒をリーダーにして攪乱しているつもりだろう。頃合いを見てここを抜け出し、証拠を龍園に渡してリタイヤしようと思っていた。
3日目の夜中。櫛田のバッグから下着を抜き取った。あとで確認したら、言っていた通りピンク色のすけすけパンツ。あいつこんなエッチなの履いているのか?私なんて、白のコットン製なのに。大騒ぎになった時に抜け出そうと仕組んだけど、あの櫛田が「別に構わない」と言った。このエッチなの盗られてもいいのかと思ったけど、櫛田がいいなら、仕方ない。
夕方まで待って、隠しておいたデジカメを取りに森に入った。確かにここに埋めたというところを掘っても何もなかった。場所を間違えたのか、もう一度よく思い出そうとしたとき
「あら、伊吹さん、何か探しものですか?」
いきなり声をかけられた。少し前から穴を掘る私を見ていたらしいが、全く気配を感じなかった。話を聞くと、どうやら保護してもらったときからスパイであることはばれていたらしい。龍園も言っていたが、櫛田も綾瀬も得たいが知れない。櫛田はいつも表情が変わらない。綾瀬はすごくお淑やかに見えるが、何を考えているのか分からない。
ゆっくりと歩く綾瀬を追いかけるようにしながら、これからの展開を構築する。とにかく取り返そう。ねじ伏せて、痛めつけて脅せば、何も言わなくなるだろう。普通、いきなり襲われると驚いて身体が硬直する。それで終了だ。
とびかかった。
この先がよくわからない。かなり早い動きで綾瀬との距離を詰めたはず。いつの間にか躱され、なぜか腕を取られ、そのままの勢いで段差から落ちた。肩に窮屈感を感じたが、おちたとき
「ごきゅっ」
肩から聞いたことのないような鈍い音が聞こえた。次の瞬間、とんでもない痛みが襲い掛かってきた。
肩関節の脱臼。早々にリタイヤして、船に戻り、体育の教師に関節を入れてもらった。しばらく痛みは残るが、元通りになると聞いて安心した。
おちる瞬間から、綾瀬が操作して故意に肩を外した?そんなの無理だろう。私が飛びかかって、肩が外れるまで1秒もかかっていない。運悪く、綾瀬の下敷きになって、その時に偶然外れてしまったんだろう。
でもリタイヤして、船に戻れてよかった。肩は少し痛いけど快適だ。龍園もいないし、リタイヤしているクラスメートと少し羽を伸ばそう。
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帆波Side
次の日、私は由佳の顔をまともに見ることができないでいた。いつものお人形のような顔で、おはようと挨拶されたが、目をそらした。午前中、ずっとそんな態度をとってしまった。
「ねぇ、帆波さん。どうして私を避けるの?」
お昼ご飯を食べた後、由佳が寂しそうな顔で聞いてきた。もし、由佳が脅されて“ああいうこと”をさせられているんだとしたら、助けたい。もし、自分から望んでいるんだとすれば・・・とにかく、先に進むには一度由佳に確かめておこう。
「ごめん。ちょっと聞きたいことがある。あっちに行こう」
私についてくるように促す。私は昨晩の場所まで、由佳を連れて行った。
「昨日、見たの」
由佳の顔を見ながら小さな声でつぶやいた。
「うん。知ってる。あっちの方に隠れて、ずっと見てたよね。だからよそよそしかったんだ。」
由佳は驚きもせず、平然と答え、私が隠れていた方を指さした。
「ど、どうして綾小路君と?なにか脅されていたりするの?」
「どうして・・、う~ん。私が清隆君の愛人だから、かな。」
さも当然のように由佳から、とんでもない返事が返ってきた。
「うにゃ・・あ、愛人??な、なに?」
私は混乱した。高校に入ったばかりで、同級生の愛人?何を言っているのかわからなかった。
「あ、愛されているの?」
何を聞いているのか自分でもわからなくなってきた。
「愛されている・・かどうかはわからない。でも・・すごく大切にしてくれる。」
由佳がうっとりする表情に変わった。
「そ、そうなんだ。」
何か話さないとと思っても、混乱していて言葉が出ない。確かに終わった後の綾小路君の行動は由佳をすごく大切にしていることがわかる。
「もひとつ教えて」
「なに?」
「セ・・セックスって気持ちいいの?」
たぶん切羽詰まったような表情なんだろう。由佳が落ち着いた顔で
「帆波、ちょっと座ろうか」
真剣な話をするとき、由佳は私を帆波と呼び、静かでゆっくりとした口調に代わる。二人で樹にもたれるようにして座った。
「どうしてそんなこと聞くの?」
「だって、由佳、すごく気持ちよさそうに・・あえいでいたし・・」
「うん、すごく気持ちよくて・・幸せな気持ちになるよ。」
「そ、そうだよね。見ててそう思った。」
「帆波は、気持ちよくなったことないんだね?」
図星だった。私は性行為、セックスで気持ちよくなったことはない。逆に気持ち悪いだけの行為だった。
「うん。気持ち悪いだけ。でも、どうしてそう思うの?」
「帆波を見ていれば分かる。何かの事情があって過去に男の人に仕方なく抱かれてた。」
驚いた。見透かされていたんだ。
「お姉さまも言っていた。そのことが罪の意識として帆波を縛っているって。」
「有栖にも感づかれているんだ・・」
「そ、その通りだよ。大きな罪。その罪の意識がぬぐえないの」
由佳は何もしゃべらず、私の話を聞こうとしてくれている。
「この前も話したけど、私の家、すごく貧しかったの。」
私は自分の過去をさらけ出す様に由佳に話した。母のこと、妹のこと、身体を売ったこと、引き籠ったこと、男に抱かれても気持ち悪いだけだったこと、すべてを話した。途中、涙があふれることがあったが、由佳は何も言わず次の言葉を待ってくれた。
「そっか、辛かったね。帆波はいつも一人で抱えて、我慢しすぎ。」
由佳の目から涙が落ちている。
「変わりたい?」
隣に座っている由佳が私の顔を覗き込んでいる。
「変わりたい。」
そうつぶやくことが精いっぱいだった。
「わかった。」
由佳が笑顔で言ってくれた。なんだかとても暖かくなった。ゆっくりと落ち着いた声色で由佳が話す。
「帆波、いろいろと話してくれて、ありがとう。」
「もう充分自分を痛めつけたでしょ。これ以上は必要ない。まずは自分を許してあげな。許していないのは自分だけだよ。」
「そ、そうなのかな・・由佳は私のこと嫌いにならない?私の身体、汚れてるんだよ。」
「帆波のこと好きだよ。そんな過去も含めて今の帆波として成長したんだよ。嫌いになんてなるはずがない。だから、汚れてるなんて言っちゃだめ。」
心が洗われていく、だんだんと闇が開けて、モノクロだった世界に色が付いて行く気がする。私を抱きしめる小さな由佳がとても大きく感じた。罪の意識に捕らわれていた自分がとても小さく思える。
「由佳ぁ、ありがとう。なんだか軽くなった。ありがとう。」
もう、涙が止まらない。由佳にはいつも救われる。つらいと思っていたリーダーからもうまく降ろしてくれた。きっとこの罪の意識も忘れることができる。
「ありがとう。ありがとう。」
しばらく抱いてくれていた由佳が話し話し始めた。
「帆波、もう一つの方も大事。これも帆波の将来にかかわる。」
「もう一つって?」
「セックス」
可愛い顔して、平気でそんな言葉が出てくる。
「あぁ、そのことか」
「ずっとそのままじゃ、人生、損する。せっかく女に生まれたのだから、楽しまないと。」
「そ、そんなに気持ちいいの?」
「うん。すごく気持ちいい。」
由佳の瞳がキラキラしている。
「そ、そうなんだ。でも有栖がいるよね?それって平気なの?」
「あ、お姉さまは、清隆君のおんなだからね。」
「お、おんな??、で、由佳が愛人??ってお互いに知ってるの?」
「そう。3人でわかりあっているし、楽しんでる。」
頭がおかしくなりそうだ。常識では考えられない状況になっている。あの、清楚な有栖。そして、童顔の由佳が綾小路君に同時に抱かれている。
「帆波も一度、ちゃんと抱いてもらったら?きっとすぐにわかるよ。」
何を言っているのか、わけがわからない。
「ご、ごめん。頭が追いつかない。」
「だよね。でも、本当に変わりたいなら、私もお姉さまも協力する。だから、その時は声をかけて。」
「う、うん。わかった。」
「じゃ、戻ろっか。」
頭が混乱し、足元がふらつく。由佳が手を繋いでくれて、ベースキャンプに戻った。
無くなったのは桔梗ちゃんのスケスケのピンクのパンティでした。
伊吹さん。リタイヤです。久しぶりに有栖の体術が出ました。
さて、伊吹もリタイヤし、残るは龍園君とBクラスに侵入した金田君のふたりとなりました。