そうです。あの事件ですね。
投稿順を間違えました。上手く8話になるといいんですが。
櫛田side
いろいろとあった私は、誰も知り合いはいないだろうと、ここ高度育成高校に進学した。でも、入学式の日、バスの中で同じ中学に通っていた“あいつ”に似ている女子に気が付いた。
バスの中でおばあさんに席を譲るだの譲らないだのと口論が聞こえる。私も周りを見渡すと、席はいっぱいで、ガタイのいい金髪の男子とOLが言い争っているのが見えた。「どうぞ座ってください」と一人の女の子が立ち上がった。シルバーグレーのボブ。とてもかわいい顔立ちをした小顔の女の子。その子は立ち上がると私の隣にきた。
「ありがとうね。」私はその子に常識的なお礼を言った。小さな声で話していると停留所についた。バスを降りてその子に
「ねぇ、友達なろうよ。私、櫛田桔梗って言います。桔梗って呼んでね。」と名乗ると
「はい、喜んで。綾瀬有栖です。有栖と呼んでください。桔梗」と返事が返ってきた。
クラス分けの掲示を確認して愕然としたが、有栖と同じクラスだとわかると嬉しかった。有栖も喜んでいるが、その目は、まだクラス分けの掲示を見ている。有栖と一緒に教室に移動する。有栖がきょろきょろと周りを見渡しているのが気になったが、一緒に教室まで移動した。
「もう失敗はできない。あんなの二度とごめんだ。」
私は優秀だった。小学校の頃は、勉強も運動も一番できた。「櫛田さんすごいね。」「桔梗って天才なの。」先生からも、友達からも、親すらも私を褒めてくれた。皆から賞賛を受けて過ごした。でも、中学になると、環境が変わった。勉強でも、私よりも出来る子が出てきた。運動では、ある競技に飛抜ける子が出てきた。私は「全体的にそこそこできる子」に成り下がった。もう、私を賞賛する者はいなかった。私は焦った。「誰か私を見て」、「もっと私を褒めて」と思い続けた。勉強でも運動でも一番になれないと悟った私は自分の「コミュニケーション能力」を使って「一番の人気者」になることを選んだ。誰からも好かれること選んだ。いやなことで進んで手を挙げた。友達が困っていたら助けた。使い走りのようなこともした。
すると、そんな相手から悩み相談を受けるようになってきた。皆が「桔梗、聞いて」「桔梗、助けて」と近づいてきた。そのあと「桔梗、ありがとう」と言ってくれた。私は身震いした。すごく気持ちよかった。だんだんと私が認められていく。私の周りに私を認めてくれる人が増えていく。どんな無理なことでも頑張って、みんなの言うことを聞いた。みんなは私に秘密を打ち明けた。中には目を覆いたくなるようなものもあった。でも、分かったふり、寄り添うふりを続けた。その内に私の心に無理が出てきた。私はそれを吐き出すために、裏アカを使ってSNSにあげた。
それが露呈した。誰かが見つけた。瞬く間にクラスに広がった。これまでの賞賛が吹き飛び、周りにいた人達は私をなじった。自分の身を守るために私は抵抗した。持っている秘密を暴露した。私をなじっていた声はなくなった。その代わりにみんながお互いをなじり始めた。卒業式を1か月後に控えたクラスは崩壊した。
自分を守っただけ。私は悪くない。
だから誰も受験しないこの高校に入った。
「もう一度やり直そう。もう失敗はできない。あんなの二度とごめんだ。」
バスの中でも見かけたが、クラス分けを見たとき愕然とした。知っている名前“あいつ”の名前がある。やっぱりそうか。
「堀北鈴音」
私の中学はいわゆるマンモス校だった。彼女とは一度も同じクラスにはなっていない。でも、友達からその名前をよく聞かされた。「つんつんしている」「何様だと思っているのか」「孤立していていい気味」評判は良くなかった。気になって調べてみると、成績はトップクラス。運動面も優れていることが分かった。そんな奴が同じ高校、しかも同じクラスにいる。私の失敗を知っているかもしれない。それだけで、憂鬱になった。
席順を見ると、堀北は一番後ろ、窓際から2番目の列。有栖は窓際の後ろから2番目だ。私の席を確認し、バッグを置いた。
「おはよう」と笑顔で周りに声をかけた。しばらくすると堀北が教室に入ってきた。隣席の男子と有栖が堀北に挨拶しているようだが、険悪な雰囲気だ。担任の先生が入ってきて、この高校のシステムの話をしたあと、入学式まで時間があるということで、一人の男子が自己紹介をしようと提案した。
「ここにいる皆さん全員と仲良くなりたいと思います。ぜひ、連絡先を教えてくださいね。」と自身最高の笑顔でいうと、あちらこちらから声が上がった。人気者になる第1歩は成功した。
時間があると、連絡先交換のため声をかけた。誰も抵抗なく教えてくれた。1日目で約半分の生徒と交換できた。有栖の姿が見えなかったのが少し残念だ。
2日目の朝、学校につくと職員室の方から歩いてくる有栖とあった。歩き方が少しおかしい。
「おはよう、有栖」と声をかけると
「おはようございます。桔梗」と返ってきた。そこで有栖と目があった。「何、この子の目」常に人の目を気にし、行動を観察し、機嫌を取り続けてきた私にはわかる
「この子、普通じゃない。これはやばい奴の目だ」
「どうかされましたか」と笑顔で聞く有栖の声にはっとし、
「有栖、なんか歩き方がおかしいよ」とはぐらかした。部屋でヨガをしていて股関節を痛めらしいが、そんなことはどうでもよかった。『有栖の目』、いままで感じたことのない違和感と身震いするほどの恐怖。勘違いや見間違いではない。頭に焼き付いた『有栖の目』の記憶を拭い去ることに集中した。
有栖とは仲良くしたいけど。。あの目は「怖い」という意識が植えつけられました。
この伏線をどう回収しようか、考え中。楽しみにしてください。
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