※この作品はR-18です。

ようこそ有栖と清隆の教室へ   作:愛奴

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いよいよ宝石試験の根幹が解き明かされます。

カギは50音?とれとも・・・


80. 法則看破

有栖Side

 

 

船上試験の説明を受けた後、私と清隆、由佳の3人でねぐらの船室に集まり、試験のことを話している。3人とも下着1枚のラフな格好で、ベッドに寝転んでいる。たまに由佳が清隆に乗っかかり、おっぱいを擦り付けに行くのを、引きはがしにいく。

 

「8グループか。」

「はい。各グループには各クラスから、3,4人で、1グループ14,5人です。」

「お姉さまがガーネット。清隆君はエメラルド。で、私がペリドットグループです。」

「もうすぐ櫛田から全グループのメンバーリストが送られてくる。」

櫛田のネットワークを使えば造作もないことだろう。すぐにメール着信の音がして、清隆がそれを確認した。

「おお、ダイヤモンドグループのメンバーがすごいぞ。」

清隆の端末を届いた櫛田からのメールを二人で見た。

「すごいですね。葛城、神室。神崎、一之瀬。龍園、金田。そして櫛田、平田。各クラスのリーダーと参謀が固まっていますね。」

 

「すこしシミューションしてみるか。」

「結果1はクラスポイントは動きませんが、プライベートポイントが莫大です。」

「一人50万ポイント。1クラス30人だから、1500万ポイント。それに優待者が2人だろうから、1クラス1700万ポイントか。」

「公平に機会が与えられるはずだからということで、2人なんですか?」

由佳の質問に、清隆が頷く。

「結果2もクラスポイントは動きませんが、優待者のみプライベートポイントをもらえます。」

「これだと、ひとクラス200万か。随分と違うな。」

「結果3,4だと、クラスポイントが50上下します。プライベートポイントは当てた生徒に50万、優待者には100万ポイントです。」

「Dクラスの生徒が、自分のクラス以外の生徒が優待者のグループを結果3で終わらせると?」

「その場合、6グループですから、クラスポイントは300増加。当てた生徒に50万ずつで計300万。」

清隆の質問に由佳がすらすらと答える。数字にはめっぽう強いので、任せていられる。

「当然、当てられた優待者の所属クラスは50ポイント下がりますので、2グループで100ポイント減少しますね。」

「オレ達のDクラスは850ポイントになるか。Cクラスに昇格するな。」

 

「はい。それに加え、残り、2グループを結果4で終わらせると、クラスポイントで100追加、おそらく神室のAクラスが射程に入ります。プライベートポイントで100万追加ですね。」

私が言うと由佳から当然の質問が出る。

「それって、そのグループに間違った優待者を報告させることですよね。それって無理じゃ」

「あぁ、これをやるなら櫛田を使う。弱みの一つや二つは握っているはずだ。」

 

「何かの弱みでもって、報告させて・・あとはプライベートポイントを与えておけば・・」

「由佳の思う通りよ。」

なかなか仲間として頼もしい限りだ。

 

「400ポイント、この程度か・・クラスポイントとプライベートポイント・・さてどうするかな」

 

ひとしきり、シミュレーションをしても、清隆の表情が硬いままだ。

 

 

「それにしても宝石かぁ。なんだか違和感があるな。」

 

「清隆、どうかしました?」

「サファイヤやオパールと言った、もっとメジャーな宝石が入ってない。アメジスト、ペリドットって一般的か?」

「いわれてみればそうですね。」

「どうしてこれらを選んだのか?この宝石を選んだ基準があると思うんだが・・・なんだ」

清隆が腕を組み天井を見上げ、ブツブツつぶやく。

 

「化学式・・モース硬度・・単価・・産地・・」

 

「あっ」

 

由佳が何かをひらめいたようだ

「由佳、何かわかりましたか?」

「8つなので、意識できませんでしたが、これ、誕生石ですね。」

「誕生石?なんだそれ?」

清隆には誕生石がわからない。

「その石を身に着けると運気が上がるという宝石が各月ごとに決められているというものです。清隆は10月生まれですから、オパールが誕生石ですね。」

「なるほど。じゃ、この8つは1月から8月の誕生石ということか。」

「はい、1月のガーネットから8月のペリドットまで、すべてそろっています。」

「なるほど、“順番”があるんだな。」

 

端末の画面では3人で検討できないので、各グループのメンバーを紙に書き起こし、テーブルに並べた。

 

「今日はここまでだな。明日、8時に優待者を知らせるメールが届く。その前に、ここに集まろう。」

 

 

次の日の朝、同じように集まった。ちょうど8時に優待者を知らせるメールが届いた。

 

「あ、私、優待者です。」

「清隆、私もです。」

「オレは外れた。」

3人でメールを見せ合う。

「文面は同じですね。」

「あぁ。でも、この「厳選なる調整の結果」っておかしくないか?」

「ふつうは「厳選なる抽選の結果」です。」

私が静かに答えた。

「つまりだ・・・」

「優待者は何らかの法則のもとに決められている。ということですか?清隆君。」

「由佳、その通りだ。」

由佳は本当に頭が切れる。やはり、由佳を仲間に引き込んでよかった。

 

「では、その法則を解明してこの試験の終わらせ方を決めれば終了ですね。」

 

「由佳はBクラスの優待者情報を取ってくれ、オレはDクラスの情報を取る。」

由佳が一之瀬に電話しているそばで、清隆が櫛田にメールを打つ。

 

「わかりました。アメジストグループと私のペリドットグループの二つです。」

「こっちもわかった。パールの堀北。あと、ガーネットに有栖。」

 

「やはり、1クラス2名ずつですね。」

「クラス間の公平性は守られているな。」

 

私は、由佳と清隆からの優待者情報を紙に書き込んだ。グループごとに所属クラスと氏名。そして優待者にはその氏名を丸で囲んだ8枚の紙をテーブルに並べられた。

 

「さあ、優待者の法則を探そうか。絶対にあるはずだ。」

すでに半分の4グループの優待者はわかっている。私も神室にメールを打ったが、返事がない。

 

「難解ですね。」

由佳がつぶやく。清隆も頷いた。

「そういえば、昨日の説明の時、“クラスという垣根を取り除いて”的なことをいっていました。」

「そうだな。一度、所属クラスを消してみよう。」

由佳がペンで、メンバーリストの所属クラスを消していく。

「このままでは、所属クラスのイメージが消えない。有栖、悪いが、もう一度書き直してくれるか。」

「はい。ただ書き直すだけでは、所属クラスのイメージは残りますね。」

「そうだな。ランダムに、いや、五十音順に並べ直そうか。」

「それ、いいですね」

由佳が、各グループのメンバーを五十音順に読み上げ、私が書き取った。

 

 

「こういう暗号的な解読で一番簡単なのは、1月ガーネットの1。2月アメジストの2という感じに、何かの符号が解読の鍵となるものですね。」

多くの推理小説を読んできた。暗号解読は意外と簡単なところにカギがある。ただそれを見つけるのは至難の業だ。

 

「例えば、誕生日順という感じですか?1月は一番早い人が優待者・・あるいは1月生まれの生徒。」

由佳が思い付きを口に出す。

「その調子だ。思いついたことを、出していけば、それがヒントになる可能性もある。」

 

「でも、私の誕生日は3月だし、この男子、私より早い生まれのはず。」

「となると誕生日には関係なさそうですね。」

 

「暗号解読だとABC殺人事件なんかも参考になるかもしれませんね。」

「Aの頭文字の街で、Aのイニシャルの人が殺され、Bの町でBの人が殺される。っていう小説ですね。関連性かぁ・・」

私の言葉に続いて由佳がつぶやく。部屋で私の本を読んでいたりするから、由佳の読書量も多くなっている。

 

「何か法則があるはずだ。」

「1月から8月・・1から8」

 

「まずは有栖が1番、由佳が8番になる何か・・」

 

「五十音順は?」

「“あやせありす”は1番。でも“たちかわゆか”が8番じゃない。“ほりきたすずね”も6番に入らない。」

 

「名前の“ありす”だと、“あすか”に次いで2番。“ゆか”だと11番ね。それにしても由佳のグループ、や行の名前が多いわね。14人中8人が“や行”って・・」

「なにか不自然です。恣意的なものを感じます。」

「ゆうき、ゆうこ、ゆうすけ、ゆうた、ゆか、ゆみ、ゆり、ようこ。で、14人中由佳が11番目か。」

清隆が腕を組んでうなっている。

「あ・・り・・す。あ・・す・・か。」

由佳はぶつぶつ言いながら天井を見ている。それを聞きながら、私はメンバーリストの名前を頭の中でばらばらにして、パズルのように組みあわせる。

 

 

「あ」

 

私と由佳の声が重なった。目を合わせて

 

 

「アルファベット。」

 

「お、来たな。名前をアルファベットで書いたときのABC順か。」

「ARISUでASUKAより先になって、1番。」

「ゆうきはアルファベットでYUKI,ゆうたもYUTAでYUKAよりも後ろになる。YUKAは8番。」

「SUZUNEも6番に入ります。」

 

「決まりだな。」

「決まりですね。」

「決まりました。」

 

さぁ、法則は看破できた。神室から一人だけ優待者の連絡があったが、それも合致した。

 

「じゃ、その法則で、全部のグループの優待者を書き出そう。」

「で、ダイヤモンドは・・・」

 

『龍園』3人の声が重なった。

 

「面白くなる。」

 

「さて、由佳、昨日も話したが、この試験の落としどころをどうするか?」

したり顔で清隆が由佳に質問する。

 

「そうですね。全クラスを巻き込んで、結果1をめざす。ですかね?」

「クラスポイントに変化はないぞ。」

 

「はい。そこそこDクラスのクラスポイントも上がってきていますし、ここまで大量のプライベートポイントが確保できる機会もないかと。」

 

「清隆、それでいいですね?」

 

「あぁ、これでいこう。おそらく、CクラスとAクラスは反対する。反対されたら結果3で終わらせる。Bは由佳がコントロールしなくても、クラスポイントに余裕があるから乗ってくるはずだ」

 

「有栖、契約書を作ってくれ。由佳は、それを見て勉強だ。オレは櫛田と話してくる。」

 

 

開始早々に3人によって、この試験は弄ばれることになった。最終結果と、大量のプライベートポイントの行方はどうなるのか・・

 




さえわたる3人。

どういう法則にしようかと迷いましたが、アルファベットで並べてみました。

さて、この法則でもってこの宝石試験が終局を迎えます。

乞うご期待
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