※この作品はR-18です。

ようこそ有栖と清隆の教室へ   作:愛奴

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夏休みが終わる前に、息抜き。

3人の女子学生の小話です。この夏までに、また、この夏に彼女たちは何を思い、何を決心するのか。

堀北鈴音 「大きな過ち」
白波千尋 「私の女神様」
軽井沢恵 「セックスしたい」





小休止2
88. 女子学生たちの夏


堀北鈴音 「大きな過ち」

 

 

こんなはずじゃなかった。

 

私は兄の後を追うように、ここ、高度育成高校に入学した。

 

私は出来る。きっと兄に追いつく。そのことだけを思っていた。でも、いまだに何もなしえていない。

 

兄に、信頼できる仲間を作れ、それが自分の成長につながるとアドバイスされた。さらにクラスメートである綾小路君と綾瀬さんを名指しで、彼らなら力があると言われた。確かにあの二人は特別だ。入試や小テストでの点数合わせを聞いたときは驚いた。

綾小路君は私の隣席だ。入学当初、あいさつ位はしていたが、5月に入ったころから、あいさつすらしなくなった。当時、私は「一人で何でもなしえる」。いや、「一人でなしえなきゃならない」と考えていて、彼らから差し伸べられていた手を何度も振り払ったからだ。

謝罪することも、歩み寄ることもできず2学期が始まろうとしている。

 

もう一つ、私の心を波立たせることがある。櫛田桔梗。

 

私は覚えている。彼女とは同じ中学だ。一度も同じクラスにはならなかったけど、彼女は気付いているのだろうか?すごく目立つ子だった。明るく、いつもみんなの輪の中心にいる超人気者だった。成績は上の方だった気がする。そんな彼女のクラスが卒業を控えた3年の2月、崩壊した。原因が何だったのか聞かされなかった。でも、とあるところから信憑性の高い情報が届いた。

「櫛田桔梗、承認欲求、裏アカウント、秘密暴露」

これらの言葉を繋ぎ合わせ、だいたい何が起きたのかを理解した。

 

そんな彼女が中間テスト前からクラスの中で目立ち始めた。勉強会、過去問の展開とみんなの役に立つことを率先して行動した。自分から言い出したことではなく、中間テストが終わると、皆が彼女をリーダーと呼ぶようになった。

私も勉強会で彼女に言われ、二人の生徒を担当したが、失敗し、二人とも赤点となってしまった。退学処分を櫛田さんが救済し、これが最後の引き金となり、リーダーに押し上げられたのだ。まるで絵に描かれたような展開だった。私には過去問が共有されなかった。

 

「誰も教えてくれる人がいなかったのね。」

 

綾瀬さんが私に聞こえる程度の声でつぶやいたのを聞き逃さなかった。

 

嵌められた

 

私の頭がそう判断した。二人の退学、一人の救済、すべてのシナリオが準備されていたんだろう。おそらく描いたのは綾小路君か綾瀬さん。でも、櫛田さんとのつながりが分からない。どこかで繋がっているはずだけど、そんなそぶりが見えなかった。

 

期末テストを終え、夏休みになると豪華客船に乗ってバカンスと聞かされていたが、いきなり無人島でサバイバル試験があった。体調がすぐれないまま参加を余儀なくされた。そこでも櫛田さんはリーダーシップを発揮し、ますますリーダーとして地位を固めていった。

一方私は、体調の悪さもあったが、結局何もできなかった。いや、何もさせてもらえなかった。櫛田さんからの役割分担にしても私は「どこかのグループに属する」程度だった。それとなく櫛田さんに「協力する」と伝えてはいたが、「体調悪そう。まずは無理しないで」と言われた。本心なのか、それとも私を除外しようとしているのか分からなかった。

 

船に戻ってすぐ、宝石試験が始まった。この試験の肝は優待者の扱いだ。私は運よく?優待者になった。優待者の選定に何らかの決まりがあると予想し、熟考し始めたところで、試験は終わってしまった。いや終わったのではない、櫛田さんの働きによって何できなくなったのだ。

 

二つの試験で、私達Dクラスは大勝した。櫛田さんがみんなに称えられている。承認欲求お化けがその称賛に酔っているように見えた。

 

船を降りてから、私は寮に引きこもった。特に予定もなく、誰かに誘われてもいない。すべての時間を使ってこれまでの流れを見直した。

 

 

たどり着いた答えがこれだ。櫛田さんは危ない。何かの拍子に中学で起きた学級崩壊が起きる可能性がある。このままではクラスは崩壊する。何とか引きずりおろさないと

 

 

クラスが低迷している内に、何とか櫛田さんをリーダーから降ろして・・・

 

降ろした立役者として私がみんなの前に立つ・・・

 

やっと、私がリーダーになれる・・・

 

――――――――――――――――――

 

白波千尋 「私の女神様」

 

 

入学式の日、校門をくぐり、みんなの集まっている掲示版を見るとBクラスということだった。私は一人でBクラスの教室に向かった。

後ろから「おはよう」「よろしくね」と声が聞こえ、その声がだんだんと大きくなって、私にも掛けられた

「おはよう」

その声の主をフッと見て、私の頭は白くなった。

 

「女神様?」

 

 

ストロベリーブロンドの特徴のある髪の毛をなびかせながら、足早に過ぎ去った。周りをよく見るとほんとに可愛い人が多い。でも、彼女の走り去る姿だけは光って見えた。

 

教室に入ると、既にクラスメートたちがわいわいと話している。自分の席を見つけ、カバンを横にかけて、教室内を見渡した。

 

 

あのストロベリーブロンドの彼女がいた。そこだけ光が差しているように見えた。すでにクラスメートたちに囲まれている。今はとてもじゃないけど近寄れない。

 

担任の星之宮先生がこの学校のシステムについて説明をするが、全く耳に入ってこない。入学式までの時間、自己紹介をすることになった。

 

「あ、白波千尋と言います。特に趣味はありませんが・・・」

自己紹介はまずまず上手くいった。そして彼女の番だ。

 

「一之瀬帆波」

 

彼女の名前だ。自己紹介が終わると、すぐに彼女の席に行った。

 

「い、一之瀬さん・・わ。私、白波と言います。わ、私と友達になってください。」

 

入試よりも緊張した。私は握手のための右手を差し出すと

 

「にゃはぁ・・一緒のクラスだし、握手なんて・・・うん、友達になろう。帆波でいいよ。」

「あ、千尋と呼んでください。」

 

うれしい。

 

その時から、私は心に誓った。

 

「すべては女神様のために」

 

女神様が委員長としてBクラスをまとめることになった。クラス預金を始めると言った時も率先して皆を賛成するように働きかけた。女神様のそばで彼女のために動くことが生きがいとなった。生徒会に入れなくてしょげている時には、直談判しようと生徒会室に行った。これは何もできなかったけど、女神様のために私は何かしたかった。彼女の特別になりたかった。

 

でも、女神様は私を見てくれない・・・

 

声もかけてくれるし、お買い物なんかに誘えば一緒に行ってくれる。お昼も一緒に食べることが多い。

 

でも、その目に私は映っていない。

 

そう、女神さまの目には同じクラスの「立川由佳」しか映っていない。これが始まったのは4月の中旬頃、立川さんの雰囲気が変わったころからだ。それまでも気にしているそぶりはあった。でもその時期からあからさまになった。女神さまは立川さんに魅入られたようになってしまった。そんなことに誰も気にかけていないし、女神さまが立川さんにご執心だと気が付いていない。なぜなら、女神様は、みんなに分け隔てなく声をかけ、笑顔を送っていた。

 

立川さん。一体何しているんだろう。Dクラスの綾瀬さんと仲がよく、二人でいると花が咲いたように雰囲気が和らぐ。女神様は遠くからその光景を眺め、頬を赤らめていることがある。休日に誰かとお出かけしたという話は聞いたことがない。もっぱら綾瀬さんと二人で過ごしているのだろうか、スーパーで食材を一緒に買い出ししている姿を見たという生徒もいる。

 

7月になると女神様が委員長を退くことになった。私は、いや、私だけが最後の最後まで納得しなかった。でも、生徒会に入れるようになったと聞いて、賛成せざるを得なかった。どうやら立川さんが強く影響しているらしいと噂が広がった。

 

でも、その後の女神様は何か憑りつかれていたものが落ちたように、柔らかな笑顔でリラックスしていることが多くなった。

「何があったの?」

「そんなに生徒会がいいの?」

疑問が増えた。でも女神様を恨むことはできない。実際、女子の間では、やはり神崎君よりも女神様が委員長の方がいい、その方が尽くし甲斐があるという人も多い。

 

さらに無人島試験の4日目から女神様が少しおかしくなった。みんなに気づかれないようにしているが、私にはわかる。昨夜、何かあったんだ。多分立川さんに関係している。彼女が夜、「ベースキャンプを抜け出したこと」は気が付いている。1時間くらいで戻ってきた。そのことに関係しているはずだ。立川さんを避けていたと思ったら、今度はべったりになったり、すこし間を取るような態度になったり・・だんだんと女神様が「人」になってきている。

 

船に戻ると、立川さんは姿を消した。どこに行ってしまったのか?食事時にレストランで見かけることもあったが、だいたい、綾瀬さんとその彼氏の綾小路君?と一緒だ。

一方女神様は浮かない表情でいることが多かった。

 

船から降りて、ようやく夏休みだ。その期間を利用して、寮でいろんなことを考えた。入学時から書き記してきた女神様日記を読み返し、これまでの出来事を復習する。

 

立川さんは女神様の心をかき乱すことが多い。

 

神崎君は委員長の器じゃない。

 

女神様が単なる女になりかねない。

 

 

立川さんがいなくなれば・・・女神様らしくいられるはずだ。

 

 

きっとそうだ。

 

――――――――――――――――――

 

軽井沢恵 「セックスしたい」

 

 

中学3年生の夏前ごろからクラスで「空気」とされた。仲良かった友達がいじめにあっているのを見過ごせなかった。クラスで一人だけ彼女をかばった。でもその後から、標的が私に移った。最初は男子数人だったけど、すぐにクラス全体に行き渡った。仲の良かったその子も加担した。毎日毎日無視され続けた。かと思うと、持ち物や机に落書きされたり、荷物がすべてなくなるってことも日常茶飯事だった。トイレで水を浴びせられたことも1度や2度じゃない。体操服は破かれ、教科書やノートはゴミ箱に捨てられた。裸に剥かれ踊らされたこともある

 

心が折れそうになった時、二人の男子に呼び出され、校舎裏で犯された。

 

初めてだったのに・・

 

それから毎日のように呼び出され、犯され続けた。昼間は空気の様に全員から無視されたり、過度ないたずらや意地悪をされたりして、誰とも口を利くことはなかった。そして夕方からは犯された。もう心は死んでいたのだろう。夕方から犯されているときの方がいいと思うようになった。少なくともこいつらは私の存在を認めてくれている。性欲のはけ口あろうが、ダッチワイフであろうが、私にとっては唯一相手をしてくれる人間たち。そう思うようにさえなってしまった。

 

寒くなるころから、その中に高校生が加わり、大学生も加わった。ある時、犯されてぐったりとしているときに、ちくりと首に痛みを覚えた。

 

その後、気が付いたのはとある施設のベッドの上だった。裸に剥かれ毛布を掛けられていた。下腹部がひりひりする。そっと毛布をめくって、愕然とした。

 

 

「終わった。」

 

 

赤くなって少し腫れた中に黒い“あのマーク”が書かれていた。何とか自宅に帰り、無駄だと思いながらもお風呂に入って擦った。今までも「肉便器」「公衆便所」と背中やお尻に落書きされたことはあった。でも、お風呂でこすったり、クレンジング液で拭うと消すことができた。でも今回は違うことはわかっていた。私を犯した大学生は肩にどくろの入れ墨を入れていた。これも入れ墨だろう。涙が止まらなかった。まさに絶望した。

 

それからは呼び出しがあると複数人でかわるがわる私を蹂躙した。妊娠しないようピルを渡され、それを服用するようになった。そうなると全員が生で入れて、そのまま私の膣内に射精した。

 

そのうち、私の身体に変化が起きてきた。犯されながらも快感を覚え始めていた。隠しても隠しきれるものではなく、身体の反応でばれてしまった。

 

「軽井沢、気持ちいいのか。」

「こいつ、犯されてるのに感じてやがるぜ。」

 

最初は嫌だったけど、セックスの快感を覚えた後は夕方が待ち遠しくなった。ただ辛そうな面構えで呼び出された場所に向かう。乱暴に制服をはぎ取られ、ちんちんを舐めさせられたりした後は、私の中に入ってくる。その頃になると、顔は蕩け、欲情した女の表情になってしまう。快感を追い求め腰が勝手にうねるように動いてしまう。

 

 

「あぁ、気持ちいい。セックスっていい。このままずっと・・」

 

 

でも、私が公衆便所の様に毎日、男の精液を浴びせられているという噂はすぐに広まった。女子からは白い目で見られ、男子からは好色そうな目で見られた。空気扱いには慣れていたけど、そんな視線が私を突き刺してきて、昼間の私はますます委縮した。その反動が夕方からの時間に解放される。自分からは何も要求しない。ただ男の好き放題にさせている。そして私は気持ちよくなって快感に酔っていた。男たちにとっては女を感じさせる練習と女子中学生とセックスする満足感を得るため。私は、セックスの快感に酔うための時間だった。

 

 

でも、そんな生活はだめだと自分に言い聞かせ、全寮制で私のことを知る生徒のいない学校に進学した。髪の毛も金髪に染め、化粧を覚えた。高校デビューとわかる生徒はいない。だったら、いつも中心にいるような、いわゆる陽キャを装おう。そして早く私を守ってくれる男子を見つけよう。

 

この入れ墨は絶対に誰にも見られたくない。もしばれたら、いったい何をしていたのかと思われ、幻滅されるにきまっている。だから、好きな人ができてもセックスできないんだ。

 

平田君に彼氏のふりを頼んだけど、宝石試験の時、彼との行き違いでそれは解消した。その時、クラスでは全く目立たない綾小路君が、手駒になれば私を守ってくれると約束してくれた。

 

船室に連れられていくと、綾小路君の彼女の有栖となぜかBクラスの立川さんがいた。お化粧で隠せることを説明してもらった。自分で試したことあるけど、うまく隠せなかった。有栖にしてもらって驚いた。全く見えなくなっているし、化粧もうまくなじんでいる。教えてもらった通り、今練習しているところだ。

 

有栖と立川さん、綾小路君とセックスしてるんだ。

 

いいなぁ

 

入学以来、セックス漬けの生活からは離れている。もう5か月間していない。あの入れ墨の所為で諦めていた。有栖にお腹を触られたとき、ぞくっとした。奥底にしまいこんでいたセックスの快感が呼び起こされてしまった。化粧しながらお腹の入れ墨を優しく触られていると、快感が身体を走り抜ける。だんだんとまんこあたりが濡れてきている自覚があった。

 

「さっきから濡れてるでしょ」

 

有栖に言われたとき恥ずかしかった。多分あの特有の匂いで感づかれたんだろう。

 

オナニーはしない。男のちんちんが入っているの比べると、全く違うし、私はセックスしたいだけ。オナニーしてもその性欲は全く変化しない。ただの時間つぶしでしかない。

 

あぁ、久しぶりにセックスしたい。ちんちん入れて欲しい。

 

 

入れ墨という秘密を知られるのが怖くて、諦めていた。

でも、綾小路君達にはもう知られている。

 

 

つまり・・・綾小路君となら・・・

 

 

有栖にお願いすれば・・・

 




お楽しみいただけたでしょうか?

この先この3人の決意がどう働くのか

次回から。2学期が始まります。

プライベートで年度末攻勢が激しくなってます。2週ごとの更新で進められればと思います。
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